いわゆる年金担保貸付について、貸金業法の直接適用を受けない質屋であったとしても、厚生年金法に実質的に違反する社会的相当性を欠く行為と判示し、年金受給口座から自動振替された金員全額を損害と認め、被告会社の代表取締役に対するする共同不法行為の成立も認めた事例裁判所 福岡簡易裁判所 宮口政明判決・和解・決定日 2010年(平成22年)10月27日事件番号 平成22年(ハ)第60195号事件名 損害賠償請求事件業者名等 質屋「えびす」こと(株)恵比寿問合先 安河内肇司法書士 092(986)5209 被告会社は、違法年金担保貸付を行っていた貸金業者の関連会社であり、貸金業法による規制強化を受けて、規制 […]
民法704条後段の規定は、悪意の受益者に特別の責任を加重したものでなく、悪意の受益者が不法行為の要件を充足する限りにおいて、損害賠償責任を負うことを注意的に規定したものにすぎず、同条後段に基づいて弁護士費用を請求をする場合でも、不法行為の要件を必要とする 裁判所 最高裁判所第二小法廷 今井功、中川了滋、古田佑紀、竹内行夫 判決・和解・決定日 2009年(平成21年)11月9日 事件番号 平成21年(受)第247号 事件名 不当利得金返還請求事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 最高裁判所ホームページ 704条後段の賠償責任を、不当利得制度を支える公平の原理を貫くため、悪意の受益者に対し特別の […]
1 本件擁壁は、上部増し打ち及び盛土並びに宅造法8条1項の許可を得ていない点や同法9条の技術基準等に適合していない点において、瑕疵があったと認められる。 2 横浜市の是正勧告に従って違反是正工事を行った場合、建築可能な土地の形状に大きな影響を及ぼし、建物の解体も必要となること、是正工事に4900万円程度の費用を要することに照らせば、本件契約の目的は達することが困難であり、解除が認められる 裁判所 横浜地方裁判所第8民事部 河野匤志 判決・和解・決定日 2010年(平成22年)3月25日 事件番号 平成17年(ワ)第2199号 事件名 売買代金返還等請求事件 業者名等 住友不動販売(株)(仲介業 […]
本判決は、故意免責が認められるためには、精神障害が被保険者の自由な意思決定能力を喪失ないし喪失と同程度に著しく減弱させた結果、自殺企図行為に及んだものと認められること要するが、その評価に際しては、純然たる自然科学的評価ではなく、保険契約者と保険者との間の高度の信頼関係を一方的に破壊したか否かの観点からされるべきとし、被保険者が罹患していたと推定される境界性人格障害等の特徴を考慮した上で、保険者の主張を排斥した 裁判所 奈良地方裁判所民事部 一谷好文 判決・和解・決定日 2010年(平成22年)8月27日 事件番号 平成20年(ワ)第325号 事件名 保険金支払請求事件 業者名等 明治安田生命保 […]
NISからネットカードに「契約上の地位」が承継された場合、承継時点でNISに対して発生していた過払金返還請求権については、NISに対して請求できると判断した事例 裁判所 松山地方裁判所西条支部 熱田康明 判決・和解・決定日 2010年(平成22年)5月31日 事件番号 平成21年(ワ)第159号 事件名 過払金返還等請求事件 業者名等 NISグループ(株)、外1名 問合先 寄井真二郎弁護士 0898(23)2136 平成16年6月ころ、NISは、ネットカード(当時の商号はオリエント信販)に、その当時、NISが有していた顧客との取引を譲渡しました(平成16年5月6日付債権譲渡契約書)。当該債権譲 […]
仙台駅隣のJR仙石線あおば通駅ホームにおいて、被害者女性(昭和6年生)が停車中の車両の乗降ドアが開いていたことから、乗り込もうとし右足を車両内に踏み出したところ、突然、車両ドアが閉まり、被害者女性がホーム側へ飛ばされるように転倒させられた事案につき、訴訟上の和解として金150万円の解決金を受けた事案である 裁判所 仙台地方裁判所第2民事部 廣瀬孝 判決・和解・決定日 2010年(平成22年)7月1日 事件番号 平成20年(ワ)第2365号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 東日本旅客鉄道(株)(JR東日本) 問合先 千葉晃平弁護士 022(713)7791 1 本件は、旅客運送契約上の責任を […]
平成18年1月13日以前の取引について、任意性以外の43条1項の要件についての主張立証がなく、特段の事情があると認めるに足りる事情が認められないことから「悪意の受益者」と認定し、取引の途中から開示した履歴について、訴外アリスコとの約定利率として38.55%が適用されていた可能性が高いと認められるところから、当初貸付残高が0円であると推認することを相当とした 裁判所 神戸地方裁判所姫路支部 林由希子 判決・和解・決定日 2010年(平成22年)6月16日 事件番号 平成22年(ワ)第292号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 林明仁司法書士 079(424)5665 […]
