1 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 132

消費者信用(破産・免責)

自己破産同時廃止の事案で免責申し立てをしたところ、格別の免責不許可事由がににもかかわらず、原審では異議を申し立てた債権者の債権のみを除外して、その他の債権について免責決定をした。直ちに抗告をしたところ、全部の債権について免責決定を得た事例 東京高等裁判所 1994年(平成6年)9月29日 デイックファイナンス(株) 抗告人は、昭和55年に離婚した後、女手一つで一児を育ててきた。町営住宅に住み、菓子店やクリーニング店でパートタイムの従業員として働いてきた。昭和58年に至り、抗告人は、はじめてサラ金会社から金員を借り入れた。その後は、1社からの借入だけで何とか借りては返すということを繰り返していた […]

証券・金融(原野商法)

いわゆる原野商法に重過失をもって加担したとして、購入代金のローン融資をした金融機関の購入者に対する不法行為責任が認められた事例 名古屋地方裁判所 1994年(平成6年)9月26日 (株)岐阜銀行ほか2名 原野商法の被害者である原告12名が、関係不動産会社3社と、購入に際して購入土地を担保に原告に対しローン融資をした銀行に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案。 銀行は別荘地分譲を業とする訴外A社の主力銀行であったところ、A社は破産し、銀行は同社に対する多額の不良債権を抱えた。右債権の担保は本件土地であるが、荒廃しており、換価は諦めざるを得ない状態にあった。銀行はA社の従業員で設立された不 […]

クレジット(日常家事債務)

①14歳の子どものために夫の1ヶ月の収入と同じかそれを超える高価な教材を夫名義でクレジットで購入することは、日常家事の範囲内とはいえない ②夫に契約意思の確認をしていない過失があるので、夫婦の日常家事債務と信ずるにつき正当な理由があったとはいえない とした判決 大阪簡易裁判所 1994年(平成6年)9月19日 (株)ジャックス (事案の概要)妻は平成2年5月31日夫(被告)の名前で14歳の娘のためにサポートシステムという教材(教材価格金40万1000円、分割支払総額52万3700円、約1万4500円の36回払、期限の利益喪失約款付き)をクレジットで購入したが、当時の夫の収入は日給月給で約30万 […]

消費者信用(利息)

多数回の再貸付(借換え)が行われている事案において、再貸付のたびに、従前の貸付の契約に基づく債務残高の内訳(元本、利息、賠償金の別)および従前の契約を特定するに足る事項の記載がなされた法17条所定の適式の契約書面の交付がなく法43条の要件を欠くとした判例 東京地方裁判所 平成4年(ワ)第14462号ほか 平成6年9月5日 保証債務請求事件 斉藤博人弁護士 株式会社ラッパーズ (事案の概要)原告の被告に対する保証債務履行請求に対し、反訴請求は、原告は主債務者(訴外会社)に対し本訴請求で主張以外にも多数回にわたり金銭を日歩14銭の高利で貸し付け、主債務者および被告がこれに対し支払った利息を利息制限 […]

役務取引(クーリングオフ)

会員制によりゴルフ場のエントリー代行を行う被告会社のセールスマンが訪問販売により原告を入会させた事案につき、裁判所は、被告会社の業務を訪販法施行令第二条三項別表第三の三にいう「スポーツ施設を利用させること」に該当する指定役務と認め、原告のクーリングオフ権の行使を有効とした事例(会社側控訴和解)。 大阪地方裁判所 平成5年(ワ)第7674号 平成6年8月14日 不当利得返還等請求事件 松本岳弁護士 06(6365)1005 株式会社テイトク・リミテッド・カンパニー 本件のポイントは、被告会社がゴルフ場のエントリー代行を個別に受託するのではなく、ゴルフ倶楽部に似せた「テイトクゴルフクラブ」と称する […]

消費者信用(合意管轄)

債務者が期限の利益を喪失した場合には合意管轄が成立するという契約において、債権者が期限の利益を再度付与し、ないし合意管轄の利益を自ら放棄したため合意管轄は成立していないとする移送申立を相当と認めた事例 京都簡易裁判所 平成6年(サ)第629号 平成6年8月10日 移送申立事件 古橋清二司法書士 053(458)1551 株式会社ワールド 原告(貸金業者)は、原告浜松田町支店で被告と包括的借入限度額契約(基本契約)を締結し、被告に対し金10万円を、毎月3日を分割支払期限として貸し付けた。その後、被告はたびたぴ期限を経過しながらも返済を続けていたが、他の貸金業者からの借入等もあり、1994年6月に […]

約款(銀行)

弁護士が任意整理の通知をして支払停止をした後に銀行に振り込まれた給与に対して銀行が行った相殺を権利濫用として無効とした事例 札幌地方裁判所 平成4年(ワ)第235号 平成6年7月18日 損害賠償請求事件 市川守弘弁護士 011(281)3343 株式会社北海道拓殖銀行 (事実の概要)原告から任意整理の委任を受けた弁護士が任意整理の通知をして支払停止した後に銀行に振り込まれた給与に対して、被告銀行は原告に対する当座貸越契約にに基づく貸金債権を自働債権、給与振込後の原告の被告に対する預金債権を受働債権として相殺をした。この相殺及び一連の預金払出し拒否行為を違法として、民法709条に基づき慰謝料10 […]

