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保険本件は、昭和56年に明治生命保険相互会社の外交員から勧誘されて個人年金保険契約を締結した消費者が、保険料を20年間支払い続けた後、保険金を受け取る時点になって初めて、外交員による当初の説明からは大幅に少ない金額しか受け取れないことを知り、主位的には説明どおりの保険金請求を、予備的には説明時の不法行為に基づく損害賠償請求を、それぞれ行なった事件である。第1審では予備的請求が認められた(損害賠償金100万円)が、第2審で覆され、それが確定した。従って、先例としての価値は無いが、不法行為構成によって救済されるケースを見い出すための参考にはなると思う 大阪地方裁判所第9民事部 佐藤嘉彦 平成12年 […]

サラ金

最高裁平成19年2月13日判決、利息制限法違反過払金の充当につき、当然充当を否定するかの如き判決後の事例として、プロミスの請求を当然充当とした高裁判決の事例福岡高等裁判所那覇支部民事部 小林正明、唐木裕之、木山暢朗平成19年ネ第31号、第48号(附帯控訴)2007年(平成19年)5月31日不当利得返還請求控訴事件久保以明弁護士 098(862)8619プロミス(株) プロミスは、全面敗訴の原審判決後請求額を任意に支払う旨述べていたようである。しかし、確定直前に前記最判平成19年2月13日が出たため、急遽、第1取引と第2取引は別個の契約(利率や返済日が若干異なる)であり、前記最判は、先行貸付の過 […]

製造物責任(PL)

富士重工業製造の軽貨物自動車が運転中にエンジンルームから出火した事案につき、本件燃料ホースのクラックの発生原因が内層ゴムの耐久性不足に起因する劣化によるものであると判断し、安全性を実現するに足りる性能を備えるべき義務に違反したとして30万円の損害賠償を命じた事例東京地方裁判所民事第12部 綿引穣、渡辺真理、岡本陽平平成17年ワ第25047号2007年(平成19年)4月24日損害賠償請求事件今井秀智弁護士 03(3352)2521富士重工業(株)、東京スバル 本件は、運送会社である原告の従業員が運転していた被告(富士重工業)製造の車両(スバルサンバー)のデリバリー側燃料ホースの耐久性不足という製 […]

保険

「衝突、接触……その他偶然な事故」及び「被保険自動車の盗難」を保険事故とする家庭用総合自動車保険約款に基づき上記盗難に当たる保険事故が発生したとして車両保険金の支払を請求する場合における事故の偶発性について保険請求者は主張立証責任を負わないとした事例最高裁判所第3小法廷 上田豊三、藤田宙靖、堀籠幸男、那須弘平、田原睦夫平成18年(受)第1026号2007年(平成19年)4月17日保険金請求事件田中裕司弁護士 0968(76)8861あいおい損害保険(株) 保険金請求事件における「偶然性」の主張立証責任について、最高裁は平成16年の火災保険事例、平成18年の車両保険の水没事案、落書き事案に引き続 […]

サラ金

破産申立、免責を得たかつての顧客に融資勧誘を行い、融資を申し込んだ原告3名から「迷惑料」と称し、破産したことにより保証会社が被った損害分を融資金から差引くという被告の貸付行為は不法行為であるとして損害賠償及び慰謝料等を請求し、原告3名中2名につき、被告が請求認諾した事例 大阪簡易裁判所 茶谷隆夫 平成19年ハ第731号 2007年(平成19年)4月3日 損害賠償請求事件 南里愛司法書士 078(755)5407 (株)ベストライフ、外 大阪府知事登録の貸金業者(株)ベストライフは、破産申立、免責の確定したかつての顧客に対しダイレクトメールを送付し、新たに融資の勧誘を行い、融資申込者に対し、破産 […]

電話機リース

悪質電話機リース事件で、クーリング・オフが認められ既払い金の全額返還、未払金の全額免除を認める和解事例 大阪地方裁判所第9民事部 島田佳子 平成18年ワ第12654号 2007年(平成19年)1月23日 不当利得返還等請求事件 高橋正人弁護士 06(6365)7140 オリックス(株)等 本件は、電話機リース被害大阪弁護団の第1次提訴として、経済産業省の平成17年12月6日改正通達、現平成18年1月30日通達の趣旨によりクーリング・オフが可能な事案について、クーリング・オフによる解除を請求原因として、リース料債務の債務不存在確認請求と既払リース料の不当利得返還請求を求めたものである。 原告は3 […]

商工ローン被告は、貸付毎に別個独立の取引であるとか、平成8年6月3日の貸付けから平成9年6月30日貸付けまで空白期間があることや同日に新たな取引約定書が交わされていることから、一連一体の取引と考えるべきではないなどと主張していたが、この主張を排斥し、一連一体のものと判断した事例 宮崎地方裁判所民事第1部 小池明善 平成18年ワ第444号 2007年(平成19年)3月29日 不当利得返還請求事件 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 (株)ロプロ 1 上記判決が一連一体とした理由は、次の通りである。 ⑴ 平成6年3月29日、被告との間で包括的基本契約である手形貸付取引約定書を締結し、極度額1 […]

