「外国為替証拠金取引」について、「本件取引は、為替レートの変動という当事者が関与せず、しかも予見し得ない事情によって、損益金の金額が決定されるものであるから、賭博の構成要件に該当するものであり、(中略)原則として公序良俗に反する違法な行為と言わざるを得ない」と判示したうえで、法令による正当行為該当性及び個別的な正当化事由の存在のいずれも否定し、「本件取引は、賭博行為として公序良俗に反する違法な行為であると認められる」と結論した 東京地方裁判所 藤山雅行、大須賀綾子、筈井卓矢 2005年(平成17年)11月11日 平成17年(ワ)第3714号 損害賠償請求事件 (株)キャピタルベネフィット 國吉 […]
任意整理で一旦はゼロ和解した事案について、和解の前提となった取引開示日よりも以前から取引が行なわれており、そのデータを債権者が保有していたことが後日判明したため、和解の無効を主張し、過払金の返還と損害賠償を認めた事例 佐世保簡易裁判所 大家嘉朗 2005年(平成17年)12月6日 平成17年(ハ)第21号 不当利得返還等請求事件 三洋信販(株) 林田和樹(司法書士) 0956(12)0181 三洋信販との任意整理事案において、三洋信販は取引開始日について取引開始額や当初取引残高に不自然さがない平成9年からの取引履歴を開示した。よってこれを前提に利息制限法制限利率に引き直し、ほぽ貸金残高がゼロと […]
ヤミ金による損害金は、支払わされた金銭の他に慰謝料や弁護士料も含まれるとして、ヤミ金実行者にこれらを全て請求できるとされた(確定) 札幌高等裁判所 伊藤紘基、北澤晶、石橋俊一 2005年(平成17年)12月6日 平成17年(ネ)第209号 貸金請求控訴事件 (有)ゴーリキ 山崎俊彦弁護士 011(271)5951 被告は元警察官が金融業に転職した個人業者であって、サラ金を装った1か月毎の支払いをさせ、年利29・2%を装った計算書、帳簿を作成し、借用書の「借入金」欄に返済金額を書かせていたが、その実、1か月後に元金の倍額を支払わせるやり方をとっている(実質年利1200%)ヤミ金業者であった。 弁 […]
シティズの貸付について「みなし弁済」の成立を認めた大阪高等裁判所上告審判決を職権により破棄し神戸地方裁判所に差し戻した特別上告審判決。契約番号の記載による代替を認める貸金業法施行規則15条1項が貸金業法に違反すること、期限の利益喪失特約下での返済には任意性がないと判断し、原判決・原々判決を職権で破棄した 最高等裁判所第二小法廷 津野修、滝井繁男、今井功、中川了滋、古田佑紀 2006年(平成18年)3月17日 平成17年(テ)第21号 貸金請求事件 (株)シティズ 辰巳裕規弁護士 078(371)0171 最高裁が平成18年1月13日及び18日判決において、シティズの貸金業法43条「みなし弁済」 […]
司法書士の任意整理中における提訴に対し、債務者と受任司法書士が慰謝料を請求し、債権者が総額20万円を支払う和解が成立した 小倉簡易裁判所 深津洋 2006年(平成18年)3月2日 平成17年(ハ)第954号、平成17年(ハ)第966号 損害賠償(反訴)貸金請求事件 アイフル(株) 山下三範司法書士 093(591)3493 司法書士の任意整理においてアイフルだけが、一括払いあるいは将来利息を付すのでなければ和解に応じられないとの態度を取り続け、訴訟を提起したのに対し、不当提訴である旨反論するとともに、債務者仁対する慰謝料請求への反訴並びに司法書士の業務妨害につき慰謝料を請求。本人尋問直前にアイ […]
建売住宅の構造欠陥とシックハウス被害について売主等が購入者及びその妻に合計1876万円を支払い和解。 神戸地方裁判所 2005年(平成17年)4月6日 平成11年(ワ)第1720号 損害賠償請求事件 ときわ住研(株)ほか 田中厚弁護士 06(6365)9183 本件は、土地付1戸建住宅の購入者が、建物の外壁の一部が土留め擁壁と一体化しており、当該土留め擁壁の必要鉄筋量も足りていないことが瑕疵であり補修は不可能であるとして、最売会社に対して、主位的に売買契約の解除による代金返還等の請求、予備的に建物の価値が無価値であるとして建物代金相当額等の損害賠償の請求をした事案である。建物引き渡し後1年経過 […]
銀行のヤミ金口座への被害者の振込みについて銀行は被害者に対し弁護士法23条2項の照会及び裁判所の調査嘱託に対して口座名義人の氏名と住所を開示する義務があり、これを怠ると不法行為となるが銀行には過失が無かったとして被害者の銀行に対する損害賠償請求を棄却した事例。 大阪地方裁判所 山下郁夫 2006年(平成18年)2月22日 平成17年(ワ)第11396号 損害賠償請求事件 (株)みずほ銀行 植田勝博弁護士 06(6362)8177 原判決は、被告みずほ銀行及び被告三井住友銀行には23条照会又は調査の嘱託に対する報告義務違反が認められるが、当時のみならず今日においても、銀行が顧客等との間で預金等の […]
