過払金について生じた利息を新たな借入金債務に充当すべきではないと主張をしりぞけ、重利を認める結果になるものでもないとした判決 裁判所 福岡高等裁判所宮崎支部 横山秀憲、川﨑聡子、空閑直樹 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)2月28日 事件番号 平成22年(ネ)第244号、同年(ネ)第267号 事件名 不当利得金返還等請求控訴事件、仮執行の原状回復及び損害賠償を命ずる裁判申立事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 控訴人(CFJ合同会社、以下同じ)は、過払金について生じた利息を新たな借入金債務に充当すべきではないと主張するが、過払金充当合意が認 […]
CFJとの間で無担保取引から不動産担保取引へ同日付で切替えが行われた事案につき、①無担保取引の終了が不動産担保取引の開始と強く関連付けられており、実質的には借換えに当たる、②このような貸付取引においては、当事者は、複数の権利関係が発生するような事態を望まないのが通常である、として過払金の充当を認めた事例 裁判所 岡山地方裁判所第2民事部 工藤涼二、細野高広、宮本浩治 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月27日 事件番号 平成23年(レ)第76号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 岡部宗茂弁護士 086(201)7830 本件は、無担保取引から不動産 […]
アコムが17条書面及び18条書面として提出した膨大な書証について、詳細な検討が加えられたうえで、アコムが悪意の受益者に該当する旨認定された事例 裁判所 東京高等裁判所第17民事部 南敏文、野山宏、野村高弘 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月20日 事件番号 平成22年(ネ)第7964号、 平成23年(ネ)第1883号 事件名 不当利得返還請求控訴、同附帯控訴事件 業者名等 アコム(株) 問合先 村上一也弁護士 03(3341)3133 原審は、判タ1322号に掲載された、プロミスの悪意の受益者性を否定した東京高判平成22年1月15日の理由(最判平成17年12月15日以前は、その裁 […]
国内公設先物取引業者が取引開始時62歳の男性に対し商品先物取引を勧誘した事案で、適合性原則違反・説明義務違反・断定的判断提供・新規委託者保護義務違反を認め、その後の取引拡大についても、理解力に変化のないまま実質的に被告担当者に一任されたまま両建等が繰り返されたのであるから、被告従業員の行為は全体として違法性を帯びると判断したが、過失相殺2割がなされた 裁判所 東京地方裁判所民事第4部 太田晃詳、武藤真紀子、竹内幸伸 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月30日 事件番 号 平成20年(ワ)第12078号 事件名損害賠償請求事件 業者名等 新東京シティ証券(株)(旧クレスト・フューチャ […]
債務者の信用状態悪化を理由として貸付中止措置をとる場合、貸金業者としては、継続的・定期的に債務者の信用状況を把握し、それが改善した場合には貸付けの再開をすることも考えられ、現に、被告も継続的・定期的に原告の信用状況を把握しているから、貸付中止措置をとったからといって、直ちにその後原告に新たな借入金債務が発生しないということはできない旨判示した 裁判所 大阪地方裁判所第25民事部 齋藤聡 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月13日 事件番号 平成22年(ワ)第7365号 事件名 不当利得金返還請求事件 業者名等 アコム(株) 問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312 リボルビン […]
無担保ローンから担保ローンへの切替事案につき、担保の有無、約定利率、極度額の定めが異なることから同一基本契約とはいえないが、充当合意が存在するため、一連計算できるとの判決 裁判所 名古屋地方裁判所民事第5部 谷口豊、作原れい子、三田健太郎 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月21日 事件番号 平成23年(レ)第234号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 福井武男司法書士 0586(48)4250 本件は、無担保契約で取引を開始し、同日付で担保契約に切替え、完済した事案である。 一連計算で請求したところ、アイフルは、無担保と担保で契約番号が異なり、契 […]
