要旨 点検商法とみられる請負契約(床下調湿工事)において、床下湿気についての正確な告知は、契約の要素にあたるとしたうえで、建築に関する客観的知識を有しない従業員による点検・勧誘による請負契約を民法95条により無効とした事例裁判所 大阪簡易裁判所 藤本暢万平成18年ハ第21273号判決・和解・決定日 2007年(平成19年)11月8日事件名 立替金等請求事件問合先 稲葉宏己弁護士 06(6363)3060業者名等 (株)オリエントコーポレーション、(株)サンクスホーム本件は、いわゆる床下点検商法の事案である。裁判所は、床下湿気についての正確な告知が契約の要素にあたるとして、民法95条の錯誤無効を […]
要旨 販売会社従業員による「即日キャンセルする」との詐言により契約に至り、かつ、購入商品の引渡しのない立替払契約について、購入者による商品未納を理由とする支払停止の抗弁対抗を認めた事例裁判所 大阪簡易裁判所 藤本暢万平成19年ハ第6280号判決・和解・決定日 2007年(平成19年)11月15日事件名 立替金請求事件問合先 稲葉宏己弁護士 06(6363)3060業者名等 (株)オリエントコーポレーション本件は、いわゆる呉服展示会商法において、販売会社の従業員が、「契約してもすぐにキャンセルする」旨の詐言を弄して契約を締結したとの事実関係(そのため商品の引渡しはそもそも予定されていない)のもと […]
要旨 85歳の高齢者に対する給湯器販売・屋根補修工事の訪問販売につき、撤去された給湯器の損害として10万円、慰謝料15万円、弁護士費用5万円の合計30万円の損害を認めた裁判所 津地方裁判所民事第2部 堀内照美、田中正哉、薄井真由子平成19年レ第26号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)3月27日事件名 損害賠償請求控訴事件問合先 村田正人弁護士 059(226)0451業者名等 アクア(株)業者は、給湯器の点検を2~3万円ですると称して、85歳の高齢者宅を訪問し、給湯器は老朽化しており取り替える必要があるし、屋根瓦は補修工事が必要な箇所が2000か所あると説明し、新たな給湯器の取付工事 […]
要旨 訪問販売形態による次々販売における個品クレジット契約締結事案において、販売契約(ホームテック)を公序良俗違反により無効とし、立替払契約(ライフ)についても販売契約との一体性から無効と認め、ライフに対する不当利得返還請求(既払金全額の返還)を認容した判決裁判所 倉敷簡易裁判所 堀田隆①平成19年ハ第828号 ②平成20年ハ第226号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)4月25日事件名 ①既払金返還請求事件 ②立替金反訴請求事件問合先 中村文彦司法書士0866(92)6090業者名等 (株)ライフ(有)ホームテック 原告は、少額の年金が唯一の収入であって、身体機能に障害ある高齢女性で […]
要旨 顧客の利益よりも取引員の利益(手数料稼得)を優先させた取引勧誘・受託・執行は、顧客の損失において自己の利益を図る点で社会的相当性を逸脱した行為であり、民法第709条の不法行為を構成する 裁判所 大阪高等裁判所第6民事部 渡邉安一、安達嗣雄、松本清隆 平成19年ネ第1647号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月22日 事件名 損害賠償請求控訴事件 問合先 三木俊博・田中厚弁護士 業者名等 第1商品(株)(商品取引員) 被害者は開業医であるが、既往、証券取引・商品(先物)取引の知識経験は皆無であった。 平成15年3月に金地金10㎏を購入したところ、その授受の際に金地金を対象とす […]
要旨 過払金1万0932円の返還を求める訴訟において、貸金業者が利息制限法の制限超過利息を徴収したことは民法709条の不法行為になるとして、1万円の慰謝料の支払いを命じ、また、弁護士費用として民法704条後段の特別損害として5万円の支払いを命ずる判決を出した(確定)裁判所 和歌山簡易裁判所 今井勝敏平成20年ハ第22号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月26日事件名 不当利得返還等請求事件問合先 畑純一弁護士073(433)2241業者名等 (有)キレイ 1 制限超過利息を徴収したことによる慰謝料請求について判決は、被告が貸金業規制法17条、18条所定の書面を交付した事実が認められ […]
要旨 複数の取引と認められる場合でも先行取引において発生した過払い金は、後行取引の貸付金に充当される裁判所 古川簡易裁判所 山口敦文平成19年ハ第448号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)1月31日事件名 不当利得返還請求事件問合先 加藤泰四郎司法書士0229(22)7858業者名等 シンキ(株) 基本契約の個数と第1取引の消滅時効が争点となったが、4個の取引は再取引開始時には新たに申込書・基本契約書が作成され、完済後には債権証書が返却され、取引に継続性ない。判決は、別個の取引であったとしても不当利得制度の趣旨(財貨移転の矯正法)から先行取引によって生じた過払い金は、その後に締結され […]
