特定商取引法の特定継続役務提供契約における中途解約金の精算に関し、ポイント購入時のポイント単価とは異なる単価により精算するとの特約は違法と判示した事例 東京地方裁判所 2005年(平成17年)9月26日 平成16年(ワ)第21128号 授業料返還請求事件 NOVA 杉浦幸彦弁護士 03(3350)5955 NOVAは、購入時の単価ではなく、消化したポイント数に対応する単価を適用するとの約款上の精算特約等を根拠に、原告が期待した金額を大きく下回る精算金しか支払おうとせず、原告の了承が得られないと見るや、順次増額した案を提示して事の終息をはかろうとしたが、原告は、NOVAの提示顕やこのようなNOV […]
第一審判決と同旨。但し、慰謝料請求は全面的に棄却された。 東京高等裁判所 根本眞、片野悟好、小宮山茂樹 2005年(平成17年)4月27日 平成16年(ネ)第4939号 損害賠償請求控訴事件 気光治療院こと秋元繁 永井義人 03(3350)5955 第一審と同じ。但し、治療費用言291万9000円全額の返還を受ければその損害は回復できたとして、これに加えて慰謝料を別途認めることは相当ではないと判断し、第一審で認められた全100万円の慰謝料請求は否定された。弁護士費用も金20万円に減額された。 尚、被告は詐欺罪で逮捕され、平成17年10月末日現在、勾留中である。 判例速報No.918参照。
「多発性骨髄腫」というガンに罹患していた原告に対する被告の「遠赤外線エネルギーを患者の体内に取り入れ」「それを気エネルギーに変換することで血行を促し」「免疫機能や体力を回復する」という「独特な」考え方に基づく「画期的な癌治療法(被告治療法)」を施すという原、被告間の契約は、原告の自由な判断乃至意思決定のもとに行なわれたということは到底できず、詐欺的乃至公序良俗違反のものと判断するべきものであるとして、治療費相当額金291万9000円のほか、慰謝料として金100万円の懲罰的賠償、弁護士費用39万円の支払を命じた事例 東京地方裁判所八王子支部 園部秀穂 2004年(平成16年)9月13日 平成15 […]
宗教法人法の華三法行の代表役員福永法源らが「天声」「足裏診断」等の手法により修行代等として金員の交付を受けた行為について、①被害者は錯誤状態に陥っていた、②教団創設の経緯、足裏診断開始の経緯や診断の実態、修行参加勧誘システム等の事実からすれば、故意及び共謀があった、③憲法20条1項の信教の自由の限界を逸脱し司法判断の対象となる、として詐欺罪の成立を認め、福永に対し懲役11年、責任役員に対し同4年の実刑に処した事例 東京地方裁判所 青柳勤、野原俊郎、森川佳奈 2005年(平成17年)8月1日 平成12年(わ)第1689号、第2001号、第2275号 詐欺被告事件 福永法源ほか(宗教法人法の華三法 […]
食品添加物として未承認のエトキシキンの含まれた健康食品の販売については不完全履行であり、購入者が飲用消費していて返還できないとしても完全履行できない販売主(売主)には代金を賠償する責任がある。 大阪高等裁判所民事第9部 枡田幸三 2005年(平成17年)10月14日 平成17年(ネ)第432号 損害賠償請求事件 サントリーショッピングクラブ、サントリー 井上善雄弁護士 06(6202)5050 平成17年10月14日大阪高裁民事9部(桝田幸三裁判長)は、サントリーの健康食品(未承認食品添加物エトキシキン入りのアスタキサンチンを含むイチヨウ葉やブルーベリーの錠剤)をめぐる事件(平成17年1月2日 […]
加害業者の預金の差押えについて、銀行の支店を特定せず預金口座を一括仮差押えした事例 岡山地方裁判所 野々上友之 2004年(平成16年)12月16日 平成16年(ヨ)第223号 債権仮差押命令申立事件 公表しない 首藤和司弁護士 06(231)3535 1 本件は、外国為替証拠金取引を標榜する業者が、株取引の経験さえない専業主婦に対し、「豪ドルを買えば必ず儲かる。100万円出せば毎月3万3000円、1000万円出せば毎月33万円の利益が上がる」などと執拗に勧誘し、外国為替証拠金取引に仮託して前後4回にわたり総額756万7000円を支払わせたとの事案である。 2 この業者については、実体がよくわ […]
おれおれ詐欺の口座名義人である「加害者」(犯人)は、編されてお金を振り込んだ「被害者」に対して、振り込まれた被害金245万3000円を全額支払えという判決を言い渡した。これを受けて、被害者は、振り込み先の銀行に対して、預金債権を差押えて(強制執行)、全額、これを回収することに成功した。 長野地方裁判所松本支部 2004年(平成16年)12月9日 平成16年(ワ)第220号 損害賠償請求事件 公表しない 山内道生弁護士 0263(36)1672 訴状の公示送達による「欠席判決」なので、事件の手口、内容を紹介するに止める。 当事者のうち、おれおれ詐欺の加害者は東京に住む実在の人物で、その所在は行方 […]
