大和都市管財被害事件にかかり、抵当証券発行目的のためゴルフ場を鑑定した不動産鑑定士に対して、数%程度の配当しか受けられないこととなった抵当証券(モーゲージ)購入者が原告となって、不動産鑑定士らの鑑定過誤(水増し鑑定)責任を追及し、各1億円ずつの損害賠償を求めた訴訟である。 東京地方裁判所 野山宏、野村高広、出口亜衣子 平成14年ワ第26249号 2005年(平成17年)1月31日 損害賠償請求事件 中村昌典弁護士 03(5919)0745 大和都市管財 本件は、大和都市管財被害事件の関連事件である。抵当証券発行目的のためにゴルフ場を鑑定した不動産鑑定士に対して、数%程度の配当しか受けられないこ […]
子ども英会話講師養成講座の受講契約は、準委任契約にあたる。被告が受領した費用について一切返還しない特約があるのは、民法651条1項の解約の自由を排除するものなので、原告である消費者の利益を一方的に害する条項として、消費者契約法10条により無効である。本件受講契約の解約を認め、被告に受講料全額の返還を命じた事例 東大阪簡易裁判所 中島嘉昭 平成16年ハ第608号 2005年(平成17年)1月27日 受講料等返還請求事件 堀泰夫司法書士 06(6872)3400 子ども学び協会 本事例の争点の1つめは、子供英会話講師養成講座の受講契約について、原告の契約解除は有効であるかという点である。 この点に […]
サントリーが製造・通販した健康食品(アスタキサンチン+ブルーベリーや同イチョウ葉の錠剤)に食品添加物無認可のエトキシキンが含まれたものを回収する騒動があったが、サントリーらが既に呑んだものについては代金返還に応じないので、慰謝料と共に請求した件で、SSCに全代金の返還は命じたが慰謝料は認めなかった。 大阪地方裁判所 宮武 康 平成15年ワ第3166、3583号 2005年(平成17年)1月12日 損害賠償請求事件 井上善雄弁護士 06(6202)5050 サントリー(株)、(株)サントリー・ショッピング・クラブ(SSC) 健康食品は薬のように厳しい許認可手続はないが、健康回復・維持に役立つと宣 […]
いわゆる調停屋と言われる、弁護士等の資格を有しないものが行う特定調停申立のサポート業務は、弁護士法・司法書士法違反と認定され、調停屋との報酬の合意は公序良俗違反にあたり無効とし、その報酬の取立てに対して慰謝料請求が認められた事例 大阪簡易裁判所 柏森正雄 平成16年ハ第8047号 2004年(平成16年)12月9日 慰謝料等請求事件 下室克秀司法書士 06(6624)2290 エクセルプランナーこと吉田一 被告は、弁護士等の資格を有していていないにもかかわらず、「取立てストップ」「借金が0円になります」等と記載された広告をして多重債務者を集め、特定調停申立のサポートをし、その対価として法外な報 […]
本判決は、任意性につき具体的な事実についての立証責任を貸し主に要求したうえで、具体的主張立証がないとし、18条書面の控え及び領収書郵送控えのみによって適法な18条書面の交付を証明するものではないとして、貸金業の規制等に関する法律43条の適用を認めなかった。 静岡簡易裁判所 植松敏彦 平成16年ハ第336号 2004年(平成16年)10月25日 貸金請求事件 小澤吉徳司法書士 054(282)6505 (株)シティズ 本件は、貸金業規制法43条の主張をし、貸金請求訴訟を起こしたシティズに対して、43条の不適用を争った事案である。 任意性につき具体的な事実についての立証責任を貸し主に要求したうえで […]
貸金業者の貸金請求事件について、本店・営業所所在地の裁判所を管轄裁判所とする文書による合意があっても、「当事者間の衡平を図るため」、債務者所在地の管轄裁判所に移送した事例 大阪高等裁判所 下方元子 平成15年ラ第1107号 2004年(平成16年)1月9日 移送決定に対する抗告事件 菊地一二弁護士 0266(23)2270 レタスカード(株) 京都に本社のある金融業者(株)レタスカード(以下レタスカードという)は、長野県飯田市在住の債務者との金銭消費貸借契約締結の際に、契約書を債務者に郵送し返送させるという方法で契約をしました。契約書には、レタスカードの本店・営業所を管轄裁判所とする合意の条項 […]
京都地方裁判所 古谷恭一郎 平成15年モ第1652号 2003年(平成15年)10月20日 移送申立事件 菊地一二弁護士 0266(23)2270 レタスカード(株) No.853参照。
