1 約1年の取引中断期間が存在した事案において、取引全体が1つの基本契約に基づくことを認定し、充当合意の存在を認めて一連計算を肯定。 2 悪意の受益者の過払金に対する法定利息についても、過払金とともに充当合意によりその後に生じた新たな貸付金に充当される 裁判所 東京高等裁判所第7民事部 市村陽典、團藤丈士、菅家忠行 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)4月26日 事件番号 平成23年(ネ)第8109号 平成24年(ネ)第974号 事件名 過払金返還等請求控訴事件、同附帯控訴事件 業者名等 アコム(株) 問合先 付岡透弁護士 03(5919)4665 本件は、基本契約に基づく取引において […]
外国為替証拠金取引業者が証拠金として集めた証拠金を関連会社に流し、役員報酬などに費消し、代表者の先物取引に用いるなどしていたとして、外国為替証拠金取引業者及び資金流出先関連会社の役員らに対して損害賠償を命じた事例 裁判所 東京地方裁判所民事第43部 萩原秀紀、鎌野真敬、手塚隆成 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)2月24日 事件番号 平成22年(ワ)第3424号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 リベラインベスティメント(株)役員ら 問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 外国為替証拠金取引業者の破産記録から、FXの証拠金として集められた証拠金が、関連会社に流され、役員報 […]
無担保取引から不動産担保取引に同日切替がなされた事案。両取引の連続性を否定した1審判決を覆し、不動産担保ローン及び根抵当権設定の契約締結は、借増しのため不動産担保を設定したものにすぎず、借増しの前後で消費貸借取引の実体に変化はなく、無担保取引と不動産担保取引は事実上1個の連続した貸付取引と評価でき、充当合意が存在すとして、一連計算を認めた 裁判所 名古屋高等裁判所金沢支部第1部 山本博、佐野信、浅岡千香子 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)1月30日 事件番号 平成23年(ネ)第260号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 荒木実弁護士 076(262 […]
利息制限法所定の制限利率で引き直した計算結果と和解内容とが著しく乖離しており、これが被告(貸金業者)に起因する事情に基づくものであって、原告(借主)にはその認識がなかったといえることから、法律行為の要素に錯誤があり、かつ、それは表示されているというべきであるから、和解契約は錯誤により無効であるとして、過払金の支払いを命じた判決 裁判所 大分地方裁判所民事第2部 今井弘晃 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)3月23日 事件番号 平成22年(ワ)第804号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 アコム(株) 問合先 巨瀬慧人弁護士 097(533)6543 原被告間では、1983年から […]
借主が約定残債務額を一括返済する内容の和解契約を締結した際に、貸金業者において取引履歴を開示しておらず約定残債務額を告げたのみで、制限超過利息を元金に充当した結果も借主に告げていない事案について、仮に過払金返還債務等があったとしても放棄する旨の条項を含む訴外和解契約につき、錯誤無効を認め、貸金業者は過払金返還請求を拒むことはできないとした裁判例 裁判所 三島簡易裁判所 瀧田隆 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)12月22日 事件番号 平成23年(ハ)第54号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 富士和光商事(株) 問合先 髙木登弁護士 055(931)1134 本件では、原告の一 […]
借換え部分については、第1取引によって生じた過払金を第2取引の借入金債務に充当する合意があったと推認され、借換え部分についてのみかかる合意があるとみるのは不自然であり、合意の効力は第2取引の借入金債務全体に及ぶ裁判所 大阪高等裁判所第10民事部赤西芳文、片岡勝行、山口芳子判決・和解・決定日 2012年(平成24年)3月23日事件番号 平成23年(ネ)第3043号事件名 不当利得金返還請求控訴事件業者名等 アコム(株)問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312 大審院及び最高裁が準消費貸借契約について一貫して有効な旧債務の限度でのみ新債務の発生を認めてきたため、実務は借換えを混合契約説によっ […]
不動産担保取引は、無担保貸取引の借換え及び貸増しとして行われたから、過払金充当合意が推認される。両取引の契約内容、取引形態、契約条件が異なっていることを考慮してもなお、過払金充当合意が推認される 裁判所 大阪高等裁判所第4民事部 八木良一、比嘉一美、遠藤俊郎 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)3月16日 事件番号 平成23年(ネ)第3386号 事件名 不当利得金返還請求控訴事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312 大阪地判平23・10・24の控訴審判決(前号掲載)。複数取引間の充当計算が問題となる場合、中断事案と併存事案がある。中断事案では「事実 […]
