顔のみえる、いわゆる地場ヤミ金が、無利息の借用証書に基づいて貸金訴訟を提起し、それに対して損害賠償請求の反訴を提起した事案。金利の記載のない借用証書を使ったり、領収書を発行せず、通帳とカードを預る手法などは高利で貸す場合の常套手段であり、不法行為に該当するとし、推定支払額全額、自殺未遂による入院費用、慰謝料、司法書士報酬が認められた裁判所 豊中簡易裁判所 浅田孝一判決・和解・決定日 2012年(平成24年)7月10日事件番号 平成22年(ハ)第775号、平成23年(ハ)第233号(本訴)、平成23年(ハ)第618号(反訴)事件名 貸金請求事件(本訴)、損害賠償請求事件(反訴)業者名等 藤井洋問 […]
借主が保証会社である有限会社クレストや株式会社クリオに支払った保証料は、利息制限法3条所定のみなし利息であると判示した裁判所 福岡高等裁判所宮崎支部横山秀憲、川﨑聡子、空閑直樹判決・和解・決定日 2012年(平成24年)4月27日事件番号 平成23年(ネ)第286号事件名 不当利得金返還請求控訴事件業者名等 (株)レンツ、(有)クレスト、(株)クリオ問合先 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 保証会社クレスト・保証会社クリオの設立経緯並びに保証会社クレスト・保証会社クリオと被控訴人レンツとの契約締結に至る経緯として、①クレスト設立時期やクリオ設立時期、②レンツとクレストとの契約締結時期や […]
名義貸人からの過払金請求に対して、CFJが、実際の弁済人でなければ、損失者ではないとして、争った事案において、名義貸人からの請求を認めた事例裁判所 宮崎簡易裁判所 土井久志判決・和解・決定日 2012年(平成24年)3月28日事件番号 平成23年(ハ)第497号事件名 不当利得金返還請求事件業者名等 CFJ合同会社問合先 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 次のように判示した。「被告は、本件取引においては、原告が第三者に名義貸しをし、貸付金の使用者及び弁済の出資者が原告でないことを認めているのであるから、原告は不当利得返還請求をなしうる損失者に該当しないと主張する。しかしながら本件契約に […]
無担保取引を完済し、同日不動産担保取引で借入をした事案(いわゆる不動産担保切替事案)及び、その後不動産担保取引を完済し、1年2ケ月の取引中断後、無担保取引を再開した事案について、すべての取引は事実上一個の連続した貸付取引であると認定し、アイフルに対する一連計算に基づく過払い金返還請求を認めた裁判例。また悪意受益についても、みなし弁済の適用がない以上、みなし弁済を前提とした残高を記載した18条書面は要件を欠くとした、いわゆる親亀子亀理論を認めた裁判所 名古屋地方裁判所民事第10部 澤野芳夫判決・和解・決定日 2012年(平成24年)7月11日事件番号 平成23年(ワ)第6620号事件名 不当利得 […]
年金等の振り込まれる口座の通帳を預かり、その振込額のほぼ全額を出金して、これを貸金債権の弁済を受けることを目的として行う貸付けが、当該年金等を担保に供することを禁じた各法条の脱法行為にあたるのみならず、社会通念に照らして著しく相当性を欠くとして、違法性を有し不法行為を構成するとされた。しかし、その損害額につき、貸金として原告が受領した額を控除し、原告の支払のための支出額との差額が損害額であるとされた(差額説)裁判所 福岡高等裁判所第3民事部犬飼眞二、青木亮、石原直弥判決・和解・決定日 2011年(平成23年)12月22日事件番号 平成22年(ネ)第1244号事件名 損害賠償等請求控訴事件業者名 […]
ヴィラージュ・キャピタルは、同社の旧貸付債権にかかる債権債務は、全て新マルフクが承継していることから、原告とヴィラージュ・キャピタルとの間には、金銭消費貸借契約に基づく債権は一切存在しないとの主張をしたが、その主張を斥けた判決である。マルフクに対する請求も認められ、両債務は連帯債務となっている裁判所 佐世保簡易裁判所 坂元信夫判決・和解・決定日 2012年(平成24年)4月17日事件番号 平成23年(ハ)第517号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 (株)マルフク、(株)ヴィラージュ・キャピタル問合先 渡会祐二弁護士 0956(22)7981 本件は、原告が旧マルフクとの間の継続的金銭消費貸 […]
業者が内部的に貸付停止措置を採り、「利息棚上指定」して以後の返済金を元金先充当し、ATM利用明細書の「利用可能額」欄に0円を意味するマークを印した場合に、明示の告知の立証を認めず、貸付停止措置が不可逆的でなく再度の借入金債務の発生の見込みを消失させないと認定し、法定記載事項でもない「利用可能額」欄への注視義務は無いとし、最終取引日を時効起算時とした(確定)裁判所 山口地方裁判所周南支部 河田泰常判決・和解・決定日 2011年(平成23年)2月24日事件番号 平成21年(ワ)第691号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 プロミス(株)問合先 田畑元久弁護士 0834(31)4132 取引一連の […]
