相続人は、財産処分をした後、国金からの請求を受けて多額の相続債務が存在したことがわかり相続放棄をしたが、放棄の申述の却下の審判を取り消して、国金からの請求時より3ヶ月内の相続放棄期間が開始するとして原審に差し戻した事例 大阪高等裁判所 平成10年(ラ)第54号 1998年(平成10年)2月9日 相続放棄申述申立却下審判に対する抗告事件 吉井正明弁護士 078(371)0171 被相続人は平成9年4月30日に死亡し、相続人らが、平成9年8月1日に分割協議をして不動産を妻と長男名義にしたが、9月29日国民金融公庫から被相続人が連帯保証人として500万円余の負債を負い、それ以外にも約4000万円余の […]
債権確定訴訟で破産者の「詐欺」が認定されながら、免責が認められた事例 大阪地方裁判所 平成9年(モ)第2260号 平成10年1月16日 免責申立事件 関戸一考弁護士 06(6821)2051 平成10年1月16日付大阪地方裁判所第6民事部で、32歳の男性に対して免責の決定があった。 この男性は破産債権確定訴訟高裁判決(破産事件平成7年(フ)第343号)で「14ヶ月に24契約以上とることを約束して再フランチャイズ契約を勧誘したことは」「事業資金に窮して契約金名目で金員を搾取したもので詐欺にあたる」と認定されていた。 右破産債権者の免責異議申立に対し、決定は破産法366条ノ9第2号「詐術」とは「破 […]
情報誌の広告電話番号を誤って掲載したことにより被害を被った電話持主に対し、広告会社だけでなく広告が本文記事と区分けがつかないなどの理由をもって出版社に対しても連帯して25万円の損害賠償を認めた事例 大阪高等裁判所 平成5年(ネ)第1778号 平成6年9月30日 損害賠償請求控訴事件 大深忠延弁護士 ぴあ株式会社、株式会社サプライ 関西版「ぴあ」は、コンサートや演劇等の催し物等やレストランなどの紹介などを行う総合情報誌であり、その誌面の中に広告が掲載されている。広告中に掲載された午後6時から午前5時までの深夜営業のパーティー・スペース・ノイズの広告の電話番号が誤っていたため、誤った電話番号の持ち […]
断定的判断の提供による株式の勧誘につき、買付との因果関係を否定した原判決に経験則違反ないし採証法則違反があるとして破棄差戻がなされた判決
-最高裁平成五年(オ)第二一四二号損失保障債務履行請求上告事件 平成9年9月4日判決-
ユースビル錠によるとみられる副作用死の情報を知らずに日本商事株を買った原告との間で、当時の社長が請求を認諾して請求額を支払う、当時の副社長らが副作用死情報の適時開示についての対応が十分でなかったことの経営上の責任を認める、インサイダー取引をした社員は請求額を法律扶助協会に贖罪寄付をする旨の和解が成立した事例 大阪地方裁判所 平成7年(ワ)第3900号 平成9年12月12日 損害賠償請求事件 荒井俊且弁護士 06(6365)6072 日本商事株式会社 日本商事㈱が製造販売した新薬ユースビル錠による副作用死とみられる投与患者の死亡例が、同薬の販売開始直後から続発したが、同社による副作用情報の公表が […]
友人が貸与された健康保険証の本人になりすまし、健康保険証を身分証明書として健康保険証の本人名義で㈱ナイスから借入れを行ったため、支払請求を受けた本人が、督促されるがままにしばしば支払の請求に応じる等の行為があったものの、金銭消費貸借契約は有効に成立したものということはできないとし、債務不存在を認めた事例 姫路簡易裁判所 平成9年(ハ)第715号 平成9年(ハ)第907号 平成9年12月月日 債務不存在確認事件 同反訴事件(確定) 滝川あおい司法書士 0729(81)5281 株式会社ナイス 原告が友人(S)に病院に行くのに必要であるといわれ、好意で健康保険証を貸与したところ、その健康保険証を悪 […]
夫が妻の実印を使って妻を連帯保証人としたリース契約について、妻が実印をほとんど使わず夫が管理しており、契約時に妻が同席していたとの業者の主張に対して、その証言が同席しながら妻が自筆しないことは不自然であることなどを理由に、妻の連帯保証債務を認めないとした事例 大阪地方裁判所 平成9年(ワ)第5467号 平成9年11月19日 証規定損害金等請求事件 本人訴訟(植田勝博弁護士) 06(6362)8177 ジューキクレジット株式会社 本件は夫債務者がリース業者との間で、夫の経営する工場の機械などのリース契約、妻(同工場で働いていた)を連帯保証人として全部で3回契約したものである。 業者は、リース代金 […]