ロプロ最高裁判決(第1小法廷 平成15年9月11日)の差戻審で、福岡高裁は、平成16年11月12日に一連の計算方法を採用した判決を下す。 福岡高等裁判所 簑田孝行 平成15年ワ第752号 2004年(平成16年)11月12日 不当利得返還等請求控訴事件 椛島敏雅弁護士 092(554)7110 (株)ロプロ ロプロ(旧日栄)の、利息制限法を巡る争点(過払金の充当の有無、保証料のみなし利息性)について、最高裁判所は、平成15年7月18日に第2小法廷・平成15年9月11日に第1小法廷・平成15年9月16日に第3小法廷が、そろってそれを肯定する判決を下しましが、過払金を充当する場合の計算方法について […]
控訴人(借主)の期限徒過の事実があったとしても、被控訴人(貸主)が一括弁済の請求をしたことがないこと等の諸事実を認定した上、貸主は、借主が一度失った期限の利益再度付与の黙示の意思表示をしたものと認め、1審判決を取消し、控訴人の過払い請求を認めた。 鳥取地方裁判所 山田陽3 平成16年レ第6号 2004年(平成16年)10月26日 不当利得返還請求控訴事件 縄彰司法書士 0859(31)3645 (株)オークラ 控訴人(借主)の期限徒過の事実があったことは認められるが、貸主(被控訴人)が一括弁済の請求をしたことがないこと、その後も従前通り取引を継続し、再度の貸付に応じていること、弁済期徒過後最初 […]
①振込手数料は、特段の合意がない限り、利息制限法第3条の「みなし利息」にあたる。②貸金業規制法第18条の要件を充たした受取証書の交付があったとはいえないため、同法第43条の「みなし弁済」の適用はない。③過払金が発生した後に新たに貸付がなされた場合、その時点で過払金返還債権と貸付金債権との黙示の相殺がなされたものと解すべきである。④第1回の貸付や貸増しに当たる貸付については、その貸増額につき貸付日から次の返済日までを利息の期間とし、それ以外の貸付については、貸付日の翌日から次の返済日までを利息の期間とするのが相当である。 神戸地方裁判所 田中澄夫 平成15年ワ第1609号 2004年(平成16年 […]
クレジットで宝石を買わされた被害者が自殺したことについて、販売会社・従業員らに対して600万円の慰謝料を命じた事例 仙台地方裁判所 小野洋一 平成15年ワ第547号、同年ワ第1367号 2004年(平成16年)10月14日 損害賠償請求事件 小野寺信一弁護士 022(267)5432 (株)デパール 本件は、平成14年11月12日、自宅において焼身自殺した息子の両親である原告らが、自殺の原因は、被告らが、違法な販売方法をとり、息子に対し多量高額の商品をクレジットを利用して買わせ、多額の借金を負わせ、自殺に追いやったためであるとして、不法行為に基づき、被告らに対し、慰謝料1000万円を求めた事案 […]
販売店による空売りの売買契約について、被控訴人の表示上の効果意思と真意との間に食い違いがあり、これが要素の錯誤にあたるので、割賦販売法30条の4により、売買契約の錯誤無効を控訴人に対抗できる、とした事例 福岡高等裁判所 湯地紘一郎、岩木宰、坂田千絵 平成15年ネ第959号 2004年(平成16年)7月6日 立替金請求控訴事件 岡小夜子弁護士 092(751)7888 (株)オリエントコーポレーション 呉服・貴金属等販売業者が顧客に商品を売ってクレジットを組ませ、その後クレジット契約の書き換えに必要だからと嘘を言って、新たな契約書とは知らない顧客に署名、捺印させるやり方で、被控訴人には10件、約 […]
被告Aが執筆し、被告Bが雑誌「週刊金曜日」に3回に分けて連載した記事は、いずれも原告の社会的評価を低下させ、名誉・信用を毀損するものであるが、各記事はいずれも公共の事実に関する記事であり、専ら公益を図る目的で執筆、掲載されたものと認められ、かつ、全部で14ある記述のうち、9の記述については真実と認められ、残りの記述についても、被告らが真実と信じたことには相当な理由があったと認められる。 東京地方裁判所 福田剛久 平成15年ワ第5644号 2004年(平成16年)9月16日 損害賠償請求事件 好川久治弁護士 03(3501)8822 (株)武富士 本件記事は、いずれも原告の違法・不当な社内実態を […]
