債務弁済協定調停において、裁判官及び調停委員が、みなし弁済の要件についてフリーパスに近い事情聴取に止め、業者に対して従前の取引履歴の提出を熱心に要求をしないまま、ほぼ約定残金を支払うことを内容とする調停を成立させ、17条決定をした等の行為は、国家賠償法違法の違法性があるとまでは言えないが、多大な問題があり、特定調停法施行後の現時点では、国家賠償法上違法であるとの見方も成り立ち得る 東京地方裁判所民事第40部 市川正巳、賴晋一、髙嶋卓 平成13年ワ第17003号 2006年(平成18年)3月24日 損害賠償請求事件 岩重佳治弁護士 03(3571)6051 国 本件は、平成10年に伊予三島簡裁に […]
悪質リフォーム工事代金支払いの為の立替払契約と工事契約は一体のものであり、契約目的が不必要工事のための支払いであるという不利益事実を故意に告げなかったことは、消費者契約法4条2項に該当するとして、信販会社に既払金の返還を命じた 小林簡易裁判所 大田茂 平成17年ハ第247号 2006年(平成18年)3月22日 不当利得返還請求事件 瀬戸山雅光司法書士 0984(23)0038 楽天KC(株) 高齢者に対する悪質リフォーム詐欺被害で、工事業者が行方不明になっているので、信販会社に対し、消費者契約法に基づき立替払契約を取り消し、既払金の返還を求めた事案である。 本件工事は、工事業者から「住宅の耐震 […]
新築マンションにおける集団的なシックハウス被害につき、売主・施工業者・部材メーカーが、連帯して、相当額を支払う旨の和解が成立した 大阪地方裁判所 小久保孝雄 平成16年ワ第1147号 2006年(平成18年)9月11日 損害賠償請求事件 三浦直樹弁護士 06(4800)3277 (株)大京、大末建設(株)、(株)ブリヂストン シックハウス対策(建材の使用制限、換気設備の設置)が盛り込まれた平成14年改正建築基準法の施行(平成15年7月1日)前に設計・建築・引き渡しが行われた建物について、主たる原因物質の放散経路が解明され、主要な発生源たる動産が特定されたことから、売主に対する瑕疵担保責任や施工 […]
54歳の女性が、株式購入に利用していた証券会社から保有する株式を担保に商品先物取引を勧誘され、損失を被った事件において、勧誘時の文言をそのまま認めて260万4800円(弁護士費用を含む)の支払を認容した事例 大阪地方裁判所 横路朋生 平成17年ワ第2708号 2006年(平成18年)4月26日 損害賠償請求事件 高瀬朋子弁護士06(6365)9184 大塚証券(現岡安証券)被害者は、勧誘当時54歳の女性で、夫を亡くし自己の年収200万円で生活していた。ペイオフ制度の導入や預金金利の低迷から、預金代わりに有名会社の株式を保有しておくことを考え、大塚証券で現物株を1000万円弱で購入した。株式購入 […]
業者から連帯債務者および根抵当権設定者とされた者に対する請求が認められなかった事例。親族に対する支払い請求が不法行為として慰謝料が認められた事例 千葉地方裁判所民事第5部 安藤裕子 平成15年ワ2627号 平成17年ワ1394号 平成16年ワ1173号 2006年(平成18年)1月16日 債務不存在確認等請求事件、貸金支払請求反訴事件、根抵当権設定仮登記抹消登記手続等請求事件 伊東達也弁護士 043(202)5025 (株)ユニオンリーシング(旧商号 (株)ジョウナン) Aさんは、次男に連れて行かれた場所で、内容が分からないまま言われるとおりにいろいろな書類に署名した。その書類の中には、次男が […]
貸金業者に対する過払金請求に要した弁護士費用を民法704条後段の損害と認めた判決 大阪地方裁判所第24民事部 岩松浩之 平成17年ワ第8091号 2006年(平成18年)7月10日 不当利得返還等請求事件 井上耕史弁護士06(6365)8891 プロミス(株) 本判決は、過払金請求に要した弁護士費用のうち、当初請求額(1部推定計算により過払金元金234万円余を請求。後に取引履歴開示を受けて過払金元金182万円余に請求を減縮)の1割にあたる23万円(請求額全額)について、民法704条後段に基づく損害賠償を認容した。 不当利得が意思に基づかずに発生する債権であって、予め履行確保のための措置がとれな […]
貸金業者に対する過払金請求において、その継続的貸借取引の途中に、当該貸金業者が類似の商号を用い、株式会社から個人事業形態にするなどしてその営業を承継したにもかかわらずこれを否定し、過払金はないと主張していた状況の下、「店舗」「従業員」「電話番号」などがほぼ同一の間接的事実関係により「営業の譲渡」が認定された事例 大阪地方裁判所第11民事部 山下郁夫 ①平成17年ワ第5339号②平成17年ワ第10256号2006年(平成18年)4月26日 不当利得金返還等請求事件(本訴)貸金返還請求事件(反訴) 西田庄吾司法書士 06(6941)2343 キャッシングステーションワコーこと橋本裕雄 原告は、被告 […]