①クーリング・オフにより、一旦契約が解消された以上、これを撤回する旨の意思表示をしても元の契約は復活しない。②クーリング・オフの撤回は再契約の申込みと評価されるので、事業者が再度、特定商取引法上要求される法定書面を交付しなければ、クーリング・オフの権利行使期間は進行せず、申込者はいつでもクーリング・オフの権利を行使できる。 神戸簡易裁判所 杉中滋和 2005年(平成17年)2月16日 平成16年(ハ)第10929号 工事代金請求事件 大樹ホーム(株) 尾崎博彦弁護士 06(6316)8855 本件であるが、原告(事業者)が被告(89歳独居女性)との間で、平成16年7月29日、被告宅の床下修繕及 […]
展示会商法による呉服の次々販売のケースにおいて、呉服販売店及びクレジット会社との間で、全契約の合意解約・既払金の返還を内容とする和解が成立した事例。 大阪地方裁判所 山下郁夫 2006年(平成18年)2月21日 平成17年(ワ)第11396号 損害賠償請求事件 (株)愛染蔵 松尾紀男弁護士 0955(74)5051 大阪府下在住の60代の母と30代の娘が、大手着物販売会社の愛染蔵(あぜくら)及び大手信販会社3社に対して、平成7年から平成15年までの間に32回にわたり、総額2000万円以上のクレジットを付けて展示会商法による強引販売・次々販売をしたケースについて、全契約の無効を前提として既払金の […]
①契約書面には集金休日の記載がないのに、実際の貸付では集金休日が設けられたものについては正確な17条書面が交付されたことにならない。②17条書面に「その他取引のなさない習慣のある休日」と記載されている場合、その記載内容は正確、明確ではない。③包括的担保設定以降の書面全てに担保の具体的内容の記載が必要。④取立日数が全日数の100分の70未満となった場合は出資法附則9項所定の要件を充たさない。 最高等裁判所第三小法廷 上田豊三、濱田邦夫、藤田宙靖、堀籠幸男 2006年(平成18年)1月24日 平成15年(受)第1563号 生命保険証券及び傷害保険証券返還等請求事件 (有)ダイヤモントリース(日掛) […]
①17条書面及び18条書面の交付の要件はその目的が後日の紛争防止をすることにあると解されるので、貸金業法17条1項及び18条1項所定の事項の記載内容の解釈は、書面自体によって明確かつ正確であるべきで、正確でないときや明確でないときにも、同法43条1項の規定の適用要件を欠く。②本件借用書の「契約手渡し金額」の記載は実際に手渡された金額自体ではないから、17条書面が交付されたとはいえない。③18条書面の記載に誤りがあった場合は法18条の要件を充たさない。④約定返済期間の途中で、借換をして返済期間が100日未満となった場合は出資法附則9項所定の要件を充たさない。 最高等裁判所第三小法廷 上田豊三、濱 […]
京都府知事登録の貸金業者が、大阪市内の別の登録貸金業者の店舗において貸付行為(借用書作成、金員交付)を行った事案につき、このような出張貸付行為は、貸金業法3条1項(登録制度)の趣旨を没却するとともに、同法11条3項(無登録営業の禁止)・14条(貸付条件等の掲示)に違反し、当該契約は公序良俗違反で無効、貸金業者から交付された金員は不法原因給付となり、貸金業者はその返還を請求できない、とした事例。 岸和田簡易裁判所 柏森正雄 2006年(平成18年)1月31日 平成17年(ハ)第173号 貸金請求事件 ケンファイナンスこと木下健治 山田治彦弁護士 06(6360)2031 京都府知事登録の貸金業者 […]
山口組五菱会系ヤミ金融グループの「ヤミ金帝王」こと梶山進から押収中の米ドル紙幣2万0001枚(約2億5333万1766円相当)に対する押収物還付請求権、及び、同ヤミ金融グループ幹部の奥野博勝から押収中の現金1億0069万7000円に対する押収物還付請求権について、被害者136名の申立てにより、平成17年11月16日、東京地方裁判所民事第9部が債権仮差押命令を発令した。 ①東京地方裁判所民事第9部 青木晋/②東京地方裁判所民事第9部 渡辺真理 2005年(平成17年)12月16日 ①平成17年(ヨ)第3803ないし3938号/②平成17年(ヨ)第3939ないし4074号 債権仮差押命令申立事件 […]
