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訪問販売(クーリングオフ)

電話機の取引に関し知識・経験のない理容業を営む個人に対し、クーリングオフを封じるために営業者名でその購入契約をさせた原告に対し、クーリングオフの適用を認め、売買代金請求を棄却した事例 越谷簡易裁判所 平成7年(ハ)第653号 平成8年1月22日 売買代金請求事件 大里定則弁護士 エヌビージー通信網株式会社 本件は、電話機等の訪問販売を業とする原告が、個人で理容業を営む被告方を訪問し、被告に店名の入ったゴム印を持ってこさせる等して、理容店名で売買契約を締結させたもので、その後、被告においてクーリングオフをしたが、取引が営業目的でなされていることを理由にこれに応じず、その売買代金の支払を求めた事案 […]

証券・金融(ワラント)

外貨建てワラント取引の勧誘につき、証券会社外務員の証言の信用性を排斥したうえ、証券会社の説明義務違反を認定し、ワラント売買差引損失の5割の損害賠償を命じた事例(過失相殺5割) 大阪地方裁判所 平成4年(ワ)第8955号 平成7年12月5日 損害賠償請求事件 三木俊博弁護士 勧角証券株式会社 本判決は、「ワラントが株式に比較して価格の変動が激しく、ハイリスクハイリターンの特質が顕著である上、権利行使期間内に売却するか更に出費して新株引受権を行使しないと無価値になるもので、更に海外ワラントは為替レートの変動でも損失を被ることがある商品である」「取引説明書は取引勧誘に際し予め顧客に交付して取引開始前 […]

サービス取引(中途解約)

カラオケシステムのリース契約において、購入者(飲食店)が中途解約不可とは知らなかったとして契約解消を申し出たところ、業者がリース期間3年間のリース料金額相当分の損害賠償を請求したのに対し、約6カ月分の支払で和解した事例 大阪地方裁判所 平成6年(ワ)第9904号 1995年9月27日 損害賠償請求事件 三木俊博弁護士 ティーエム株式会社 カラオケシステムのリース業者は、1カ月8万円、原則として中途解約はできない、やむを得ない場合は損害賠償金として月額リース料に残存契約月数を乗じた金額を支払うとの条項を有する契約書を用いて営業活動を行っていた。 購入者(飲食店)の店長が、同社の勧誘を受けてカラオ […]

消費者信用(差押禁止債権)

破産裁判所の一部弁済の指導による割合での額しか個別の差押を認めなかった事例 東京地方裁判所 平成7年(ヲ)第6099号 平成7年9月25日 差押禁止債権の範囲変更の申立事件 井堀周作弁護士 株式会社レイク 債務者の自己破産宣告後、レイクが債権額13万7218円で債務者の給与差押をした事件に対し、その差押禁止債権の範囲変更の申立事件である。 ① 当裁判所が、平成7年(ル)第4716号債権差押命令申立事件について、平成7年7月28日に決定した債権差押命令の差押債権につき、金2万1195円の範囲を超える部分を取り消す。 ② 申立人のその余の申立を却下する。 その理由は、破産裁判所が合計100万円(1 […]

消費者信用(裁量免責)

浪費・賭博を理由とする原審の免責不許可決定を取り消し、裁量により免責した事例 東京高等裁判所 平成7年(ラ)第823号 平成7年8月23日 免責不許可決定に対する抗告事件 茨木茂弁護士 申立人は大学卒業後転職を繰り返し、勤務先との接待を自己負担で賄うためサラ金からの借金が始まった。借金を一気に返済しようと競馬に手を出し、負債が約370万円に達したところで、父親が住居を担保に銀行から融資を受けて一旦は整理した。その後も接待費に収入が追いつかず、再びサラ金からの借金増大と一気に取り返すための競馬の馬券購入のためのサラ金からの借金という悪循環に陥った。競馬をやめた後は返済のための借金という雪ダルマと […]

消費者信用(裁量免責)

借金の原因が飲酒行為および競輪にあった場合でも、本人が病気で労働能力がなく、将来も稼働できる見込みがないこと、生活保護を受けていること等を考慮し、裁量による免責を認めた事例 静岡地方裁判所 平成6年(モ)第101号 平成7年3月6日 免責申立事件 阿部浩基弁護士 申立人は独身で、年金生活の老婆と2人でアパート暮らしをしていたが、楽しみといえば自宅で飲む酒と十数年前からやっている競輪であり、それが原因で約182万円の借金をつくってしまった。しかし、この債務額は、申立人の収入(月額25万円位)で弁済可能の額であった。 ところが、申立人は、多発性神経炎、慢性アルコール中毒、肺結核等で入院治療を受ける […]

