要旨 処分取消維持、国賠請求一部変更。
「本件車両の利用目的を被控訴人子の通院に限定してそれ以外の目的だけでの自動車の利用をしないよう指導すること、つまり、被控訴人母の通院のみの目的で利用することを制限する指導をすることが、当時必要であったとは考え難い。」「補足性の観点からみても、被控訴人らが本件車両を上記範囲で利用することを厳格に制限する指導を行う必要性は低かったというべきである。」「おのずと月に必要な運行距離は分かることからすると、被控訴人らの本件車両の利用状況を把握するために、被控訴人らに上記の各事項を全て正確に記録することを指示する必要性は、相当低かったというべきである」
裁判所 名古屋高等裁判所民事第4部
中村さとみ、金谷和彦、松井 洋
判決・和解
・決定日 2024年(令和6年)10月30日
事件番号 令和6年(行コ)第43号
事件名 鈴鹿市運行記録票提出指導違反処分取消等請求控訴事件
業者名等 鈴鹿市
問合先 芦葉 甫弁護士 059(351)8001
要旨 処分取消認容、国賠請求一部認容。
「原告については、本件自動車の処分を強いることに合理性は認められず、その保有を認めて生活全般に活用させ、自立を助長することこそが、法1条(目的)、3条(最低生活)、4条1項(保護の補足性)及び9条15(必要即応の原則)等の趣旨に沿うものであり、自動車の保有が地域の一般世帯との均衡を失することにはならないと判断される。憲法22条1項は『居住、移転』までには至らない一時的な移動の自由をも保障していると解されるほか、日本も批准した障害者権利条約20条(個人の移動を容易にすること)により『障害者自身が、自ら選択する方法で、自ら選択する時に、かつ、負担しやすい費用で移動することを容易にすること』が求められていること、障害者基本法及び障害者差別解消法により、障害者に対する社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を求められていることに鑑みても、原告については本件自動車の保有を認めることが合理的であるといえる。」
「課長通知は、自動車についてのみ『地域の低所得世帯との均衡』を問題にし、『地域の普及率の如何にかかわらず』原則的に保有は認められないとした上で、問12において、障害者の通院用自動車の保有についてまで5項目にも上る厳格な要件を列挙してその全部を満たすことを要求しており、より上位の通達である次官通知及び局長通知との整合性を直ちに認め難いものである。特に、タクシーでの移送との比較までも求めた付加部分は、最近のタクシー事情に照らしても、一層合理性が疑わしくなっているものといわざるを得ない。」
裁判所 津地方裁判所民事部
竹内浩史、芹澤美知太郎、後藤寛樹
判決・和解
・決定日 2024年(令和6年)9月26日
事件番号 令和6年(行ウ)第26号
事件名 鈴鹿市指導違反処分取消等請求事件
業者名等 鈴鹿市
問合先 芦葉 甫弁護士 059(351)8001
要旨 業者(原告)が、最判昭和41年4月20日を引用して時効完成後の債務承認を主張した事案について、同判決は債権の存在を明確に認識したうえで書面返済を約した事案であり本件はこれにあたらないとの借主(被告)の主張を認め、業者(原告)の請求を排斥した裁判例
裁判所 東京簡易裁判所民事第2室
八木澤秀司
判決・和解
・決定日 2025年(令和7年)2月10日
事件番号 令和5年(ハ)第115665号
事件名 和解金請求事件
業者名等 れいわクレジット管理(株)
問合先 千葉晃平弁護士 022(713)7791
要旨 アービトラージによるとされる投資案件にマルチの手法を用いて勧誘する組織について、当該投資案件におけるアービトラージの存在は不明であって、いわゆるポンジスキームとして詐欺的商法であると認定し、その組織を構築した者の不法行為責任および直接の勧誘者との共同不法行為責任を認めた判決
裁判所 東京地方裁判所
片山 健
判決・和解
・決定日 2024年(令和6年)10月9日
事件番号 令和3年(ワ)第33079号
事件名 損害賠償請求事件
業者名等 ジュビリーエース社(Jubilee Ace Limited、英国領バージン諸島の法人)
問合先 夛田有里弁護士 06(6226)0833
要旨
CO2排出権取引(証拠金取引、相対差金決済)について、刑事罰をもって禁止される賭博行為であって公序良俗に反しており、市場価格を用いた取引であったとしても許容されず違法性は阻却されないとして、法人、代表者及び従業員に対する原告らの損害賠償請求を全額認容した事案
裁判所
東京地方裁判所民事第12部 髙木勝己、三井みのり、馬場 潤
判決・和解
・決定日
2024年(令和6年)5月14日(確定)
事件番号
令和5年(ワ)第2539号
事件名
損害賠償請求事件
