要旨 利息制限法1条1項の「元本」は、同法2条の「元本」の解釈からも、金銭消費貸借契約上の契約金額をいうことは明らかであると判断した事例 裁判所 名古屋地方裁判所民事第5部 西村康夫 平成20年ワ第3123号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月26日 事件名 不当利得返還請求事件 問合先 山田克己弁護士052(221)0092 業者名等 (株)ワイド 利息制限法1条1項は、「金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、……超過部分につき無効とする」と規定し、「元本」に応じて制限利率を異にしているが、特に、いわゆるリボルビング契約等の基本契約(包括契約)に基づいて借入と返済を繰り返し […]
要旨 利息制限法1条1項の「元本」は、外形的に授受される金員の額ではなく、当事者が想定している取引規模をもって判断すべきであり、取引規模を顕すのは、基本契約によって定めた貸付極度額なので、貸付極度額によって制限利率を適用すべきであると判断した事例裁判所 名古屋地方裁判所民事第10部 河村隆司平成19年ワ第5415号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月3日事件名 不当利得返還請求事件問合先 山田克己弁護士052(221)0092業者名等 CFJ(株) 利息制限法1条1項は、「金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、……超過部分につき無効とする」と規定し、「元本」に応じて制限利率を異 […]
要旨 マイカル債被害に関する証券会社に対する集団訴訟の初の控訴審判決であり、1審判決が原告全員の請求を棄却したのに対し、証券会社に具体的信用リスクの説明義務違反を認めて、3名の投資家の損害賠償請求を認容した裁判所 大阪高等裁判所第5民事部 大和陽一郎、黒岩巳敏、市村弘平成19年ネ第2217号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)11月20日事件名 損害賠償請求控訴事件問合先 片岡利雄弁護士 06(6360)1811業者名等 野村證券(株)、新光証券(株)、いちよし証券(株)、日興コーディアル証券(株) 本判決は、東証1部上場企業であるマイカルが平成13年9月に破たんしたことによってマイカ […]
要旨 以前に統一協会の信仰歴がある女性に対して、約2年にわたって統一協会信者らが五輪塔、聖本等の物品購入代金名下や献金名下に統一協会に金銭を交付させたことについて、勧誘行為の違法性については個別の事情に加えて一連の経緯を踏まえた判断をすべきであるとして、統一協会に使用者責任を認めた事例 裁判所 東京高等裁判所第23部 鈴木健太、福島節男、内藤正之 平成20年ネ第925号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月10日 事件名 損害賠償請求控訴事件 問合先 渡邉博弁護士 03(3431)4488 業者名等 世界基督教統一心霊協会 本判決は、被害女性は本件問題が発生する以前から統一協会に対 […]
過払金返還を不当利得でも不法行為でも認め、不法行為慰謝料・不法行為弁護士費用も認めた判決裁判所 高松高等裁判所第2部 杉本正樹、大藪和男、佐々木愛彦平成20年ネ第139号、同第268号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)10月30日事件名 不当利息返還請求控訴、同附帯控訴事件問合先 山口直樹弁護士 089(933)2757業者名等 プロミス(株) 1 事案の概要契約締結日:昭和56年2月5日最終借入日:昭和59年3月22日最終返済日:平成19年7月5日利息制限法に引直計算した結果、昭和59年12月25日から過払いとなり、以後、最終返済日である平成19年7月5日までひたすら返済のみ行って […]
要旨 株式取引の経験豊かな50才代の自営業者の男性が、ITバブル期である平成11年8月~12年3月に信用取引を中心とする株式取引で、約7900万円の損害を被ったケースについて、過当取引として違法性を認めるとともに、保証金維持率低下につき、指導助言義務違反があったとして、損害賠償を認めた判決(過失相殺8割) 裁判所 大阪高等裁判所第6民事部 渡邉安一、安達嗣雄、明石万起子 平成19年ネ第1609号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)8月27日 事件名 損害賠償請求控訴事件 問合先 内橋一郎弁護士078(366)0865 業者名等 エース証券(株) 大阪高裁平成20年8月27日判決は、① […]
要旨 FX業者にロスカット・ルール(一定の為替変動があったときに損失を限定するために自動的に反対売買をする仕組)を適切に発動させる義務があるとし、そのために必要な十分なシステムを構築するべき責任があるとしてロスカットが適切になされなかったことによる損害賠償責任を認めた事例裁判所 東京地方裁判所民事第24部 澤野芳夫、荻原弘子、長井清明平成19年ワ第22625号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)7月16日事件名 損害賠償請求事件問合先 荒井哲朗・白井晶子弁護士 03(3501)3600業者名等 (株)アトランティック・ファイナンシャル・コーポレーション本判決は、FX取引(外国為替証拠金 […]