ATMによる貸付けおよび返済が繰り返された事案において、ATM明細書の一部が提出されていないとき、その未提出部分については、当該書面が交付されたと断定することはできず、みなし弁済の適用は認められない。みなし弁済の適用がない部分についても、みなし弁済の適用があり、その効果が発生するとの前提での弁済充当の内容を記載した不正確なATM明細書では、18条書面の交付があったものとすることはできない。 さいたま地方裁判所 2005年(平成17年)8月31日 平成16年(レ)第61号 不当利得返還等請求控訴事件 アコム(株) 三上理弁護士 03(3571)6051 ATMによる貸付けおよび返済が繰り返された […]
取引の当初の残元金が0円とする計算を認めた上で、その第1取引で過払が発生し、第1取引と第2取引との間に8年半程度空白がある事案で、合理的な当事者の意思解釈により、第1取引の過払金の第2取引の借入への充当を認め、第1取引の過払金債権が時効消滅したとする被告の抗弁を排斥した事例 東京簡易裁判所 2007年(平成17年)7月28日 平成16年(ハ)第18212号 不当利得返還請求事件 アコム(株) 鈴木正道司法書士 本件は、原告が、被告から開示された昭和60年4月5日以降の取引経過を利忠則脱法に引き直すと、101万3563円の過払金が発生するとして、過払金及び民法所定の利息の支払を求めた事案である。 […]
証券会社(旧国際証券:現三菱UFJ証券)が、顧客に対し、EB債(他社株返還特約付債券)を販売する際、株式で償還される可能性について具体的に理解できるように説明する義務があるが、本件では、リーフレット、新聞広告に記載されている抽象的な説明のみで、具体的な説明がないとして、被告に説明義務違反が認められた。 名古屋地方裁判所 黒岩巳敏、河本寿一、内藤春彦 2005年(平成17年)8月10日 平成15年(ワ)第434号 損害賠償請求事件 国際証券(株)(現:三菱UFJ証券(株)) 鋤柄司弁護士 052(219)8217 本件は、株式取引の経験がない取引当時69歳の女性に対し、十分な説明のないまま、約1 […]
出会い系サイト業者CGVグループこと日高大介に架電、郵便物の送付、面会要求の禁止と慰謝料等の支払を命じた判決 静岡地方裁判所 三島恭子 2004年(平成16年)9月24日 平成16年(ワ)第459号 損害賠償等請求事件 CGVグループこと日高大介 藤森克美弁護士 054(247)04118 携帯電話の出会い系サイト業者、CGVグループから、利用した覚えのない高額な利用料金等を架空請求され、その後、CGVグループから上記債権を譲渡されたとする有限会社エフアイから、架電や郵便物さらには夜間に直接自宅まで取立を受けた原告が、CGV及びエフアイと代表者井藤努個人に 対して、人格権に基づく架電や郵便物の […]
SFCGの17条書面は、新旧両タイプとも『受領書面の内容』『物的担保の内容』の明確な記載を欠くとして、全ての取引につき貸金業法43条の適用を否定した事例(最判2004年(平成16年)2・20の差戻審) 東京高等裁判所 西田美昭、髙野伸、小池喜彦 2005年(平成17年)7月14日 平成16年(ネ)第973号(原審・水戸地方裁判所龍ヶ崎支部 平成12年(ワ)第162号) 不当利得返還請求控訴事件 SFCG 呉東正彦弁護士 046(827)2713 1 7月14日2時50分より、東京高等裁判所第14民事部(西田美昭裁判長)で、商工ローン業者SFCGの貸金業規制法43条の主張を巡る最高等裁判所平成1 […]
被上告人は上告人1に対して、基本契約に基づいて、46回の貸付をした。1回目ないし29回目までの貸付は、期限までの利息天引貸付で、返済期限に1月分の利息を前払いすると期限が延長された。30回目以降は利息後払いであった。この利息天引・前払の計算方法が争点となった。 最高等裁判所判所 中川了滋、福田博、滝井繁男、津野修、今井功 2005年(平成17年)7月11日 平成16年(受)第2205号 不当利得返還請求事件 ロプロ 呉東正彦弁護士 046(827)2713 原審福岡高等裁判所判決 原審判決は、1回目の貸付についての添付計算書に見られるように、①前払利息も、天引利息と同様に制限利息を算出してそれ […]
