SFCGの各貸付ごとの借入と返済に基づいて独立して充当計算されるべきであるとの主張を排斥し、貸付の一体性を認め、2169万円の支払いを命じた 津地方裁判所伊勢支部 遠藤俊郎 平成19年ワ第9号 2007年(平成19年)10月5日 不当利得返還請求事件 村田正人弁護士 059(226)0451 (株)SFCG 判決は、①本件各貸付は平成9年1月21日に始まり平成11年4月28日の最終貸付に至るまでの約2年3か月(27か月)の間に、合計29回もの頻繁な貸付がなされていること、②本件貸付については、1つの貸付の返済が終わらないうちに、次の貸付が行われ、また、一括払による返済が予定されていたにもかかわ […]
違法な年金担保貸付における業者が、被害者の損害賠償額算定の上で貸付金相当額の損益相殺を否定(全額説)した原審判決に対して、損益相殺等を主張して控訴した事件について、かかる主張を業者の「独自の見解であり、失当というほかない」として、全額説を採用した高松高等裁判所第4部 矢延正平、豊澤佳弘、山口格之平成19年ネ第249号2007年(平成19年)12月11日不当利得返還本訴、貸金反訴請求、同附帯控訴事件菅陽一弁護士 0897(37)3045業者名等 公表せず 無登録で、違法な年金担保貸付を行ったヤミ金融業者に対して、被害者がその支払額全額について、主位的に不法行為に基づく損害賠償請求、予備的に不当利 […]
1251日の取引途絶期間がある事案において、「旧取引の終了時点と新取引の開始時点との間には約3年5か月という取引のない期間があるが、およそ将来の取引が予想されないような長期の期間ということはできないから、旧取引と新取引が別個独立の取引であると認めることはできない」と判示した例 大阪地方裁判所第16民事部 小川浩 平成18年ワ第13330号 2007年(平成19年)10月29日 不当利得金返還等請求事件 奥岡眞人弁護士 06(6360)6500 CFJ(株) 本件は、CFJ(株)に対する過払金返還請求訴訟である。「(昭和63年5月10日以前の)古いデータは消去済みゆえ開示不能」として一部取引履歴 […]
本件は、1審においてロプロの個別取引を全部認めた。これについての控訴審において、裁判所が、一連一体の計算による不当利得金、慰謝料、弁護士費用を合計した580万円をもって和解案の提示をし、借主の不当利得金等の主張を一連一体計算で全額認めたものである 大阪高等裁判所第13民事部 西井和徒 平成19年ネ第2335号 2007年(平成19年)11月14日 不当利得金返還請求控訴事件 植田勝博弁護士 06(6362)8177 (株)ロプロ 1審において、ロプロの個別取引と、利息制限法による過払金の発生以降に生じた貸金に過払金を充当しないとの判決がなされた。これに対する控訴審で、債務者の主張する一連一体の […]
保護した捨てねこをだまして取得した者に対して、ねこの返還請求を認め、被害者である里親活動をする人に対して各15万円慰謝料、弁護士費用2万円などの損害賠償義務を認めた裁判所 大阪高等裁判所第7民事部 永井ユタカ、楠本新、鹿島久義平成18年ネ第2721号2007年(平成19年)9月5日損害賠償等請求控訴事件植田勝博弁護士06(6362)8177又川久美 動物愛護管理法により、動物虐待や遺棄などの罰則が厳しくなるなど、動物保護の必要性が高まる中で、保護した捨てねこを飼養してくれる里親探しをしていた多数の愛護活動者に対して、里親希望をして約2ヶ月程度で14匹のねこを取得した者の行為を詐欺として訴えた事 […]
電話機器のリース契約で、クーリング・オフを主張して支払ったリース料の返還を請求した事件について、「オフィス向けの電話機器を本人が営業のために締結したとは認められない」等を理由に特商法26条1項の適用除外規定に当たらないとし、原判決を破棄して請求を認容した事例名古屋高等裁判所民事第2部 満田明彦、野々垣隆樹、浅田秀俊平成19年ネ第632号2007年(平成19年)11月19日リース料返還等請求控訴事件牧野一樹弁護士 052(204)1260NECリース(株) 本件は、電話機器(主装置、電話機)のリース契約について、借主の自営業者が貸主であるNECリースに対し、クーリング・オフを主張して、既払いリー […]
当初一部しか取引明細を開示せず、訴訟提起後に全取引明細の開示を行ったサラ金業者の不法行為を認めた原審判決に対して、サラ金側が控訴。控訴審においても、段階的取引明細の開示が不法行為を形成することと、司法書士報酬も損害であることを認め、サラ金側の請求は棄却された 大阪地方裁判所第3民事部 石井寛明、飯淵健司、堀一策 平成19年レ第125号 2007年(平成19年)10月19日 損害賠償請求控訴事件 滝川あおい司法書士 072(981)5281 (株)ルートファイナンス 【主文】 本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。 【事案の概要】 原判決は、被控訴人からの取引履歴全部の開示請求に対し […]