リボルビング方式における「各回の返済金額」の確定的記載に準ずる記載は、各回の返済金額が約定残高に応じて変動する場合(残高スライド)は各回の返済期日ごとの返済額の具体的記載を要すると解すべきであるから、アコムが平成10年から改定した(最高裁平成23年12月15日判決で平成13年11月から行っているとされた)17条書面の記載も確定的記載に準ずる記載とは認められない裁判所 東京地方裁判所民事第49部 本多知成判決・和解・決定日 2012年(平成24年)4月20日事件番号 平成23年(ワ)第26944号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 アコム(株)問合先 伊東良德弁護士 03(3291)0807 […]
従前の取引にみなし弁済が成立しないことを知っていたか、知らないことに過失があるから、改定17条書面に正確な記載をしなくともみなし弁済の成立が否定されないとの認識を有するに至ったことはやむを得ないということはできない裁判所 大阪高等裁判所第13民事部紙浦健二、神山隆一、堀内有子判決・和解・決定日 2012年(平成24年)2月2日事件番号 平成23年(ネ)第3144号事件名 不当利得金返還等請求控訴事件業者名等 アコム(株)問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312 改定17条書面交付開始時に過払金が存在していた場合、確定的に悪意の受益者である(最判平23・12・1)。では、開始時に過払金が存 […]
平成18年1月13日以降、二度にわたり改訂された期限の利益喪失特約の下での支払について、いずれも「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできないとし、みなし弁済の成立を否定した控訴審判決。上告審でも維持裁判所 岡山地方裁判所第1民事部山口浩司、世森亮次、琴岡佳美判決・和解・決定日 2011年(平成23年)12月20日事件番号平成23年(レ)第195号、同第221号事件名 不当利得返還請求控訴、同附帯控訴事件業者名等 (株)エイワ問合先 司法書士法人備中サポートセンター086(460)3456裁判所 広島高等裁判所第4部宇田川基、近下秀明、松葉佐隆之判決・和解・決定日 2012年(平 […]
①貸金業法43条1項の適否は、争いの目的である事項の前提となるにすぎないから、錯誤無効の主張は和解の確定効に抵触しない。②仮に、借主が過払の可能性を認識していれば、和解契約を締結することはなく、被告(貸金業者)においてもその動機を認識していた。以上より、貸金業法43条1項の適否について要素の錯誤があったというべきであり、和解契約は錯誤無効となる 裁判所 東京地方裁判所民事第42部 井出弘隆 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)4月26日 事件番号 平成23年(ワ)第25740号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 磯孝幸弁護士 03(5818)3095 本判 […]
過払金返還請求権の消滅時効については、特段の事情がない限り、取引の終了時点から進行するとされる。特段の事情が認められるためには、貸付停止の措置が採られたというだけではなく、それを借主が認識したことが必要であるが借主は本件措置のことを知らずに取引を継続させているものと認められるから、特段の事情はない 裁判所 福岡高等裁判所第4民事部 廣田民生、高橋亮介、佐々木信俊 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)4月20日 事件番号 平成24年(ネ)第99号 事件名 過払金返還請求控訴事件 業者名等 (株)しんわ 問合先 湯川優子弁護士 0957(22)8100 本件では、しんわは、与信額を0円に設 […]
貸付停止措置により新たな借入が見込まれなくなり、かかる事情は平成21年1月22日最高裁判決にいう「特段の事情」にあたるから、過払金返還請求権はその発生時点から消滅時効が個別に進行を開始する、旨の貸金業者側の主張を排斥した判決です。このような主張は最近、本件の被告であるしんわだけでなくアコム等もたびたびしてくるようになっていますので、注意が必要です 裁判所 長崎地方裁判所民事部 葛西功洋 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)3月16日 事件番号 平成23年(ワ)第640号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 (株)しんわ 問合先 福田大志弁護士 0954(27)8056 被告であるし […]
