未公開株商法の発行会社の共同不法行為責任および発行会社取締役の対第三者責任を認容した原審の判断を維持した事例(№1717の控訴審判決)裁判所 東京高等裁判所民事第15民事部井上繁規、笠井勝彦、菅野正二朗判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月14日事件番号 平成23年(ネ)第3459号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 (株)松村テクノロジー、外問合先 中村昌典弁護士 03(5919)0745 No.1717の控訴審判決である。原判決を不服とした発行会社らが控訴した。控訴審判決は、松村テクノロジーは、販売会社の財務状況や出資金を調査すれば、違法行為を行っていることは容易に認識し得たな […]
未公開株商法の発行会社の共同不法行為責任および発行会社取締役の対第三者責任が認容された事例 裁判所 東京地方裁判所民事第39部 小池晴彦 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)4月14日 事件番号 平成21年(ワ)第47730号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 (株)松村テクノロジー、外 問合先 中村昌典弁護士 03(5919)0745 (株)松村テクノロジーの未公開株につき、証券業無登録の販売会社である(株)アイディ・ジャパンが、投資事業組合形式で、一般投資家を勧誘したものであり、原告は販売会社からこれを購入させられた被害者である。 本件は、発行会社が販売会社(投資事業有限責任組合 […]
無担保取引から不動産担保取引に同日切り替えた事案(いわゆる不動産担保切替事案)について、両取引は事実上1個の連続した貸付取引であると認定し、CFJに対する一連計算に基づく過払金返還請求を認めた裁判例 裁判所 仙台高等裁判所第3民事部 石原直樹、瀬戸口壯夫、中島朋宏 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月13日 事件番号 平成23年(ネ)第128号 事件名 不当利得金返還請求控訴事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 髙橋和聖弁護士 022(223)3711 本判決は、いわゆる不動産担保切替事案において、無担保取引と不動産担保取引が間断なく連続していること、不動産担保取引は専ら他の債務 […]
本件は、被控訴人が輸入販売する犬のリードのブレーキ機能に欠陥があったことにより、控訴人の愛犬タロウ号が傷害を負い、控訴人が損害を被ったとして、控訴人が被控訴人に対して、製造物責任法3条に基づき損害賠償を請求した事案において、名古屋高等裁判所は、原告敗訴の一審判決を覆し、被控訴人に損害賠償及び慰謝料の支払いを命じた事案である裁判所 名古屋高等裁判所民事第4部渡辺修明、嶋末和秀、末吉幹和判決・和解・決定日 2011年(平成23年)10月13日事件番号 平成22年(ネ)第1198号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 (株)ライトハウス問合先 柳田康男弁護士 03(5925)8030 名古屋高等裁判 […]
全国最大規模のコンビニエンスストアのフランチャイジー(本部)が、その加盟店に対し、デイリー商品の販売価格の拘束を行ったとし、これによって加盟店は値下げ販売ができなくなり、廃棄ロスを減らすことができなかったことを認定し、220万円の損害を相当とした判決である(損害額については民訴法248条を適用、損害のうち弁護士費用20万円)裁判所 福岡地方裁判所第1民事部田中哲郎、増田純平、髙櫻慎平判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月15日事件番号 平成20年(ワ)第1917号事件名 損害賠償請求事件業者名等 (株)セブン-イレブン・ジャパン問合先 迫田登紀子弁護士 092(555)7323 本件 […]
授業料等の不返還特約の有効性判断に関する最高裁判例(平成18年11月27日第二小法廷)を前提に、被告学校が定める専願入試が、上記判例における「専願入試等」に該当するかどうかを実質的に検討したうえで、これを否定し、被告学校に対し受領した授業料等の返還を命じた判決裁判所 名古屋高等裁判所民事第2部中村直文、朝日貴浩、濵優子判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月22日事件番号 平成23年(ネ)第418号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 学校法人モード学園問合先 加藤智希弁護士 0569(24)9472 最高裁は「専願入試等」に基づき締結された在学契約が解除された場合、その受験者は他 […]