不動産の売買において、隣人の特異な言動について売主及び仲介業者に説明義務があることを認め、説明しなかったことを理由に不動産の価額の20%相当額の損害賠償を命じた事例 大阪高等裁判所 平成15年ネ第3590号 2004年(平成16年)12月2日 損害賠償請求事件 藤原精吾弁護士 078(382)0121 東急リバブル(株) 本件は、一戸建て中古住宅の買主が、本件住宅は隣人とのトラブルによって居住の用に耐えないとして、売主及びその仲介業者に対して説明義務に違反するとして損害賠償を求めた事件である。 第1審は、買主の請求を棄却したが、控訴審は原判決を変更し、買主の損害賠償を認めた。 本判決は、売主の […]
自己破産手続をする旨の受任通知を弁護士が送付した直後、京都簡裁に貸金請求訴訟を提起されたので、債務者の住居地である松山簡裁に移送申立をしたところ、移送申立が認められ、サラ金業者が抗告したものの抗告も棄却された事例 京都地方裁判所 葛井久雄、田中義則、蛭川明彦 平成15年ソ第8号 2003年(平成15年)4月22日 移送決定に対する抗告事件 野垣康之弁護士 089(913)1266 (株)ワールド 本件は、自己破産手続をする旨の受任通知を弁護士が送付した直後、(株)ワールドから遠隔の京都簡易裁判所に貸金請求訴訟を起こされた事件につき、被告の住所地である松山簡易裁判所に移送を申し立てたところ、移送 […]
京都簡易裁判所 西村恭一 平成15年サ第7号 2003年(平成15年)2月25日 移送申立事件 野垣康之弁護士 089(913)1266 (株)ワールド
任意整理で一旦は和解した事案について、和解の前提となった取引開始日よりも以前から取引が行われており、そのデータを債権者が保有していたことが後日判明し、和解の無効を前提として、過払金の返還と損害賠償を求めた事例 浜松簡易裁判所 平成16年ハ第641号 2004年(平成16年)11月4日 不当利得返還等請求事件 古橋清二司法書士 053(458)1551 アイフル(株) アイフルとの任意整理事案において、アイフルは、取引開始額や当初残高に不自然さがない(過去の取引の存在を窺うことができない)平成9年からの取引経過を開示したので、これを前提に、相互に債権債務のないことを確認する和解を締結した。 とこ […]
ATM貸付によるご利用明細書は貸金業規制法17条の要件を満たした書面とはいえず、同法43条のみなし弁済が否定された事例 東大阪簡易裁判所 松本澄清 平成16年ハ第509号 2004年(平成16年)10月15日 不当利得返還請求事件 佐賀和美司法書士 072(840)1411 三洋信販(株) 被告は、原告に対し、金銭消費貸借基本契約及び本件各貸付をしたとき、貸金業規制法17条にあたる契約書面を毎回交付したと主張しました。それに対して、原告は利率、返済の方式、返済期間、返済回数等の記載がないので、同法の書面が交付されていないと主張しました。 この争点について、東大阪簡裁は、カードご利用明細書のうち […]
前納学納金返還訴訟につき、「受験者の心理状態に乗じて、多額の学納金を納付させ、これを返還しない扱いにすることにより、本大学の収入を増加させて財政状況の改善に資することを企図して本件不返還特約を締結したものと推認せざるを得ないのであって、まさに控訴人の『窮迫に乗じた』ものと評価せざるを得ないもの」として暴利行為に該当すると判断した事例 大阪高等裁判所 井垣敏生、高山浩平、神山隆 平成15年ネ第3707号 2004年(平成16年)9月10日 学納金返還請求控訴事件 松丸正弁護士 072(232)5188 大阪医科大学 ①消費者契約法の適用のない平成13年度入試以前における前納学納金不返還特約が、公 […]
本件は、本誌の第60号128頁及び202頁に掲載された事件について、業者の抗告を大阪地裁が棄却した事例である。抗告審である大阪地裁も、原審である東大阪簡易裁判所と同様の判断により、本事案を棄却した。 大阪地方裁判所 川神裕、山田明、一原友彦 平成16年ソ第25号 2004年(平成16年)7月9日 移送却下決定に対する即時抗告事件 堀泰夫司法書士 06(6872)3400 三和ファイナンス(株) 抗告人は、理由書において、本件合意は専属的管轄の合意であるところ、基本事件を東大阪簡易裁判所において審理することによる抗告人の不利益を避け、当事者間の衡平を図るためには、基本事件を東京地方裁判所に移送す […]