訴外連帯保証人が、原告営業所担当者と交渉し、従前の条件と比べて債務者側に有利な内容の債務弁済申入書の、主債務者欄に被告の記名をし、連帯保証人欄に署名・押印した。 千葉地方裁判所 佐久間政和 平成16年ワ第1388号 2005年(平成17年)1月17日 貸金請求事件 (株)SFCG(旧商号(株)商工ファンド) 原告は、債務弁済申入書の主債務者欄の被告の名下に押印がなされておらず、返済方法変更契約は連帯保証人と締結したもので、被告主債務者に対しては効力が及ばない旨主張した。 裁判所は、同申入書の主債務者および連帯保証人欄の直下に、主債務者は原告に対して、主債務者の原告に対する債務につき、以下のとお […]
CFJの支配人は包括的な代理権を与えられておらず、その者の行為は民事訴訟法54条1項に反するとされた事例。また、判決は支配人の訴訟活動により審理が不当に遅延し、相手方の迅速な裁判を受ける権利が少なからず奪われたとも認定した。 千葉地方裁判所 小濱浩庸 平成16年ワ第725号 2005年(平成17年)2月25日 不当利得返還請求事件 伊東達也弁護士 043(202)5025 CFJ(株) 最近、多くの訴訟において色々な裁判所で支配人を出廷させているCFJの支配人性を争った事例である。 本件事件に出廷した名目支配人の業務は、債権回収とそ句ための訴訟活動に限定されており、融資や人事には何ら関わってい […]
先物業者からの帳尻差損金請求に対し、個別の売注文の一部について断定的判断の提供を理由とする消費者契約法による取消しの抗弁を認め、同請求の一部を棄却し、かつ、取消した委託注文にかかる預託証拠金につき不当利得として業者に返還を命じた事例 名古屋地方裁判所 岡田治 平成14年ワ第4110号、平成14年ワ第5428号 2005年(平成17年)1月26日 帳尻差損金請求事件(本訴)、不当利得返還等反訴請求事件 石川真司弁護士 052(231)5532 ひまわりシーエックス(株) 本件は、東京灯油10枚の売建てから始めた委託者が、同日午後にさらに20枚の売増しをし合計30枚の売建玉を有したところ、値段が急 […]
貸付け時に収入印紙代を天引きしながら、貸付けの契約において天引額を控除しない約定元本に対する年率29・2%の割合による遅延損害金を定めることは「出資法5条2項の規定に違反して締結された契約」(貸金業規制法43条2項3号)に該当するから、「みなし弁済」は適用されない。 東京地方裁判所 河村吉晃 平成16年ワ第7979号 2005年(平成17年)3月9日 貸金請求事件 木村裕二弁護士 03(3571)6051 (株)シティズ 貸付けに関し受け取る金銭は、何らの名義をもってするを問わず利息とみなされる(出資法5条7項)。従って、貸付け時に収入印紙代を天引きした場合は、天引き後の実交付額を元本として利 […]
札幌高等裁判所は、被害者主張の受領、返済の事実を全面的に認め、ヤミ金の行為を、貸金業や出資法を全く無視した無法な貸付と回収で、違法な行為と断じました。その結果ヤミ金に対し、被害者がヤミ金に支払った全額が不法行為に基づく損害であるとしてその全部の返還を命じ、ヤミ金が被害者に交付した金員については、実体法上保護に値せず、被控訴人の利益になるよう評価することは許されないとして、被害者が受領した金員についての返還義務、損益相殺を認めなかった事例 札幌高等裁判所 平成16年ネ第305号 2005年(平成17年)2月14日 不当利得返還・貸金請求控訴事件 吉原美智世弁護士 011(622)7963 (有) […]
「武富士の闇を暴く」の出版について、武富士による名誉毀損訴訟の提起が、あえて、批判的言論を抑圧する目的で行われたものであるとして、名誉毀損訴訟の被告となった、出版社・執筆の3弁護士の反訴請求を認め武富士及び武井保雄(元会長)に対し、480万円の慰謝料の支払を命じた事例 東京地方裁判所 藤山雅行、金光秀明、熊代雅音 平成15年ワ第9119号、平成16年ワ第696号、平成16年ワ第700号 2005年(平成17年)3月30日 不当利得返還等請求事件 新里宏二弁護士 022(263)3191 (株)武富士・武富士元会長 武井保雄 本判決は、貸金業者の契約書面の中に存在する期限の利益喪失条項につき次の […]
サラ金業者が、多重債務者の債務整理を受任した司法書士から取引経過の開示を求められたにもかかわらず、これを拒絶した行為が不法行為であるとされ、元債務者である原告に対する慰謝料及び司法書士費用の支払いが命じられた事例 和歌山簡易裁判所 塩川春司 平成16年ハ第627号 2004年(平成16年)12月16日 不当利得返還等請求事件 戸井洋木司法書士 073(402)1120 (有)ユタカクレジット 本件は、被告と金銭の貸借を継続してきた原告が、過払金の返還を請求するとともに、被告が原告の委任を受けた司法書士に対し、取引経過の開示を拒絶したことを不法行為であるとして、損害賠償請求した事件である。なお、 […]
