外国為替証拠金取引業者の取締役らの損害賠償責任を肯定した原判決を維持したもの。また、業者が小会社であることを前提とし、原判決が「業務監査」に関する部分を削除してなお監査役の責任を肯定し、過失相殺を明示的に否定して請求を認容した裁判所 東京高等裁判所第23民事部 安倍嘉人、片山良広、内藤正之 平成18年ネ第3559号 2006年(平成18年)11月29日 損害賠償請求控訴事件 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 個人(破産会社日本エフエックス役員) 「外国為替証拠金取引が一般的には経済的合理性を有する取引であるとしても、その指標となる為替変動の予見は困難であることからすると、一般消費者にと […]
外国為替証拠金取引が賭博に当たるものとして公序良俗に違反し、取引が法令又は正当な業務行為として違法性が阻却されると解し得る根拠はないとし、リスクの大きさ、証拠金保全措置の欠如、パンフレットにも誤解を招くような記載があることなどの理由から、本件取引の目的及び取引自体が相当であると認めることはできないとした事例取引自体が公序良俗に反すること、破産に至った主たる原因が従業員に対して高額の給料を支払っていたことにあること、破産当時の弁護士介入事案の概要、証拠金と自社資産を区別せずに管理していたこと、行政処分、破産会社の規模、株主構成、確定申告書への押印などから、取締役らの旧商法上の責任を認めた事例 東 […]
シティズが、主債務者と保証人からそれぞれ運転免許証の提示を受けて自らハンドコピー機で複写して、その写しを保存していた行為について、当該運転免許証写しは「貸金業者が受け取る書面」(貸金業規制法施行規則13条1項1号ハ)に該当するとした。そして「運転免許証写し」の記載のないシティズ交付書面は、17条書面の要件を満たさないとして、みなし弁済を否定した 大阪地方裁判所第11民事部 小久保孝雄、飛澤知行、上村善一郎 平成16年レ第139号 2004年(平成16年)12月24日 連帯保証債務履行請求控訴事件 井上耕史弁護士 06(6365)8891 (株)シティズ 貸金業者は、借入れの際に、本人確認資料と […]
①およそみなし弁済が成立し得ない場合、過払いとなった以降、漫然と支払いを請求する行為は、不法行為を構成する②サラ金の請求行為が不法行為となる場合、サラ金への支払いのために要した振込手数料は、不法行為による損害である(確定) 裁判所釧路地方裁判所民事部 小濱浩庸、篠田賢治、梶川匡志 平成17年レ第17号 2006年(平成18年)9月19日 不当利得返還請求控訴事件 オホーツク司法書士法人 0152(75)6099 (株)クレディア 本件は、クレディアに対する支払いのほとんどを銀行からの振込みによって行った本件顧客が、過払いとなった以降の銀行への振込手数料は、クレディアの法律上の原因のない請求行為 […]
イモビライザー付自動車が盗難される事故が発生したが、保険会社が車両保険に基づく保険金の支払いを拒絶した事案について、保険会社の主張する不審事由を、いずれも盗難の事実の認定を左右するものではないとした上で、故意免責の主張も排斥し、事故直後に保険会社社員が、保険契約者に対して、「保険金詐欺だとおもう」と発言したことについて、慰謝料請求を認めた事案 裁判所大阪地方裁判所第11民事部 山下郁夫 平成16年ワ第14106号 2006年(平成18年)8月23日 保険金等請求事件 薬袋真司弁護士0 6(6361)8801 公開せず 原告は、メルセデスベンツを所有し、平成14年2月15日に、被告との間で、車両 […]
事案はみなし弁済の適用の有無、悪意の受益者に当たるか、貸付の個数、が争点となり、前2者について肯定し、後者について、貸付の個数を複数であると評価した。また、期限の利益喪失の有無についても判断しており、期限の利益を宥恕したと認められる場合の、事実の評価について、判断が丁寧になされている 大阪高等裁判所第10民事部 田中壯太、髙山浩平、村田龍平 平成17年ネ第3517号 2006年(平成18年)9月13日 不当利得返還等請求控訴事件 功刀正彦弁護士 075(222)7090 ニューファイナンス(株) 控訴審の判決は、原審原告が、みなし弁済の適用がない要件として、支払に任意性がない(最高裁の判決が出 […]
幸福の科学の弁護士に対する請求については、提訴し記者会見した事実について、これを真実と信じたことに相当の理由があったとして請求棄却。弁護士が幸福の科学外を訴えた反訴については、幸福の科学外の弁護士への8億円の損害賠償請求は、主に批判的言論を威嚇する目的をもって、請求額が到底認容されないことを認識した上で、あえて提起したものと認め、100万円の慰謝料を認容した 東京地方裁判所民事15部 土屋文昭、神坂尚、今井理 平成9年ワ第84号、第15567号 2001年(平成13年)6月29日 損害賠償本訴請求事件 損害賠償反訴請求事件 山口 広弁護士 03(3341)3133 宗教法人幸福の科学 幸福の科 […]
