統一協会の信者である娘を両親が予め準備したマンションに体を抱きかかえるなどして、連れて行き、約5カ月間マンション内で話し合った行為について、社会通念に照らして相当と認められる範囲を克脱したとまでは、断定できず、違法性はないとして、話し合いを担当した牧師の責任も否定した。 東京高等裁判所 森脇勝、前田順司、綿引穣 平成16年ネ第1534号 2004年(平成16年)8月31日 損害賠償請求控訴事件 山口広弁護士 03(3341)3133 統一協会 統一協会の信者である娘を両親が予め準備したマンションに連れて行き、約5カ月間マンション内で話し合った行為について、違法性はないとして、話し合いを担当した […]
ロプロ(日栄)が各別の手形取引を継続的にしてきた取引について、ロプロ自身が継続する、一連一体の不当利得金の利息充当計算を自ら認めて、利息制限法により不当利得金を、借主に支払いをするとの和解をした事例 広島高等裁判所松江支部 吉波佳希 平成16年ネ第24号 2004年(平成16年)7月9日 不当利息返還請求控訴事件 呉東正彦弁護士 046(827)2713 ロプロ 原審松江地裁益田支部平成16年1月13日判決は、本文では最高裁判決の過払金の即時充当を述べながら、計算書において2条計算で、当初の期間を固定した過払金の充当をし、次の過払金の計算において、従前の過払金充当分を算入していないため、結果に […]
SFCG子会社が行なった不動産奪取事件で、証拠として出した売買契約書につき、署名押印だけをとり付けて、書面の差し替えを勝手にしていたという疑いを認めて、書面の成立の真正に疑いが十分にあるとして、仮処分を取消す決定を下した事例 横浜地方裁判所第3民事部 前田英子 平成16年モ第7288号 2004年(平成16年)9月7日 不動産仮処分保全異議申立事件 茆原正道弁護士 044(855)5414 (株)ティー・アンド・エー(変更前の商号 (株)エス・ブイ・アイ) 1 事案の背景 故人が騙されて多額の債務の物上保証として自宅を含めて担保に提供されていた不動産(14物件)に関して競売開始決定が出たために […]
個人再生類似の、一定額を3年支払えばよいとする17条決定にそって返済を進めていた件で、返済終了後の差押を避けるために請求異議訴訟を起こしたが、その中で和解が成立した。その内容が当該17条決定による残金より少ない金額の一括支払でよいとする和解 横浜地方裁判所川崎支部 長久保守夫 平成15年ワ第654号 2004年(平成16年)9月27日 請求異議事件 茆原洋子弁護士 044(855)5414 (株)SFCG 17条決定にそって返済中に、請求異議訴訟を出した理由は、当該17条決定に対してSFCGが異議を出したこと、当該17条決定の返済金が利息制限法の残金にすらならないことと、仮に給料差押により住宅 […]
主債務者が破産し、保証人のうち2名が各自5万円を3年間支払えばよいとする、再生類似の考え方による17条決定が出された(利息制限法でも他の保証人が支払った残債務は多額であった) 川崎簡易裁判所 須山幸夫 平成15年(特ノ)336号 2003年(平成15年)9月26日 特定調停申立事件 茆原洋子弁護士 044(855)5414 (株)SFCG 主債務者の不動産屋の財産状態を全く調査せずに6名の保証人からの回収を目的として3500万円も貸付をした過剰融資の事案である。SFCGは他の保証人らが支払った残金が1000万円であると主張して(後に他の保証人の支払った額面残は800万と判明した)、自宅を建てた […]
被告クリニックの院長が、患者である原告に対し、「あなたのシミはレーザーで1回で簡単にきれいにできるよ」などと述べ、額の肝斑に対し、レーザー照射を行った。原告が治療中に強い痛みを訴えたことから、異なる種類のレーザーが用いられた。治療後に診察を受けた他の医院で、前額部左側に色素脱出、右側に炎症性色素沈着の診断を受けた。被告クリニックが求める治療費に関し、動機の錯誤による無効等を理由とする債務不存在の確認と、レーザー治療によって被った損害を賠償を求めた事例 横浜地方裁判所 岩田好二 平成14年ワ第1669号 2003年(平成15年)9月19日 債務不存在確認等請求事件 菊地哲也弁護士 045(662 […]
被告の提供する教育サービスの内容が、募集広告等の事前説明と異なり、原告らが中途退学したことにより債務不履行による損害賠償を請求し、既払い授業料のうち、不完全履行分を認定して損害額と認めた事例 東京地方裁判所 片山良広、大垣貴靖、山田哲也 平成14年ワ第2940号 2003年(平成15年)11月5日 損害賠償請求事件 岩井信弁護士 03(3591)3900 (株)東京アニメーター学院 判決は、学校が生徒に対して履行すべき教育指導の内容は、基本的には学則やカリキュラムなどによって定まるとしつつ、入学希望者に募集広告などで事前に表示していた事項で具体的内容をもつものについても、履行すべき債務となると […]