①別居・離婚になる妻A、子2人名義の利回り目的での預託金約1億円。②Aは中学卒業で取引知識がなく事実上の一任取引であった。利益配当を出すためか大量のリスクの高い外債、投信が買われた。96年4月から01年4月までを問題とした。③01年9月、口座での損害3896万円だけでなく、担当者の横領2190万円が発覚した。国際証券は口座での損害は支払いを拒否した。④取引口座での回転率は16・2和解金は5000万円。内訳は横領金全額と口座損の72%。全件で80%余りの被害回復となった。 東京地方裁判所 平成15年ワ第11742号 2004年(平成16年)11月4日 損害賠償請求事件 田中清治弁護士 03(34 […]
貸金業法19条やガイドラインの趣旨等に鑑み、債務者が貸金業者に対し任意整理目的を明示して必要な範囲で過去の取引履歴の開示を請求したときは、貸金業者としてこれに応じ速やかに開示することが信義則上期待されているとして信義則上の取引履歴開示義務を認めた事例 大阪高等裁判所 松山恒昭 平成16年ネ第1956号 2004年(平成16年)12月15日 不当利得返還請求等控訴事件 西田広一弁護士 06(6316)8365 (株)キャスコ 1 判決要約 貸金業法19条やガイドラインの趣旨、多重債務者や国民全体にとっての任意整理の必要性、そのための取引履歴開示の必要性・重資性に鑑み、債務者が貸金業者に対し任意整 […]
貸付金について制限利率により計算した場合の元利金を超過することになったときは、貸金業者は、貸金業法43条1項所定の要件を具備すること等、制限利率を超過する利息を受領する法的権原があると信じるについて合理的で相当な特段の事情のない限りは、悪意の受益者であると推認するのが相当である。 名古屋高等裁判所金沢支部 長門栄吉、渡邉和義、田中秀幸 平成16年ネ第154号 2004年(平成16年)10月20日 不当利得返還請求控訴事件 皆川容徳司法書士 076(240)7733 CFJ(株) 本件は、CFJに対する過払金返還請求事件の平成16年5月19日金沢地方裁判所判決に対して、被告CFJが控訴した事件に […]
大手貸金業者である被告は、利息制限法に精通し、約定利息が利息制限法に違反していることも知悉していたと推認できるから、制限超過利息を順次元本に充当すると、やがて元本が零になり、過払金が生じることを知りながら、制限超過利息を受領してきたというべきであるから、被告は悪意の受益者である。 金沢地方裁判所 井戸謙一 平成16年ワ第46号 2004年(平成16年)5月19日 不当利得返還請求事件 皆川容徳司法書士 076(240)7733 CFJ(株) 1 悪意の受益者 被告は、過払い金について、被告が悪意の受益者であるというためには、過払い金が生じた時点で、利息契約が無効、取消あるいは解除されたことにつ […]
債権譲渡、合併を重ねてきたサラ金業者について取引の同一性を認めたうえで取引当初からの履歴開示を求める文書提出命令を命じた事例 和歌山地方裁判所 村岡寛 平成17年ソ第1号 2005年(平成17年)3月8日 文書提出命令申立事件 新川眞一司法書士 0724(44)9931 (有)ユタカクレジット 本件は、被告ほか数件の業者より貸付を受けていた主債務者たる原告が、小規模個人再生申立をなしたところ、被告が、最終の切替後の取引履歴を前提に貸金請求の本訴を起こしたことに対し、初回からの取引を前提にすれば債務はなく、逆に過払いになると主張して原告が不当利得返還請求と併せて履歴不開示による慰謝料請求の反訴請 […]
弁護士、司法書士の資格を有しない者が、多重債務者を勧誘し、特定調停の申立をするように勧めて金利計算料名目の金員を取得した行為につき、弁護士法等に違反するものであって不法行為に該当し、支払金全額及び司法書士費用の損害を認めた事例 大阪簡易裁判所 柏森正雄 平成16年ハ第8045号 2005年(平成17年)2月17日 損害賠償請求事件 前田勝範司法書士 06(6316)8651 コーワ電算こと田村学 昨今、大阪において、弁護士等の資格を有しないで、広告により広く多重債務者を勧誘し、「支払いがストップする」「借入がゼロになるかも」と言って、特定調停の申立をするように勧めて申立をさせ、そのサポート等の […]