建物賃貸借契約において50万円の敷金のうち40万円を敷引するという条項が付されていたところ、家賃の3倍を超える部分については消費者契約法10条に反し無効とした事例裁判所 西宮簡易裁判所 今井勝敏判決・和解・決定日 2011年(平成23年)8月2日事件番号 平成23年(ハ)第490号事件名 敷金返還請求事件業者名等 公表せず問合先 吉岡良太郎弁護士yodo-r@tf6.so-net.ne.jp 本件建物賃貸借契約においては、50万円を敷金として預託し、うち40万円を敷引するという条項が付されていたところ、(元)賃借人が、約5年間の居住後、40万円の敷金返還請求をしたという事件である。なお、家賃は […]
管理業者が家賃等を滞納した賃借人を追い出すとともに室内動産を処分したのは不法行為が成立するとして、慰謝料や動産の損害など165万円の賠償を命じるとともに、賃貸人についても、管理業者に賃貸物件の管理のための包括的権限を与え、自身も管理業者の取締役を務めるなどの事情のもとでは、共同不法行為が成立するとして、連帯しての賠償責任を認めた事例裁判所 大阪高等裁判所第13民事部紙浦健二、神山隆一、宮武康判決・和解・決定日 2011年(平成23年)6月10日事件番号 平成22年(ネ)第3141号事件名 本訴損害賠償請求、反訴賃料請求控訴事件業者名等 公表せず問合先 増田尚弁護士 06(6633)7621 本 […]
ホームレス状態にあった原告がアパート等での居宅保護を求めてした生活保護申請に対して、新宿区福祉事務所長が稼働能力不活用(生活保護法4条1項)を理由に却下した処分の違法性が認められ、生活保護申請却下処分の取り消し、居宅保護の方法による生活保護開始決定の義務付けが命じられた事例(被告控訴中)裁判所 東京地方裁判所民事第2部川神裕、内野俊夫、須賀康太郎判決・和解・決定日 2011年(平成23年)11月8日事件番号 平成20年(行ウ)第415号事件名 生活保護開始申請却下取消等請求事件業者名等 新宿区問合先 戸舘圭之弁護士 03(3379)5211 本件は、2008年6月、東京都新宿区内でホームレス状 […]
利息制限法所定の制限利率で引き直した計算結果と、和解の内容とが大きく乖離しており、かつ、借主がそのことを認識しておらず、認識しなかったことについて貸金業者側に起因する事情がある場合には、法律行為の要素について借主に動機の錯誤があり、かつそのことは表示されているというべきであるから、和解契約は無効となると解するのが相当である(本件和解契約は無効である)とした裁判所 伊万里簡易裁判所 末次恭判決・和解・決定日 2011年(平成23年)4月28日事件番号 平成22年(ハ)第199号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 アイフル(株)問合先 杉山林太郎弁護士 0954(20)1455 本件は、借主(原 […]
質取引にも、関係法令の文理解釈から、利息制限法が適用される、質屋主張の諸事情によっても、利息制限法1条の「金銭を目的とする消費貸借における利息の契約」を縮小解釈して質取引を除外すべきとはいえない、として、顧客からの過払金等の支払請求、質物の引渡請求をいずれも認容した裁判所 名古屋地方裁判所半田支部 三芳純平判決・和解・決定日 2011年(平成23年)8月11日、同月22日事件番号 平成22年(ワ)第506号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 質屋問合先 園田理弁護士 052(219)5271 本件は、顧客が質屋に対し利息制限法で引直計算した過払金と質物の返還を求めた事案である。質契約は、金銭 […]
車の売買及び賃貸を装って車を担保に年利250%を超える高金利で貸付をしていたヤミ金融の店長、従業員、中古車販売業者ら全員につき、共同不法行為責任を肯定し、自殺した被害者との関係では、脅迫的・強圧的言辞を用いた取立がなくとも、貸付等の一連の行為と被害者の自殺との間の相当因果関係が認められるとして、総額約6840万円の損害賠償を命じた判決裁判所 さいたま地方裁判所第2民事部岩田眞、橋本英史判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月7日事件番号 平成17年(ワ)第655号、平成18年(ワ)第1445号、平成19年(ワ)第3196号事件名 損害賠償等請求事件、詐害行為取消請求事件業者名 等サイシ […]
貸金業法43条1項の「任意性」について、契約証書や説明書の文言、契約締結及び督促の際の貸金業者の債務者に対する説明内容など具体的事情に基づいて検討しなければならない。「期限の利益を喪失……(する)ことになるとの誤解を与え、……制限超過部分を支払うことを債務者に事実上強制することになるおそれが十分にある」事情についてさらに審理させるため、原審に差し戻す裁判所 大阪高等裁判所第7民事部永井ユタカ、吉田肇、舟橋恭子判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月6日事件番号 平成23年(ツ)第29号事件名 貸金等請求上告事件業者名等 (株)シティズ問合先 佐野就平弁護士 075(241)2244 2 […]
