要旨 債権譲渡のあったとされる事案で、譲受人=被告(SBIイコール・クレジット)は譲渡人(プライム)から債務は引き継いでいないと主張する事案で、主に債権譲渡通知書や、ホームページ(プレスリリース)の記載などから、被告の主張を排斥した事例。理由付けが極めて簡潔丁寧である 裁判所 枚方簡易裁判所 兵頭孝明平成19年ハ第1188号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)3月28日事件名 不当利得金返還請求事件問合先 加納雄二弁護士06(6311)6177業者名等 SBIイコール・クレジット(株) 被告(SBI)が、プライムという会社から、債権譲渡は受けたが債務は引き継いでいないと主張する事案で、 […]
要旨 必ずしも過剰与信ではない単発の訪問販売において、クレジット事業者が既払金相当額の約8割を解決金として支払う旨の和解が成立した事例 裁判所 沼津簡易裁判所 岡田洋佑 平成19年ハ第563号(本訴)、平成19年ハ第748号(反訴) 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)4月16日 事件名 (本訴)立替金請求事件(反訴)損害賠償等請求事件 問合先 山田茂樹司法書士 0558(74)2801 業者名等 (株)学研クレジット A(20歳代半ば・女性)は、軽度精神遅滞、心因反応が認められ、圧迫感を感じる場面での拒否能力の低下が診断されている。看護助手として病院勤務。月収は15~20万円程度であ […]
要旨 ペット(犬)1匹の医療過誤について、「遺族」である家族3人に対し各35万円合計105万円という過去最高額の慰謝料を認めた上で、弁護士費用を各6万円及び治療費相当額各5万9406円の支払いを認め、合計140万8218円の損害を認容した事例 裁判所 東京高等裁判所 西田美昭、犬飼眞二、窪木稔平成19年ネ第1345号 判決・和解・決定日 2007年(平成19年)9月27日 事件名 損害賠償請求控訴事件 問合先 紀藤正樹弁護士 03(3515)6681 業者名等 獣医師2名 ペットの医療過誤は、残された「遺族」にとって、人の死亡に比肩するほどの精神的後遺症を伴うものであるが、判例上は、ペットは「 […]
要旨 8年ブランクがあり第2貸付も完済で相殺できない事案だが、第1取引により発生した過払金がありながらの第2取引の借入れは、動機の錯誤にあたるとし、錯誤により無効となった第2取引の借入金返還債務と、第1取引の過払金返還請求権及び第2貸付の弁済金とを相殺することを認め、結果的には一連一体計算と同じ額の過払金返還請求を認めた裁判所 岐阜地方裁判所多治見支部 夏目明德平成19年ワ第173号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)3月31日事件名 不当利得返還請求事件問合先 伊藤知恵子法律事務所0572(59)4201業者名等 プロミス(株) 第1取引と第2取引(完済)間に約8年のブランクがある事 […]
要旨 いわゆる「ロコ・ロンドン貴金属取引」商法は違法な賭博であり、仮に被害者において取引の仕組みやリスクを理解して任意に取引を行ったとしても、これを勧誘した業者らは民事上の不法行為責任を負う裁判所 東京高等裁判所 第8民事部 原田敏章、氣賀澤耕一、小出邦夫平成19年ネ第5655号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)3月27日事件名 損害賠償請求控訴事件問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600業者名等 (株)ファーストエージェント、その役員・従業員ら 東京高判平成20年3月27日は、取引の仕組み自体を違法であるとはいえないなどとして請求を全部棄却した東京地判平成19年10月25日 […]
要旨 貸金業規制法施行後の取引で、貸金業者の過払後の約定利率での請求が、架空請求であると認め、過払金とこれに対する年5%の利息に相当する金額自体が損害であると認めた事案裁判所 松山地方裁判所西条支部 中嶋功 平成19年ワ第160号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)3月18日 事件名 損害賠償請求事件 問合先 菅陽一弁護士 0897(37)3045 業者名等 サンライフ(株) 貸金業規制法施行(昭和58年11月1日)後の1985(昭和60)年1月31日に消費者がサンライフ株式会社(プロミスの子会社)と取引を開始し、1993(平成5)年11月12日取引を終了した事案に関して、松山地裁西 […]