全取引履歴不開示について不法行為に基づく損害賠償が認められた事例。 東大阪簡易裁判所 松本登清 2005年(平成17年)12月16日 平成17年(ハ)第507号 不当利得返還等請求事件 ポケットカード(株) 堀泰夫司法書士 06(6872)3400 本件は、訴外で原告が被告にらして、本件提訴前から5回も履匹開示を請求したが、被告は4回目に一部履歴の開示に応じただけのため、原告は、被告に対して、推定計算に基づいて、本件を提訴しました。 本訴第1回の口頭弁論期日においても、被告は、一部履歴を全然履歴であると主張しました。その後、原告の申出に基づき裁判所が文書提出命令を発令してからも、被告は以前に提 […]
登録貸金業者が、貸付にあたり、契約時に根拠のない天引を行いながら、そのまま名目貸付額に対する出資法上限金利の徴求を行い、契約書の切り返し毎に、期間中の利息についても、そのまま残債務に計上した上で、再び名目貸付額との間の差額のみを貸し渡したにもかかわらず、その日に名目貸付があったかのように仮装したため、出資法違反の金利が契約書切り返し毎に拡大していく事案。 京都地方裁判所宮津支部 久保井恵子 2005年(平成17年)11月30日 平成17年(ワ)第5号(本訴)/平成17年(ワ)第36号(反訴) 不当利得返還請求事件(本訴)/貸金請求事件(反訴) 三井信用こと千原成浩 京都寺町法律事務所 075( […]
取引履歴不開示について不法行為に基づく損害賠償が認められた事例。 東大阪簡易裁判所 鶴川義人 2005年(平成17年)11月15日 平成17年(ハ)第279号 不当利得返還等請求事件 アイフル(株) 堀泰夫司法書士 06(6872)3400 原告は推定計算で不当利得返還等請求訴訟を提起しました。しかし、被告は訴訟の2回目の期日において、取引履歴をすべて開示しました。原告がそれに基づいて計算したところ、13万6000円程度の債務が残ったため、訴えの変更をして損害賠償請求額20万円・司法書士費用4万円を訴額に追加した事件です。ちなみに、被告は、残債務について反訴を提起することなく本件は終結しました […]
たとえ債務者の記憶と消費者金融が保管する実際の取引の記録が異なっていても、消費者金融が金融庁の定めるガイドラインに違反して、全取引履歴の開示を拒否した場合、その行為自体が違法であり、不法行為を構成すると判断し、損害賠償を認めた事例。 羽曳野簡易裁判所 藤本英尊 2006年(平成18年)1月6日 平成17年(ハ)第130号 損害賠償請求事件 アイフル(株) 星野貴成司法書士 06(6722)5551 本事案は、原告が特定調停まで行って業者に全取引履歴の開示を迫ったが、業者が特定調停においても直近3年分の取引履歴しか開示しないため、原告は特定調停の中立を取り下げ、直近3年以前の銀行の振込明細書(1 […]
債務整理受任後、途中からの取引履歴しか開示してこなかった貸金業者に対し、推測計算に基づいて過払金請求訴訟を提起した事件(提起後に全部開示)で、原審(旭川地方裁判所紋別支部)が不当利得金返還請求権の利息の利率について年5分と判断したのを変更し、年6分の割合によるのが相当とした。また、取引履歴の不開示について慰謝料30万円、弁護士費用12万2621円を認めた。 札幌高等裁判所第3民事部 伊藤紘基、北澤晶、石橋俊一 2005年(平成17年)12月8日 平成17年(ネ)第199号、平成17年(ネ)第254号 不当利得返還等請求控訴事件、同附帯控訴事件 (株)クレディア 亀井真紀弁護士 03(3780) […]
貸付の際に生活保護費が振り込まれる口座の預金通帳等を預かり、債務者の生活保護費を引き出し、弁済に充てていた貸金業者に対し、慰謝料等を請求した事件で、解決金を支払う訴訟上の和解が成立した事例。 宇治簡易裁判所 川田治善 2005年(平成17年)12月13日 平成17年(ハ)第213号 損害賠償等請求事件 ローンズパール 小阪正人司法書士 0774(38)2428 貸金業者が債務者の生活保護費受給口座の預金通帳、届出印章及びキャッシュカードを預かり、毎月の生活保護費を業者が引き出し、弁済に充てたうえ、残合金を債務者へ振込送金していた事件で、貸金業規制法第20条の2(公的給付に係る預金通帳等の保管等 […]
トライト(株)が旧ハッピークレジット時代の消費者金融取引についても一連計算により過払い金返還義務を負う、等の判断をした判決。 尾鷲簡易裁判所 島戸真 2005年(平成17年)12月7日 平成17年(ハ)第34号 不当利得返還等請求事件 トライト(株) 熊野ひまわり基金法律事務所 0597(88)2100 【取引経過不開示。いわゆるゼロ開始の一部開示】原告の旧ハッピークレジットからの借入れ及び弁済については、開示当初の貸付残高が0円とされていゐことを含め、原告の主張が認められました。 【商号譲渡の際の支店における免責登記の必要性】本店の所在地において登記すべき事項は、特別の定めがない限り支店の所 […]