貸主の変更切替手続により、貸主がクオークローンからプロミスに変更になった事案につき、クオークローンとの取引で発生した過払金をプロミスが承継することを認めた最高裁判決裁判所 最高裁判所第二小法廷千葉勝美、古田佑紀、竹内行夫、須藤正彦判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月30日事件番号 平成23年(受)第516号事件名 不当利得返還請求上告事件業者名等 プロミス(株)、(株)クオークローン、(株)タンポート、(株)クラヴィス問合先 瀧 康暢弁護士 0586(26)6266 クオークローン取引で生じた過払金債務が、プロミスに承継されることを認め、かつクオークローン取引とプロミス取引とを一連 […]
マルフク・CFJ承継事案において、平成23年7月最高裁判例後、マルフク・CFJ(ディック)の債権譲渡契約の内容や、借主への説明状況等の事情に鑑みて、CFJがマルフクの過払金債務の承継を否定することは、信義則に反するとして、CFJにマルフクの過払金債務を承継させることを認めた事例裁判所 さいたま地方裁判所第4民事部 原啓一郎判決・和解・決定日 2011年(平成23年)10月14日事件番号 平成21年(ワ)第3752号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 CFJ合同会社問合先 竪十萌子弁護士 048(645)2026 平成23年7月に、最高裁は、CFJ・マルフクの債権譲渡契約では、CFJはマルフク […]
貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡した場合において、譲渡の対象は合意の内容によるものであり、それが営業譲渡の性質を有するとしても、契約上の地位が譲受業者に当然に移転する、あるいは、譲受業者が過払金返還債務を当然に承継すると解することはできない。このことは、借主と譲渡業者との間の基本契約が過払金充当合意を含むものであったとしても異ならない裁判所 最高裁判所第二小法廷 須藤正彦、古田佑紀、竹内行夫、千葉勝美判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月8日事件番号 平成22年(受)第1405号事件名 不当利得返還請求上告事件業者名等 CFJ合同会社問合先 佐々木啓太弁護士 0586( […]
マルフクからCFJへの契約上の地位の移転による過払金返還債務の承継を、原則として否定した最高裁判決である。原審名古屋高裁は、営業譲渡契約による契約上の地位の移転を認め、原則として過払金返還債務を含めてCFJが承継すると判示した。本最高裁判決は、営業譲渡前に発生した過払金の承継を否定して原判決を一部破棄差戻したものである裁判所 最高裁判所第一小法廷 櫻井龍子、宮川光治、金築誠志、横田尤孝、白木勇判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月7日事件番号 平成22年(受)第1784号平成22年(オ)第1473号事件名 不当利得返還請求上告事件業者名等 CFJ合同会社問合先 小林明人弁護士 058 […]
リボルビング方式の貸付けについて、17条書面として交付された書面に、確定的な「返済期間及び返済回数」や各回の「返済金額」の記載に準ずる記載を欠く書面を交付していた貸金業者は、貸金業法の要件を満たすように17条書面を改訂したとしても、平成19年判決の判示する「特段の事情」はなく、書面改訂前後を問わず一貫して、悪意の受益者であるとされた事例(№1700の上告審判決)裁判所 最高裁判所第一小法廷 宮川光治、櫻井龍子、金築誠志、横田尤孝、白木勇判決・和解・決定日 2011年(平成23年)12月1日事件番号 平成23年(受)第307号事件名 不当利得返還請求上告事件業者名等 CFJ合同会社問合先 柴田大 […]
リボルビング方式の貸付けにおいて、確定的な返済期間、返済金額等の記載に準ずる記載を欠く書面を交付していた貸金業者について、悪意の受益者性を一貫して否定した貸金業者に極めて有利な東京高裁判決(№1701の原審判決) 裁判所 東京高等裁判所第20民事部 春日通良、小林元二、一場康宏 判決・和解・決定日 2010年(平成22年)10月27日 事件番号 平成22年(ネ)第3784号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 柴田大祐弁護士 1 本事件では、リボルビング方式の貸付けを行う貸金業者Yが悪意の受益者といえるかが唯一の争点であった。第1審では借主Xが勝訴したが、東京高 […]
1年6ヶ月の取引の空白期間がありながらも、最判平20.1.18に当てはめて事実上一個の連続した貸付取引とした高裁判決 裁判所 名古屋高等裁判所民事第1部 岡光民雄、片田信宏、河村隆司 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月1日 事件番号 平成23年(ネ)第611号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 アコム(株) 問合先 瀧康暢弁護士 0586(26)6266 原審は、空白期間1年6ヶ月で取引の分断を認め、第1取引で発生した過払金債権は時効消滅したとした。 本控訴審判決は原審を覆し、約28年間の取引期間に比し、空白期間は1年6ヶ月と相対的に短いこと、第1取引終了後ATMカード […]