消費者信用(裁量免責)

弁護士に破産申立を委任する10日前に金47万円借り、その際、自己の収入、負債額を偽って申告した場合でも、借金増大の主要な原因を考慮し、さらに、一部債権者の強硬な取立が虚偽の申告を招いたこと、異議申立人も破産者の信用調査を行っていなかったこと等を理由に裁量による免責を認めた事例静岡地方裁判所平成4年(モ)第490号平成6年12月22日免責申立事件阿部浩基弁護士株式会社武富士本件で株式会社武富士の異議申立理由は次のとおりであった。① 破産者に金47万円貸し付けた際、破産者は、収入を過大に、負債を過小に(金120万円)申告した。② ところが、その10日後、弁護士から負債約700万円を抱えて破産宣告す […]

消費者信用(裁量免責)

借入れの際、勤務先、収入等につき虚偽の申告をしたが、この借入および虚偽の申告は知人の依頼に基づくもので、病気により知能低下を来たしていた破産者にこの知人の依頼を拒否することを要求するのは酷にすぎるとしたうえで、破産者が60歳を越え、夫の収入で療養生活を送っていること等を考慮して裁量による免責を認めた事例 静岡地方裁判所 平成4年(モ)第553号 平成6年12月22日 免責申立事件 阿部浩基弁護士 海野時夫 債権者海野時夫の異議申立理由は、借入の際、破産者が、勤務先を偽り、年収が180万円あり、毎月2万円は弁済できる等の虚偽の申告をしたことが破産法366条9号2号に該当するというものである。 破 […]

消費者信用(差押不許可)

妻のサラ金債務につき業者より夫の家財道具の差押がなされたが、夫からの第3者異議の申立に対し、家財道具は夫の所有物と認めて強制執行を不許可とした事例 神戸地方裁判所尼崎支部 平成7年(ワ)第678号 平成7年11月29日 第三者異議事件 尼崎あすひらく会 植田勝博弁護士 06(6362)8177 株式会社フラワー 夫婦と子ども3人の5人家族であり、妻は専業主婦で収入がなく、サラ金より自転車操業を繰り返し、多額の負債を負い現在自己破産手続を準備中である。業者は25型テレビ、ビデオデッキ、3ドアー冷蔵庫、掃除機、シューズボックスの差押をした。 夫は、自ら購入したもので、差押、競売されると生活ができな […]

消費者信用(破産・免責)

186 消費者信用(破産・免責) 破産法第366条の12第2号にいう「悪意ヲ以テ加ヘタル不法行為」に、該当しないとされた事例 大阪地方裁判所 平成7年(ワ)第657号 平成7年11月9日 損害賠償請求事件 辻口信良弁護士 株式会社エイト 1 金融業者(X)が、免責を得た破産者(Y)に対し、不法行為に当たるとして、損害賠償の請求を求めたものである。 2 判決は、同条の「悪意」の意義については触れず、「Yが支払不能の状態にあったか」、「Yの夫の名義を使った保証契約が詐術を行ったことに当たるか」等を問題とした。 3 判決は、本件貸付当時、Yは、親族などからの好意的な融通やYおよびYの夫による退職金な […]

その他(墓地取引)

墓地法の許可なくしてなされた墓地販売につき、永代使用料および墓石の移設費の一部の返還を受ける旨の和解が成立した事例 大阪地方裁判所堺支部 平成6年(ワ)第1497号、平成7年(ワ)第158号 平成7年11月24日 損害賠償請求事件 西村陽子弁護士 0722(21)1807 白陵メモリアル、濱田組 本件は、墓地・埋葬等に関する法律による知事の許可を受けていないにもかかわらず、これを秘して墓地の販売が行われ、一部には墓石の建立がなされたが、府の知事の許可がなく将来的に墓地は撤去されることが発覚し、墓地として使用継続ができなくなったという事案である。 建設業者の濱田組は、堺市内の寺院駐車場跡地を取得 […]

消費者信用(カード不正利用)

捨てた無効カードの不正利用によるカード代金請求につき、原告カード会社に訴を取り下げさせると共に、今後カード会社としてCATの導入促進、加盟店に対する指導強化の努力をすることを約束させて和解した事例 神戸地方裁判所 平成3年(ワ)第1190号、平成4年(ワ)第438号 平成7年10月23日 立替金請求事件・慰謝料請求反訴事件 後藤玲子弁護士 078(341)0422 さくらカード株式会社 被告(24歳、会社員)の約50万円のクレジット債務の支払遅滞を理由に、原告会社は被告に会員契約の解除通知をしたが、加盟店へのカード無効通知を怠り、2ヶ月後被告がカードを捨てたところ何者かによって右カードが不正利 […]

