要旨 本件は、1回限りの取引で約4年半の間返済を続けていたが、初回の返済額が利息制限法上支払うべき元利金を下回っていた事例で、①利息制限法の範囲内の請求なら払えた可能性もないとはいえない、②4年以上もの間分割弁済金を受領し続け分割弁済に応じていた、といった事実関係を指摘して、過払い請求を受けるや一転して期限の利益喪失約定を根拠に主張することは信義則に反するとして、遅延損害金の主張を排斥した事例である裁判所 福岡高等裁判所宮崎支部 横山秀憲、林潤、山口和宏平成20年ネ第131号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)10月24日事件名 過払金返還請求控訴事件問合先 小林孝志弁護士 0985( […]
要旨 不当利得金返還請求権(過払金)の消滅時効の起算点について、個別進行説をとりながらも、貸金業者の消滅時効の援用は信義則に反すると判断した事例 裁判所 高松高等裁判所第4部 馬渕勉、豊澤佳弘、山口格之 平成18年ネ第337号 判決・和解・決定日 2007年(平成19年)2月2日 事件名 不当利得返還請求控訴事件 問合先 村上勝也弁護士 089(998)8117 業者名等 プロミス(株) 1 事案の概要 昭和58年9月26日(当初取引日)から、継続的に借入と返済を繰り返し、昭和62年3月17日には確定的に過払状態となり、その後、最終取引日である平成14年1月31日まで取引がなされた事案。 2 […]
要旨 中断期間があるサラ金取引で、中断期間の長短などではなく、契約期間内であることを理由とした契約の存在を認めて、中断後の借入をその期間内の借入として、一連の当然充当計算を認める 裁判所 札幌簡易裁判所 北山裕之 平成20年ハ第4662号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)10月22日 事件名 損害賠償等請求事件 問合先 山崎俊彦弁護士 011(271)5951 業者名等 ネットカード(株) 第1取引、第2取引…などという契約の連続性=個数論は、従前ともすれば、完済後の中断期間の長短、契約書やカードの返還の有無などによって主観的に決せられていた。 しかし、サラ金の取引は極度額がある継 […]
要旨 「100%の勝率で毎月25%以上の利益を得ていく方法」などと喧伝されていた「FX常勝バイブル」という情報商材の頒布者とこれにより顧客獲得をしていた取引業者の損害賠償責任が肯定された事案裁判所 東京地方裁判所民事第41部 小原一人平成19年ワ第32364号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)10月16日事件名 損害賠償請求事件問合先 荒井哲朗・白井晶子弁護士 03(3501)3600業者名等 幸せwin(株)、大橋ひかる、(株)マネースクウェア・ジャパン 通称名「大橋ひかる」を名乗る者が「100%の勝率で毎月25%以上の利益を得ていく方法」であるなどと喧伝して「FX常勝バイブル」と […]
要旨 7歳の男子が学童保育所で供されたこんにゃくゼリーを喉に詰まらせ死亡した事故について提訴された損害賠償請求事件で和解が成立した。メーカーに対し損害賠償金の他に現在製造販売中のソフトタイプのこんにゃくゼリーの生産ラインの終了を最後として、新製品の開発・製造販売をしないこと、子どもに食べさせないことなどの警告表示をすること、伊勢市に対し同市のホームページ、広報誌などでこんにゃくゼリーの危険性を注意喚起することなどの和解内容裁判所 名古屋地方裁判所民事第7部 田近年則、井上博喜、池田幸子平成19年ワ第2779号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月5日事件名 損害賠償請求事件問合先 杉 […]
要旨 健康食品あまめしばを摂取した母娘が閉塞性細気管支炎に罹患し重篤な呼吸器機能障害の被害を蒙った事件の控訴審で、1審原告と1審被告主婦の友社、同山ノ内との間で分離和解が成立した。①主婦の友社らは、主婦の友社発行の雑誌「健康」の特集の内容及び山ノ内の執筆コメントの表現に起因して1審原告らが重篤な健康被害を受けたことにつき深く陳謝し、薬事法関連法令を遵守し再発防止に努める。②主婦の友社らは連帯して和解金600万円を支払うというもの裁判所 名古屋高等裁判所民事第4部 藤田敏平成20年ネ第17号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)8月29日事件名 損害賠償請求控訴事件問合先 杉浦英樹弁護士 […]
要旨 「権利を行使することが出来る時」(民法166条1項)とは、権利の性質上、その権利行使が現実に期待のできるものであることが必要である(最高裁昭和45年7月15日大法廷判決)。過払金返還請求権の行使が現実に期待できるようになるのは、一連の連続した消費貸借取引の終了時又は借り主が過払金の発生を認識し、その返還を求める意思を明らかにしたときのいずれか早い方であるので、このいずれか早い方から過払金返還請求権の消滅時効が進行する裁判所 神戸地方裁判所第4民事部 角隆博、村中玲子、西谷大吾平成20年レ第55号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)8月22日事件名 不当利得返還請求控訴事件問合先 […]