(株)が消火器詐欺にあった被害について、特定商取引に関する法律(訪問販売)のクーリング・オフにより消費者契約を取り消すことを認め、その損害金の他、弁護士費用5万円を認めた事例(確定) 大阪簡易裁判所 柏森正雄 2004年(平成16年)8月26日 植田勝博弁護士 06(6362)8177 平成15年(ハ)第12500号 損害賠償請求事件 ヤマト防災システムこと堺谷弘ほか 先例として、大阪高等裁判所(本誌59号154頁)があり、同旨により、(株)にもクーリング・オフを認めた。 不法行為による弁護士費用は認めたが、慰謝料は認めなかった。 判決は、「特商法26条1項1号によると、クーリング・オフの規定 […]
日栄(ロプロ)の根保証は、ロプロの欺罔行為により保証の錯誤があり保証契約を取り消されて無効とした事例 大阪高等裁判所 武田和博、楠本新、鈴木和典 2005年(平成17年)7月22日 平成16年(ネ)第3749号 不当利得返還等、貸付金債権反訴請求控訴事件 日栄(ロプロ) 植田勝博弁護士 06(6362)8177 ロプロは、手形を差しかえては従来の手形の決済資金を新たな手形をもって貸し付けて、従来の手形を決済させ、実手形ジャンプの金融を行っている業者である。 金融には保証人をつけることを求め、その保証は根保証であったが、知識のない保証人は借主から「○○万円の借金の保証人になってほしいと頼まれるの […]
① 金融庁ガイドライン等は私法関係においても考慮されるべきであるとして、信義則を根拠に、合理的理由のない取引履歴開示拒否を不法行為とした事例 ② 「顧客情報開示依頼書」に個人情報保護の目的があるとしても、その記入を開示の条件とすることはできないとした事例 ③ 取引履歴開示拒否の不法行為につき代表取締役の対第三者責任を認めた事例 さいたま地方裁判所 中山幾次郎 2005年(平成17年)5月31日 平成16年(ワ)第1005号 損害賠償請求事件 (株)ドリームユース 松本治弁護士 03(5957)5528 本件は、原告ら訴訟代理人らが、弁護士介入通知において全取引履歴の開示を求めたところ、被告会社 […]
平成14年4月に広告会社であるジェイメディア(福島県郡山市)が倒産し、広告掲出契約(継続的役務提供契約)に基づく電光広告が途中で実施されないことになったが、多くの顧客が立替払契約を締結していたので、倒産後も信販会社が立替金の請求を継続したことに対して、顧客は信販会社の請求を信義則上拒否できるとして信販会社の請求を斥けた事例 仙台地方裁判所 小野洋一、高木勝己 2005年(平成17年)4月28日 平成15年(ワ)第79号(甲事件)、平成15年(ワ)第1597号(事件乙) 立替金請求反訴事件 立替金督促異議事件 ジェイメディア 鎌田健司弁護士 022(225)4929 解説文本誌65号97頁掲載。
控訴人(三洋信販)の、リボルビング方式による返済の場合、返済期間等の記載はないが、自己(借主)が返済期間等をコントロールするのだから、実質的に法17条の要件を充たす旨の主張を退け、逆にリボルビング方式の場合は返済期間等の記載の必要性は大きく、控訴人の書面にはその記載がならないからとしてみなし弁済を否定した原審判決を維持した。 鳥取地方裁判所 古賀輝郎、亀井宏寿、神原浩 2005年(平成17年)6月14日 平成16年(レ)第16号 不当利得返還請求事件 三洋信販(株) 縄彰司法書士 0859(31)3645 控訴人(三洋信販)が、リボルビング方式の取引においては、返済期間・返済回数を確定的に示す […]
フリーダイヤルによる学習指導付き教材販売は、特定継続的役務の提供及び関連商品の販売であると認定し、約1年半後の訴状によるクーリング・オフを認め、教材代金全額の返還を命じた事例 松山簡易裁判所 村上志保 2005年(平成17年)4月26日 平成16年(ハ)第907号 文書提出命令申立事件 (株)ビクトリア 臼井満弁護士 089(933)6678 フリーダイヤルを利用していつでも自由に学習指導が受けられるとの売り込みで教材3年分を購入し、代金をクレジット会社に一括支払いしたが、教材売買契約書兼クレジット申込書には、「役務の提供(無)」と記載されていた。 原告は電話による学習指導は特定継続的役務であ […]
電話学習指導付き教材販売に関する信販会社からの残代金請求訴訟で、改めてクーリング・オフの通知をして争い、既払額全額返還の和解が成立した事例 松山地方裁判所 竹尾信道 2005年(平成17年)7月29日 平成16年(ワ)第11号、平成17年(ワ)第161号 文書提出命令申立事件 (株)ビクトリア、(株)クオーク 臼井満弁護士 089(933)6678 1年間24回(月2回の割合)の電話指導と教材使用期間中フリーダイヤルにより自由に学習指導が受けられるとして学習教材を購入した(契約書兼クレジット申込書には「役務の提供(無)」と記載)が、約3年半後に販売会社及び信販会社に対して中途解約を通知してクレ […]