悪性の右乳癌を発症した原告に「どんなに大きい腫瘍でも完全に治せる」と断言し、治療費を騙し取り、適正な治療の機会を奪った被告に対し、不法行為の成立を認め約1220万円の損害賠償金の支払を命じた事例 仙台地方裁判所 畑中芳子、中丸隆、佐藤隆幸 2005年(平成17年)6月27日 平成16年(ワ)第579号 損害賠償求事件 気光治療院こと秋元繁 小野寺友宏弁護士 022(266)4664 被告は、医師免許がないにも関わらず「癌治療の気光治療院」と称して「短期間での癌の完全治療」を謳ったホームページを開設している者である。 原告(40歳代の女性)は、病院で「悪性の右乳癌、頚部リンパ節転移」と診断され、 […]
宝石貴金属の販売会社従業員から訪問販売により、ダイヤルース(ダイヤの石)とプラチナリングを購入した消費者(被告)が、信販会社(原告)と立替払い契約を締結したところ、特定商取引法4条書面の交付を受けていないとして(商品の引渡時期等の記載がない)、クーリングオフ期間を経過してなされた解除の意思表示が有効とされ、解除は割販法30条の4により信販会社に対抗できるとされた事例 札幌地方裁判所 原啓一郎 2005年(平成17年)4月28日 平成15年(ワ)第2219号 平成16年(ワ)第1704号 立替金請求事件 日本信販(株)、(株)アプラス、(株)ジェム・アーク 八幡敬一弁護士 011(272)777 […]
宝石貴金属の販売会社従業員から、展示会場へ連れ出された消費者(被告)が、帰宅したい旨告げたにもかかわらず勧誘を続けられたため、困惑してネックレスを購入し、信販会社(原告)と立替払い契約を締結したことにつき、消費者契約法4条3項2号(退去妨害による契約の取消)により立替払い契約の取消を認めた事例 札幌地方裁判所 氏本厚司 2005年(平成17年)3月17日 平成15年(ワ)第2657号 立替金請求事件 (株)オリエントコーポレーション、(株)ジェム・アーク 八幡敬一弁護士 011(272)7776 被告は、高齢の女性(当時81才)であるところ、宝石貴金属の販売会社(原告補助参加人)の従業員から、 […]
信販会社が事前にカード利用代金明細書を送付した上で自動振込がされていても、振込による弁済の都度、直ちに18条書面を交付しなければ貸金業規制法43条の適用はできないとして、原告の過払金返還請求を認めた事例 名古屋簡易裁判所 黒瀬久忠 2005年(平成17年)4月27日 平成17年(ハ)第415号 不当利得返還請求事件 (株)名古屋カード 天野勲司法書士 052(853)0409 被告は(株)名古屋銀行系列の信販会社である。本件の被告は原告に対し、毎月10日の振替日の約2週間前にカード利用代金明細書を送付し、原告は(株)名古屋銀行の口座から自動振替の方法により弁済をしていた。被告は、このように事前 […]
①月収約16万円の債務者に約350万円を年利28%で貸付することは、過剰貸付に当たる。②多重債務者に対して、利息制限法による引直しの説明をせずに債務一本化をなすことは、借主の無知に付け込み、自らのみが債権者となり、高利の利息から多額の利益を得ようとするもので違法性が強度である。③「無保証人」等の虚偽の広告は違法。以上より強度の違法性故に貸付は公序良俗違反で無効。貸付金について、不当利得も成立しない。 名古屋地方裁判所 渡辺修明 2005年(平成17年)5月24日 平成14年(ワ)第2398号の8 損害賠償請求事件 (株)日立ファイナンス 服部誠至弁護士 052(955)6621 本判決は、債務 […]
破産・免責後の不当利得返還請求の是非(肯定) 京都地方裁判所 中村隆次 平成17年(ワ)第254号 2005年(平成17年)4月18日 不当利得返還請求事件 プロミス(株) 功刀正彦弁護士 075(222)7090 事案の概略 弁護士の受任通知及び取引履歴の開示請求に対し、プロミスがこれを無視したが、契約の日付が平成7年であったため、平成16年現在において不当利得が発生している可能性が高いという補足を添えて、京都地裁に破産中立を行った。 裁判の争点 破産を申し立てて、債権者に名前を記載しておきながら、一方では不当利得の返還請求を行うのは禁反言ではないか。 免責決定を受けたことで、例えみなし弁済 […]
シティズの地方裁判所から簡易裁判所への移送申立に対し、そのほとんどがシティズの主張を認めて事件は簡易裁判所に移送されているところ、本件は、裁判所の合理的裁量に委ねられているとして、シティズの抗告を棄却して地方裁判所の管轄とした事例 大阪高等裁判所 大谷正治、高田泰治、藤本久俊 2005年(平成17年)6月7日 平成17年(ラ)第294号 移送申立却下決定に対する抗告事件 (株)シティズ 水谷英二司法書士 052(916)5080 シティズは、過払金返還請求訴訟が地方裁判所に提起された場合に、簡易裁判所における専属的合意管轄があることを理由に、すべて簡易裁判所に移送申立を行っており、そのほとんど […]