要旨 新聞勧誘員から、景品を提供され、「1年間の無料購読期間を過ぎたら断ってもよい」という趣旨の勧誘を受け、4年間の新聞購読契約を締結したが、1年経過後に解約を申入れたところ、1年分の購読料及び景品相当額の損害賠償請求をされた事案につき、景品の贈与契約は、無料購読期間を含め購読期間が1年未満の場合は効力が消滅するという解除条件付贈与契約であり、条件をクリアしているので目的物返還義務はないとして原告の請求を棄却した事例(原告控訴)裁判所 吹田簡易裁判所 杉中滋和平成19年(少コ)第88号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)6月11日事件名 損害賠償請求事件問合先 八塚博幸司法書士06(6 […]
要旨 以前に統一協会の信仰歴がある女性に対して、約2年にわたって統一協会信者らが五輪塔、聖本等の物品購入代金名下や献金名下に統一協会に金銭を交付させたことについて、一連の勧誘行為を一体のものとして違法性を判断すべきであるとして、統一協会に使用者責任を認めた事例裁判所 東京地方裁判所民事第23部 須藤典明、髙橋信幸、古賀大督平成17年ワ第23549号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)1月15日事件名 損害賠償請求事件問合先 渡邉 博 弁護士03(3431)4488業者名等 世界基督教統一神霊協会 本判決は、被害女性は本件問題が発生する以前から統一協会に対する信仰心を有し、統一協会の信者 […]
要旨 1 自社の従業員にその支給される給与に相当する額を支払わせることとなる商品の販売を継続した呉服販売会社の行為は、著しく社会的相当性を逸脱するものであり、不法行為を構成し、販売契約は公序良俗違反により無効であるとされた事例2 信販会社が、加盟店である販売会社が不法行為に当たる社会的に著しく不相当な商品の販売行為をしていることを知りながら当該商品の購入者と立替払契約を締結した行為は、販売会社の不法行為を助長したものとして、販売会社と共同不法行為を構成し、立替払契約は公序良俗違反により無効であるとされた事例裁判所 大阪地方裁判所第22民事部 小西義博、猪坂剛平成18年ワ第10959号判決・和解 […]
要旨 商品先物取引被害事案において、適合性原則違反、断定的判断の提供、実質一任的態様で新規委託者の保護の趣旨に反して取引を継続・拡大させた違法があるとして先物業者の不法行為責任を認めた上で、委託者には、外務員の勧めに安易に応じていたなどの落ち度が認められるも、こうした落ち度は民法722条2項所定の被害者の過失にはあたらないとして過失相殺を否定した裁判例裁判所 名古屋地方裁判所 平成18年ワ第436号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)5月21日事件名 損害賠償請求事件問合先 石川真司弁護士 052(231)5532業者名等 (株)トレックス、山本善久、籾山隆司 本件被害者は、63歳の無 […]
要旨 当事者が会社(建築事務所)であっても、業務を行うのは1名であり、役員は名目的で、報酬も払っていないこと、電話機は携帯と従前の固定電話で十分であること、売り上げも少ないこと等を理由に「営業のためのものでなく、かつ営業のものでもない」ので26条1項1号は適用されないとしてクーリング・オフを認めた事例裁判所 大阪地方裁判所第12民事部 瀧華聡之平成19年ワ第7480号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)8月27日事件名 連帯保証債務履行請求事件問合先 高橋正人弁護士 06(6365)7140業者名等 NTTファイナンス(株) 被告(当時63歳女性)は平成16年12月にエヌ・エヌ・ティの […]
要旨 第1取引と第2取引が何れも別取引であるとしても、また、第1取引と第2取引との間の取引中断期間の長短を問わず、第1取引に基づく過払金は、第2取引に基づく貸金債務に充当される。第1取引の過払金は第2取引の貸金債務に充当されるから、消滅時効の成立する余地はない裁判所 東京簡易裁判所民事第1室 菅原正視平成19年ハ第22701号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月8日事件名 不当利得金返還請求事件問合先 杉本俊明弁護士 03(3264)1611業者名等 プロミス(株) 本件は、第1取引と第2取引との間に約15年8か月の取引中断期間がある場合の一連充当計算の可否等が問題となった過払金請 […]