特段の事情が認められるためには貸金業者が17条書面の交付について個別、具体的な主張、立証を必要とすると解するのが相当であるとし、アイフルが17条書面の交付について具体的な事実を主張、立証しなかったため、特段の事情が認められないとし、アイフルを悪意の受益者であるとした判決 裁判所 大阪簡易裁判所 池浦浩之 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)6月29日 事件番号 平成23年(ハ)第8535号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 寺田太弁護士 06(6363)0631 本件の主な争点は悪意の受益者である。 悪意の受益者についての被告の主張は以下のとおりである。 […]
未公開株商法の発行会社の共同不法行為責任および発行会社取締役の対第三者責任を認容した原審の判断を維持した事例(№1717の控訴審判決)裁判所 東京高等裁判所民事第15民事部井上繁規、笠井勝彦、菅野正二朗判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月14日事件番号 平成23年(ネ)第3459号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 (株)松村テクノロジー、外問合先 中村昌典弁護士 03(5919)0745 No.1717の控訴審判決である。原判決を不服とした発行会社らが控訴した。控訴審判決は、松村テクノロジーは、販売会社の財務状況や出資金を調査すれば、違法行為を行っていることは容易に認識し得たな […]
未公開株商法の発行会社の共同不法行為責任および発行会社取締役の対第三者責任が認容された事例 裁判所 東京地方裁判所民事第39部 小池晴彦 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)4月14日 事件番号 平成21年(ワ)第47730号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 (株)松村テクノロジー、外 問合先 中村昌典弁護士 03(5919)0745 (株)松村テクノロジーの未公開株につき、証券業無登録の販売会社である(株)アイディ・ジャパンが、投資事業組合形式で、一般投資家を勧誘したものであり、原告は販売会社からこれを購入させられた被害者である。 本件は、発行会社が販売会社(投資事業有限責任組合 […]
無担保取引から不動産担保取引に同日切り替えた事案(いわゆる不動産担保切替事案)について、両取引は事実上1個の連続した貸付取引であると認定し、CFJに対する一連計算に基づく過払金返還請求を認めた裁判例 裁判所 仙台高等裁判所第3民事部 石原直樹、瀬戸口壯夫、中島朋宏 判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月13日 事件番号 平成23年(ネ)第128号 事件名 不当利得金返還請求控訴事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 髙橋和聖弁護士 022(223)3711 本判決は、いわゆる不動産担保切替事案において、無担保取引と不動産担保取引が間断なく連続していること、不動産担保取引は専ら他の債務 […]
本件は、被控訴人が輸入販売する犬のリードのブレーキ機能に欠陥があったことにより、控訴人の愛犬タロウ号が傷害を負い、控訴人が損害を被ったとして、控訴人が被控訴人に対して、製造物責任法3条に基づき損害賠償を請求した事案において、名古屋高等裁判所は、原告敗訴の一審判決を覆し、被控訴人に損害賠償及び慰謝料の支払いを命じた事案である裁判所 名古屋高等裁判所民事第4部渡辺修明、嶋末和秀、末吉幹和判決・和解・決定日 2011年(平成23年)10月13日事件番号 平成22年(ネ)第1198号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 (株)ライトハウス問合先 柳田康男弁護士 03(5925)8030 名古屋高等裁判 […]
全国最大規模のコンビニエンスストアのフランチャイジー(本部)が、その加盟店に対し、デイリー商品の販売価格の拘束を行ったとし、これによって加盟店は値下げ販売ができなくなり、廃棄ロスを減らすことができなかったことを認定し、220万円の損害を相当とした判決である(損害額については民訴法248条を適用、損害のうち弁護士費用20万円)裁判所 福岡地方裁判所第1民事部田中哲郎、増田純平、髙櫻慎平判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月15日事件番号 平成20年(ワ)第1917号事件名 損害賠償請求事件業者名等 (株)セブン-イレブン・ジャパン問合先 迫田登紀子弁護士 092(555)7323 本件 […]
授業料等の不返還特約の有効性判断に関する最高裁判例(平成18年11月27日第二小法廷)を前提に、被告学校が定める専願入試が、上記判例における「専願入試等」に該当するかどうかを実質的に検討したうえで、これを否定し、被告学校に対し受領した授業料等の返還を命じた判決裁判所 名古屋高等裁判所民事第2部中村直文、朝日貴浩、濵優子判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月22日事件番号 平成23年(ネ)第418号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 学校法人モード学園問合先 加藤智希弁護士 0569(24)9472 最高裁は「専願入試等」に基づき締結された在学契約が解除された場合、その受験者は他 […]
