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保証否認

保証契約時に主債務者の破綻状態を知らずになした保証契約の錯誤無効を認めた控訴審判決に対し本件上告を棄却する。本件を上告審として受理しない。 最高等裁判所第二小法廷 中川了滋、滝井繁男、津野修、今井功、古田佑紀 2005年(平成17年)12月16日 平成17年(才)第1784号、平成17年(受)第2075号 保証債務履行請求事件 浜松信用金庫 岡島順治弁護士 053(450)3383 消費者法ニュース65号判例速報No.951で紹介した東京高裁平成17年8月10日判決の上告審決定です。上告棄却理由は、「民事訴訟法312条1項、2項に規定する事由に該当しない」。上告不受理の理由については、「民事訴 […]

賃貸借契約

賃貸借契約終了時に賃借人が負う原状回復義務につき、賃借物件の損耗の発生が本質上当然に予定されている賃貸借契約において通常損耗の原状回復義務を負わせることは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるとし、同義務が認められるためには、その旨の特約が明確に合意されていることが必要として、合意成立の要件を示した事例。 最高等裁判所第二小法廷 中川了滋、滝井繁男、津野修、今井功、古田佑紀 2005年(平成17年)12月16日 平成16年(受)第1573号 敷金返還請求事件 大阪府住宅供給公社 岡本英子弁護士 06(6228)1922 本件は、賃貸人が大阪府住宅供給公社の賃貸借契約において、賃借人が通 […]

留学等斡旋サービス

留学等斡旋サービスにおけるトラブルについて業者の責任を認めた事例。 東京地方裁判所 大垣貴靖(第一審・双方控訴)/東京高等裁判所 原田敏章、氣賀澤耕一、渡部勇次(第二審・確定) 2005年(平成17年)4月12日(第一審)/2005年(平成17年)9月15日(第二審) 平成15年(ワ)第3868号(第一審)/平成17年(ネ)第2725号(第二審) 損害賠償請求事件(第一審)/損害賠償請求控訴事件(第二審) インターナショナル・インターンシップ・プログラムス、(株)海外研修サービス 志知俊秀弁護士 03(3509)6794 留学等斡旋サービスとは、留学や海外での語学研修、海外インターンシップ、ワ […]

悪徳リフォーム

札幌地方裁判所 本件は、悪徳業者が、判断能力の減退した被害者(79歳)に対し、床下に灯油漏れ等の事実がないのに、これをあるように告げて、不必要かつ高額な請負工事契約を繰り返し締結させたという事案であり、代金支払済みの契約については、これを不法行為とし、悪徳業者に対し、工事代金相当額及び慰謝料等の損害賠償を命じ(本訴)(合計603万4000円)、代金未払いの契約については、詐欺取消の主張を認め、悪徳業者からの工事代金請求を退けた(反訴)。 2005年(平成17年)11月17日 平成16年(ワ)2374号。平成16年(ワ)第2560号 (株)ワールド(旧商号「(株)北海道下水保安協会」) 大崎康二 […]

欠陥住宅

請負契約に基づく瑕疵担保責任が債務の本旨に従った履行の実現をも趣旨とする制度であることに照らすと、補修は、これにより注文者が契約で合意されたとおりの性質を有する建物を取得できる内容とすべきであって、補修の結果、構造や意匠などの点に重大な変更を及ぼすことは認められない。除斥期間短縮の合意は有効であるが、容易に判明しない瑕疵が期間経過後に初めて発見されたような場合にはその適用はない。 静岡地方裁判所沼津支部 永井崇志、大野博隆 2005年(平成17年)4月27日 平成2年(ワ)第397号、平成9年(ワ)第27号 請負代金請求事件、損害賠償請求反訴事件 殖産住宅相互(株) 河合敏男弁護士 03(53 […]

証券

外国為替証拠金取引業者が、架空の取引を事後的に後付けして損失が生じた外観を作出したうえ、和解書に署名押印しなければ精算金を返還しないとして和解書を徴求したという被害事案について、直接間接に関与した取締役らの責任を肯定した事例。 東京地方裁判所 春名茂 2006年(平成18年)1月24日 平成17年(ワ)第8901号 損害賠償等請求事件 公表せず 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 事案の特徴は、被害者が取引を止めると申し出たとたんその2ケ月ほど前に建てた取引によって損が出ていることを突然告げられ、そのような取引が記載された報告書が送付されてきたという、「取引の後付け」事案である点と、取引 […]

証券

日経平均225株式指数オプション取引を行った投資家が、証券会社外務員の勧誘には、適合性原則遵守義務違反、説明義務違反等の違法事由があるとして不法行為に基づく損害賠償請求を行ったところ、高等裁判所はロールオーバーの取引手法に説明義務違反、指導助言義務違反があったとして、京都地方裁判所の請求棄却判決を変更し、損害賠償義務を認めた。過失相殺8割。確定。 大阪高等裁判所 竹中省吾、竹中邦夫、矢田廣高 2005年(平成17年)12月21日 平成16年(ネ)第2072号 損害賠償請求控訴事件 岡三証券(株) 木内哲郎弁護士 075(257)1546 本判決は、オプション取引についての平成17年7月14日最 […]