証券取引(無断売買)

株式信用取引において、仕手筋が介入して株価が高騰し取引所から注意銘柄に指定されたにもかかわらずこの銘柄を勧誘し、かつ顧客が売却指示したのに断定的判断を提供してこれを押し留めたことを認め、取引全体を違法とし、損害額の6割の賠償を認容した事例(確定) 大阪地方裁判所 1995年(平成7年)9月8日 平岡証券(株) 被告担当者Mは、原告(昭和3年生れの主婦)の個別の承諾をとらずに無断でニチアス株合計9万1000株の買付を行い、かつこれを売却処分した。 原告が一連のニチアス株取引を無断売買と主張し、無断売買によって生じた損失等を不法行為に基づき損害賠償請求したのに対し、被告は一部が個別の承諾を得た売買 […]

消費者信用(差押取消)

カラーテレビ、エアコン、冷蔵庫などの家財道具差押について健康で文化的な最低限度の生活に不可欠であるとして差押の取消を命じた事例 神戸地方裁判所伊丹支部 1995年(平成7年)8月31日 サンコーファイナンス 相手方は申立人の夫を債務者とする貸金請求事件の判決に基づいて家財道具(タンス3本、カラーテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機など9点、評価額3万円)の差押をした。 申立人の夫は行方不明である。申立人家族は申立人と長女(20歳)と長男(17歳)の3人家族で、阪神大震災の被害も受けた。健康で文化的な最低限の生活を営むのに不可欠であることを理由に申立をし、これに対し差押の取消を命じたものである。 判 […]

証券取引(違法勧誘)

証券会社の担当者が素人の投資家を過当な取引に勧誘させたとして過当取引の違法を認めた事例 大阪地方裁判所 1995年(平成7年)7月24日 野村證券(株) 原告は、昭和4年生まれの男性で、それまで証券取引をしたことがなかったが、従兄弟の紹介で、昭和63年5月25日被告と証券取引を開始したところ、被告の担当者(従兄弟の娘婿)は、原告が同人を信頼していたことを利用し、信用取引も開始させた。 従兄弟の娘婿が原告を担当していた昭和63年5月25日から平成元年4月までの354日の聞に、93回にものぼる現物・信用取引が行われている。その取引もその当初から1000万円を超える取引が頻繁に行われるなど、未経験者 […]

借地借家(敷金)

賃貸借契約書条項にいう「原状回復義務(まっさらに近い状態に回復すべき義務)」につき、賃貸借契約に内在する賃借人の義務とは別個の新たな義務を設定する規定であるとして、賃借人がかかる規定の趣旨について認識しまたは認識しうるべくして義務負担の意思表示をすることが必要であって、本件ではこの意思を欠く以上無効であるとして、敷金の返還を認めた事例 伏見簡易裁判所 1995年(平成7年)7月18日 (株)長栄(関連会社) 賃貸住宅の敷金の返還、原状回復費用の清算に関するトラブルが増加している。 本件は、賃借中の建物を明け渡したことによる敷金19万8000円の返還請求と、賃借中、施設協力費等として出捐した金員 […]

消費者信用(過剰貸付)

貸金業者の貸付けが、債務者の実際の返済能力が少ないことを知りつつこれを無視し、作為的に返済能力を大きく見せかけてなしたものであるから、貸金業法13条および大蔵省銀行局長通達に違反した過剰貸付であるとして、貸金業者の貸付金の80パーセントを越える部分の請求は権利の濫用だと判断した事例 大分簡易裁判所 1995年(平成7年)7月18日 ディックファイナンス(株) 本件の貸付けにあたっては、 ①債務者が息子へ仕送りするために30万円借りる予定を告げたが、窓口担当者から「キャンペーン中なので、今なら50万円借りられる」と言われ、50万円借りたこと、 ②債務者は、他社からの借り入れが200万円位あると話 […]

約款(ダイヤルQ2)

未払いのダイヤルQ2利用料の債務不存在を認め、既払いのダイヤルQ2利用料のうちQ2利用通話料および分計できない情報料につき、不当利益返還請求を認めた事例(控訴) 神戸地方裁判所 1995年(平成7年)3月28日 NTT 本件は、NTT(被告)に対し、電話加入契約者(原告)の26名が、ダイヤルQ2サービスによるQ2利用料(情報料とQ2利用通話料)の債務不存在確認と、すでに支払済みのQ2利用料を不当利得として返還を求め、NTT職員の配電盤操作によりQ2を利用された原告2名が、NTTに慰籍料請求を求めた事案である。 本判決は、同種のQ2訴訟の中で不当利得返還が認められた最初の判決である。 NTTは、 […]

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