要旨 昭和60年には過払になっているのに、借主が支払を継続したのは、プロミスが残債務の存在を書類等で請求し続けたから。ところが、借主が過払請求をすると、一転して「残債務の不存在と借主は権利行使をしなかった」と主張し、時効の援用をする。その態度矛盾の程度はとりわけ大きく、時効の援用は信義則に反し許されない裁判所 鳥取地方裁判所米子支部 大河三奈子平成19年ワ第524号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)8月19日事件名 不当利得返還請求事件問合先 縄彰司法書士0859(31)3645業者名等 プロミス(株)不当利得返還請求権は、過払金の発生の都度権利行使が可能であるから訴え提起時点から1 […]
要旨 三和ファイナンスの取引について、それぞれ同一の基本契約に基づくものか、そうでないとしても1個の連続した貸付取引であると認めるのが相当であって、制限超過部分を元本に充当した結果、過払金が発生した場合には、その後に発生する新たな借入金債務に充当することが予定されている取引であるというべきであるから、取引が終了するまで過払金返還債務についての時効は進行しない、とした事例 裁判所 東京高等裁判所第22民事部 石川善則、土谷裕子、德増誠一 平成19年ネ第5372号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)1月30日 事件名 不当利得返還等請求控訴事件 問合先 ベル法律事務所03(5957)55 […]
要旨 過払金返還請求権の消滅時効期間経過の3か月余り前より取引履歴開示請求をしていたところ、貸金業者より時効期間経過後に取引履歴が開示され、消滅時効が援用されたが、このような消滅時効の援用は信義則上許されない裁判所 八王子簡易裁判所 中山利典平成19年ハ第897号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)4月24日事件名 不当利得返還等請求事件問合先 秋山努弁護士 042(524)6640業者名等 高千穂商事(株) 本件では、過払金の消滅時効期間(10年)経過の3か月余り前に債務整理開始通知を送付し、以降、履歴開示を計4回求めていたが、貸金業者(高千穂商事株式会社)より開示がなされなかったと […]
要旨 金融商品取引業者に対して取引履歴の開示等をしないときに顧客1人1日あたりそれぞれ15万円ずつを支払うことを命じた間接強制決定裁判所 東京地方裁判所民事第2部 浅岡千香子平成20年ヲ第80135号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月12日事件名 間接強制決定申立事件問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600業者名等 東京プリンシパル・セキュリティーズ・ホールディング(株)高齢者から私募ファンドへの投資金名下に金銭を騙取する業者に対して、取引履歴の開示を求める本案訴訟を提起し、業者が請求を認諾するに至った。しかしその後も任意の開示はなく、直ちに間接強制の申立を行った。損害の […]
要旨 勧誘を受けて他社株転換条項付社債(EB債)を購入し、その後の対象株式の株価下落によって株式償還されたため損失を被った事案において、勧誘にあたってEB債の株式償還によって被るリスクを購入者である原告に具体的に認識することができるように説明する義務があるとして説明義務違反を認めた判決(過失相殺5割) 裁判所 大阪地方裁判所第16民事部 小川浩、高木勝己、小川清明 平成18年ワ第4359号 判決・和解・決定日 2007年(平成19年)11月16日 事件名 損害賠償請求事件 問合先 田中彰寿弁護士075(222)2405 業者名等 エース証券(株) 本件は、いわゆるITバブルといわれていた平成1 […]
要旨 貸金債権と不当利得債権は、表裏一体であり、本件債権は単なる債権譲渡ではなくて実質的には契約上の地位の譲渡であること等を理由に請求を認容した。また、弁護士費用は事案の内容、認容額その他諸般の事情を考慮して相当と認められる範囲において、民法704条後段の損害に当たるというべきであるとして、10万円を認容した裁判所 宇都宮簡易裁判所 寺内正三 平成19年ハ第2108号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)8月29日事件名 不当利得金返還請求事件問合先 橋本弥江子弁護士 028(633)3868業者名等 SBIイコール・クレジット(株) 理由付けがわかりやすく、簡明である。表裏一体論を引用 […]
要旨 パチスロの打ち子募集を装った詐欺事例。打ち子募集の勧誘メールを受け取った女性が、2ヶ月の間に数回にわたり預託金名下に計136万5千円をだまし取られた。女性の代理人司法書士が加害業者の預金債権を仮差押えした後、訴訟を提起し、代理人弁護士とともに主位的請求として詐欺による契約取消を主張、予備的請求として消費者契約法による契約取消を主張したところ、主位的請求が全面的に認められ、被害金額全額の回収が実現した。判決確定済み 裁判所 広島簡易裁判所 西村広宜平成19年ハ第1226号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月28日事件名 預託金返還請求事件問合先 橋口貴志司法書士 082(511 […]