マンション問題

分譲マンション販売業者がペットの飼育の可否について十分な説明をしていなかった行為は不法行為に該当する。 福岡高等裁判所第5民事部 中山弘幸、岩木宰、伊丹恭 2005年(平成17年)12月13日 平成17年(ネ)第679号 損害賠償請求控訴事件 (株)三栄都市 河野聡弁護士 097(533)6543 マンション分譲販売業者が、当初契約した購入者には犬猫等のペットの飼育は禁止していると説明し、一定時期以後に契約した購入者にはペットの飼育が可能であると説明していたが、業者の用意していた管理規約案にはペット飼育禁止の記載はなく、後に管理組合で決定されることになっていた。住民間でペット飼育が問題になった […]

サラ金

①受益者が商人である場合には、過払金返還請求権に対する利息に商事法定利率年6分が適用される。②免責決定後の不当利得金返還請求について、禁反言に反するとまで言えずまた、免責制度の趣旨や信義則に反するともいえない(確定)。 東大阪簡易裁判所 松本登清 2006年(平成18年)1月27日 平成17年(ハ)1164号 アイフル(株) 滝川あおい司法書士 0729(81)5281 本件は、免責決定が確定した債務者による過払金返還請求事件であるが、主な争点は、①悪意の受益者の負うべき利息支払い義務についての利率について商事法定利率が適用されるか、②免責決定後の不当利得金返還請求が禁反言等に反するか、の2点 […]

暴利保証料

「保証料」名目での暴利行為は出資法を潜脱するもので、公序良俗に違反して金銭消費貸借契約そのものが無効。貸金業者と保証業者の行為は共同不法行為に該当する。また、貸金業者の貸付は不法原因給付にあたる。 佐野簡易裁判所 畑山明則 2006年(平成18年)1月27日 平成17年(ハ)第88号 損害賠償請求事件 ライズこと植松俊三、関西信用保証こと濵本信和・西村秀樹 関井正博司法書士 0724(69)3033 現在、保証料自体に上限金利の規制がないため、形式的に保証業者を介在させて保証委託契約を締結させ、保証科名目で暴利を貪る手口での貸付が増加している。日掛業者が契約の助り替えの度毎に保証料を徴収すぷケ […]

サラ金

原告自らが締結している「過払い金債権を放棄する」との和解契約書の効力を、強行法規である利息制限法に反する契約であり、信義則に照らして無効であると判示した事例。 向日町簡易裁判所 廣畑了 2005年(平成17年)11月25日 平成17年(ハ)第65号、平成17年(ハ)第107号 不当利得返還請求事件、貸金請求反訴事件 ウエストファイナンス(平成17年6月2日廃業届提出、現在は債権回収業務のみ行っている。個人名は開示しない) 稲垣裕二司法書士 075(381)1508 本件は、被告から「過払い金債権を放棄する」との文言ある和解契約書が証拠として提出され、その和解契約書の効力の有無につき、争った事案 […]

サラ金

金融業者が、債務者の代理人の司法書士及び調停委員会の各取引履歴開示要求に応ぜず、債務者の調停取り下げを知るや、司法書士が代理人を辞したものと即断して、支払督促を申し立てたため、債務者は支払督促に対する異議を申し立て応訴するを余儀なくされたことについて、金融業者に、過払いの事実を隠蔽する意図が明らかであり、債務者に対する不法行為が成立するとして、過払い額の2割強の慰謝料の支払いを命じた事例。 一関簡易裁判所 穴澤成巳 2005年(平成17年)5月10日 平成16年(ハ)第190号(本訴平成16年(ハ)第164、165号) 貸金請求、不当利得返還請求反訴事件 岩手商工(株) 加藤勝彦司法書士 01 […]

商工ローン

(株)シティズが361万円を貸し付けるにあたり、連帯保証人となった者が連帯保証契約の結果を正しく認識し、これに基づいて正しく意思決定を行なう精神能力を有していなかったとして、保証契約を無効としたものである。 小倉簡易裁判所 深津洋 2005年(平成17年)11月24日 平成16年(ハ)第2187号 貸金請求事件 (株)シティズ 配川寿好弁護士 093(884)2824 1 (株)シティズは、事業者に金400万円の貸付を行ない、その際、精神障害者の者を連帯保証人とし、事業者が支払不能となったので、連帯保証人である精神障害者に対して、保証債務の請求をしてきた事案である。 2 連帯保証人は、知人であ […]

