消滅時効完成が予測された過払金請求につき、取引履歴開示前に「少なくとも金50万円の過払金の返還を求める」とした原告の催告と訴訟提起を時効中断事由と認め、被告の消滅時効援用の抗弁を認めず、「金82万円余」の請求額全額が認められた事例裁判所 岡崎簡易裁判所 諏訪重雄判決・和解・決定日 2009年(平成21年)9月30日事件番号 平成21年(ハ)第390号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 (株)フロックス(旧(株)クレディア)問合先 吉田登司法書士 0564(25)1750 原告は、平成11年4月30日に旧自宅土地建物を売却し、その売却代金の中から被告に残債務を完済した。原告は、被告に対し、平成 […]
①クレジット契約においては、加盟店は、顧客に商品を販売する過程において、顧客と信販会社との間に立って、両者間にクレジット契約が成立するよう尽力することを委託されていることから、消費者契約法5条が適用される。さらに、②加盟店が、信販会社に無断で利用していた非正規の販売店も消費者契約法5条の「受託者等」にあたるとして、③消費者契約法4条を適用(誤認類型)した事例(被告控訴)裁判所 大津地方裁判所長浜支部 別所卓郎判決・和解・決定日 2009年(平成21年)10月2日事件番号 平成19年(ワ)第127号平成20年(ワ)第16号事件名 既払金返還等請求事件業者名等 (株)アプラス、新生セールスファイナ […]
民事再生手続が開始されている貸金業を営む株式会社(クレディア)において、同社が貸金業関係法令を遵守した経営を行っていない事実を代表取締役が認識しまたは認識し得たのに業務の改善を図るなどしなかったときは、当該代表取締役には、同社との間で金銭の借入と返済を繰り返してきた債務者に対し、会社法429条1項所定の重過失があるものとして、同項に基づく損害賠償責任がある裁判所 広島地方裁判所民事第1部 大須賀寛之判決・和解・決定日 2008年(平成20年)9月26日事件番号 平成20年(ワ)第162号事件名 損害賠償請求事件業者名等 (株)クレディア問合先 板根富規弁護士 082(224)2345 原告はク […]
貸金業者が悪意の受益者であることについて、債務者からの弁済が利息制限法を上回る高利であることを認識していれば足りるとした判決裁判所 東京簡易裁判所民事第5室 直井和夫判決・和解・決定日 2009年(平成21年)9月25日事件番号 平成21年(ハ)第20916号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 三洋信販(株)問合先 ベル法律事務所 03(5957)5528 本判決は、「被告は、原告からの弁済が利息制限法を上回る高利であることを認識していれば足りるのであり、かつ前提とする債務の支払を受けてきたものであるから、悪意の受益者と認めるのが相当である」、「これは、『みなし弁済』の適用如何によって、過払 […]
①取引中の交渉記録は19条帳簿であるから貸金業者であれば作成・保存している。②取引空白期間中の交渉記録は19条帳簿にはあたらないが、貸金業者の側で空白期間中の交渉記録を作成する必要性や必然性がないという特段の事情を主張・立証しない限り、空白期間中に交渉記録を作成・保存しているものと推認するのが相当として、取引空白期間中のものも含む取引終了までの全ての交渉記録の提出を命じた事例裁判所 広島高等裁判所第3部礒尾正、絹川泰毅、野上あや判決・和解・決定日 2009年(平成21年)11月17日事件番号 平成21年(ラ)第106号事件名 文書提出命令に対する即時抗告認容決定に対する再抗告事件業者名等 フク […]
貸金業者が過払金を受領した行為について不法行為の成立を否定した最高裁判例。本判例は、その理由として、旧貸金業法43条の適用要件につきいまだ最高裁の判断が示されていなかったことをあげている。しかし本件は、同法の施行前に基本契約が締結されていて、そもそも同条の適用の余地がない事案である。なお、上記理由からすれば、最高裁の判断が示された以後については不法行為の成立が認められるとの反対解釈が成り立つ裁判所 最高裁判所第二小法廷今井功、中川了滋、古田佑紀、竹内行夫判決・和解・決定日 2009年(平成21年)9月4日事件番号 平成21年(受)第47号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 プロミス(株)問合 […]
エイワは、17条書面、18条書面の各交付要件の欠缺を認識し得たなどの理由により、エイワを「悪意の受益者」であると認定した事例(最高裁平成21年7月14日第三小法廷判決の差戻審判決)裁判所 東京高等裁判所第4民事部稲田龍樹、原啓一郎、内堀宏達判決・和解・決定日 2009年(平成21年)11月26日事件番号 平成21年(ネ)第3744号事件名 不当利得返還等請求控訴事件業者名等 (株)エイワ問合先 出光恭介弁護士 045(664)5291 本件は、最高裁平成21年7月14日第三小法廷判決の差戻審の判決である。最高裁平成21年7月14日第三小法廷判決は、「最高裁平成18年1月13日第二小法廷判決・民 […]