住宅取得者からの工事施工者等に対する建替え費用相当額の損害賠償請求において、居住利益控除論及び耐用年数伸長論を採用しないとした初めての最高裁判例裁判所 最高裁判所第一小法廷 宮川光治、櫻井龍子、金築誠志、横田尤孝、白木勇判決・和解・決定日 2010年(平成22年)6月17日事件番号 平成21年(受)第1742号事件名 損害賠償請求事件業者名等 (株)フラワー不動産、外3名問合先 石川真司弁護士 052(950)5355 建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合に、注文者が請負人に対し建物の建て替えに要する費用相当額を損害としてその賠償を請求すること […]
昭和62年1月から平成18年6月までの20年間に、統一協会信者らによる継続的組織的働きかけにより約1億2250万円の経済的被害を被ったとして被害者の女性(昭和9年生まれ)が統一協会に対し損害賠償を求めた事件で、判決は統一協会に対し、慰謝料200万円を含め1億1162万円の賠償を命じた裁判所 福岡地方裁判所第1民事部髙野裕、菊池浩也、設樂大輔判決・和解・決定日 2010年(平成22年)3月11日事件番号 平成19年(ワ)第72号事件名 損害賠償請求事件業者名等 世界基督教統一神霊協会問合先 大神周一弁護士 092(741)2623 印鑑(40万円)の訪問販売から始まって5日後の多宝塔(4300万 […]
商品取引員は、委託者に買建を提案する際に自己玉は一貫して売り方針である場合、そのことを委託者に説明すべき義務を負っている等として不法行為の成立を認め、過失相殺については、委託者に安易さ、軽率さ、不用心さなどが存在するが、商品取引員の義務違反は意図的にされた悪質な違法勧誘であり、委託者の落ち度を責める資格はないとして否定した裁判所 広島高等裁判所第2部窪田正彦、井上一成、野上あや判決・和解・決定日 2010年(平成22年)5月14日事件番号 平成21年(ネ)第127号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 第一商品(株)問合先 大植法律事務所 082(221)1806 本件は、1審原告が商品取引員 […]
銀行による高齢者へのノックイン型投資信託(仕組投資信託)の勧誘、販売につき、適合性原則違反及び説明義務違反によって損害額の8割の賠償が認容された事例(控訴)裁判所 大阪地方裁判所第22民事部小西義博、本多久美子、前田早紀子判決・和解・決定日 2010年(平成22年)8月26日事件番号 平成21年(ワ)第1727号事件名 預金返還等請求事件業者名等 (株)池田泉州銀行問合先 田端聡弁護士 06(6314)0039 事案は、一人暮らしの高齢女性が、4回にわたり、各500万円・合計2000万円で、仕組債(ノックイン条件付き日経平均連動債)を運用対象とする投資信託を購入させられ、損失を被ったというもの […]
フランチャイズ本部の加盟者に対する情報提供義務違反があった本案において、平取締役の加盟者に対する対第三者責任が認められた事例裁判所 東京高等裁判所第22民事部加藤新太郎、柴田秀、加藤美枝子判決・和解・決定日 2010年(平成22年)8月25日事件番号 平成22年(ネ)第596号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 (株)エイエスピー問合先 中村昌典弁護士 03(5919)0745 本誌83号202頁(338頁)の控訴審判決である。一審被告らのみが控訴した。原審で一審被告らが主張・立証しなかった会社の破産事件及び代表者の再生事件における配当分について控除することを認めたが、名目的取締役であり責任 […]
パチンコ攻略雑誌の広告を見て、打ち子募集やパチンコ攻略情報を申し込んで被害を被った事例につき、雑誌発行者及び広告代理店の損害賠償責任を認めた裁判所 大阪地方裁判所第23民事部 後藤誠判決・和解・決定日 2010年(平成22年)5月12日事件番号 平成20年(ワ)第5965号事件名 損害賠償請求事件業者名等 (株)未来インターナショナル、(株)クエスタ問合先 斎藤英樹弁護士 06(6367)6692 本件は、「パチンコ攻略の裏」というパチンコ攻略雑誌を購入した読者が、打ち子募集広告とパチンコ攻略法広告を見て、各業者に連絡をとり、打ち子募集の保証金、あるいはパチンコ攻略情報の入会金、情報料を支払っ […]