要旨 19歳の長男が、父親のクレジットカードを勝手に使用し、カード上の識別情報(カードの名義人名、カード番号、有効期限)のみをもって有料サイトにアクセスしたことから、父親がカード会社から利用代金を請求された事案において、「暗証番号等の本人確認情報の入力を要求しておらず、会員本人以外の不正使用を排除する利用方法を構築していなかった」等として、父親の重過失を否定し、カード会社からの請求を棄却した裁判所 長崎地方裁判所佐世保支部 竹村昭彦平成17年ワ第162号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)4月24日事件名 譲受債権請求事件問合先 福﨑博孝弁護士 095(824)8186業者名等 ユーシ […]
要旨 点検商法とみられる請負契約(床下調湿工事)において、床下湿気についての正確な告知は、契約の要素にあたるとしたうえで、建築に関する客観的知識を有しない従業員による点検・勧誘による請負契約を民法95条により無効とした事例裁判所 大阪簡易裁判所 藤本暢万平成18年ハ第21273号判決・和解・決定日 2007年(平成19年)11月8日事件名 立替金等請求事件問合先 稲葉宏己弁護士 06(6363)3060業者名等 (株)オリエントコーポレーション、(株)サンクスホーム本件は、いわゆる床下点検商法の事案である。裁判所は、床下湿気についての正確な告知が契約の要素にあたるとして、民法95条の錯誤無効を […]
要旨 販売会社従業員による「即日キャンセルする」との詐言により契約に至り、かつ、購入商品の引渡しのない立替払契約について、購入者による商品未納を理由とする支払停止の抗弁対抗を認めた事例裁判所 大阪簡易裁判所 藤本暢万平成19年ハ第6280号判決・和解・決定日 2007年(平成19年)11月15日事件名 立替金請求事件問合先 稲葉宏己弁護士 06(6363)3060業者名等 (株)オリエントコーポレーション本件は、いわゆる呉服展示会商法において、販売会社の従業員が、「契約してもすぐにキャンセルする」旨の詐言を弄して契約を締結したとの事実関係(そのため商品の引渡しはそもそも予定されていない)のもと […]
要旨 85歳の高齢者に対する給湯器販売・屋根補修工事の訪問販売につき、撤去された給湯器の損害として10万円、慰謝料15万円、弁護士費用5万円の合計30万円の損害を認めた裁判所 津地方裁判所民事第2部 堀内照美、田中正哉、薄井真由子平成19年レ第26号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)3月27日事件名 損害賠償請求控訴事件問合先 村田正人弁護士 059(226)0451業者名等 アクア(株)業者は、給湯器の点検を2~3万円ですると称して、85歳の高齢者宅を訪問し、給湯器は老朽化しており取り替える必要があるし、屋根瓦は補修工事が必要な箇所が2000か所あると説明し、新たな給湯器の取付工事 […]
要旨 訪問販売形態による次々販売における個品クレジット契約締結事案において、販売契約(ホームテック)を公序良俗違反により無効とし、立替払契約(ライフ)についても販売契約との一体性から無効と認め、ライフに対する不当利得返還請求(既払金全額の返還)を認容した判決裁判所 倉敷簡易裁判所 堀田隆①平成19年ハ第828号 ②平成20年ハ第226号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)4月25日事件名 ①既払金返還請求事件 ②立替金反訴請求事件問合先 中村文彦司法書士0866(92)6090業者名等 (株)ライフ(有)ホームテック 原告は、少額の年金が唯一の収入であって、身体機能に障害ある高齢女性で […]
要旨 顧客の利益よりも取引員の利益(手数料稼得)を優先させた取引勧誘・受託・執行は、顧客の損失において自己の利益を図る点で社会的相当性を逸脱した行為であり、民法第709条の不法行為を構成する 裁判所 大阪高等裁判所第6民事部 渡邉安一、安達嗣雄、松本清隆 平成19年ネ第1647号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月22日 事件名 損害賠償請求控訴事件 問合先 三木俊博・田中厚弁護士 業者名等 第1商品(株)(商品取引員) 被害者は開業医であるが、既往、証券取引・商品(先物)取引の知識経験は皆無であった。 平成15年3月に金地金10㎏を購入したところ、その授受の際に金地金を対象とす […]
要旨 過払金1万0932円の返還を求める訴訟において、貸金業者が利息制限法の制限超過利息を徴収したことは民法709条の不法行為になるとして、1万円の慰謝料の支払いを命じ、また、弁護士費用として民法704条後段の特別損害として5万円の支払いを命ずる判決を出した(確定)裁判所 和歌山簡易裁判所 今井勝敏平成20年ハ第22号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月26日事件名 不当利得返還等請求事件問合先 畑純一弁護士073(433)2241業者名等 (有)キレイ 1 制限超過利息を徴収したことによる慰謝料請求について判決は、被告が貸金業規制法17条、18条所定の書面を交付した事実が認められ […]