敷金から退去時に一律に一定金額を控除するいわゆる敷引特約(敷金25万円中20万円を控除)は、消費者の利益を一方的に害するものであり、消費者契約法10条により無効となる 大津地方裁判所民事部 阿多麻子 平成17年ワ第701号 2006年(平成18年)6月28日 敷金返還請求事件 平尾嘉晃弁護士075(256)0224 積和不動産関西(株) 本件訴訟では、被告から、敷引金は、①賃料の前払い、②賃貸借契約更新時の更新料の免除の対価、③賃貸借契約成立の謝礼の性質があり、合理性を有する旨が主張された。 しかし、本件判決は、②③の主張にはそもそも合理性がないとして排斥し、①の主張に対しても、単に周辺の不動 […]
賃貸借契約終了時に賃借人が負う原状回復義務につき、賃借人に通常損耗の原状回復義務が認められるためにはその旨の特約が明確に合意されていることが必要と判断し、原判決を破棄した最高裁判決を受けての差戻審で和解が成立した事例 大阪高等裁判所 田中壯太、松本久、村田龍平 平成17年(ネ)第3564号 2006年(平成18年)5月18日 敷金返還請求事件 岡本英子弁護士 06(6228)1922 大阪府住宅供給公社 本件は、賃貸人が大阪府住宅供給公社の賃貸借契約において、賃借人が通常損耗の原状回復義務を負担する合意が成立していたかが争点になった事案である。 最高裁は、賃借人側の上告を受理し、通常損耗の原状 […]
ヤフーの個人情報が、不正アクセスにより漏洩した事件について、個人情報の適切な管理を怠った過失等により共同不法行為による損害賠償として、慰謝料等1人当たり6000円を認めた事例 大阪地方裁判所第11民事部 山下郁夫、横路朋生、矢野紀夫 平成16年ワ第5597号2006年(平成18年)5月19日 損害賠償請求事件 岡田崇弁護士 06(6941)6607 BBテクノロジー(株) ヤフー(株) 本件は、「Yahoo!BB」の保有する個人情報が不正アクセスにより漏洩した件について、顧客5人が、「Yahoo!BB」を共同して提供しているBBテクノロジー(株)(以下、BBTという)とヤフー(株)に対して、個 […]
貸金業者の貸金債権は、みなし弁済規定の適用の有無によって、貸金債権が認められたり、過払金返還義務を負うことになる性質のものであるから、かかる債権債務は表裏一体の関係にあり、営業譲渡がなされたときは、貸金債権にとどまらず、これに伴って生ずる過払金債務も含め貸主としての地位の譲渡を受けたというべきであって、営業譲渡前に発生していた過払金返還義務も承継する 東京高等裁判所第12民事部 房村精一、打越康雄、吉田健司 平成17年ネ第4541号 平成17年ネ第5679号 2006年(平成18年)5月17日 不当利得返還請求控訴事件附帯控訴事件 清水 聡弁護士 03(5785)0295 新洋信販(株) 本件 […]
第1回支払期日に支払いを遅滞した際、特約による残債務全額の即時支払いを請求し得たにもかかわらず直ちに一括請求する措置をとらずに分割払いを続けさせていた原告が、被告が債務整理手続に入るやいなや特約を盾に第1回支払期日の経過によって期限の利益を喪失したとして約定遅延損害利率による充当計算をもとに請求することは信義則に反し、権利を濫用するものとして許されないとした事例千葉簡易裁判所 芳田圭一 平成16年(ハ)第3037号 2006年(平成18年)4月27日 貸金請求事件 芥川彰子弁護士 03(5957)5528 (株)シティズ 本件は債務整理受任後に連帯保証債務を請求された事案である。当初シティズは […]
理髪店を営む個人事業者(店舗と住居は別)につき、電話機リース契約がクーリング・オフにより解除された旨の確認及び、リース会社及びサプライヤーは連帯して、既払いリース料全額に加え、司法書士費用等を含めた金員を解決金として支払う旨の訴訟上の和解が成立した事例 三島簡易裁判所 平成18年(ハ)第87号 2006年(平成18年)6月22日 不当利得返還等請求事件 山田茂樹司法書士 0558(74)2801 (株)エフォード、エヌ・ティ・ティ・リース(株) 第1 事案の概要 1 本件は、平成16年8月、理髪店を営む60歳代の女性(以下「原告」という)が、サプライヤー従業員に「今後、黒電話が使えなくなり、変 […]