商工ローン

ロプロとの手形割引は手形の売買と推認され、顧客が負担させられた日本信用保証についての保証料は、ロプロが取得する根拠はなく不当利得金として顛客に返還しなければならないとされた事例。 札幌高等裁判所第3民事部 伊藤紘基、石橋俊一 2005年(平成17年)12月20日 平成17年(ネ)第1号 旧償金、不当利得返還請求控訴事件 (株)ロブロ、日本信用保証(株) 山崎俊彦弁護士 011(271)5951 本件は、ロプロの手形割引事案で、日本信用保証から手形貸付残金の他に、手形割引による不渡手形金316万5000円の求償金が訴求され、当初本人訴訟をしていたが、原審途中から代理人が就いた。 手形貸什にづき、 […]

サラ金・商工ローン

①任意性の要件は、明確に認められることが必要である。②債務者が制限超過利息を自己の自由な意思によって支払ったか否かは、金銭消費貸借証書や貸付契約説明書の文言、契約締結及び督促の際の貸金業者の債務者に対する説明内容などの具体的事情に基づき、総合的に判断されるべきである。 最高等裁判所 甲斐中辰夫、横尾和子、泉徳治、島田仁、才口千晴 2006年(平成18年)1月19日 平成15年(オ)第456号、平成15年(受)第467号 貸金請求事件 (株)シティズ 板根富規弁護士 082(224)2345 本判決は任意性について、平成18年1月号百判決をより具体化した形で「……法43条1項の規定の趣旨にかんが […]

サラ金・商工ローン

①事実上強制を受けて支払をした場合は自由な意思によって支払ったとは言えず、期限の利益喪失特約は制限超過部分につき無効だが、債務者に有効であるとの誤解を与え支払を事実上強制することになるから、特段の事情ない限り任意に支払ったとはいえない。②貸金業法18条の記載事項を契約番号で代替する同法施行規則15条2項は法の委任を逸脱し無効であり、契約番号のみで契約年月日の記載を欠く受取証書は18条書面といえない。 最高等裁判所第二小法廷 中川了滋、滝井繁男、津野修、今井攻、古田佑紀 2006年(平成18年)1月13日 平成16年(ネ)第30号、第16年(受)第1518号 貸金請求事件 (株)シティズ 最高裁 […]

証券・信用取引

証券会社の信用取引について、顧客に逆日歩のコストを要するとの説明義務があるのにこれを怠ったことは不法行為として、損害金の他、慰謝料、弁護士費用の損害を認め、被害者の過失相殺は認めなかった事例 東京地方裁判所 野山宏、野村高弘、出口亜衣子 2005年(平成17年)7月25日 平成15年(ワ)29765号 損害賠償請求事件 日興コーディアル証券(株) 近藤博徳弁護士 03(3354)9661 判決は、業者は「本件取引に関し、高額の逆日歩が発生したことにっいて連やかに原告に情報提供する義務を負っていたが、被告Aはこれに違反して情報提供せず、かえって自らも高額の逆日歩が発生したことを認識していなかった […]

サラ金

「返済期間及び返済回数」各回の「返済金額」の記載のないリボルビング払いの貸付は、「完済までの期間の長さ等により債務の重さを認識」することのできない資金需要者保護に欠ける契約書しか交付していない貸付であるため、貸金業規制法43条1項のみなし弁済規定の要件をみたさないと判示した最高等裁判所判決。したがって利息制限法上限を超えた弁済は無効のため元本に充当され、元本がない状態の支払は過払となるため、不当利得返還請求を認容した原審判決に対する上告棄却の判決 最高等裁判所第一小法廷 島田仁郎、横尾和子、甲斐中辰夫、泉徳治、才口千晴 2005年(平成17年)12月15日 平成17年(受)第560号 不当利得 […]

消費者基本法

携帯電話会社が、障害者(療育手帳B判定)に対して携帯電話通話料金請求訴訟を提起したところ、当該障害者の支払義務は請求額の5割であるとの和解が成立した事例 三島簡易裁判所 2005年(平成17年)12月8日 平成17年(ハ)第234号 電話料金請求事件 公表しない 山田茂樹司法書士 0558(74)2801 1) 本件は、障害者の親族が当該障害者(22歳女性・無職)に携帯電話利用契約をするよう強要し、その結果、本件原告電話会社も含め、同人は合計3本の携帯電話契約を締結、親族に携帯電話を引き渡すに至り、その結果、本件原告電話会社から、2か月分の通話料金16万5111円の請求を受けた事件である。 ( […]

欠陥住宅・シックハウス

原告らが被告から購入したマンションが、環境物質対策基準に適合した住宅との表示であったにもかかわらずシックハウスであったことについて、売主の瑕疵担保責任による契約解除を認めて買主にマンション売買代金、諸費用、ローン諸費用、管理費、移転費用などの損害賠償請求を認めた事例 東京地方裁判所 杉浦正樹 2005年(平成17年)12月5日 平成15年(ワ)第21034号 不当利得返還等請求事件 (株)ベル・アンド・ウイング 中島宏治弁護士 03(6944)1271 マンションの売買においてシックハウスであることを理由に住巨側か勝訴したおそらく最初の判湊である。法律構成は、①消費者恕約法4条1項に基づく売買 […]

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