建物賃貸借契約において50万円の敷金のうち40万円を敷引するという条項が付されていたところ、家賃の3倍を超える部分については消費者契約法10条に反し無効とした事例裁判所 西宮簡易裁判所 今井勝敏判決・和解・決定日 2011年(平成23年)8月2日事件番号 平成23年(ハ)第490号事件名 敷金返還請求事件業者名等 公表せず問合先 吉岡良太郎弁護士yodo-r@tf6.so-net.ne.jp 本件建物賃貸借契約においては、50万円を敷金として預託し、うち40万円を敷引するという条項が付されていたところ、(元)賃借人が、約5年間の居住後、40万円の敷金返還請求をしたという事件である。なお、家賃は […]
管理業者が家賃等を滞納した賃借人を追い出すとともに室内動産を処分したのは不法行為が成立するとして、慰謝料や動産の損害など165万円の賠償を命じるとともに、賃貸人についても、管理業者に賃貸物件の管理のための包括的権限を与え、自身も管理業者の取締役を務めるなどの事情のもとでは、共同不法行為が成立するとして、連帯しての賠償責任を認めた事例裁判所 大阪高等裁判所第13民事部紙浦健二、神山隆一、宮武康判決・和解・決定日 2011年(平成23年)6月10日事件番号 平成22年(ネ)第3141号事件名 本訴損害賠償請求、反訴賃料請求控訴事件業者名等 公表せず問合先 増田尚弁護士 06(6633)7621 本 […]
ホームレス状態にあった原告がアパート等での居宅保護を求めてした生活保護申請に対して、新宿区福祉事務所長が稼働能力不活用(生活保護法4条1項)を理由に却下した処分の違法性が認められ、生活保護申請却下処分の取り消し、居宅保護の方法による生活保護開始決定の義務付けが命じられた事例(被告控訴中)裁判所 東京地方裁判所民事第2部川神裕、内野俊夫、須賀康太郎判決・和解・決定日 2011年(平成23年)11月8日事件番号 平成20年(行ウ)第415号事件名 生活保護開始申請却下取消等請求事件業者名等 新宿区問合先 戸舘圭之弁護士 03(3379)5211 本件は、2008年6月、東京都新宿区内でホームレス状 […]
利息制限法所定の制限利率で引き直した計算結果と、和解の内容とが大きく乖離しており、かつ、借主がそのことを認識しておらず、認識しなかったことについて貸金業者側に起因する事情がある場合には、法律行為の要素について借主に動機の錯誤があり、かつそのことは表示されているというべきであるから、和解契約は無効となると解するのが相当である(本件和解契約は無効である)とした裁判所 伊万里簡易裁判所 末次恭判決・和解・決定日 2011年(平成23年)4月28日事件番号 平成22年(ハ)第199号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 アイフル(株)問合先 杉山林太郎弁護士 0954(20)1455 本件は、借主(原 […]
質取引にも、関係法令の文理解釈から、利息制限法が適用される、質屋主張の諸事情によっても、利息制限法1条の「金銭を目的とする消費貸借における利息の契約」を縮小解釈して質取引を除外すべきとはいえない、として、顧客からの過払金等の支払請求、質物の引渡請求をいずれも認容した裁判所 名古屋地方裁判所半田支部 三芳純平判決・和解・決定日 2011年(平成23年)8月11日、同月22日事件番号 平成22年(ワ)第506号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 質屋問合先 園田理弁護士 052(219)5271 本件は、顧客が質屋に対し利息制限法で引直計算した過払金と質物の返還を求めた事案である。質契約は、金銭 […]
車の売買及び賃貸を装って車を担保に年利250%を超える高金利で貸付をしていたヤミ金融の店長、従業員、中古車販売業者ら全員につき、共同不法行為責任を肯定し、自殺した被害者との関係では、脅迫的・強圧的言辞を用いた取立がなくとも、貸付等の一連の行為と被害者の自殺との間の相当因果関係が認められるとして、総額約6840万円の損害賠償を命じた判決裁判所 さいたま地方裁判所第2民事部岩田眞、橋本英史判決・和解・決定日 2011年(平成23年)9月7日事件番号 平成17年(ワ)第655号、平成18年(ワ)第1445号、平成19年(ワ)第3196号事件名 損害賠償等請求事件、詐害行為取消請求事件業者名 等サイシ […]
貸金業法43条1項の「任意性」について、契約証書や説明書の文言、契約締結及び督促の際の貸金業者の債務者に対する説明内容など具体的事情に基づいて検討しなければならない。「期限の利益を喪失……(する)ことになるとの誤解を与え、……制限超過部分を支払うことを債務者に事実上強制することになるおそれが十分にある」事情についてさらに審理させるため、原審に差し戻す裁判所 大阪高等裁判所第7民事部永井ユタカ、吉田肇、舟橋恭子判決・和解・決定日 2011年(平成23年)7月6日事件番号 平成23年(ツ)第29号事件名 貸金等請求上告事件業者名等 (株)シティズ問合先 佐野就平弁護士 075(241)2244 2 […]