要旨 貸金業者と利用者との取引によって生じる貸金債権は、債務と表裏一体であること、ホームページで過払い金返還請求リスク等を勘案して簿価の約61%で譲り受けたことをのべていること、プライムとの取引が基本契約を前提に貸付けと返済が繰り返されることが予定され債権譲渡も基本契約に基づく取引関係を前提にしていること、等を理由に、債務者の過払金請求を認めた裁判所京都簡易裁判所 近藤基平成20年ハ第10022号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)7月22日事件名 損害賠償等請求事件問合先 神﨑哲弁護士 075(211)6700業者名等 SBIイコール・クレジット(株)76号掲載の判決よりも、より理由 […]
要旨 コンビニエンスストアフランチャイズ本部が、加盟店が仕入れた商品の代金について決済代行した具体的内容につき、加盟店に対して報告義務を負うとされた事例裁判所 最高裁判所第2小法廷 古田佑紀、今井功、中川了滋平成19年(受)第1401号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)7月4日事件名 書類引渡等、請求書引渡等請求上告事件問合先 中村昌典弁護士 03(5919)0745業者名等 (株)セブン-イレブン・ジャパン セブン-イレブン加盟店は、推奨仕入先(ベンダーと呼ばれている)から、商品を直接仕入れている(仕入先─本部、本部─加盟店の2段階の取引ではない)が、その決済については、日々セブン […]
要旨 過払金債権の消滅時効の起算点について、基本契約が終了するか、これと同視できる事由が生じた時(清算到来時)であるとした判決裁判所 広島高等裁判所第4部 廣田聰、中村節子、曳野久男平成20年ネ第10号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)6月26日事件名 過払金返還請求控訴事件問合先 中村覚弁護士 0834(31)4132業者名等 プロミス(株)過払金債権の消滅時効については、①過払金の発生時から個別に進行するとする説と、②取引の終了時から全体として進行するとする説の対立があり、最高裁の明確な判断が出ていないこともあって、下級審の判断も分かれている。本判決は、基本契約による借入枠の利用 […]
要旨 手形貸付取引約定という基本契約の下で、返済は個々の貸金に対応しているのではなく、数口の貸金の総残金に対してなされていることから、その後に発生した新たな貸金を含む債務全体を充当対象にし一連計算すべきと判示した 裁判所 名古屋簡易裁判所 佐藤有司 平成19年ハ第10577号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)5月29日 事件名 不当利得返還請求事件 問合先 水谷英二司法書士 052(916)5080 業者名等 (株)大隆産業 本件は、手形貸付取引約定書に基づいて、約2年5か月の間にわたって貸付及び返済が繰り返され、この間返済により債務が消滅したのは5回、消滅から次の貸付までの各期間 […]
要旨 被害者は社会保険労務士であるが、1人暮らしで、年金を主な収入にし、本件以前は家庭用の電話機を利用していた。本件導入の動機が電話機の故障によること(業務拡大等ではない)、従業員が他にいない、平成18年度の収入は約52万円、確定申告は約28万円の赤字申告である、本件の電話機は内線ボタンが30個あり、複数の通話を同時に可能にするような機能は、業務上の必要性に乏しいこと等の理由でクーリング・オフを認めた裁判所 東京地方裁判所民事第24部 矢尾 渉平成19年ワ第11968号平成20年ワ第12810号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)7月29日事件名 リース料請求本訴、損害賠償請求反訴事件 […]
要旨 年利228%の貸付につき、貸付システムやその手法などから、不法性・違法性の強い貸付行為と認められる場合には、借り手側は、貸付元本部分についても返還する義務はないとして、いわゆる全額説を採用した 裁判所 大阪簡易裁判所 彌源治和雄 平成19年ハ第27585号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)6月27日 事件名 損害賠償請求事件 問合先 前田勝範司法書士 06(6316)8651 業者名等 ライズファイナンスこと塚崎司 本件は、大阪いちょうの会の活動の一環として行った「タクシーヤミ金一斉提訴」案件である。 4、5年前から大阪、兵庫を中心に、タクシー運転手をターゲットにした高利貸し […]