通常の使用方法で購入後3年半の足場台を使用中に、突然、台の上の原告が身体のバランスを崩して転落して負傷(入院21日)した事案で、足場台の脚が突然屈曲・変形したことによって転落したと推認し、足場台に欠陥があったと認め、製造物責任法により製造業者に慰謝料120万円、弁護士費用20万円など計149万5609円の支払いを命じた 京都地方裁判所第2民事部 山下寛、衣斐瑞穂、脇村真治 平成17年ワ第167号 2006年(平成18年)11月30日 損害賠償請求事件 浅岡美恵弁護士 075(211)2774 製造業者 (株)ピカコーポレイション、販売業者 コーナン商事(株) 脚立や足場台の使用中の脚の変形と転 […]
雪印が原告に対し、総額650万円を支払う旨の和解が成立した。判決を前提とした裁判所による和解勧試があり、原告に生じた症状(主治医の診断はPTSD)と食中毒事件の因果関係等の主要争点において原告の主張が認められたものと評価でき、原告や家族が早期解決を願ったことから和解に応じることとなった 大阪地方裁判所第11民事部 山下郁夫、横路朋生、片田真志 平成13年ワ第7122号 2006年(平成18年)9月26日 損害賠償請求事件 山本雄大弁護士 06(6221)3181 雪印乳業(株) 平成18年9月26日、雪印低脂肪乳等による集団食中毒事件に関する損害賠償請求事件において、PTSDを発症し、雪印がP […]
48歳の男性が、現物株取引をしていた証券会社から信用取引を勧誘され、損失を被った事件において、証拠保全手続の際に証券会社の検証物提示拒否に対して出された提示命令を不服として、証券会社が抗告をした抗告審で、同抗告を棄却した事例 大阪高等裁判所第10民事部 下方元子、橋詰均、村田龍平 平成16年ラ第517号(原審事件番号 平成16年モ第1338号) 2006年(平成18年)9月3日 検証目的物提示命令に対する抗告事件 高瀬朋子弁護士 06(6365)9184 新光証券(株) 被害者は、当時48歳の不動産賃貸業を営む男性。平成11年初め頃から、新光証券において現物株の取引をするようになり、その後同社 […]
金銭消費貸借基本契約を締結して貸借を繰り返す場合にも、「返済期間および返済回数」「返済金額」を17条書面に記載する義務を免れるものではなく、個々の貸付時にこれらを記載しない限りみなし弁済は成立しない 最高裁判所第2小法廷 津野修、今井功、中川了滋、古田佑紀 平成18年(受)第37号 2006年(平成18年)11月24日 債務不存在確認等請求事件 本人訴訟 (株)レタスカード 上告人は、貸金業者である被上告人との間で、「借入限度額30万円、毎月20日限り以下の金額を返済する、借入残高10万円以下の場合5000円以上、借入残高20万円以下の場合1万円以上」などとする金銭消費貸借基本契約を締結し、被 […]
1 貸金業者の貸付が、ヤミ金融業者の貸付を一本化して実質的にヤミ金融業者の債権の回収を担ったものとして貸金請求が棄却され、債務者の損害賠償請求が認められた事例 2 貸金業者の貸付が貸金業規制法20条の2の脱法行為として貸金請求が棄却され、債務者の損害賠償請求が認められた事例 東京地方裁判所民事23部 小島法夫 平成17年ワ第12957号外 2006年(平成18年)8月25日 貸金請求事件、損害賠償請求反訴事件外 森川 清弁護士 03(6913)4650 (株)アーク 年金ヤミ金融業者から公的年金担保で借入をして支払うよう迫られた被害者が、公的年金担保融資手続後に、ヤミ金融業者が紹介する本件業者 […]
特定調停において債権債務なしの精算条項が付いた17条決定が確定した後の過払金請求。17条決定は、当事者双方が異議を申し立てなかったという点で、裁判上の和解と同様に、当事者双方の意思に依拠するものであり、当事者の合理的意思に則して解釈されるべき。過払金が争いの対象でなかったことは当事者双方の共通の認識であり、本件精算条項の対象に過払金の有無及び金額の点は含まれない(既判力の射程ではない)沖縄簡易裁判所 作田寛之平成18年ハ第145号2006年(平成18年)6月27日不当利得返還請求事件安里長従司法書士 098(951)0250アイフル(株) ⑴ 特定調停において、取引履歴を開示せず、「ゼロ和解」 […]