銀行融資・変額保険を組み合わせた相続対策について、いずれの契約も錯誤により無効としたうえ、銀行と生保に弁護士費用名目で損害賠償を命じた事例 東京高等裁判所 根本眞、濱野惺、持本健司 平成14年ネ第1983号 2004年(平成16年)2月25日 損害賠償等請求控訴事件 桜井健夫弁護士 03(5226)7295 みずほ銀行、日本生命 1990年8月、富士銀行行員と日本生命職員に、銀行融資と変額保険を組みあわせた相続税対策(家族型)を勧誘されて実行した都心に住む高齢者が、1997年1月に保険契約を解約し、生保からの解約返戻金全額を銀行に返済したが、計算上、4500万円の負債が残った。本件はこの債務不 […]
SFCGに対する不当利得返還請求訴訟において、原告の一連計算の訴状請求額に2・5%の遅延損害金を加算して支払う和解が成立した事例 横浜地方裁判所 山本博 平成15年ワ第98号 2004年(平成16年)7月1日 不当利得返還等請求事件 茆原洋子弁護士 044(855)5414 SFCG SFCGの43条主張がすべて通らないこと、そして、SFCGの主張した「利息制限法による再計算表」は、サラ金方式の一連計算の原告計算より過払金が約220万円少ないところ、訴状の原告計算を正しいと認め、遅延損害金のみ2・5%とする和解が成立した。 D型書面についても、みなし利息の表示がなく、手数料としてしか表示されて […]
三和ファイナンスから本店管轄裁判所への移送申立がなされたが、却下され、三和ファイナンスが高裁に抗告したところ、抗告審でも棄却された事例 名古屋高等裁判所 青山邦夫、坪井宣幸、田邊浩典 平成16年ラ第228号 2004年(平成16年)7月15日 移送申立抗告事件 瀧康暢弁護士 0586(26)6266 (株)三和ファイナンス このところ、三和ファイナンスは、過払金請求訴訟を起こされると、必ず移送申立をするようである。この高裁決定が出た後でも、私の知る限り、名古屋・岐阜の裁判所に提訴された事件につき、性懲りもなく移送申立をしている(いずれも却下されている)。 本件は、平成16年6月18日、名古屋地 […]
金銭の貸付にあたって年金生活者から年金証書や通帳等を徴求し、弁護士からの自己破産手続の受任通知到着後に取立てを行う行為は不法行為になるとし、原告の精神的苦痛に対する慰謝料として35万円を認めた事例 福岡地方裁判所 大牟田支部 牧 賢2 平成15年ワ第69号 2004年(平成16年)7月9日 損害賠償請求事件 永尾廣久弁護士 0944(57)6311 (株)ダイキ 金融業者である被告は、年金生活者である原告に20万円を貸し付ける際、原告から年金証書や年金の振り込まれる通帳等を徴求していた。その後、原告は支払不能状態に陥り、弁護士に自己破産手続を依頼したが、弁護士から受任通知が被告に到達していたに […]
利息制限法違反の期限利益喪失条項を含む金銭消費貸借契約における弁済は、「任意の支払」(貸金業規制法43条)とは認められず、「みなし弁済」は適用されないとした事例 横浜地方裁判所 川勝隆之、菊池絵理、貝阿彌亮 平成16年レ第14号 2004年(平成16年)7月7日 貸金請求控訴事件 木村裕二弁護士 03(3571)6051 (株)シティズ 利息制限法違反の期限利益喪失条項を含む金銭消費貸借契約においては、一般の資金需要者である債務者は、期限利益喪失による元利金の一括請求や高率の遅延損害金の負担などの不利益を回避する目的で利息の支払を行うのであるから、「任意の支払」(貸金業規制法43条)には該らず […]
「相続税対策」として変額保険に加入させられた原告について、変額保険契約、保険料融資契約及び根抵当権設定契約がいずれも錯誤により無効であるとして、保険料相当額の返還、融資契約に基づく一切の債務の不存在確認等を認めた事例 横浜地方裁判所 櫻井登美雄、前田英子、石山恵子 平成9年ワ第811号 2004年(平成16年)6月25日 損害賠償等請求事件 山崎健一弁護士 045(680)1858 日本生命保険(相)、(株)横浜銀行 本判決は、1989年12月から90年2月にかけて「相続税対策」として変額保険計4口に加入させられた原告について、変額保険契約、保険料融資契約及び根抵当権設定契約がいずれも錯誤によ […]