独立行政法人都市再生機構(UR)の「都市機構賃貸住宅賃貸借契約書」では、契約終了後明渡しまでの損害金として「契約終了日の翌日から起算して明渡しの日までの家賃等相当額の1.5倍の金額」と規定されているところ、この規定のうち家賃等相当額を超える部分については消費者契約法9条1号に反して無効であると判断された事例裁判所 大阪地方裁判所第17民事部 藤倉徹也判決・和解・決定日 2009年(平成21年)3月31日事件番号 平成20年(ワ)第10436号事件名 建物明渡請求事件業者名等 独立行政法人都市再生機構問合先 中西基弁護士 06(6365)1132 独立行政法人都市再生機構(UR)の賃貸住宅におい […]
販売店の不正な意図を知らずに売買契約を締結した買主の売買契約における購入の意思表示に錯誤があり、売買契約が無効と判断され、割賦販売法30条の4により、被告の原告(信販会社)に対する抗弁の主張が認められた事例裁判所 大阪地方裁判所第8民事部 小野憲一判決・和解・決定日 2010年(平成22年)4月8日事件番号 平成20年(ワ)第16030号事件名 立替金等請求事件業者名等 (株)セディナ問合先 櫛田博之・三木俊博弁護士(太平洋法律事務所) 06(6365)7292 本件は、被告が販売店との間に締結した車両の売買契約につき、被告との間で立替払委託契約を締結した原告が、被告に対し、未払いの分割金残金 […]
生活保護基準の改定には「正当な理由」が必要であり、「正当な理由」の有無は一定程度厚労大臣の裁量に委ねられるが、その判断が重要な事実の基礎を欠くか社会通念に照らし著しく妥当性を欠く場合は、裁量権の逸脱となる。老齢加算段階的廃止は、考慮すべき重要な事項である最低生活水準の維持や激変緩和措置について何ら検討せずに行われたものであり、裁量権を逸脱しており違法である裁判所 福岡高等裁判所第1民事部古賀寛、川野雅樹、齋藤毅判決・和解・決定日 2010年(平成22年)6月14日事件番号 平成21年(行コ)第28号事件名 生活保護変更決定取消請求控訴事件業者名等 北九州市問合先 髙木佳世子弁護士 093(57 […]
貸金等根保証契約にかかる「極度額」の定めは、保証債務の範囲の全部を対象とし、その上限の金額が一義的に明確でなければならず、かかる方式に依らない元本の「極度額」のみの定めは、民法465条の2第1項の「極度額」には当たらない。本件契約の極度額は元本(100万円以下)に利息及び遅延損害金を付加した額とされ、その上限が一義的に明確ではないから、法定の様式を欠き無効である裁判所 熊本地方裁判所民事第3部 工藤正判決・和解・決定日 2009年(平成21年)11月24日事件番号 平成21年(ワ)第1532号事件名 譲受金請求事件業者名等 (株)シーエイチアイマネージメント、(株)サウザン問合先 神保壽之弁護 […]
貸金業規制法17条・18条書面に関する民法704条の「悪意の受益者」の「特段の事情」について、「現在からみれば誤った解釈に基づいて行動していた場合に、それをやむを得ないとするには、少なくとも控訴人(プロミス)の主張に一致する解釈が通説とされていて、これと異なる解釈をすることを期待できなかったというような事情が必要」とした判決 裁判所 東京高等裁判所第2民事部 大橋寛明、佐久間政和、見米正 判決・和解・決定日 2010年(平成22年)2月4日 事件番号 平成21年(ネ)第4398号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 プロミス(株) 問合先 坂本隆浩弁護士 03(3634)5311 プロ […]
制限利息の支払を遅滞すれば期限の利益を失うという契約条項になっていても、毎月の返済額は償還表のとおりとされ、返済額は約定利息、損害金、元金の順に充当されるという条項があり、充当の結果、償還表記載の元金の支払がないことになって、超過利息分を含む約定利息を支払わない限り期限の利益を喪失するとの誤解を与え、超過利息分を支払うことを債務者に事実上強制する裁判所 京都簡易裁判所 佐々木章人判決・和解・決定日 2010年(平成22年)5月26日事件番号 平成21年(ハ)第4158号事件名 貸金等請求事件業者名等 (株)シティズ問合先 佐野就平弁護士 075(241)2244 最近のシティズの契約条項には、 […]
債務者が元金又は利息制限法所定の制限利息の支払を遅滞したときは期限の利益を喪失する旨の特約とともに、弁済金は約定利息・損害金・元金の順に充当される旨の特約がなされ、制限超過の約定利率による償還表が交付されたという事実関係の下で、債務者が利息の制限額を超える金銭を支払った場合には、特段の事情がない限り、制限超過部分の支払は、貸金業規制法(旧法)43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ということはできない。また期限の利益を失わない裁判所 東京高等裁判所第5民事部大竹たかし、山﨑まさよ、林俊之判決・和解・決定日 2010年(平成22年)6月30日事件番号 平成21年(ツ)第139号事件名 […]