商工ローン

民法704条の利息算出の利率は年5%、との判断を示したうえで、「もっとも、本件においては、前記のとおり、原告は、薬局を営む有限会社であり、当然に商事法定利率による利益を得られたとみるべき事情があるといえるから、結局、本件取引により生じた過払金に付すべき利息ないし遅延損害金の利率は、商事法定利率である年6分となる。」と判示した事例。この判決は、根拠条文を明示していない。が、民法703条以外に根拠条文となるものがみあたらない 宮崎地方裁判所民事第2部 髙橋善久 平成18年ワ第609号 2007年(平成19年)3月28日 不当利得返還請求事件 問合先 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 (株) […]

リース

65歳のお年寄りの事業者に対し、1年3ヶ月に亘って執拗な訪問を繰り返し、複写機、パソコン、複合機、エアコン、電話機、ドアホンなど総額688万円のリースを組ませた次々リース被害につき、販社が不法行為を認め、損害賠償、慰謝料及び弁護士費用を支払い、リース会社も今後リース事業協会のガイドラインを遵守することを確認した和解事例 裁判所大阪地方裁判所第12民事部 堀部亮一、森千春 平成18年ワ第14134号2007年(平成19年)4月24日 損害賠償等請求事件 由良尚文弁護士 06(6201)5111 (株)ファースト、オリックス(株)、外 本件は、大阪府内の65歳の男性(印判製造業、自宅兼事業所)に対 […]

先物取引

先物取引の被害の損害賠償請求において被害者の過失相殺を認めなかった事例裁判所札幌地方裁判所民事第5部 馬場純夫平成17年ワ第2171号2007年(平成19年)4月12日損害賠償請求事件青野渉弁護士 011(233)7001サンワード貿易(株) 国内公設(中部ガソリン、中部灯油、東工ガソリン)の先物取引業者に対する損害賠償請求事件の判決。被害者は、長年勤めていた信用金庫を退職し、別の企業に再就職したばかりの50代後半の男性。退職金や妻の生命保険金など、預貯金のほぼ全てを失った事案。適合性原則違反、説明義務違反、両建の勧誘、利乗せ満玉の違法要素を認定している。商品取引員の適合性原則違反、説明義務違 […]

宗教

自己啓発セミナー・ホームオブハートに対する損害賠償請求が認められた事例で、マインドコントロールの違法性を認めた事例東京地方裁判所民事第13部 野山宏、村田渉、遠山敦士平成16年ワ第22529号2007年(平成19年)2月26日損害賠償請求事件山口貴士弁護士 03(3515)6681ホームオブハート、外 「ついに、マインドコントロールの違法性が正面から認められた」ホームオブハート、かつては、レムリアアイランドという商号で知られており、元XJAPANのボーカリストであるTOSHIこと出山利三を「洗脳」したという報道、あるいは、子どもをダンボール箱で育てているなどの児童虐待疑惑で世間の注目を集めた団 […]

サラ金

CFJとの継続的貸借(完済後4か月中断あり)について、最高裁平成19年2月13日判決を引用して、過払発生後の再貸付への充当を肯定して一連の充当計算を肯定した事例。CFJの消滅時効の主張を失当と判断した事例 大阪地方裁判所第11民事部 山下郁夫 平成18年ワ第12554号 2007年(平成19年)3月28日 不当利得金返還請求事件 辰巳裕規弁護士 CFJ(株) 最高裁平成19年2月13日判決は、「継続的に貸付けが繰り返されることを予定した基本契約」が締結されていない場合について、「基本契約が締結されているのと同様の貸付けが繰り返されており、第1の貸付けの際にも第2の貸付けが想定されていた」などの […]

サラ金(取引経過開示)

保管期間10年を超えた取引履歴は内部規定に基づき廃棄・処分したため開示できないとの貸金業者の主張に対し、信用性及び立証不十分との理由でこれを否定し、取引経過不開示は違法であって不法行為に該当するとして、貸金業者に対し、過払による不当利得金の他、慰謝料などの支払いを命じたもの(控訴審判決・確定)大阪地方裁判所第17民事部 中本敏嗣、鈴木紀子、中村修輔平成18年レ第42号2007年(平成19年)3月12日不当利得金返還等請求控訴事件山田治彦弁護士 06(6360)2031三菱UFJニコス(株)過払金返還請求訴訟において、貸金業者が、保管期間10年を超えた取引履歴は内部規定に基づき廃棄・処分したため […]