探偵調査会社に調査の依頼をした原告が、なされた調査が依頼をした趣旨と異なるものであったとして、払込金100万円の返還(詐欺及び債務不履行)と損害賠償(不法行為)55万円の支払いを求めて提訴し、請求のうち払込金100万円全額の返還が認められた事例 大阪地方裁判所第16民事部 小川浩 平成18年ワ第8831号 2007年(平成19年)10月15日 不当利得金返還等請求事件 原啓一郎弁護士 06(6365)9183 イーグルアイ調査事務所こと張田政宏 平成18年2月に大阪の「探偵・興信所問題研究会」が実施した電話相談への相談を契機に、同年8月に提訴。 相談者夫婦(60歳代)は、「息子の嫁」が息子の家 […]
本判決は、認知症状を有する78歳の男性にリフォーム工事契約を締結させ、契約締結日より3日間で合計1300万円の工事代金を支払わせ、クーリング・オフ通知後も代金を返還しない業者らに対し、契約当事者である会社のみならず、別法人格の会社についても、法人格否認の法理における実質的同一性を認定して不法行為による損害賠償責任を認めた 大阪地方裁判所第24民事部 岩松浩之 平成17年ワ第8396号 平成18年ワ第10618号 2007年(平成19年)9月21日 損害賠償請求事件(両事件とも) 国府泰道・土橋直子弁護士 (株)明世、(有)フクヨシ 判決では、①契約会社(Y1)と別法人格の会社(Y2)の事務所が […]
アイフル従業員が返済の行き詰まった債務者に対し「恨み買わんほうがいいですよ」「この餓鬼ゃ」などと粗野で脅迫的な言葉を用いて取立をしたり、債務者の意向を無視して自宅に押しかけ、妻や母親を巻き込むという暴力的な言動で取立を行ったりした行為や暗に第3者からの借入を要求した行為などについて貸金業法21条1項違反を認定し、慰謝料30万円等の支払いを認めた事例松山地方裁判所民事第1部 武田義德平成17年ワ第402号2007年(平成19年)9月21日損害賠償請求事件辰巳裕規弁護士アイフル(株)アイフル新居浜支店の従業員が返済の行き詰まった会社員男性に対し連日のように電話を架け執拗な取立を行った事案に対する損 […]
「旗竿地」と呼ばれる、道路から奥まった路地先の宅地を購入したところ、路地(幅4・3m)のうち当該土地の敷地の幅が1.3mしかなく、建築基準法(接道義務)違反で建築できないことが判明したため、買主が売主・仲介業者に対し瑕疵担保責任に基づく解除及び損害賠償を求めたところ、法律的な瑕疵の存在を認め、これらの請求が認容された事案 京都地方裁判所第1民事部 土井文美 平成17年ワ第1782号 2007年(平成19年)4月25日 損害賠償請求事件 神﨑哲弁護士075(211)6700 控訴審の途中ゆえ公表しない 建築基準法43条1項は「建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない」と規定しており(接 […]
マンション建築資金の貸付において、その返済計画の内容である土地の一部売却について、銀行に対して、消費貸借契約に付随する信義則上の義務として、その売却可能性を調査し説明すべき義務を認めた事例大阪高等裁判所第12民事部 渡邉等、岡原剛、八木良一平成18年ネ第1788号(最高裁平成18年6月12日判決の差戻審)2007年(平成19年)9月27日根抵当権抹消登記手続等請求控訴事件斎藤英樹弁護士 06(6367)6692(株)みずほ銀行、積水ハウス(株) 本件は、本誌69号の判例和解速報№1104の最高裁判決の差戻審である。この最高裁判決の全文は判例タイムズ1218号、判例時報1941号に、判例解説は判 […]
ポイント制レッスンシステムを採用しているNOVAが受講生の所属する校舎を廃止して近隣校に移転統合を行ったことが受講契約の債務不履行を構成すると判断した事例名古屋高等裁判所民事第1部 坂本慶一、山崎秀尚、山下美和子平成19年ネ第220号2007年(平成19年)9月27日損害賠償請求控訴事件杉浦幸彦弁護士 03(3432)6722(株)ノヴァ名古屋高裁は、本件においては約款や入校時のやりとりをもってしては履行場所をことさら限定するものと解せないと認定しつつもNOVAの営業の実態等に着目して、「受講契約を締結する受講生と被控訴人の合理的意思としては、受講生が転学手続を取らない限り、受講生は受講申込み […]