製造物責任(欠陥自動車)

原告が走行中、急に加速するなど危険な走行状態になったのは、車両に設計上の欠陥があったとして自動車メーカーなどに対し、車両代金の返還などを求めていた裁判において、原告側が実質的な勝訴的和解が成立した事例 大阪地方裁判所 平成4年(ワ)第39号 平成6年7月19日 損害賠償請求事件 関根幹雄弁護士 イタリアの自動車メーカー・他2社 1 原告は1990年7月15日頃イタリア車を走行していたところ、急に加速したり、減速したりして、極めて危険な走行状態になった。そこで、原告は販売会社に対し、「車両のどこかに欠陥がある」と考え、調査するよう依頼した。 販売会社がメーカーに依頼して調査したところ、異常走行の […]

クレジット(不当表示)

ダイヤの透明度の等級・VS1の保証に問題があり、2重価格表示の比較対照価格に不当表示の疑いがあり、さらにクレジット未精算のまま買替えが行われた事案について、販売店が消費者に既払い金約442万円および弁護士費用約33万円並びに信販会社に未払金全額を支払う内容の和解をした事案 大阪地方裁判所 平成5年(ワ)第3323号 平成6年6月20日 損害賠償請求事件 小谷寛子弁護士 06(6361)8717 株式会社美貴 (事件の概要)Aは銀座ジュエリーマキで540万円のダイヤ指輪をクレジットで購入した。同売買には買替え保証書(1年以内に買い増しする場合、当初買い上げ価格での下取り保証)が付いていた。数日後 […]

投資信託(無断売買)

顧客の注文と異なった種類の投資信託が買いつけられた事案で、それが無断売買であるとして預託金の返還請求が認められた事例 横浜地方裁判所 平成5年(ワ)第504号 平成6年6月15日 預り金返還請求事件 石戸谷豊弁護士 045(212)3517 野村證券株式会社 原告は、昭和63年7月に、野村證券の勧誘を受けて「ファンドアンドファンド」あるいは「年金ファンド」と呼ばれる商品を1500万円買いつけた。この商品は、エースと中期国債ファンドという2つの投資信託を組み合わせたものである。ところで、このエースには「国債型」と「株式型」があるところ、原告は当初から勧誘されていた「国債型」を申し込み、それが約定 […]

投資信託(無断売買)

79歳の1人暮し老人に1億円を預金してくれれば毎月50万円の利子を支払うともちかけ、同金員を投資信託につぎこんだが元本割れとなった事案で、元本割れした損金の約5割を支払うことで和解が成立した事例 仙台地方裁判所 平成5年(ワ)第1782号 平成6年5月27日 損害賠償請求事件 吉岡和弘弁護士 022(214)0550 日興證券株式会社 原告はアパート賃料や銀行利子で生活を維持する、被害当時79歳の1人暮しの老人である。原告は株式投資には一切関心もなく株式取引を行った経験はない。 被告仙台支店担当者は、原告の土地売却代金1億円を「ウチに預金してはしい。毎月50万円の利息を支払う」などと称して原告 […]

証券取引ワラント

中小企業の経営者で証券取引を始めて約半年後に神戸製鋼所のワラントの勧誘を受けて、3451万円で購入したが、勧誘の際ワラントの説明が不十分で証券会社の説明義務違反の違法があったとして証券会社の責任を認め、証券会社の寄与割合は2割であるとして、約760万円の損害賠償を証券会社に命じた判決 大阪地方裁判所 1994年(平成6年)9月14日 野村證券(株) この判決は、数多くのワラント取引の問題点についての争点について次のとおり判断を下した。 1 ワラントの特質と危険性 ワラントの特質等については、法律的な位置づけを踏まえて、ワラン卜発行の制度的経緯、国内での取引自主規制の変遷等も紹介しながら、ワラン […]

詐欺商法

「ママデリカ」の商標でフランチャイズ方式で行われていた「メオン事業」は、「欺瞞的な勧誘方法で参加者を募り、資格取得金の徴収によって資金獲得を図ったうえ、実際の商品配送業務の実施を遅らせることによって『イオン事業』の実態が露呈するのを防ぐためのシステムである」と認定し、違法な事業で不法行為を構成するとした事例 岡山地方裁判所 1994年(平成6年)7月14日 (株)メオンフーズ (事案の内容)原告は、昭和58年被告会社の行う「メオン事業」の説明会に参加した。被告会社によると、メオン事業とは、日本体育大学助教援(被告A)が主催する「心と体の健康回復研究会」が協力して、食生活の改善・文明病成人病をな […]