①貸付中止措置がなされても、継続的金銭消費貸借取引では、期限の利益喪失・残金一括請求や基本契約解除をしない場合、新たな貸付けを行わないと決定したと認められない。②しんわの利用明細書に与信額0と記載されても、店頭貸付けをすることがあり得、新たな借入金債務が発生しないとはいえない。③貸付/返済用のカードを交付されていれば、次の貸付けが予定されていたものといえる裁判所 福岡高等裁判所第3民事部犬飼眞二、青木亮、石原直弥判決・和解・決定日 2012年(平成24年)5月31日事件番号 平成24年(ネ)第70号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 (株)しんわ問合先 川島雄輔弁護士 0955(74)5 […]
信用状態悪化に伴う貸付中止措置の時点から消滅時効が進行するとのアコムの主張を認めた原審判決に対し、アコムが管理する控訴人の信用状況が控訴人に示されたことはなく、控訴人としてはアコムがいかなる事由で新たな貸付けをしないのか具体的に認識できないこと等から消滅時効が進行する特段の事情は認められないとして原判決を変更し、控訴人の請求を全部認容した高裁判決(確定)裁判所 東京高等裁判所第7民事部市村陽典、團藤丈士、菅家忠行判決・和解・決定日 2012年(平成24年)5月31日事件番号 平成23年(ネ)第7173号事件名 過払金返還請求控訴事件業者名等 アコム(株)問合先 髙橋優弁護士 03(3573)1 […]
本件は、平成21年2月25日に、本人業者間で、真実は金16万1503円(元金のみ)の過払い状態なのにその事実を業者が告知せず、金54万8952円の残債務があることを前提とする和解契約をしたところ、かかる和解を消費者契約法4条1項の取消しが認められた事案である裁判所 横浜地方裁判所第6民事部森義之、竹内浩史、橋本政和判決・和解・決定日 2012年(平成24年)6月26日事件番号 平成24年(レ)第126号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 アイフル(株)問合先 杉山程彦弁護士 046(825)9590 本件は、平成21年2月5日に、本人が利息制限法違反の取引で、真実は過払いであることを知ら […]
社団法人兵庫県貸金業協会が介在した和解契約について、加古川簡易裁判所が無効とした判決について、アイフルが控訴していた事案です。和解に先だって貸金業者が取引履歴を開示していなかったことについて、「和解の内容が借主の合理的意思に反することは貸金業者として当然に認識すべきである。」として、控訴を棄却しました裁判所 神戸地方裁判所第5民事部小西義博、川原田貴弘、内藤智子判決・和解・決定日 2012年(平成24年)7月31日事件番号 平成24年(レ)第128号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 アイフル(株)問合先 林明仁司法書士 079(424)5665 財団法人兵庫県貸金業協会が介在した和解契 […]
1枚のカードによる継続的な金銭消費貸借契約(基本契約)に基づく取引に異なる支払回数が指定された取引が混在するとしても、基本契約に過払金充当合意が認められる以上は、これに基づく各取引にその合意の効力が及ばないとするべき理由はない裁判所 仙台高等裁判所第2民事部佐藤陽一、鈴木陽一、小川直人判決・和解・決定日 2012年(平成24年)5月24日事件番号 平成23年(ツ)第23号事件名 不当利得返還請求上告事件業者名等 (株)オリエントコーポレーション問合先 峯田幹大弁護士 0194(61)1818 オリコカード契約では借主は各借入れの際に支払回数を指定することができたようである。本件でも、借主がリボ […]
①平成19年(6月7日)判決は、借主が実際にどの返済方法を選択したかを問わず、過払金充当合意を認めている。従って、本件カード基本契約には過払金充当合意があると認めるのが相当。②貸付金を、過払金元本と過払利息のいずれを先に充当すべきかは、民法491条の趣旨に照らし、過払利息に先に充当される裁判所 名古屋高等裁判所民事第1部岡光民雄、岡田治、河村隆司判決・和解・決定日 2012年(平成24年)5月25日事件番号 平成24年(ネ)第151号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 (株)オリエントコーポレーション問合先 山田克己弁護士 052(221)0092 1 平成元年12月27日から返済が始ま […]
本件は、株式会社武富士との間でカードローン取引をしていた原告らが、同社の代表取締役であった被告に対して、不法行為等に基づく損害賠償請求を求めた事案である。本判決は、最判平成19年6月7日から4か月後にあたる平成19年10月7日時点で利息制限法上貸金債権が存在しない借主に対する同社の貸金の請求、弁済の受領について、被告に不法行為が成立すると判断した裁判所 横浜地方裁判所第6民事部森義之、古閑裕二、橋本政和判決・和解・決定日 2012年(平成24年)7月17日事件番号 平成23年(ワ)第1413号事件名 損害賠償請求事件業者名等 武富士元役員問合先 伊藤義人弁護士 045(780)3517 本判決 […]