要旨 過払金請求権の消滅時効の完成は貸金業者の対応に相当部分起因するものであるから、消滅時効の援用は信義則に反し許されない裁判所 福井地方裁判所敦賀支部 梅澤利昭平成19年ワ第62号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月28日事件名 不当利得返還請求事件問合先 大伴孝一弁護士06(6155)2680業者名等 プロミス(株) 本件は、2度の中断期間が存在する取引についての過払金請求事案である(第1取引~第2取引は約5年、第2取引~第3取引は約3年10ヶ月の中断期間があった)。判決は、まず第1取引のみ別個の契約であり、第2取引と第3取引は一連の取引であると認定した。その上で、第1取引に基 […]
要旨 1.基本契約が締結されていない前後2つの貸付につき、借換えをしたのと経済的目的が同一であるなどの理由より、前の貸付で過払金が発生した場合には、後の貸付の債務に充当する旨の特約があったと認めた。2.通算37回も違法で任意ではない利息の過払いを受けながら、38回目の弁済期にわずか1週間ばかり徒過したことを理由に期限の利益を喪失したというのは信義則に違反する 裁判所 長崎地方裁判所 田川直之、小山恵一郎、小沼日加利 平成19年レ第13号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月12日 事件名 保証金請求控訴事件 問合先 水上正博弁護士 095(826)5776 業者名等 (株)シティズ […]
要旨 本件は、クレジット会社が提起した立替金請求訴訟において、裁判所が、立替払契約の申込自体がなく、契約締結の事実を認めることができないとして、全ての請求を棄却した事例裁判所 福岡簡易裁判所 小泉孝博平成19年ハ第9200号判決・和解・決定日 2007年(平成19年)12月18日事件名 立替金請求事件問合先 小川松太郎弁護士 092(741)5340業者名等 (株)ジャックス 本件は、80歳の老女(被告)が布団の販売員に騙され、布団を買ってもいないのに、白紙の立替払契約書に署名・捺印し、クレジット会社からの確認の電話に対して「はい」と答えたため、クレジット会社(原告)から立替金の支払いを請求さ […]
要旨 口座引落しによる弁済において、貸金(キャッシング)の弁済と立替払(ショッピング)の弁済が混合している場合、信販会社は、債務者が行った弁済のうちショッピングの立替払についての弁済分を具体的に反証すべきあり、そうでない場合には、債務者が行った弁済は、全て貸金の弁済であると推認するのが相当であるとした事例裁判所 大阪地方裁判所第25民事部 鳥飼晃嗣平成18年ワ第4062号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)1月22日事件名 不当利得金返還等請求事件問合先 稲葉宏己弁護士06(6363)3060業者名等 三菱UFJニコス(株) 本件原告は、被告との間で長期間にわたってキャッシング(貸金) […]
神慈秀明会の信者が不法行為による損害賠償を請求した事件で裁判所が、献金の一部と弁護士費用の660万円の損害賠償を認めた事例 京都地方裁判所第6民事部 中村哲、和久田斉、波多野紀夫平成15年ワ第908号2007年(平成19年)12月25日損害賠償請求事件植田勝博弁護士 06(6362)8177神慈秀明会、助教師被告T、H東京支部長駅頭で手かざしの「浄霊」(魂を浄めること)をして信者を獲得する宗教である神慈秀明会の不法行為を認めた事件である。原告は、昭和56年に駅頭で手かざし(浄霊)を受け入信した。浄霊により「血液を清め」、世界(現界)の病気、貧困、紛争等の苦しみは、霊層界に起因し、浄霊によってこ […]
信販会社ライフの会社更生手続開始申立前の過払部分について、カード会員契約に含まれる充当の合意は何らの影響も受けないこと、過払金が顕在化し権利行使可能となるのは取引終了時であること、ライフの会社更生の実質はアイフルへの営業譲渡であることなどから、ライフの失権(免責)の主張を排斥し、その返還を認めた事例神戸地方裁判所第6民事部 橋詰均、山本正道、澤田博之平成19年ワ第875号2008年(平成20年)2月13日不当利得返還請求事件 辰巳裕規弁護士 ライフ信販会社ライフは平成12年6月に会社更生手続開始申立をし、その後アイフルがスポンサーとなって翌平成13年1月に会社更生計画が認可されるに至っている。 […]