要旨 建物賃貸借契約における「定額補修分担金特約」について消費者契約法10条により無効とした事例裁判所 京都地方裁判所第6民事部 中村哲、和久田斉、波多野紀夫平成19年ワ第2242号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)4月30日事件名 定額補償分担金・更新料返還請求事件問合先 長野浩三弁護士075(222)0011業者名等 大八木酒造(有)建物賃貸借契約におけるいわゆる家屋賃借人の通常の使用によって生じる損耗・経年変化(以下、「通常損耗等」という)の回復費用を賃借人負担とする条項は消費者契約法10条で無効である。このことは大阪高等裁判所判決平成16年12月17日判例時報1894号19頁 […]
要旨 易断(占い)に伴う金銭要求が、相手方の窮迫、困惑等に乗じ、殊更にその不安、恐怖心を煽ったり、自分に特別な能力があるように装い、その旨信じさせるなどの不相当な方法で行われ、その結果、相手方の正常な判断が妨げられた状態で、過大な金員が支払われたような場合には、社会的に相当な範囲を逸脱した違法な行為として、不法行為が成立する裁判所 大阪高等裁判所第13民事部 大谷正治、高田泰治、西井和徒平成20年ネ第174号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)6月5日事件名 損害賠償請求控訴事件問合先 蔭山文夫弁護士0799(25)3564業者名等 高島秀丞こと西園德盛 神戸地裁洲本支判消費者法ニュー […]
要旨 反倫理的行為たる不法行為の被害者が当該行為に係る給付により利益を得た場合、被害者からの損害賠償請求の際にこれを損益相殺等の対象とする被害者の損害額からの控除は民法708条の趣旨に反して許されないとし、ヤミ金融業者が著しく高利の貸付けにより元利金等の名目で借主から金員を取得し、借主が貸付金相当額の利益を得た場合に、借主からの損害賠償請求の際、これを損益相殺等の対象とする借主の損害額からの控除を否定した 裁判所 最高裁判所第3小法廷 那須弘平、藤田宙靖、堀籠幸男、田原睦夫、近藤崇晴平成19年(受)第569号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)6月10日事件名 損害賠償請求事件問合先 […]
要旨 預金者に送付される途中の段階で、第3者が郵便局から再発行キャッシュカードを不正に取得し、これを用いて不正に預金払戻がなされた場合、当該カードは預金者保護法2条4項の偽造カードに該当し、預金者の重過失が否定された事例 裁判所 大阪地方裁判所第8民事部 原司平成19年ワ第8808号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)4月17日事件名 預金払戻等請求事件問合先 斎藤英樹弁護士06(6367)6692業者名等 (株)滋賀銀行 原告は52歳の女性で、平成18年11月6日に岐阜県大垣市内で車上荒らしにあって、キャッシュカード・預金通帳等を盗難されたため、大垣警察署に被害届出を出すとともに、滋 […]
要旨 貸金業法施行前からの取引(第1取引)につき、完済後11年9か月後に再開した取引(第2取引)との一体性を否定しつつ、みなし弁済の適用がないことについての悪意を推定した上、「貸金業者である被告としては、……信義則上、……法律上保持が正当視されえない金員を累積させていくことを漫然と座視し続けることなく、当該支払が法律上不必要であることを告知することが法的に要求されている」として、告知義務違反を認め、「故意の違法な不作為」による不法行為責任として、過払金および慰謝料、弁護士費用の損害賠償が認められた事例 裁判所 神戸地方裁判所第5民事部 齋藤大 平成20年ワ第2380号 判決・和解・決定日 20 […]
要旨 いわゆる恋人商法を不法行為と認定した事例。電話で呼び出された看護師(女性、21歳)が、2ヶ月弱の間に4回にわたり、販売業者店舗や喫茶店で、クレジットや銀行からの借入れによって装飾品を購入した事案で、販売業者と担当者の販売方法は通常の契約締結過程からは著しく逸脱した方法によるもので、全体として社会的相当性を欠くものとして不法行為責任を認め、198万円余の損害賠償を命じた 裁判所 京都地方裁判所第6民事部和 久田斉 平成19年ワ第1050号 判決・和解・決定日 2007年(平成19年)12月19日 事件名 損害賠償請求事件 問合先 浅岡美恵弁護士075(211)2774 業者名等 (有)ファ […]
要旨 原告とプライムとの(からSBIに譲渡された)契約は、「借入極度額基本契約書」により締結された諾成的消費貸借契約であり、(自動更新条項により)継続が予定されている契約であって、極度額までの貸付が貸主であるプライムの義務の履行である性質を持っているから、このような貸主としての地位と貸金債権とを切り離して処分することはできない、等の理由で被告の主張を排斥した事例。判例速報№1305枚方簡裁判決とは理由付けが異なる 裁判所 木津簡易裁判所 大原武人 平成20年ハ第8号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)4月8日 事件名 不当利得金返還請求事件 問合先 八塚博幸司法書士 06(6224) […]