大学医学部専門の学習塾(被告)において講習を受けていた受講生(原告)が、申し込んでいた同塾の①冬期講習を冬期講習開始前に、②年間模擬試験を中途で、それぞれ解約して、冬期講習受講料全額と模擬試験の未実施分受講料の返還を求め、認められた事例 東京地方裁判所民事第24部 齊木教朗 平成15年ワ第10908号 2003年(平成15年)9月16日 授業料返還等請求事件 岩田修弁護士 03(5501)3641 被告は、パンフレット等の記載を根拠に、学習塾と受講生との間には講習等の受講契約を取り消すことは出来ない合意が成立しており、解除は認められないと主張し、原告は、講習等の受講契約は準委任契約でありいつで […]
1 借換えの際作成する貸金業法17条の書面には、従前の貸付金の元本、利息等ごとにその残額を記載しなければならず、貸金業者がその記載のない書面を借主に交付しても、みなし弁済の適用を受けられない。 2 貸金業法18条書面等の交付がないため、みなし弁済の適用要件がないのに、貸金業者がこれを無視して、みなし弁済の適用がある場合の貸金の残高及び弁済金の充当関係を表示した書面を借主に交付しても、その書面は、貸金業法18条の書面に該当しない。 東京高等裁判所 淺生重機、及川憲夫、竹田光広 平成15年ネ第3063号 2004年(平成16年)3月16日 不当利得返還等本訴、同反訴請求控訴 宮本督弁護士 03(5 […]
最高裁判決・イッコーのみなし弁済について43条の適用を否定した事例 最高裁第2小法廷 滝井繁男、福田博、北川弘治、津野修 平成16年オ第424号、平成16年受第425号 2004年(平成16年)7月9日 貸金等請求事件 和田聖仁弁護士 03(5366)3871 (株)イッコー 本件は商工ローン大手の(株)イッコーのみなし弁済の適用が争点となっていたところ、第1審の前橋地裁判決は、ほとんど債務者側の請求を認めました。これに対し、第2審の東京高裁判決は、みなし弁済の適用を認め、逆に債務者側敗訴の逆転判決を言い渡しました。本件は、第2審が東京高裁第4民事部、上告審が最高裁第2小法廷と、SFCGの最高 […]
顧客と日興コーディアル証券との取引のうち、1年間の取引について過当取引で違法であるとして、その間の損失額のうち4割の額(約2800万円について支払いを命じた(6割過失相殺)。 東京地方裁判所 西謙2、鈴木昭洋、神谷厚穀 平成10年ワ第23862号 2003年(平成15年)12月22日 損害賠償請求事件 栗原浩弁護士 03(5296)2251 日興コーディアル証券(株)(旧商号日興證券(株)) 被告日興コーディアル証券と長い取引のあった原告が転換社債等の損失の回復を図るため、次第に被告会社の担当者の勧誘に応じて株式等のリスク性の高い商品の取引を開始し、結局1億4400万円の損失を蒙った事案である […]
県に対し、契約準備段階における注意義務違反を認めた事例 仙台地方裁判所第2民事部 田村幸一、清水知恵子、能登謙太郎 平成14年ワ第456号 2003年(平成15年)12月15日 損害賠償請求事件 千葉晃平弁護士 022(214)0550 宮城県 宮城県が、A氏に対し「漁民ら念願の漁港道路が必要」「地形等からA氏の自宅用地がなければ道路が出来ない」「是非地元の活性化のため譲って欲しい」等と懇願し、A氏に断腸の想いで実家を手放す決断をさせ、買収補償費を書面で提示する等した上、家財道具一切を含め建物全体を撤去し更地にするよう求め、A氏にそのための各作業を行わせてきたところ、一転して「国の事業見直しの […]
支給された厚生年金のみから構成される預金の差押は、申立人が当該年金及び生活保護以外に収入、資産を有しないことから、厚生年金保険法41条1項の趣旨に反し、差押を取り消した事例 東京地方裁判所 竹尾信道 平成15年ヲ第3672号 2004年(平成16年)1月28日 差押え禁止債権の範囲変更(取消)申立事件 豊﨑寿昌弁護士 03(5566)6371 (株)アーク年金 相手方は年金生活者相手に貸金を行う業者であり、申立人に貸付を行う際、申立人から年金送金先口座の通帳及びキャッシュカードを交付させて、実質的に違法に年金を担保に貸付・返済受領を行っていた。 申立人が債務整理を依頼した弁護士が受任通知を送付 […]
特定商取引法の特定継続役務提供契約における中途解約金の精算に当たり、経時によるポイントのみなし使用およびポイント購入時のポイント単価とは異なる単価による精算は違法との主張を認めた事例 東京地方裁判所 原敏雄 平成15年ワ第24336号 2004年(平成16年)7月13日 損害賠償請求事件 杉浦幸彦弁護士 03(3582)4306 (株)ノヴァ 依頼者は、71万8200円で購入した600ポイントのうち138ポイントを消化したところで、ノヴァに対し解約を申し出たところ、ノヴァは25万5834円の精算金を支払いたいと提案してきた。当方は、内容証明郵便、電話等で精算金を増額するよう求めたが、ノヴァは一 […]