違法な高利で貸金をしていた者が、借主からの金銭借入の申込みに対し、高級ブランド品のレンタル契約を勧め、高級ブランド品を質入して金銭を得るように示唆してレンタルした上で、その後、借主から合計約769万円のレンタル料金を徴収する行為は、実質は金銭消費貸借であり、公序良俗に反し不法行為に該当するとして、既払レンタル料金、慰謝料、弁護士費用の支払いを認めた 神戸地方裁判所第6民事部 山本正道 平成19年ワ第204号 2008年(平成20年)2月7日 損害賠償請求事件 岡本慎一弁護士06(6222)2031 レンタルショップアッシュ神戸店 まず、レンタル業者は、高級ブランド品をレンタルするにあたり質入を […]
1 呉服販売業者がその従業員に対し呉服等の自社商品を販売した行為が、従業員の支払能力に照らし過大であり、売上目標の達成のために事実上購入することを強要したものであるとして、公序良俗に反して無効であって、販売行為が不法行為とされた事例 2 事業者がその従業員に対して行う割賦販売について、割賦購入あっせん業者に対する抗弁を規定する割賦販売法30条の4の適用を除外する同法30条の6、8条5号の適用が否定され、信販会社に対する抗弁対抗を認めた事例 大阪地方裁判所第22民事部 小西義博、岡山忠広、猪坂剛 平成18年ワ第1633号 2008年(平成20年)1月30日 損害賠償請求事件 上将倫弁護士06(6 […]
本件は、双極性うつ病であった中年の女性が、躁状態のとき、1年1ヶ月の間に、47回、合計1200万円の呉服を買わされて預金が空になり、悲観して自殺未遂を遂げたことにつき、販売者の(株)錦とクレジット会社に対し、代金の返還とクレジット債務の不存在確認を求めた。大津地裁(藤本久俊裁判長)は、2月28日、原告一部勝訴の判決をした 大津地方裁判所民事部 藤本久俊、阿多麻子、村松悠史 平成17年ワ第355号 2008年(平成20年)2月28日 損害賠償等請求事件 吉原稔弁護士077(510)5262 (株)錦(ヤマノグループ) 判決は、「原告は、平成15年11月頃から錦西大津店へ頻繁に来店し、短期間のうち […]
①ヤミ金融業者からの貸付け金の額を損害額から控除すべきではなく、ヤミ金融被害者は支払額全額について賠償請求をすることができる(全額説)。②ヤミ金融との貸借取引の金額に応じて被害者の被る精神的苦痛は多大なものになるから、被害者の慰謝料相当額は財産的損害の額の3割が相当である東京地方裁判所民事第10部 鹿子木康、藤本博史、兼田由貴平成16年ワ第24193号、他2008年(平成20年)3月7日損害賠償請求事件木村裕二弁護士 03(3571)6051梶山進 本判決は、①ヤミ金融業者との金銭消費貸借契約が公序良俗違反ゆえ無効、②貸付金は不法原因給付に当たる、③その反射的効果として貸付金は被害者らに帰属し […]
軟弱地盤に異種基礎を併用したことによって、不同沈下が起こったため、請負業者に対して瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求し、下請業者及び財団法人住宅保証機構が補助参加している事案で、請負代金を上回る補修費用が認められた事例(補助参加人:下請業者が控訴) 福岡地方裁判所小倉支部第2民事部 栩木純一 平成16年ワ第976号 2007年(平成19年)10月26日 損害賠償等請求事件 小倉知子弁護士 093(531)3515 (株)遠建、(財)住宅保証機構 原告は、地場の建設業者(被告)から土地を購入するとともに、被告と自宅の新築工事について請負契約を締結した。被告から基礎工事を下請けした業者(補助参加人) […]
①過払金の消滅時効の起算点は最終取引日である。②過払金発生後、20年間以上にわたり支払を請求した行為は、不法行為である 名古屋高等裁判所民事第2部 西島幸夫、福井美枝、浅田秀俊 平成19年ネ第1048号 2008年(平成20年)2月27日 不当利息返還請求控訴事件 田中英生弁護士 052(972)6185 プロミス(株) 昭和57年6月に取引を開始し、平成18年12月27日まで途切れることなく取引が続いた事案。昭和61年4月には過払いに転じ、その後20年間以上の長期間過払い状態が続いた。 消滅時効の起算点に関して、①基本契約の継続中は、弁済や新たな貸付けが繰り返されることによって過払金の金額が […]
着物等の過量販売において、一定時期以降の取引につき、販売店の過量販売、クレジット会社の過剰与信に該当し、販売店らには顧客に対する販売、与信取引を差し控えるべき信義則上の義務があったとして、公序良俗違反による無効、不法行為の成立を認め、既払い金につき販売店らに不法行為による損害賠償を命じるとともに、クレジット会社に対して一部既払金の返還を認め、未払い立替金請求を棄却した事例高松高等裁判所第4部 矢延正平、豊澤佳弘、山口格之平成19年ネ第110号2008年(平成20年)1月29日立替金、債務不存在確認等請求控訴事件島尾大次弁護士 088(622)3750(株)セントラルファイナンス、(株)東京ます […]