免責確定後の取立行為は社会的相当性を欠く違法行為であり、免責後回収額全額につき、損害賠償を認めた事例 大阪高等裁判所 井垣敏生、高山浩平、神山隆一 2005年(平成17年)5月26日 平成17年(ネ)第750号 損害賠償請求控訴事件 宮竹商事こと竹内建夫 由良尚文弁護士 0772(20)1122 本件は、貸金業者(個人)が貸付に際し、「ワシは破産を認めない」などと言い含めて貸付を行い、債務者が破産免責をした後も、免責確定後、「破産は認めない言うてたやろ。払え」などと迫り、債務者から合計金101万9000円を取り立てた行為につき、債務者から同額の損害賠償請求を求めた事案である。 原審の京都地方裁 […]
レイク(GEコンシューマー・クレジット(株))に対する過払金請求訴訟において、レイクが開示した10年前からの取引経過の冒頭に記載された貸金残金については、レイクに立証責任があるとして、冒頭の残高をゼロにして計算をした過払金額の請求を認容した事例 宇都宮地方裁判所真岡支部 平賀俊明 2005年(平成17年)3月2日 平成16年(ワ)第39号 不当利得返還請求事件 GEコンシューマー・ファイナンス(株) 柿沼祐三郎弁護士 0277(54)1221 本件は、GEコンシューマー・クレジット(株)(以下「GE」という)を含む5社のサラ金に対して、推定計算に基づいて、合計600万円余の過払金を請求して提訴 […]
いわゆる「振込め詐欺」の被害者らが、振込先の銀行4社に対し、詐欺の事実を訴え、当該口座を凍結して貰い、振り込んだ金員の返還を求めた。しかし、銀行がこれを拒んだため、訴訟を提起したところ、債権者代位権に基づいて返還請求を認めた事例 東京地方裁判所 藤山雅行、金光秀明、萩原孝基 2005年(平成17年)3月30日 平成16年(ワ)第14793号 不当利得返還請求事件 (株)東京三菱銀行 村上徹弁護士 03(5212)4646 原告らは、「オレオレ詐欺」の被害に遭い、いわれるままに示談金として金員を振込んだ。しかし、騙されたことに気づき、振込先の銀行に連絡し、銀行は口座を凍結してくれた。原告らは、銀 […]
大部分が法により差押えを禁止されている年金の給付金で構成されている預金債権に対する仮差押えが不適法であるとして仮差押決定が取り消された事例 大阪簡易裁判所 石堂和清 2005年(平成17年)5月12日 平成17(ト)第178号、平成17年(サ)第60254号 債権仮差押命令申立事件、保全異議申立事件 ゆとり 久岡英樹弁護士 06(6365)1808 本件は、貸金業者から年金担保融資を受けていた79歳の女性が弁護士に依頼して年金証書、預金通帳等を取り戻したところ、年金が振り込まれる銀行口座に対する仮差押えがなされた事案である。 裁判所は、預金債権額の大部分が年金の給付金で構成されており、債権者が […]
生活保護(医療扶助)の受給を受ける者の公的年金のみが入金される銀行預金が差押えられたことに対し、差押えの取消しの申立てをしたところ、即日にその申立てが認められた事例 千葉地方裁判所松戸支部 小池洋吉 2004年(平成16年)8月19日 平成16年(ヲ)第1027号 債権差押命令取消申立事件 玉ノ井雄一司法書士 047(334)4513 本件は、主たる収入を遺族年金等の公的年金(月額約13万円)のみとする生活保護(医療扶助)受給者が、上記年金のみが振込まれる銀行預金口座を差押さえられたため、差押えの範囲の変更(差押えの取消し)の申立てを行ったものである。 申立て理由として、①預金口座には公的年金 […]
本件は廃棄ロス・棚卸ロス原価に対してチャージ(ロイヤリティ)が付加されるいわゆるコンビニ会計を問題としたものであり、本件提訴後に公正取引委員会からフランチャイズシステムについての調査報告がなされ社会問題として認知された。本件は東京地方裁判所の第一審判決を変更して、廃棄ロス・棚卸ロス原価に対してチャージが付加され不当利得となることを認め、コンビニ本部に対し不当利得金の支払いを命ずる判決をなした 東京高等裁判所 西田美昭、高野伸、小池喜彦 2005年(平成17年)2月24日 平成16年(ネ)第3368号 不当利得返還請求控訴事件 (株)セブン―イレブン・ジャパン 上田栄治弁護士 03(5537)5 […]