外貨建てワラント取引の勧誘につき、投資判断力のない原告に対するワラントの勧誘自体が違法であるとしたうえで、電話でのワラント勧誘の際の説明が不十分であったと認定し、さらにその説明を信頼した原告に落ち度はなく、その後の価格下落時に売却しなかったことも担当外務員への信頼や価格暴落に対する困惑から売却を決断できなかったものでありその落ち度を問えないとして、過失相殺を否定し100パーセントの損害賠償を命じた事例 東京地方裁判所 平成4年(ワ)第22773号 平成9年11月11日 損害賠償請求事件 近藤博徳弁護士 03(3354)9661 野村證券 本判決は、法律問題に関する新たな判断はないが、事実の分析 […]
いわゆる借換契約において既発生利息を元本に組み入れる取扱いは重利計算となるから、以後の弁済にみなし弁済が適用される余地はないとした事例 山口地方裁判所 平成9年(レ)第3号 平成9年11月4日 貸金請求本訴、不当利得返還請求反訴控訴事件 本田祐司弁護士 093(581)1100 株式会社しんわ 多くの消費者金融業者は、従前、債務のある顧客に新たに金銭を貸し付ける場合、現実の貸付金額に従前の債務元金と既発生利息を加えた合計額が「貸付の金額」として記載されている契約書面を顧客に交付し、これが貸金業法17条1項の要件を充足する契約書面であると主張する。 これまでにも借換契約に関する判例は多数出されて […]
日賦貸金業者につき、受取証書を弁済の3日後に交付していたのでは、法43条の適用を受ける要件を満たしているとは言えないとして、利息制限法で当初から元本充当計算を行った事例。また2人に対して2口の貸付があるが、一方が過払いで、他方が若干残額が残っている場合に、一方が自らの過払いによる不当利得返還請求権を他方に譲渡して、他方がこの不当利得返還請求権で自らの残債務を相殺することは許されるとした事例 大分地方裁判所 平成8年(ワ)第701号 平成9年10月17日 債務不存在確認請求事件 河野聡弁護士 0975(33)6543 株式会社ナショナルファイナンス ナショナルファイナンスは、京都市に本社をおき、 […]
過当取引等により、証券会社に損害賠償責任を認めた事例(過失相殺5割) 大阪地方裁判所 平成4年(ワ)第2187号 平成9年8月29日 損害賠償請求事件 中井洋恵弁護士 06(6366)0636 和光証券株式会社 原告(定年後の男性)は昭和30年頃から、自分の選択で、主に、東証1部上場企業の各業界最大手の企業の現物株を、1000株ずつ、年に3ないし5回程度購入し、購入した株式は長期に保有するなど堅実な証券取引を行っていた。 ところが、被告が原告に対して、信用取引やワラント取引を勧めるようになり、平成元年7月頃から、銘柄、単価、数量、処分時期等の選択を証券会社がすべて行う取引を始めた。 右の取引は […]
要 旨 リース契約の借主となるべきもの(A)から、連帯保証人になってくれと頼まれたのに対し、保証人になってもよい旨答え、その際生年月日、住所等の自己情報を教え、かつそのAと仕事を通じ密接な関係があったとしても、そのことからAに対し連帯保証契約締結の権限ないし代理権を授権したとは言えないとして、原判決を破棄した事例 消費者信用(連帯保証人) 裁判所 名古屋地方裁判所 判決日 平成9年7月17日 事件番号 平成8年(レ)第28号 事件名 リース料金請求控訴事件 問合先 阿部浩基弁護士054(255)5785 業者名等 国内信販(株) 本件はカラオケ機械のファイナンスリース契約に基づき、信販会社(以 […]
要 旨 被告商工ファンドは、原告に対して金336万2465円を支払う。 被告国は、適正な公正証書が作成されるよう今後とも公証人を指導監督するとした事例 和解日 平成9年6月30日 裁判所 釧路地方裁判所 事件名 損害賠償請求事件 事件番号 平成8年(ワ)第83号 問合先 今瞭美弁護士 業者名等 国・商工ファンド 原告は、主債務者代表取締役に頼まれて商工ファンドから金300万円を借りるについて連帯保証人となった。 主債務者代表取締役が死亡した後、相続人等は相続放棄をした。 商工ファンドを公正証書を債務名義として原告の取引銀行の預金の差押をした(債務額200万円)ため、日常業者である原告は、商工フ […]