特定調停において、貸金業者が取引履歴の全部を開示せず、民事調停法17条の調停に代わる決定が出された場合、未開示部分には既判力は及ばないとして、未開示部分の履歴に基づく過払金全額の返還を認めた例 大阪地方裁判所第12民事部 瀧華聡之 平成17年ワ第7103号 2006年(平成18年)9月13日 不当利得金返還請求事件 白木智巳弁護士 06(6366)5351 GEコンシューマー・ファイナンス(株) 事案の概要は、Aが昭和63年頃レイクと契約し、平成15年、サラ金5社を相手方として、特定調停を申し立てた。レイクは、特定調停において平成11年からの取引履歴を裁判所に提出して未だに残債務があると主張し […]
欺瞞的なシロアリ駆除の営業による被害について、既払金の他被告株式会社ファスコムは、本件解決金として300万円を原告に支払うとの和解事例 大阪地方裁判所岸和田支部 光吉恵子 平成16年ワ第253号 2006年(平成18年)4月5日 不当利得返還等請求事件 小谷隆幸弁護士06(6363)3328 (株)ファスコム(株)クオーク 原告は大正14年6月27日生まれの女性で、1人暮らしをしていた。平成13年頃から平成15年にかけてシロアリ駆除業者株式会社ファスコムから、「床下無料点検に来ました」と言われて床下に入ることを許諾したところ、床下から、ファスコム担当者がボロボロになった木を原告に見せ「床下の木 […]
債権者(原告・反訴被告)が消滅時効後に行った債務者(被告・反訴原告)に対する取立行為について、社会的相当性を欠いた不適切な請求であるとして、反訴原告の慰藉料請求と弁護士費用請求を認めた事例(被告は控訴している) 札幌簡易裁判所 布谷靖裕 本訴平成17年(ハ)第22551号 反訴平成18年(ハ)第401号 2006年(平成18年)9月7日 貸金請求事件(本訴) 損害賠償請求事件 馬場政道弁護士 011(281)0868 (株)スターオフファイナンス 昭和60年頃に破産決定がなされた被告(免責決定は得ていない)が、その後20年経過した平成16年12月以降、原告から書面による請求、電報や不在中に自宅 […]
①「特定顧客の誘引方法」にいう「販売目的を告げずに」とは、販売以外の目的を告げた場合のほか、本来の目的たる商品以外のものを告げた場合も含む。②特定商取引法5条の法定書面は、商品の販売価格について、その商品ごとの価格を記載しなければ、要件を充足しない 大阪地方裁判所第8民事部 奥野寿則 平成17年(ワ)第9711号 2006年(平成18年)6月29日 立替金請求事件 万代佳世弁護士 06(6204)0207 (株)アプラス 平成13年に、若い女性からの電話勧誘で呼び出されて販売店(株式会社ヴィンク)の営業所に赴いた男性(当時21歳)が、ダイヤモンドと絵画を購入する契約をし、アプラスから立替払いを […]
クレジット会社の立替金請求において、高額な価格設定に合理的な理由が認められないことなどから販売業者が第3者による欺罔の意図を知っていたと推認して、第3者による詐欺の被害者である買主からの抗弁権接続(割賦販売法30条の4第1項)が認められ、請求が棄却された事例 東京高等裁判所第7民事部 横山匡輝、石井忠雄、相澤眞木 平成17年(ネ)第6050号 2006年(平成18年)4月6日(確定) 立替金請求控訴事件 森川 清弁護士 03(6913)4650 (株)オリエントコーポレーション 本件は、欺罔者が、雇う意思がないにもかかわらず、求職者(65歳)に就職の条件としてバイクを購入するよう求めて、クレジ […]
原告からの過払金返還請求に対し、被告が各論点につき争ったが、原告の請求額全額を認めた判決。司法書士支援による本人訴訟 大阪地方裁判所堺支部第1民事部 川畑公美 平成17年(ワ)第1329号 2006年(平成18年)8月23日 不当利得返還請求事件 関井正博司法書士 072(469)3033 (株)ロプロ 争点と判断。 ① 手形貸付毎に個別の貸付か、1連1体の1個の貸付か、貸付毎の個別計算か、1連1体の充当計算か。(判断)実質的に1連1体の貸付。よって、1連1体のものとして充当計算。 ② 貸付金に対する利息は、貸付毎に利息制限法を適用するか、複数の貸付を総合して適用するか。(判断)1律15%適用 […]
①過払金返還請求権に対する利息に対し商事法定利率年6分を適用した事例。②破産・免責決定確定後の過払金の請求は信義誠実の原則に反しないとした事例 東大阪簡易裁判所 中島嘉昭 平成18年(ハ)第459号 2006年(平成18年)7月13日 不当利得金返還請求事件 滝川あおい司法書士 0729(81)5281 (有)ますめ 過払金返還請求権に対する利息は、被告の過払金返還債務が貸金業者による貸し付けと弁済の受領という商行為に起因するものであって商行為により生じた債務に準ずるものであること、被告は貸金業者であり、原告からの受領金をその営業のために使用したものと推認されることから、商事法定利率である年6 […]