要旨 複数の取引と認められる場合でも先行取引において発生した過払い金は、後行取引の貸付金に充当される裁判所 古川簡易裁判所 山口敦文平成19年ハ第448号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)1月31日事件名 不当利得返還請求事件問合先 加藤泰四郎司法書士0229(22)7858業者名等 シンキ(株) 基本契約の個数と第1取引の消滅時効が争点となったが、4個の取引は再取引開始時には新たに申込書・基本契約書が作成され、完済後には債権証書が返却され、取引に継続性ない。判決は、別個の取引であったとしても不当利得制度の趣旨(財貨移転の矯正法)から先行取引によって生じた過払い金は、その後に締結され […]
要旨 過払金請求権の消滅時効の完成は貸金業者の対応に相当部分起因するものであるから、消滅時効の援用は信義則に反し許されない裁判所 福井地方裁判所敦賀支部 梅澤利昭平成19年ワ第62号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月28日事件名 不当利得返還請求事件問合先 大伴孝一弁護士06(6155)2680業者名等 プロミス(株) 本件は、2度の中断期間が存在する取引についての過払金請求事案である(第1取引~第2取引は約5年、第2取引~第3取引は約3年10ヶ月の中断期間があった)。判決は、まず第1取引のみ別個の契約であり、第2取引と第3取引は一連の取引であると認定した。その上で、第1取引に基 […]
要旨 1.基本契約が締結されていない前後2つの貸付につき、借換えをしたのと経済的目的が同一であるなどの理由より、前の貸付で過払金が発生した場合には、後の貸付の債務に充当する旨の特約があったと認めた。2.通算37回も違法で任意ではない利息の過払いを受けながら、38回目の弁済期にわずか1週間ばかり徒過したことを理由に期限の利益を喪失したというのは信義則に違反する 裁判所 長崎地方裁判所 田川直之、小山恵一郎、小沼日加利 平成19年レ第13号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月12日 事件名 保証金請求控訴事件 問合先 水上正博弁護士 095(826)5776 業者名等 (株)シティズ […]
要旨 本件は、クレジット会社が提起した立替金請求訴訟において、裁判所が、立替払契約の申込自体がなく、契約締結の事実を認めることができないとして、全ての請求を棄却した事例裁判所 福岡簡易裁判所 小泉孝博平成19年ハ第9200号判決・和解・決定日 2007年(平成19年)12月18日事件名 立替金請求事件問合先 小川松太郎弁護士 092(741)5340業者名等 (株)ジャックス 本件は、80歳の老女(被告)が布団の販売員に騙され、布団を買ってもいないのに、白紙の立替払契約書に署名・捺印し、クレジット会社からの確認の電話に対して「はい」と答えたため、クレジット会社(原告)から立替金の支払いを請求さ […]
要旨 口座引落しによる弁済において、貸金(キャッシング)の弁済と立替払(ショッピング)の弁済が混合している場合、信販会社は、債務者が行った弁済のうちショッピングの立替払についての弁済分を具体的に反証すべきあり、そうでない場合には、債務者が行った弁済は、全て貸金の弁済であると推認するのが相当であるとした事例裁判所 大阪地方裁判所第25民事部 鳥飼晃嗣平成18年ワ第4062号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)1月22日事件名 不当利得金返還等請求事件問合先 稲葉宏己弁護士06(6363)3060業者名等 三菱UFJニコス(株) 本件原告は、被告との間で長期間にわたってキャッシング(貸金) […]
神慈秀明会の信者が不法行為による損害賠償を請求した事件で裁判所が、献金の一部と弁護士費用の660万円の損害賠償を認めた事例 京都地方裁判所第6民事部 中村哲、和久田斉、波多野紀夫平成15年ワ第908号2007年(平成19年)12月25日損害賠償請求事件植田勝博弁護士 06(6362)8177神慈秀明会、助教師被告T、H東京支部長駅頭で手かざしの「浄霊」(魂を浄めること)をして信者を獲得する宗教である神慈秀明会の不法行為を認めた事件である。原告は、昭和56年に駅頭で手かざし(浄霊)を受け入信した。浄霊により「血液を清め」、世界(現界)の病気、貧困、紛争等の苦しみは、霊層界に起因し、浄霊によってこ […]
信販会社ライフの会社更生手続開始申立前の過払部分について、カード会員契約に含まれる充当の合意は何らの影響も受けないこと、過払金が顕在化し権利行使可能となるのは取引終了時であること、ライフの会社更生の実質はアイフルへの営業譲渡であることなどから、ライフの失権(免責)の主張を排斥し、その返還を認めた事例神戸地方裁判所第6民事部 橋詰均、山本正道、澤田博之平成19年ワ第875号2008年(平成20年)2月13日不当利得返還請求事件 辰巳裕規弁護士 ライフ信販会社ライフは平成12年6月に会社更生手続開始申立をし、その後アイフルがスポンサーとなって翌平成13年1月に会社更生計画が認可されるに至っている。 […]