違法取り立てを繰り返していたいわゆるヤミ金43業者に対して、その取り立て行為が家庭崩壊につながったものと、その因果関係を認めた上で合計600万円の損害賠償請求を認容した事例 さいたま地方裁判所 平成15年ワ第927号 2004年(平成16年)11月19日 損害賠償請求事件 溝呂木雄浩弁護士 03(3505)3661 ユウキプランこと天野勇樹 外42名 本判決は、違法取り立てを理由として、ヤミ金43業者に連帯して600万円の慰謝料の支払を命じたものです。 この裁判は、平成14年9月に妻(64歳)が約150件のヤミ金から借りてしまい。これらのヤミ金の過酷な取立が原因で絶望をした夫(原告76歳)が妻 […]
破産者に関する裁判は、破産手続が同時廃止となった場合であっても、民訴法125条(破産法改正と同時に削除され、同様の規定が破産法44条に設けられた)により、破産廃止決定が確定するに至るまで訴訟手続が中断するとして、中断中に口頭弁論期日を開いた原審の手続違法を認めた控訴審判決 大阪地方裁判所 塚本伊平 平成15年レ第37号 2003年(平成15年)3月20日 貸金請求控訴事件 川村暢生弁護士 075(221)8606 誉々(株) 控訴人はサラ企業者から京都簡裁に貸金請求訴訟を起こされていたが、並行して京都地裁に自己破産を申立て、平成14年11月7日午後5時に破産宣告・同時廃止決定を受け、同月21日 […]
貸金業法43条1項の「みなし弁済」適用要件について判示したもので、内閣府令15条2項の規定にもかかわらず、契約年月日に代えて契約番号を記載した受取証書では、法43条1項のみなし弁済の要件は充たさないとした事例 東京簡易裁判所 平成16年ハ52149号 2004年(平成16年)10月25日 貸金請求事件 須藤博弁護士 028(600)6777 (株)シティズ 貸金業者シティズに関し、契約年月日に代えて契約番号を記載した受取証書を交付した場合について、貸金業法43条1項の「みなし弁済」を否定した判決である。 判決は、「厳格解釈」の立場から、「法43条1項2号、法18条1項は何らの除外事由を設けてい […]
貸金業法43条1項の「みなし弁済」適用要件について判示したもので、内閣府令15条2項の規定にもかかわらず、契約年月日に代えて契約番号を記載した受取証書では、法43条1項のみなし弁済の要件は充たさないとした事例 東京簡易裁判所 松田雅人 平成16年ハ52147号 2004年(平成16年)10月25日 貸金請求事件 須藤博弁護士 028(600)6777 (株)シティズ 貸金業者シティズに関し、契約年月日に代えて契約番号を記載した受取証書を交付した場合について、貸金業法43条1項の「みなし弁済」を否定した判決である。 判決は、「厳格解釈」の立場から、「法43条1項2号、法18条1項は何らの除外事由 […]
①業者が判決の直前に被害者本人と直接接触して徴求した「訴え取下げ同意書」を有効と見ることは訴訟上の信義則に反し、正義に反するとして訴え取下げの効果を否定した事例、②訴え提起前の和解合意の効力を否定した例、③オプション取引の適格性を否定し過失相殺をすることなく賠償請求を認容した事例 東京地方裁判所 平成15年ワ第20170号 2005年(平成17年)2月24日 損害賠償請求事件 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 オービット・キャピタル・マネジメント(株)外1名 豊田商事の残党が運営する海外先物オプション受託を業とすると称する業者及びその代表者に対して損害賠償を命じた事例である。被告会社の […]
過払返還請求訴訟に公正証書による差押がなされたことに対し、保証人7名が商工ファンドと大島社長に対し、総額1430万円の慰謝料を求めた事件で、10月18日請求を認諾した。 仙台地方裁判所 田村幸一 平成15年ワ第1390号 2004年(平成16年)10月18日 損害賠償請求事件 新里宏二弁護士 022(263)3191 商工ファンド(SFCG) 1 商工ファンド認諾 商工ローン大手の商工ファンド(現SFCG)から、公正証書による違法な差押で精神的苦痛等を受けたとして、保証人7名が同社と大島健伸社長に1430万円の慰謝料を求めていた事件で、同社らは昨年10月18日、仙台地方裁判所において請求を認諾 […]
いわゆる武富士盗聴事件に関し、東京地方裁判所刑事第10部は、電気通信事業法違反(盗聴)等の罪により、武井保雄前会長に対し懲役3年・執行猶予4年、武富士に対しては、罰金100万円の有罪判決を言渡した事例 東京地方裁判所 青柳勤、松田俊哉、森川佳奈 平成15年(特ワ)第7521号、平成16年(特ワ)第166号、平成16年(刑ワ)第1137号 2004年(平成16年)11月17日 電気通信事業法違反(盗聴)、名誉毀損 宇都宮健児弁護士 03(3571)6051 武井保雄、(株)武富士 判決は、「武井前会長は、会社の財力に物を言わせ、社内での圧倒的な地位を利用し、武富士に都合の悪い記事の背後関係等を探 […]