貸金業者が借主に対する与信を停止した事実を認めることができても、これを借主に伝達し、借主において過払金返還請求権の行使が可能な状態になったとは認められないとして、貸金業者の消滅時効の主張を排斥した事例裁判所 福岡高等裁判所第1民事部古賀寛、常盤紀之、清野英之判決・和解・決定日 2012年(平成24年)7月24日事件番号 平成24年(ネ)第436号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 アコム(株)問合先 巨瀬慧人弁護士 097(533)6543 過払金返還請求権の消滅時効の起算点について判示した最高裁平成21年1月22日第一小法廷判決(民集63巻1号247頁)を受けて、貸金業者からは、過払金 […]
1 約1年の取引中断期間が存在した事案において、取引全体が1つの基本契約に基づくことを認定し、充当合意の存在を認めて一連計算を肯定。 2 悪意の受益者の過払金に対する法定利息についても、過払金とともに充当合意によりその後に生じた新たな貸付金に充当される 裁判所 東京高等裁判所第7民事部 市村陽典、團藤丈士、菅家忠行 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)4月26日 事件番号 平成23年(ネ)第8109号 平成24年(ネ)第974号 事件名 過払金返還等請求控訴事件、同附帯控訴事件 業者名等 アコム(株) 問合先 付岡透弁護士 03(5919)4665 本件は、基本契約に基づく取引において […]
外国為替証拠金取引業者が証拠金として集めた証拠金を関連会社に流し、役員報酬などに費消し、代表者の先物取引に用いるなどしていたとして、外国為替証拠金取引業者及び資金流出先関連会社の役員らに対して損害賠償を命じた事例 裁判所 東京地方裁判所民事第43部 萩原秀紀、鎌野真敬、手塚隆成 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)2月24日 事件番号 平成22年(ワ)第3424号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 リベラインベスティメント(株)役員ら 問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 外国為替証拠金取引業者の破産記録から、FXの証拠金として集められた証拠金が、関連会社に流され、役員報 […]
無担保取引から不動産担保取引に同日切替がなされた事案。両取引の連続性を否定した1審判決を覆し、不動産担保ローン及び根抵当権設定の契約締結は、借増しのため不動産担保を設定したものにすぎず、借増しの前後で消費貸借取引の実体に変化はなく、無担保取引と不動産担保取引は事実上1個の連続した貸付取引と評価でき、充当合意が存在すとして、一連計算を認めた 裁判所 名古屋高等裁判所金沢支部第1部 山本博、佐野信、浅岡千香子 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)1月30日 事件番号 平成23年(ネ)第260号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 荒木実弁護士 076(262 […]
利息制限法所定の制限利率で引き直した計算結果と和解内容とが著しく乖離しており、これが被告(貸金業者)に起因する事情に基づくものであって、原告(借主)にはその認識がなかったといえることから、法律行為の要素に錯誤があり、かつ、それは表示されているというべきであるから、和解契約は錯誤により無効であるとして、過払金の支払いを命じた判決 裁判所 大分地方裁判所民事第2部 今井弘晃 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)3月23日 事件番号 平成22年(ワ)第804号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 アコム(株) 問合先 巨瀬慧人弁護士 097(533)6543 原被告間では、1983年から […]
借主が約定残債務額を一括返済する内容の和解契約を締結した際に、貸金業者において取引履歴を開示しておらず約定残債務額を告げたのみで、制限超過利息を元金に充当した結果も借主に告げていない事案について、仮に過払金返還債務等があったとしても放棄する旨の条項を含む訴外和解契約につき、錯誤無効を認め、貸金業者は過払金返還請求を拒むことはできないとした裁判例 裁判所 三島簡易裁判所 瀧田隆 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)12月22日 事件番号 平成23年(ハ)第54号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 富士和光商事(株) 問合先 髙木登弁護士 055(931)1134 本件では、原告の一 […]