本件は、最後の弁済を、平成12年11月27日に行い約定債務は完済し、取引履歴にも「解約」の記載がある原告について、平成23年7月に提訴し、時効の起算点が争点となったところ、平成12年11月27日には基本契約は解約されていないと事実認定され、よって被告アコムの消滅時効の抗弁の主張は失当であると判示された事案である 裁判所 横浜地方裁判所第2民事部 内田貴文 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)2月1日 事件番号 平成23年(ワ)第3882号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 アコム(株) 問合先 杉山程彦弁護士 046(825)9590 本件は、訴え提起時に、最後の弁済から10年を […]
劇場型社債詐欺商法の発行会社の役員らについて、代表者の加担の有無、その他役員らの監視監督の可能性、辞任の外観は虚偽のものか、という争点について詳細な事実認定及び説得的な理由を付して、いずれも被害者の主張を認めて損害賠償を命じた事例 裁判所 東京地方裁判所民事第10部 垣内正 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)12月21日 事件番号 平成22年(ワ)第10241号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 (株)エスジーエス役員ら 問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 本件は、劇場型社債販売商法について、発行会社の役員らの責任を問うものであるが、多くの参考になると思われる判示があ […]
買取仮装型劇場型未公開株詐欺事案で、未公開株発行会社(被告)が被害者(原告)との間で作成した執行受諾文言付公正証書に基づき、預金債権に対する差押えを行ってきた事案。判決は、買取仮装業者(B)から原告に対する詐欺を認め、Bを第三者とし、発行会社を悪意とする第三者詐欺(民法96条2項)に基づく取消を認め、請求異議(上記公正証書の執行力の排除)を認めた事案 裁判所 東京地方裁判所立川支部民事第1部 若松光晴 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)3月22日 事件番号 平成23年(ワ)第1387号 事件名 請求異議事件 業者名等 (株)未来ねっと 問合先 浅井淳子弁護士 03(3501)3600 […]
未公開株商法についての関与を否認する発行会社及びその取締役に対して賠償責任を認めた高裁裁判例 裁判所 東京高等裁判所第11民事部 岡久幸治、三代川俊一郎、杉原則彦 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)2月29日 事件番号 平成23年(ネ)第1819号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 (株)健康堂(旧商号:(株)H4O) 問合先 太田賢志弁護士 03(3501)3600 発行会社が会社ぐるみで未公開株商法を行っていたと認定した原判決に対して、発行会社による株式譲渡はベンチャーキャピタルからの融資を目的とするものであって正当なものであり、未公開株商法への関与は社員1人が独断で行って […]
CFJが17条書面を改訂した平成16年10月当時残債務があり、その後過払金が発生した場合について、同月以降も利息制限法で引き直した金額と異なる金額が17条書面に記載されている誤りがあり、みなし弁済の適用があるとの認識を有することにつき平成19年判決の判示する特段の事情があるとは言えないから、同年10月以降も含め悪意の受益者であると推定される 裁判所 東京地方裁判所民事第13部 上田哲 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)3月22日 事件番号 平成23年(ワ)第19143号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 手塚富士雄弁護士 03(5802)7802 平成2 […]
76歳と高齢の女性に対し、リスクが相当程度高い投資信託について、合計1200万円を超える投資を勧めたのは不相当であるとして、適合性原則違反を認めた事例(過失相殺4割) 裁判所 横浜地方裁判所第4民事部 鶴岡稔彦 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)1月25日 事件番号 平成22年(ワ)第4696号 事件名 損害賠償反訴請求事件 業者名等 東海東京証券(株) 問合先 西本暁弁護士 045(663)6933 まず、判決は、原告の属性につき、過去に外国債券や投資信託の投資経験があり、資産も相当程度有していたとした。また、問題となった投資信託(ブラックロック天然資源株ファンド)は「かなりのリス […]
自宅に設置されている電動シャッターの誤作動により右手を挟まれ、右上肢反射性交換神経性ジストロフィー(CRPSタイプⅠ)に罹患した原告が、「安全装置の死角」という設計上の欠陥を指摘して、約7900万円の損害賠償を請求した事案において、メーカーが責任を認め、7000万円の賠償義務を認めて和解した事例 裁判所 大阪地方裁判所第19民事部 中村也寸志、濵本章子、近江弘行 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)12月16日 事件番号 平成20年(ワ)第16685号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 文化シヤッター(株) 問合先 三浦直樹弁護士 06(4800)3277 争点は、①欠陥論と②損害論 […]