業者名等
(株)ウィズマネジメント
問合先
太田賢志弁護士 03(3501)3600
要旨 株価指数証拠金取引(くりっく株365取引)について、新規委託者保護義務違反及び過当取引の違法性を認め、損害賠償請求を一部認容した判決(双方控訴、過失相殺3割)
裁判所 東京地方裁判所民事第44部
片山 健
判決・和解
・決定日 2024年(令和6年)11月13日
事件番号 令和4年(ワ)第22007号
事件名 損害賠償請求事件
業者名等 KOYO証券(株)
問合先 太田賢志弁護士 03(3501)3600
要旨 法人及びその代表者が行った商品先物、くりっく株365及びくりっく365取引について、損害賠償請求訴訟を提起した後、尋問前の段階で、損失額全額で和解が成立した
裁判所 東京地方裁判所民事第32部
足立堅太、野杁 葵
判決・和解
・決定日 2024年(令和6年)10月16日
事件番号 令和5年(ワ)第22079号
事件名 損害賠償請求事件
業者名等 フジトミ証券(株)
問合先 太田賢志弁護士 03(3501)3600
要旨 情報公開法8条の存否応答拒否の適法性判断に関し、対象文書が存在しているか否かを答えるだけで法5条4号(公安情報)の不開示情報を開示することになるかの判断において、行政機関の長の裁量を認めることはできず、また、文書特定情報を考慮することもできないとした事例
裁判所 大阪高等裁判所
牧 賢二、内田貴文、島戸 真
判決・和解
・決定日 2025年(令和7年)1月30日
事件番号 令和5年(行コ)第118号
事件名 行政文書不開示決定取消等請求控訴事件
業者名等 国
問合先 坂本 団弁護士 06(6361)0309
要旨 本件は、2011年の東日本大震災に伴う津波による福島第一原発事故を受け、原告らが放射性物質の影響で避難を余儀なくされたとして、東京電力(以下「東電」)及び国に対し損害賠償を求めた事案である。原審(京都地裁判決平成30年3月15日)は東電及び国の責任を認め、一部の原告に対する連帯支払いを命じたが、双方が控訴し、本控訴審に至った
裁判所 大阪高等裁判所第12民事部
牧 賢二、島戸 真、内田貴文
判決・和解
・決定日 2024年(令和6年)12月18日
事件番号 平成30年(ネ)第144号、同年(ネ)第2537号
事件名 損害賠償請求控訴事件、同附帯控訴事件
業者名等 国、東京電力ホールディングス(株)
問合先 田辺保雄弁護士 075(211)5631
要旨 岐阜県警大垣署警備課(公安警察)が民間業者に対して、事業の支障になりそうな市民についての個人情報を提供した行為につき、情報提供した行為のみならず、その前提としての個人情報の収集・保有についても違法性を認め、岐阜県に対して請求額全額の損害賠償を認めるとともに、保有している個人情報の抹消請求を命じた
裁判所 名古屋高等裁判所民事第2部 長谷川恭弘、上杉英司、寺本明広
判決・和解・決定日 2024年(令和6年)9月13日
事件番号 令和4年(ネ)第287号
事件名 大垣警察市民監視国家賠償、個人情報抹消請求控訴事件
業者名等 岐阜県、国
問合先 山田秀樹弁護士 0584(81)5105
要旨 氏名不詳者らが抗告人に対し、共同して詐欺行為を行い、抗告人をして、相手方ほか複数人名義の預金口座宛に金員を振り込ませた事案について、原審は、相手方名義の預金口座に振り込まれた金額を限度に被保全債権の存在を認め、その余の申立てを却下したが、抗告審がこれを取り消し、預金残高と同額を被保全債権と認めて差し戻した事例
裁判所 名古屋高等裁判所民事第4部 中村さとみ、金谷和彦、松井洋
判決・和解・決定日 2024年(令和6年)9月9日
事件番号 令和6年(ラ)第260号
事件名 債権仮差押命令申立一部却下決定に対する即時抗告事件
業者名等 合同会社KHMコーポレーション
問合先 粕田陽子弁護士 052(951)1202/瀧島達哉弁護士 052(228)0323
要旨 「株主優待券ビジネス」による高配当を謳って多数の顧客より多額の預り金を集めた後に破綻した大型の投資被害事件において、出資法2条違反等を理由に被告会社及びその新・旧代表取締役に共同不法行為が成立するとして、被告らに対して、総額約9975万円の損害賠償を命じた事案(確定)
裁判所 福岡地方裁判所小倉支部第2民事都 寺垣孝彦
判決・和解・決定日 2024年(令和6年)3月14日
事件番号 令和3年(ワ)第824号
事件名 損害賠償等請求事件
業者名等 (株)シー・ティ・エヌ
問合先 曽里田和典弁護士 092(716)8521
要旨 No.2646の控訴審
裁判所 東京高等裁判所 村上正敏・伊良原恵吾・板野俊哉
判決・和解・決定日 2022年(令和4年)4月27日
事件番号 令和3年(ネ)第5188号
事件名 損害賠償等請求控訴事件