年金収入しかなく軽度の認知症の傾向にある女性に、クレジットで次々と3件のリフォーム契約を締結させた件で、1件目の契約について、クレジット会社が請求金額の95%以上を放棄する内容の和解が成立した事例 仙台地方裁判所第3民事部 伊澤文子 平成18年ハ第221号 2006年(平成18年)10月24日 求償金請求事件 小野寺友宏弁護士 022(266)4664 (株)アプラス 無職で年金しか収入がない60代の女性(収入額は、2カ月に1回約24万円、軽度の認知症の傾向にある)に対し、リフォーム業者が、訪問販売で、3度にわたりクレジット契約を締結させた(クレジット総額約880万円、毎月の支払額約6万600 […]
日賦貸金業者及び保証会社を被告として、金銭消費貸借契約及びその保証委託契約が公序良俗に違反し無効であるとして、支払った返済金及び保証料の全額を不当利得として返還を命じた事例 名古屋地方裁判所民事第4部 寺本明広 平成18年ワ第3010号 2006年(平成18年)10月17日 不当利得返還請求事件 水谷英二司法書士 052(916)5080 (株)アサヒ(株)オーエムシー 本件は、①原告が日賦貸金業者からの借入の度に、保証会社の保証料と称して金銭を徴収されていたこと。②日賦貸金業者が100日未満の借り換えをしていたため日掛け3要件を満たしていないこと。により金銭消費貸借契約及び保証委託契約は超高 […]
日掛け業者に対して、2度の取引明細開示請求に応じなかったため、慰謝料請求訴訟を提起したところ、開示したケースで2万円の慰謝料が認められた 大阪簡易裁判所 池尻修三 平成18年ハ第19547号 2006年(平成18年)10月18日 損害賠償請求事件 滝川あおい司法書士 0729(81)5281 クエストこと平野裕保原告は、被告に対し、平成18年7月28日及び平成18年9月5日の2回にわたり、取引明細の開示を求めたが、被告がなかなか開示しなかったため、原告が大阪府貸金業対策課に行政指導の申立をしたところ、被告は、本件訴訟提起後の平成18年10月3日、取引明細を開示した。 最高裁平成17年7月19日 […]
借入金の完済後約1年経ってから再度借入した事例。第1取引と第2取引は別個の取引としたが、当事者の合理的意思を理由として第1取引における過払金返還請求権にかかる過払金は、第2取引の借入債務に充当されるとした。また、不当利得返還請求権の消滅時効の起算日は第2取引の最終取引日とした。司法書士による本人支援訴訟 大阪地方裁判所第13民事部 府内 覚 平成18年ワ第430号 2006年(平成18年)9月29日 不当利得金返還請求事件 多田宏治司法書士 072(724)6495 プロミス(株) 本件は、原告が被告に対して、過払金340万3808円及び民法所定の利息159万3135円の支払を求めた司法書士支 […]
クレジット会社が当初貸付記録の記載のない取引履歴をいったん開示した後に、全部の取引履歴を開示した経過につき、取引履歴開示義務違反を認めた事例 岡崎簡易裁判所 德丸哲夫 平成18年ハ第141号 2006年(平成18年)9月15日 不当利得返還等請求事件 田島掌司法書士 052(351)8615 UFJニコス(株) 過払金返還訴訟で主に取引履歴開示義務違反行為の有無を争った事案である。経緯は次の通り。 ⑴ 債務者2名のキャッシング取引につき、UFJニコスが取引履歴開示。ところが2件とも当初貸付記録がなく残高の記載から始まる不自然な取引履歴であった。なお、これらはいずれも平成7年11月以降のものであ […]
時効銀行が長期延滞後で償還期間も経過した後に、自動振替償還契約に基づく預金通帳からの振替で弁済をさせた場合に、承認による時効中断は認められない福岡高等裁判所 第5民事部 中山弘幸、前川高範、伊丹恭平成17年ネ第1032号2006年(平成18年)5月23日貸金等請求控訴事件河野 聡弁護士 097(533)6543(株)豊和銀行国民生活金融公庫 国民生活金融公庫の代理貸しを銀行がした事案で、自動振替償還契約に基づき自動振替で返済がなされていたが、途中から返済が滞り、償還期間も経過した(以下、事案を簡略化して説明する)。最終返済から5年の商事時効期間経過直前に、銀行は、借主がその銀行にしていた120 […]
「保証料」名目での暴利行為が、出資法を潜脱するもので、貸金業規制法第42条の2第1項に違反して金銭消費貸借契約自体が無効、同じく保証会社との保証契約も公序良俗に違反して無効。貸金業者と保証業者の行為は共同不法行為に該当する。また、貸金業者の行為は不法原因給付に該当する岸和田簡易裁判所 柏森正雄平成17年ハ第190号平成18年ハ第335号2006年(平成18年)9月12日損害賠償請求事件債務一部不存在確認請求反訴事件新川眞一司法書士 072(444)9931ライズこと植松俊之関西信用保証こと濵本信和 本件は、佐野簡易裁判所平成18年1月27日判決と被告らを同じくした一斉提訴の事案である。 貸金業 […]