要 旨 サラ金営業の取立等の実体の報道をした週刊誌に対する、業者の名誉毀損による謝罪広告と慰謝料の請求を認めなかった事例 裁判所 東京地方裁判所 和解日 1997年(平成9年)6月23日 事件番号 平成8年(ワ)第21453号 事件名 謝罪広告等請求事件 問合先 (株)朝日新聞 業者名等 武富士(原告) 「アエラ」平成8年10月14日号の「未成年者に貸して、親から取立」、「親も支払うべき義務があると言って取立をしている」などの記事について、業者の評価を著しく低価させ、業務に著しい不利益を与えたとして慰謝料1億円と謝罪広告を求めた。 判決は、業者の請求を棄却した。 理由として消費者金融業界の実状 […]
要 旨 クレジットカードを詐取された会員が大半がカードの所持を失った後の使用であるのに合計326万円余りの立替金の請求を受け、120万円の分割弁済によって和解が成立した事例 裁判所 東京地方裁判所 判決日 1997年(平成9年)6月16日 事件番号 平成8年(ワ)第11244号 平成8年(ワ)第12559号 平成9年(ワ)第65号 事件名 立替金請求事件 問合先 飯田修弁護士 業者名等 (株)クレディセゾン 被告会員は、平成7年9月20日頃カードを受領し、45万円分の使用をした後、同月25日頃知人にカードを詐取され、知人は失踪した。11月に60万円余りの請求が届き原告カード会社に電話連絡したが […]
要 旨 弁護士が任意整理の受任通知書を債権者に送付した後に債権者がわずか一週間後、公正証書に基づいて給与差押えを行った案件について不法行為を認めた事例 裁判所 東京高等裁判所 判決日 1997年(平成9年)6月10日 事件番号 平成8年(ネ)第4435号 同年(ネ)第555号 事件名 請求異議控訴事件 問合先 井堀周佐弁護士 03(3835)9441 業者名等 千代田トラスト(株) 「大蔵通達発出以来、その定める内容は、貸金業者に概ね遵守され、債務者から依頼を受けた弁護士が、貸金業者に対し、受任の通知をするとともに、債務内容についての回答及び資料の開示を求め、更に債権者に対する調査結果を踏まえ […]
要 旨 霊感商法が統一協会の組織ぐるみの行為であることを明確に認の定し、統一協会に対し民法709条の責任を認めた事例。 裁判所 奈良地方裁判所 判決日 1997年(平成9年)4月16日 事件番号 平成6年(ワ)第207号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 統一協会 問合先 加納雄二弁護士 06(6311)6177 本判決は、所謂霊感商法被害の、世界基督教統一心霊協会(以下「統一協会」という)に対する損害賠償請求を、霊感商法が、統一協会の組織的行為であるとして、民法709条を適用し請求を認容したものである。 判決の要旨として次のような認定をした。①献金勧誘行為は統一協会の宗教活動として最も基本 […]
右同事件で証券会社が440万円の損害賠償義務を認めた事例 東京地方裁判所 平成8年(ワ)第22231号 平成8年9月2日 損害賠償請求事件 豊嶋福之弁護士 03(3370)1751 勧角証券 本誌32号に、私が原告代理人になった東京地裁平成7年10月4日判決が掲載されていますが、この事件の最終決着について報告します。 本件は、銀行がワラント購入資金の融資に深く関与したにもかかわらず、銀行に商品説明義務はないとして原告敗訴とされたもので、本誌32号23頁「白書判例データーベース60」に紹介され、さらに17頁「3 レンダーライアビリティ」の項目で片岡利雄弁護士が内容の説明をされております。また、金 […]
ワラント購入を勧誘し、その購入資金を融資した銀行に対する債務不存在確認請求事件において、第1審では銀行にワラントの説明義務はなく責任はないとして全面敗訴したが、控訴審で3割を超える和解金の支払を得た事例 東京高等裁判所 平成7年(ネ)第4627号 平成8年3月27日 債務不存在確認請求事件 豊嶋福之弁護士 03(3370)1751 第一勧業銀行 判決PDF
前回の免責決定からわずか1年で破産・免責申立がなされたケースで、債権のほとんどが日賦貸金業者の厳しい取引に屈して再度生じた債務であることを考慮して、新得財産からの任意配当などを求めることなく裁量免責を認めた事例 福岡高等裁判所 平成6年(ラ)第153号 平成9年6月13日 免責不許可決定に対する即時抗告事件 河野聡弁護士 0975(33)6543 日賦貸金業者等10社 債務者は、主婦であるが、1993年9月に債権者21名に対して約376万円の債務を負って破産申立をなし、破産宣告同時廃止決定の後、免責申立をなして、1994年3月7日に免責不許可決定を受けた。 しかし債務者が弁護士に委任して右の破 […]