株式会社SFCGに対する特定調停において、利息制限法に基づく引き直し金額を36回分割支払いとする17条決定がなされたが、SFCGが異議を述べることなく確定した事例名古屋簡易裁判所 塩月正人平成19年(特ノ)第2154号2007年(平成19年)7月3日債務額確定等調停事件水谷英二司法書士 052(916)5080(株)SFCG 株式会社SFCGはこれまで特定調停に非協力的であり、利息制限法に基づく引き直し計算額を一括で支払うよう請求していた。分割払いを認める事は無かったため調停が成立することはまれであった。分割払いを内容とする17条決定が出されても応じることなく異議の申立をし、特定調停によってS […]
エステティックサービス会社であるTBCが管理していた約5万人の個人情報がネット上に流出するという事件につき、「流出データ回収の完全性に対する不安ないしは精神的苦痛に対する慰謝料請求や、大学在籍に係る個人識別情報の開示に関する慰謝料請求につき判定されるべき場合よりは、高い保護を与えられる」として、大量個人情報流出事件としては、過去最高額の1人あたり3万円の慰謝料と5000円の弁護士費用が認められた事例東京高等裁判所第4民事部 稲田龍樹、足立謙三、高野輝久平成19年ネ第1496号、第3013号2007年(平成19年)8月28日損害賠償請求控訴事件同附帯控訴事件紀藤正樹弁護士 03(3515)668 […]
第1取引(レタス倶楽部カード)と第2取引(レタスカード)終了後、両社が合併したケースで、両取引を包含する基本契約の存在がないことを認めつつ、基本契約が存在するのと同様の状況であることを認定し、第1取引の過払い金を第2取引の貸付金に充当することを認めた枚方簡易裁判所 小川親治平成18年ハ第1665号2007年(平成19年)5月16日不当利得返還請求事件滝川あおい司法書士 0729(81)5281(株)レタスカード 事案概要は以下のとおり。① レタス倶楽部カードとの取引(旧関西クレジット・第1取引)12万7000円程度の過払金発生② 8ヶ月後、レタスカードとの取引(第2取引)残債務有り③ 第2取引 […]
第1取引と第2取引の間に約6年2ヶ月の空白期間があった場合に、一連計算をすべきであるとした。また、文書提出命令決定にもかかわらず、取引履歴を開示せず、慰謝料として30万円の支払いを認めた裁判所名古屋地方裁判所民事第5部 西村康夫平成18年ワ第4134号2007年(平成19年)8月17日不当利得返還請求事件水谷英二司法書士 052(916)5080三和ファイナンス(株)第1取引は借入契約書と明細書に基づく推定計算。第2取引は被告が開示した取引履歴に基づく計算書。第1取引と第2取引の間に、約6年2ヶ月の空白期間があった。判決は、契約書に記載されている自動更新の条項、会員番号、いずれもリボルビング式 […]
商事消滅時効が成立している貸金債権につき、債権譲渡を受けたとして回収を続けていた非サービサーの集金代行業者との間で、貸金残債務の不存在を認めさせ、金3万円の解決金を支払わせる内容の訴外和解が成立した事例 大阪地方裁判所第25民事部 平成19年ワ第11531号 2007年(平成19年)11月1日 損害賠償等請求事件 三浦直樹弁護士 06(4800)3277 (株)ティーシーエー 原告(60代女性)は、平成16年に夫が亡くなった後、統合失調症が進行していった。心配した家族が確認したところ、亡夫が昭和61年頃に株式会社タイヘイから30万円を借りた際に連帯保証人となり、夫が亡くなった後、同社から債権譲 […]
商事消滅時効が成立している貸金債権につき、債権譲渡と債務承認を認める旨の和解契約証書への署名を強要した非サービサー業者に対して、金20万円の解決金を支払わせる和解が成立した事例 大阪簡易裁判所 山田倫明 平成19年ハ第7139号 2007年(平成19年)8月23日 損害賠償請求事件 三浦直樹弁護士 06(4800)3277 (株)オー・シー・エス・ウエスト 原告(50代女性)は、平成4年に(株)マルフクから22万円を借りた後、数回返済したままとなっていた。平成18年12月下旬のある日の午前8時頃、突然、「マルフクの者です」と名乗る男が自宅に上がり込み、「昔、借りましたよね。これからきつくなりま […]
商工ローン貸金業者が、裏書付で取得した日付白地の小切手に、主債務者の破産宣告後の日付を記入して保証人に対して起こした小切手訴訟につき、形式的には小切手法所定の要件を満たしているが、小切手本来の金銭支払いの手段性、用具性が認められず、小切手訴訟制度を濫用したものであり、不適法なものとして却下した事例(2件) 横浜地方裁判所第6民事部 平成19年(手ワ)第17号 惣脇美奈子同裁判所第6民事部 平成19年(手ワ)第18号 鈴木わかな2007年(平成19年)11月8日小切手金請求事件呉東正彦弁護士 046(827)2713(株)朋友エンタープライズ 本件は貸金業者が、保証人に保証契約の際、裏書をさせた […]