販売目的を秘匿して路上で声をかけてきた被告会社の従業員に、営業所まで連れて行かれて競馬のシュミレーションのパソコンソフトを購入させられ、その際信販会社のクレジット契約の審査が通らないことが判明するや、当該従業員が消費者金融のATMまで原告を連れて行って借入申込をさせ、その借入金から購入代金を支払わせた一連の行為について、被告会社及びその代表者、勧誘した従業員とその上司らに、原告に対する説明義務違反、断定的判断の提供及び適合性原則違反等を内容とする不法行為が成立する 裁判所 大阪地方裁判所第13民事部 府内覚 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)3月24日 事件番号 平成20年(ワ)第4 […]
いわゆるロコ・ロンドン貴金属取引について、取引の仕組自体が違法であるから、取引益金を請求することは法律上許されないと明示した判決 裁判所 東京地方裁判所民事第17部 萩原秀紀、梅本圭一郎、大原純平 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)5月25日 事件番号 平成20年(ワ)第22335号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 (株)ファーストエージェント、外 問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 「スポット貴金属取引」で無断売買により1億円程度の取引益金を「消された」という事案。本判決は、「消された」益金部分の請求を認めず、未返還証拠金相当額等については全部賠償を命じた。違法性 […]
虚偽有価証券報告書の提出したこと等が公表されたことにより、株価が下落した場合、株式購入する前にこれらの行為が行われたことによる損害を受けた株主は、この違法行為を行った会社及び取締役、監査役、監査法人等に下落した株価について、旧証券取引法(現金融商品取引法)21条の2、24条の4、22条等に基づき、21条の2第2項による推定規定を利用して損害賠償請求金として1株当たり金200円などの損害賠償金を認めた判決である 裁判所 東京地方裁判所民事第8部 難波孝一、森純子、德岡治 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)5月21日 事件番号 平成18年(ワ)第11635号、外 事件名 損害賠償請求事件 […]
着物のモニター商法による信販会社からのクレジット代金請求について、請求額の10〜20%を支払うなどにより、原告約230人が信販会社5社と和解した 裁判所 札幌地方裁判所民事第3部 坂本宗一、鈴木敦士、中野晴行 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)3月2日、外(調書毎) 事件番号 平成12年(ワ)1489号、外 事件名 債務不存在確認 業者名等 オリエントコーポレーション、クオーク、GEキャピタルコンシューマーファイナンス、アプラス、セントラルファイナンス 問合先 中村誠也弁護士 011(530)5888 平成12年に破産した愛染苑山久の「着物モニター商法」事件について、北海道では、約2 […]
建築主事には個々の建築主に対しその信頼に応えて申請に係る建築計画について建築基準関係規定適合性を確保し、危険な建築物を出現させないとする職務上の注意義務があるとした上、耐震偽装された本件構造設計には容易に発見し得べき重大な瑕疵があったにもかかわらずそれを見逃したとして、その建築主事が属する地方公共団体に国賠法上の賠償責任があるとされた事例 裁判所 名古屋地方裁判所民事第10部 戸田久 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)2月24日 事件番号 平成18年(ワ)第503号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 愛知県 問合先 山下勇樹弁護士 052(972)0530 本判決は、まず、建築確認 […]
銀行の稟議書について文書提出義務が認められた事例 裁判所 最高裁判所第一小法廷 甲斐中辰夫、涌井 紀夫、宮川光治、櫻井龍子、金築誠志 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)8月12日 事件番号 平成21年(許)第29号 事件名 文書提出命令に対する許可抗告事件 業者名等 (株)三井住友銀行 問合先 中嶋弘弁護士 06(6365)9181 本案事件は、ある中小企業が三井住友銀行から金利スワップ取引を押しつけられた事案について、優越的地位の濫用、適合性原則違反、説明義務違反を主張して損害賠償等を求めているものである。顧客(原告)が顧客カードの文書提出命令を申し立てたところ、銀行(被告)は顧客 […]