業者名等 (株)スルガ銀行ほか
問合先 由井照彦弁護士 03(5809)2853
要旨 賃料収入見込みが過大な収支計画に適正な根拠がなく、金融機関が融資審査で賃料設定の相当性を調査・検討せず、過大評価をした場合、債務者が支払能力を超えたローンのために経済的破綻に陥ることを認識できる状態で、ローン契約を締結したというべきであり、このローン契約締結行為と不動産業者による強迫・欺罔等の各行為は、社会通念上一体と評価すべきであり、共同不法行為を構成する
裁判所 東京地方裁判所 小田正二・馬場潤・町田翼
判決・和解・決定日 2021年(令和3年)10月19日
事件番号 平成30年(ワ)第33633号
事件名 損害賠償等請求事件
業者名等 (株)スルガ銀行ほか
問合先 由井照彦弁護士 03(5809)2853
要旨 本件仕組債はリスクが高く、商品構造が複雑で理解困難であることなどに照らすと、これらを購入する顧客としては相当高度な投資判断能力が必要となるところ、控訴人の年齢、認知症の程度に加え、その投資経験、投資意向、財産状態等の諸要素を総合的に考慮すると、勧誘は適合性原則から著しく逸脱したものである
裁判所 広島高等裁判所岡山支部 井上一成、木村哲彦、國屋昭子
判決・和解・決定日 2024年(令和6年)9月26日
事件番号 令和5年(ネ)第26号
事件名 損害賠償請求控訴事件
業者名等 大和証券(株)
問合先 今井孝直弁護士 06(6364)8527
要旨 被控訴人は、その公表に係る売上高ランキングの上位者ないし「殿堂入り」と扱って又は自らの案内書面によって購入ないし登録を推奨していた詐欺的な商材の場合と同様に、本件商材についても、詐欺的な商品内容及び勧誘方法であることを十分認識しつつ、控訴人を含む本件サイトの利用者がこれを購入しようとすることを認容していたと推認するのが相当(以下略)
裁判所 さいたま地方裁判所第4民事部 田中秀幸、堀田匡、丸山智大
判決・和解・決定日 2023年(令和5年)7月12日
事件番号 令和3年(レ)第93号
事件名 損害賠償請求控訴事件
業者名等 (株)ファーストペンギン (情報商材販売業者は合同会社ライズ)
問合先 明石順平弁護士 048(764)8321
要旨 ポイント商品の販売が、当該販売スキームが破綻して購入者に損失が生ずる危険があるにもかかわらず、その危険性について説明されることなく行われたものであるとして、代表者につき会社法429条1項、販売業者につき同法350条による損害賠償責任を認めた判決
裁判所 東京高等裁判所第5民事部 木納敏和、伊藤正晴、上原卓也
判決・和解・決定日 2024年(令和6年)10月23日
事件番号 令和5年(ネ)第4751号
事件名 損害賠償請求控訴事件
業者名等 (株)ジェイコスメ・ジャパン
問合先 石川真司弁護士 052(950)5355
要旨 れいわクレジットが時効完成後に債務承認をしたとして提訴してきたが、時効援用の抗弁を提出しても取り下げなかったにもかかわらず、宮崎簡裁への移送が認められ、争う姿勢を見せたところ、債務承認の証拠が不十分であるとして、請求放棄をしてきた例
裁判所 宮崎簡易裁判所 綿森明男
判決・和解・決定日 2024年(令和6年)9月10日(請求放棄日)
事件番号 令和6年(ハ)第144号
事件名 和解金請求事件
業者名等 (株)れいわクレジット
問合先 小林孝志弁護士 0985(62)2317
要旨 給水管洗浄契約について、①契約書にクーリング・オフできる旨が赤枠の中に記載されておらず、書面の内容を十分に読むべき旨の記載がないこと、②具体的な作業内容の記載や、作業内容ごとの対価の内訳の記載がないこと、から、法定書面として記載すべき内容を欠いているとして、契約から8日以上経過後のクーリング・オフ解除を認めた裁判例
裁判所 大阪地方裁判所 高島義行、棚橋知子、𠮷田 純
判決・和解・決定日 2024年(令和6年)8月26日
事件番号 令和6年(レ)第108号
事件名 売買代金等請求控訴事件
業者名等 (有)ブルーム
問合先 長岡健太郎弁護士 06(6493)6612
要旨 審査請求人が自分の知らないところで取り決められ、自分が管理していない口座に対して振り込まれた養育費等に関して、申告義務を怠ったとして府中市は法78条により456万1000円の返還請求の処分を行った。しかし、裁決では審査請求人が申告義務の認識も、振込(入金)の事実の認識も有していなかったのであるから「不実の申請その他不正な手段」を用いていないとして、78条を適用することは違法であるとして本件処分を取り消した
裁判所 府中市
判決・和解・決定日 2024年(令和6年)6月3日
事件番号 なし
事件名 78条徴収処分審査請求事件
業者名等 府中市
問合先 林 治弁護士 03(3379)5211