サラ金

CFJ(株)に対する過払金返還請求(旧ユニマットライフ分)にあたり、CFJ(株)が原告に対し異なる会員番号を付していた場合、会員番号毎に取引を個別に把握した上で利息制限法引直し計算を行うべきとのCFJ(株)の主張を排斥し、取引を一体として把握した上での利息制限法引直し計算が認められた事例 水戸地方裁判所麻生支部 佐藤洋幸 平成18年ワ第77号 2007年(平成19年)3月9日 不当利得返還請求事件 谷 靖介弁護士 0299(85)3350 CFJ(株) 本件は、CFJ(株)に対して過払金返還訴訟を提起したところ、CFJ(株)が原告の取引について、2つの会員番号が付されていることを理由として、取 […]

消費者契約法

敷引特約は、消費者である賃借人の義務を加重するものであり、信義則に反し消費者の利益を一方的に害するものであるから、消費者契約法10条に違反し無効であるとした事例西宮簡易裁判所 西田文則平成18年ハ第108号2007年(平成19年)2月6日敷金返還請求事件問合先 吉田 史司法書士 06(6881)7711業者名 公表せず 本件は、契約終了の際に敷金80万円から50万円を差し引いて返還するとの敷引特約付きでなされた建物賃貸借契約を、賃借人が解約し物件を明け渡した上で、同敷引特約が消費者契約法10条により無効であると主張して、賃貸人に対し、敷金全額80万円の返還を求めた事案である。裁判所は、経年変化 […]

証券取引

夫と死別後1人暮らしの老齢女性に、既往経験とは異質な証券取引を勧め、2年3ヶ月の間に大量頻回の売買取引を誘導して総額約6900万円の手数料(年次手数料化率57%)を稼得した行為は、適合性原則違反及び過当取引に該当する 大阪高等裁判所第11民事部 武田和博、楠本新、辻本利雄 平成18年ネ第1401号 2007年(平成19年)3月9日 損害賠償請求控訴事件 三木俊博弁護士 東海東京証券(株) 原告は、夫と死別後1人暮らしの老齢女性。亡夫の遺産株を出発点に証券投資を行っていた。以前、エース証券の外務員による過当取引の被害に遭い、弁護士(本件担当者でもある)に依頼して相当額の被害回復を得た経験がある( […]

商工ローン

シティズの期限の利益喪失の主張は従前の態度に相反する行動というべきである上、利息制限法を潜脱することを意図するものであって、信義則に反し許されない、としたもの高松高等裁判所民事第4部 豊澤佳弘、齋藤聡、馬淵勉平成18年ネ第241号第283号2007年(平成19年)3月23日貸金等請求控訴、不当利得返還反訴請求事件問合先村上勝也弁護士 089(998)8117(株)シティズ本件は、シティズの遅延損害金の主張を認めた松山地裁判決を取り消し、同主張は信義則に反し許されないとしたものである。高松高裁民事4部は、①控訴人(債務者)Aは、被控訴人(シティズ)が期限の利益喪失と主張する日の後も、遅れながらも […]

先物取引

精神症状を発症して退院し、職場復帰した直後の50歳代の男性会社員の商品先物取引につき、取引全体の違法性を認め、取引差損に加え所得税・住民税と弁護士費用も損害と認定し、過失相殺しなかった事例大阪地方裁判所第3 民事部 石井寛明、飯淵健司、松浪聖一平成16年ワ第13439号2006年(平成18年)12月25日損害賠償請求事件日髙清司弁護士 06(6365)9182和洸フューチャーズ(株) 原告は50代の男性会社員。てんかん治療中に精神症状を発症して8ヶ月間入院し職場復帰した直後頃、電話で勧誘を受け取引開始。所得税・住民税等の請求がされたことからおかしいと気づいたが、約1年8ヶ月間に既に7000万強 […]

特定商取引法

外国語会話教室の受講契約の中途解約に伴う受講料の清算について定める規約上の規定が、特定商取引に関する法律49条2項1号に定める額を超える額の金銭の支払を求めるものとして無効であるとされた事例最高裁判所第3小法廷 那須弘平、上田豊三、藤田宙靖、堀籠幸男、田原睦夫平成17年(受)第1930号2007年(平成19年)4月3日解約清算金請求事件杉浦幸彦弁護士 03(3432)6722(株)NOVANOVAは、購入時の単価ではなく、消化したポイント数に対応する単価を適用するとの清算規定を根拠に、受講生が期待した金額を大きく下回る中途解約清算金しか提示しないことから、両者間で清算金に関するトラブルが続発し […]

詐欺商法

パチンコ・スロット攻略法詐欺の事案において、被告業者が証人尋問の前日になって、請求を認諾してきた事例 東京地方裁判所民事37部 北澤純一 平成18年ワ第7115号 2007年(平成19年)1月17日 損害賠償等請求事件 本間紀子弁護士03(5363)1251 (株)KO企画、外1名 本件は、いわゆる「パチスロ攻略法詐欺」の損害賠償請求事件であるが、証人尋問の前日になって、業者(KO企画)が請求を認諾してきたという特異な事案である。 平成18年4月に、原告2名で、業者とその代表者を被告として、訴訟提起をした。法律構成は、詐欺取消、消費者契約法による取消(断定的判断の提供、不実告知)、不法行為で、 […]

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