本件は、偽造犯罪グループによりキャッシュカードが偽造され、預金者の預金が勝手に引き出されたものであり、全被害は、①Citi・Bank、金275万円、②新生銀行、金54万円、③東京三菱銀行、金1194万円、④郵便貯金、金544万円であった。このうち①、②については訴訟外の交渉により速やかに預金の回復を得たが、③、④については預金返還請求事件を提訴した 東京地方裁判所 水野邦夫 2005年(平成17年)5月27日 平成16年(ワ)第10960号 貯金返還請求事件 日本郵政公社 上田栄治弁護士 03(5537)5118 本件は、偽造犯罪グループがゴルフ場の暗証番号式貴重品ロッカーを勝手に開披してキャ […]
本件は、偽造犯罪グループによりキャッシュカードが偽造され、預金者の預金が勝手に引き出されたものであり、全被害は、①Citi・Bank、金275万円、②新生銀行、金54万円、③東京三菱銀行、金1194万円、④郵便貯金、金544万円であった。このうち①、②については訴訟外の交渉により速やかに預金の回復を得たが、③、④については預金返還請求事件を提訴した 東京地方裁判所 野村高弘 2005年(平成17年)5月18日 平成16年(ワ)第12955号 預金返還請求事件 (株)東京三菱銀行 上田栄治弁護士 03(5537)5118 本件は、偽造犯罪グループがゴルフ場の暗証番号式貴重品ロッカーを勝手に開披し […]
大和都市管財(株)の関連会社であるナイスミドルスポーツ倶楽部(株)の発行するチケット制ゴルフ会員権の購入者が、大和都市管財グループの破綻により被害を被ったとして、ナイスミドル社の元取締役に対して損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決 大阪高等裁判所 田中壯太、橋詰均、村田龍平 2005年(平成17年)3月24日 平成16年(ネ)第764号(原審 大阪地方裁判所 平成13年(ワ)第8551号) 損害賠償請求控訴事件 奥野俊夫(大和都市管財) 小谷寛子弁護士 06(6361)8717 大和都市管財(株)は昭和60年頃から抵当証券業を営んでいたが、グループ会社への仮装融資を抵当証券発行の基礎としており(抵 […]
①利息制限法を超える利息の支払をしないことを理由とする期限の利益喪失特約は、民法90条違反と宣言したこと ②期限の利益喪失特約が付されていること、その他、期限内に超過利息の支払をしない場合には、期限の利益を喪失して、残額一括請求する旨の請求をしたこと等を理由として、債務者の支払には、貸金業法43条の『任意性』がない旨判断したこと 広島地方裁判所 能勢顯男、田中一隆、財津陽子 2004年(平成16年)11月9日 平成16年(レ)第3号 貸金請求控訴事件 (株)シティズ 板根富規弁護士 082(224)2345 1 本判決は、シティズから債務者並びに保証人に対する貸金請求事件について、貸金業法43 […]
訪問販売により太陽光発電装置の購入と設置をする契約をしたが、契約後6日目に、電話で契約を解除(クーリング・オフ)する旨を告げたというケースについて、電話でのクーリング・オフの意思表示があったとの事実認定をし、書面によらない期間内のクーリング・オフも、これが証拠上、明確であれば、有効であるとした。 大阪地方裁判所 塚本伊平 2005年(平成17年)3月29日 平成16年(ワ)第8844号 違約金請求事件 (株)SANKYO energy 西村陽子弁護士 072(221)1807 被告は、訪問販売により太陽光発電装置の購入及び設置契約をしたが、契約後6日目に、原告の営業担当者の携帯電話に電話をかけ […]
連帯保証人の残債務の支払につき、分割払いの和解交渉中に、SFCGが公正証書に基づき給与を差押えたことについて、不法行為の成立を認めた事例 仙台地方裁判所 高木勝己 2005年(平成17年)5月17日 平成16年(ワ)第777号 損害賠償求事件 (株)SFCG 小野寺友宏弁護士 022(266)4664 本件は、SFCGの借主が自己破産申立をしたことにより支払を求められた連帯保証人が、代理人を通じて分割払いの和解の提案をしたのに対し、公正証書により給与を差押えられたことについて、不法行為の成立を認めたものである。 債務者(連帯保証人)の代理人は、SFCGから取引履歴の交付を受け、これをもとに利息 […]
「武富士の闇を暴く」の出版について、武富士による名誉毀損訴訟の提起が、あえて、批判的言論を抑圧する目的で行われたものであるとして、名誉毀損訴訟の被告となった、出版社・執筆の三弁護士の反訴請求を認め武富士及び武井保雄(元会長)に対し、480万円の慰謝料の支払を命じた事例 東京地方裁判所 藤山雅行、金光秀明、熊代雅音 2005年(平成17年)3月30日 平成15年(ワ)第9119号・平成16年(ワ)第696号・平成16年(ワ)第700号 不当利得返還等請求事件 (株)武富士・武富士元会長武井保雄 新里宏二弁護士 022(263)3191 本件は、03年4月武富士被害対策全国会議(代表新里宏二)が「 […]