要旨 3年9か月前と2年10か月前に締結した複数のエステ契約において、記載不備を理由にクーリング・オフを認めた即決和解の事例 裁判所 沼津簡易裁判所 岡田洋祐 平成20年イ第13号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)11月13日 事件名 クーリング・オフ代金返還請求事件 問合先 赤松茂司法書士 055(933)0922 業者名等 非公開 当時未成年者であった消費者が、平成16年12月3日、同月11日、平成17年11月13日の複数回にわたり、親権者の同意なく高額のエステ契約を締結させられ、代金をエステ業者の自社割賦にて支払っていたところ、平成20年になり、エステ業者から残金をサラ金から […]
要旨 商品先物取引において、被害者の注文を業者が執行しなかったこと、また、別の取引は無断売買であったことを主張する事件である。業者はこれを否定し、「業者の主張どおりの内容が録音されている、当時の会話」を証拠提出した。これに対して被害者は録音の鑑定を行う等した結果、録音捏造が認められて、被害者の損害だけでなく、鑑定費用、慰謝料、弁護士費用が認められた判決である 裁判所 大阪高等裁判所第14民事部 森宏司、小池一利、山本善彦平成19年ネ第2975号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)6月13日事件名 損害賠償請求控訴事件問合先 山﨑敏彦弁護士 06(6365)8565業者名等 エイチ・エス […]
要旨 GEコンシューマー・ファイナンス(株)に対する過払金返還請求にあたり、最高裁平成19年2月13日判決を引用しつつ、第1取引と第2取引間に5年ほど中断がある場合に、相殺の意思表示をもって実質的には充当と同様の結果を導いた事例 裁判所 水戸地方裁判所麻生支部 佐藤洋幸平成18年ワ第155号判決・和解・決定日 2007年(平成19年)9月12日事件名 不当利得返還請求事件問合先 谷靖介弁護士0299(85)3350業者名等 GEコンシューマー・ファイナンス(株) 本件は、GEコンシューマー・ファイナンス(株)に対して過払金返還訴訟を提起したところ、1993年(平成5年)10月から1996年(平 […]
要旨 シティズの分割払で、早い時期に1、2日遅れたことをもって、期限の利益を喪失したとして遅延損害金を求めることは、その後の約定の分割払いを受け続けているときは、信義則に反するとして、シティズに利息制限法の計算による過払金の支払いを命じた事例裁判所 広島地方裁判所民事第1部 野々上友之、大森直哉、森幸督平成20年レ第43号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月26日事件名 不当利得返還請求控訴事件問合先 板根富規法律事務所 082(224)2345業者名等 (株)シティズ シティズは、過払金返還訴訟において、期限に1日遅れただけでも期限の利益喪失と主張している。確かに、契約上の期限は […]
要旨 ライフの会社更生手続開始決定前の過払金について、一般更生債権に対する弁済率54.298%の範囲内で、ライフの免責・失権の抗弁の主張は信義則に反するとし、更生前の過払金の返還を一部肯定した高裁判決裁判所 大阪高等裁判所第1民事部 横田勝年、高橋文淸、塚本伊平平成20年ネ第685号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月25日事件名 不当利得返還請求控訴事件問合先 辰巳裕規弁護士業者名等 (株)ライフ ライフの会社更生手続開始決定前の過払金の返還について一部ではあるがこれを認めた初めての高裁判決である。ライフの会社更生手続では銀行等更生債権の届出をした一般更生債権者に対しては債権額の […]
要旨 宝飾品販売会社が、契約時68歳の年金生活の無職の女性に対して、約10ヶ月間で総額約1000万円の宝飾品をクレジット契約付きで次々販売(契約数9件)したケースで、信販会社からの立替金請求(約280万円)について、売買契約がクーリング・オフにより解除されたこと及び公序良俗違反無効であることを理由として割賦販売法30条の4の抗弁の対抗を認め請求を全部棄却した事案(販売会社が信販会社からの訴訟告知を受けて補助参加)裁判所 大阪簡易裁判所 山本晃與平成17年ハ第21229号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)8月27日事件名 立替金請求事件問合先 松尾善紀弁護士06(6222)2031業者 […]