約款

NTTのダイヤルQ2事業は電気通信事業法に違反する無認可事業として、形式違法性の疑いがあるなどの理由により、NTTのダイヤルQ2通話料14万1799円の請求控訴を棄却した事例 大阪高等裁判所 1994年(平成6年)8月10日 NTT 大阪地方裁判所平成5年3月22日付判決(本誌16号、判例和解速報№100・23頁、特集12)の控訴審判決である。 大阪高等裁判所の右判決(本判法は、①Q2情報料債務の不存在を求める確認の利益があるか否か、②加入権者はQ2情報料の支払義務を負うか、③NTTは加入者に対してQ2通話料を請求できるか、④NTTのQ2通話料の請求が認められないときに、加入者は加入電話を適正 […]

製造物責任

家庭用カビ取り剤による健康被害について被害者の請求を一部(70万円)認めていた一審判決を取り消し、「不法行為に基づく損害賠償の根拠とし得るほどの健康被害を受けたと認めることはできない」と判断して原告の請求を全面的にしりぞけた事例(上告)東京高等裁判所 1994年(平成6年)7月6日 ジョンソン(株) 噴霧式家庭用カビ取り剤「カビキラー」の使用により気管支炎等の健康被害を被った主婦がメーカーに対して製造物責任を追及した事件について、1審判決(東京地方裁判所)は被害者の請求を一部(70万円)認めていた。これに対して原告被告双方控訴していた。 控訴裁判所は、「原告がカビキラーを使うたびに咳が出、焼け […]

クレジット

違法な利息を定めた公正証書の作成につき、公証人の過失を認めた釧路地裁平成5年5月25日判決(本誌20号34頁)の控訴審判決(同号39頁) 札幌高等裁判所 1994年(平成6年)5月31日 共同組合北見専門店会、国、司法書士 (判旨)審査義務の範囲について、「公証人は公証人法および同法施行規則において、公正証書作成にあたり作成嘱託が本人の意思に基づくものか、原因となる法律行為が有効であるかなど、一定の事項、範囲について審査する義務を負っているのであるが、積極的な調査権限についての定めを置いていないこれらの規定の上からは、この審査は基本的には形式的審査の眼度に止まるべきものと解される……しかし、形 […]

霊感商法

統一協会の信者らに先祖の因縁トーク等を用いて献金を強要されたことについて、信者らの「献身」や「万物復帰」という教義の実践であること等に基づいて統一協会に使用者責任を認め、献金相当額と慰謝料・弁護士費用の支払を命じた判決 福岡地方裁判所 1994年(平成6年)5月27日 世界基督教統一神霊協会 被害者のA女・B女はともに典型的な霊感商法の被害者であり、A女は絵画・仏像・印鑑・献金等で約4300万円の被害を受け、B女は印鑑・献金・貸金等の名目で約750万円の被害を受けた。 このうち物品被害については事前の交渉で解決し、貸金被害についても訴訟中に分割返済で終了した。結局A女の3000万円の献金とB女 […]

サラ金(過剰与信)

貸金業規制法13条および割賦販売法42条の3の過剰与信の禁止規定は訓示規定と解されているが、本判決は、これに違反する程度が著しい場合には、信義則を適用して業者の請求を一部無効とすると判示した事例 釧路簡易裁判所 1994年(平成6年)3月16日 (株)オリエントコーポレーション 本件は、平成2年2月から平成4年10月にかけて、原告((株)オリエントコーポレーシヨン)が支払能力のない主婦である被告に対し、5契約、合計200万円以上の貸付および立替払等の与信を行い、その残額を請求した事件。 本判決は、返済能力調査の方法について、年間収入から返済可能な金額を把握するためには、少なくとも手取り収入の調 […]

クレジット

割賦金の支払を1回でも怠った場合に当然に期限の利益を失うとの約款がある場合に、債務者の弁済が期日から遅れがちになっていたという事案で、債権者が弁済を異議なく受領していたことなどを認定して、期限の利益の喪失を認めなかった事例(確定) 岡山地方裁判所 平成6年(ワ)第142号 1994/2/28 求償金請求事件 河田英正弁護士 086(231)2885 中銀カード株式会社 (事案の概要)20歳の会社員Aが、中国銀行の行員の勧誘により、「300,000円までは貸越が受けられる」カードと理解して、カードローンミニ契約およびバンクカード会員契約を結んでバンクカードの交付を受けた。Aは、200,000円の […]

サラ金

割賦金の支払を1回でも怠った場合に当然に期限の利益を失うとの約款がある場合に、債務者の弁済が期日から遅れがちになっていたという事案で、債権者が弁済を異議なく受領していたことなどを認定して、期限の利益の喪失を認めなかった事例(確定) 大阪簡易裁判所 平成5年(ハ)第7461号 平成5年1月25日 貸金請求事件 谷英樹弁護士 和晃商事こと春山光子 被告は、1991年9月20日、原告から金300,000円の貸付を受けたが、その際の約定には、毎月15日限り利息と任意の元金を支払う、毎月の割賦金の支払を1回でも怠った場合に当然に期限の利益を失う、との定めがあった。 被告は3回目までは期日までに支払をして […]

1 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 132