大手スーパー「マイカル」が平成13年9月に破綻したことによって同社発行の社債について生じた損害に関し、販売証券会社に対して説明義務違反を認めた事例である。なお、本件は、東京、名古屋、大阪で提起した集団訴訟のうちの一つであり、一審は各地とも全面敗訴であったが、大阪高裁に続き、東京高裁でも一部逆転勝訴となったものである(その後、名古屋高裁でも一部逆転勝訴判決が出ている) 裁判所 東京高等裁判所第8民事部 原田敏章、加藤謙一、氣賀澤耕一 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)4月16日 事件番号 平成20年(ネ)第1177号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 野村證券(株)、新興証券(株 […]
呉服の次々販売事案において、被害女性の浪費傾向を認めつつも、業者がそれに乗じて販売を続けたことは不法行為にあたるとし、被害女性から業者に対する損害賠償請求を一部認めた事例 裁判所 秋田地方裁判所民事第1部 鈴木陽一、和田健、能登谷宣仁 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)4月20日 事件番号 平成19年(ワ)第85、412、510号 事件名 慰謝料請求事件、損害賠償請求事件 業者名等 公開せず 問合先 山本法律事務所 018(888)0621 本件は、呉服過量販売の被害相談を契機に結成された弁護団が記者会見を行った際、被害事例として当該事案を紹介したところ、業者が、被害女性において記者 […]
コンビニエンスストアフランチャイズ本部が、加盟店が仕入れた商品の代金について決済代行した具体的内容につき、加盟店に対して負うべき報告義務の具体的内容を判示した事例 裁判所 東京高等裁判所第8民事部 原田敏章、小出邦夫、氣賀澤耕一 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)8月25日 事件番号 平成20年(ネ)第3531号 事件名 書類引渡等請求、請求書引渡等請求控訴事件 業者名等 (株)セブン-イレブン・ジャパン 問合先 中村昌典弁護士 03(5919)0745 最判平成20年7月4日(本誌77号153頁、判タ1285号69頁)の差し戻し控訴審判決である。 セブン-イレブンは、加盟店の支払事 […]
全国軽自動車運送連合会こと東京商事株式会社との間で締結した役務提供(主に全軽連に登録している荷主先の紹介、業務アドバイス、その他、軽貨物自動車独立自営業に関わる相談)及び配送業務貨物セットの売買契約が、特定商取引に関する法律51条所定の業務提供誘引販売取引に該当するとしてクーリング・オフ通知を発送したところ、全軽連は業務提供誘引販売取引に該当しないとして争ってきたため訴訟となったが、結局、全軽連は和解し、その和解において、右契約が業務提供誘引販売取引に該当し、クーリング・オフされたことを認めた事例 裁判所 浜松簡易裁判所 平井吉彦 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)7月9日 事件番号 […]
取引開始から1カ月にも満たない短期間のうちに、建玉と仕切りを含め延べ102回という多数の取引を行わせ、被害者が取引開始前に予定していた投資可能資金額である500万円の3倍にあたる1500万円もの損害を生じさせた事案 裁判所 名古屋地方裁判所民事第10部 戸田久 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)5月22日 事件番号 平成19年(ワ)第2927号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 SBIフューチャーズ(株)、外 問合先 平野憲子弁護士 052(973)0217 被害者は、国立大経済学部を卒業、父の経営する株式会社代表取締役社長の地位にあり、年収は1000万円超、約4000万円の金融資 […]
本件は、原告ら(5名)が被告から「集い」と称する集会に参加させられ、「因縁切り」と称する儀式を受けさせられ、「集い」の参加料(1回3万円)及び「因縁切り」の祈祷料(1回16万円)名目で多額の金員を騙し取られた被害につき、不法行為に該当するとして、慰謝料、弁護士費用を含め被告に損害賠償を命じた(確定。回収済み)裁判所 京都地方裁判所第2民事部吉川愼一、上田卓哉、西脇真由子判決・和解・決定日 2009年(平成21年)7月8日事件番号 平成19年(ワ)第3557号事件名 損害賠償等請求事件業者名等 霊能者個人問合先 飯田昭弁護士 075(211)4411 原告らは保険外務員など母子家庭が大半で、被告 […]
勧誘を受けて、一旦は取引を始めたくないと断った50代会社員に対し、安全確実な「さや取り」だから必ず利益が出ると称して、最初から売り買い200枚の両建取引をさせ、頻繁売買による手数料稼ぎをした先物会社とその代表取締役らに、過失相殺なしの全額の損害賠償判決がされた事例裁判所 東京地方裁判所民事第37部 小西洋判決・和解・決定日 2009年(平成21年)8月26日事件番号 平成20年(ワ)25328号事件名 損害賠償請求事件業者名等 パブリックフューチャーズ(株)、外問合先 大迫惠美子弁護士 03(3391)3061 不招請勧誘により、原告(56歳、男性会社員)に先物取引を勧誘した被告会社外務員らは […]