要旨 昭和60年には過払になっているのに、借主が支払を継続したのは、プロミスが残債務の存在を書類等で請求し続けたから。ところが、借主が過払請求をすると、一転して「残債務の不存在と借主は権利行使をしなかった」と主張し、時効の援用をする。その態度矛盾の程度はとりわけ大きく、時効の援用は信義則に反し許されない裁判所 鳥取地方裁判所米子支部 大河三奈子平成19年ワ第524号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)8月19日事件名 不当利得返還請求事件問合先 縄彰司法書士0859(31)3645業者名等 プロミス(株)不当利得返還請求権は、過払金の発生の都度権利行使が可能であるから訴え提起時点から1 […]
要旨 三和ファイナンスの取引について、それぞれ同一の基本契約に基づくものか、そうでないとしても1個の連続した貸付取引であると認めるのが相当であって、制限超過部分を元本に充当した結果、過払金が発生した場合には、その後に発生する新たな借入金債務に充当することが予定されている取引であるというべきであるから、取引が終了するまで過払金返還債務についての時効は進行しない、とした事例 裁判所 東京高等裁判所第22民事部 石川善則、土谷裕子、德増誠一 平成19年ネ第5372号 判決・和解・決定日 2008年(平成20年)1月30日 事件名 不当利得返還等請求控訴事件 問合先 ベル法律事務所03(5957)55 […]
要旨 過払金返還請求権の消滅時効期間経過の3か月余り前より取引履歴開示請求をしていたところ、貸金業者より時効期間経過後に取引履歴が開示され、消滅時効が援用されたが、このような消滅時効の援用は信義則上許されない裁判所 八王子簡易裁判所 中山利典平成19年ハ第897号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)4月24日事件名 不当利得返還等請求事件問合先 秋山努弁護士 042(524)6640業者名等 高千穂商事(株) 本件では、過払金の消滅時効期間(10年)経過の3か月余り前に債務整理開始通知を送付し、以降、履歴開示を計4回求めていたが、貸金業者(高千穂商事株式会社)より開示がなされなかったと […]
要旨 金融商品取引業者に対して取引履歴の開示等をしないときに顧客1人1日あたりそれぞれ15万円ずつを支払うことを命じた間接強制決定裁判所 東京地方裁判所民事第2部 浅岡千香子平成20年ヲ第80135号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月12日事件名 間接強制決定申立事件問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600業者名等 東京プリンシパル・セキュリティーズ・ホールディング(株)高齢者から私募ファンドへの投資金名下に金銭を騙取する業者に対して、取引履歴の開示を求める本案訴訟を提起し、業者が請求を認諾するに至った。しかしその後も任意の開示はなく、直ちに間接強制の申立を行った。損害の […]
要旨 勧誘を受けて他社株転換条項付社債(EB債)を購入し、その後の対象株式の株価下落によって株式償還されたため損失を被った事案において、勧誘にあたってEB債の株式償還によって被るリスクを購入者である原告に具体的に認識することができるように説明する義務があるとして説明義務違反を認めた判決(過失相殺5割) 裁判所 大阪地方裁判所第16民事部 小川浩、高木勝己、小川清明 平成18年ワ第4359号 判決・和解・決定日 2007年(平成19年)11月16日 事件名 損害賠償請求事件 問合先 田中彰寿弁護士075(222)2405 業者名等 エース証券(株) 本件は、いわゆるITバブルといわれていた平成1 […]
要旨 貸金債権と不当利得債権は、表裏一体であり、本件債権は単なる債権譲渡ではなくて実質的には契約上の地位の譲渡であること等を理由に請求を認容した。また、弁護士費用は事案の内容、認容額その他諸般の事情を考慮して相当と認められる範囲において、民法704条後段の損害に当たるというべきであるとして、10万円を認容した裁判所 宇都宮簡易裁判所 寺内正三 平成19年ハ第2108号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)8月29日事件名 不当利得金返還請求事件問合先 橋本弥江子弁護士 028(633)3868業者名等 SBIイコール・クレジット(株) 理由付けがわかりやすく、簡明である。表裏一体論を引用 […]
要旨 パチスロの打ち子募集を装った詐欺事例。打ち子募集の勧誘メールを受け取った女性が、2ヶ月の間に数回にわたり預託金名下に計136万5千円をだまし取られた。女性の代理人司法書士が加害業者の預金債権を仮差押えした後、訴訟を提起し、代理人弁護士とともに主位的請求として詐欺による契約取消を主張、予備的請求として消費者契約法による契約取消を主張したところ、主位的請求が全面的に認められ、被害金額全額の回収が実現した。判決確定済み 裁判所 広島簡易裁判所 西村広宜平成19年ハ第1226号判決・和解・決定日 2008年(平成20年)2月28日事件名 預託金返還請求事件問合先 橋口貴志司法書士 082(511 […]