要旨 合同結婚式で韓国人男性と婚姻した日本人女性が、韓国に住む夫に離婚と2人の子どもの親権者の指定を求めた裁判で、原告が被告から子どもの養育費を全く受領していないことや、民事法律扶助の援助を受けたこと等を考慮し、「韓国に渡航して韓国の裁判手続を提起追行しなければならない」とすることは事実上の障害にあたるとして、日本に国際裁判管轄があると判示した事例裁判所 新潟家庭裁判所新発田支部 関述之平成19年(家ホ)第9号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)7月18日事件名 離婚請求事件問合先 中村周而弁護士 025(245)0123業者名等 世界基督教統一神霊協会(原告と被告が所属していた団体) […]
要旨 架空の投資を装って金銭を騙取した者が被害者に配当金名下に金員を交付した場合、被害者からの不法行為に基づく損害賠償請求において、同利益を損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象とすることは許されない裁判所 最高裁判所第3小法廷 藤田宙靖、堀籠幸男、那須弘平、田原睦夫、近藤崇晴平成19(受)第1146号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)6月24日事件名 損害賠償請求事件問合先 最高裁HPより本判決は最高裁判所第3小法廷平成20年6月10日判決(本誌76号161頁)で示された規範を架空投資詐欺事件にあてはめたものである。架空の投資話を持ちかけて市民を騙すという事案は後を絶たず、配当金名下 […]
要旨 昭和59年8月以来、3回の完済と3回の中断期間がある取引で、前3個の取引の時効消滅を認めた1審判決を覆して、全部一連計算による全過払金を認めた控訴審での和解事例 裁判所 札幌高等裁判所第2民事部 住友隆行 平成20年ネ第272号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)11月21日 事件名 不当利得返還請求控訴事件 問合先 山崎俊彦法律事務所011(271)5951 業者名等 (株)武富士 3回の完済と3回の中断期間(2年1ヶ月、9ヶ月、5ヶ月)ある取引で、武富士が個別取引と前3回の過払金の消滅時効を主張し、原審(札幌地裁)はこれを認めて、4回目取引の過払金97万円余だけを認容した。 […]
要旨 大和都市管財事件の被害者のうち、ゴルフ場を担保とする抵当証券(モーゲージ)を購入させられた者が、抵当証券交付申請書添付を目的とした不動産鑑定を行なった不動産鑑定士に対し、鑑定過誤があるとして損害賠償を請求した事案(高裁敗訴)につき、最高裁で不動産鑑定士が和解金を支払う内容の和解が成立した事例 裁判所最高裁判所第2小法廷 中川了滋 平成18年オ第1564号 平成18年(受)第1810号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)11月13日 事件名 損害賠償請求事件 問合先 中村昌典弁護士 03(5919)0745 業者名等 不動産鑑定士 大和都市管財被害事件の関連事案であり、わずかな配 […]
要旨 ロコ・ロンドン貴金属取引において、法人及びその代表者に対し、支払済の保証金相当額、慰謝料、司法書士費用の全額が認容された判決(欠席判決) 裁判所 三島簡易裁判所 安井博 平成20年ハ第395号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)10月30日 事件名 損害賠償等請求事件 問合先 山田茂樹司法書士 0558(74)2801 業者名等 (株)インクリース・フィナンシャル 法人及び代表者を共同被告として訴訟提起。 構成としては、東京高裁平成20年3月27日判決(消費者法ニュース76号)を参考に、同取引が賭博類似の違法な取引である等として不法行為構成とした。損害額を、支払済保証金30万円 […]
要旨 第1取引(約3年6ヶ月)と第2取引(約5年8ヶ月)の間に約2年4ヶ月の取引中断期間のある継続的消費貸借取引について、全体を一連一体のものと評価して引き直し計算をするべきとした。一連一体性を肯定する要素として、借主が一貫して生活費に充てる目的で借入と弁済を繰り返してきたこと、会員番号の継続等の事情が挙げられている裁判所 東京地方裁判所民事第41部柳澤直人 平成20年ワ第6332号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月9日事件名 不当利得返還等請求事件問合先 武谷元弁護士 03(5501)2690業者名等 ネットカード(株)継続的消費貸借取引において、完済後、再度借入がなされた場合 […]
要旨 ロコ・ロンドン貴金属取引について、賭博に該当する違法なものであるから、仮に被害者が取引の仕組みやリスクを理解して取引を行ったとしても、このような取引に勧誘してこれに引入れた従業員・役員らは、共同不法行為責任を負うとして損害の全部賠償を命じた事例裁判所 東京高等裁判所第14民事部 房村精一、窪木稔、脇博人平成20年ネ第1022号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)10月30日事件名 損害賠償請求控訴事件問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600業者名等 (株)K・モンスターロコ・ロンドン 貴金属取引をその仕組自体から違法であるとする判断を明示したもの。本件取引は、「ロンドン渡 […]