要旨 約定利息の支払いを怠ったことが期限の利益喪失事由に列挙されていない契約に基づく取引について、約定利息を支払わない限り期限の利益を喪失するとの誤解が生じなかったといえる特段の事情は認められないとして、支払いの任意性を否定した例裁判所 東京簡易裁判所民事第2室 味方信昭判決・和解・決定日 2016年(平成28年)6月24日事件番号 平成27年(ハ)第18719号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 (株)エイワ問合先 八下田学弁護士 03(6383)2611 本件取引は、エイワが最判平成18年1月13日に対応して、約定利息の支払いを怠ったことを期限の利益喪失事由から削除した後に開始した取引で […]
要旨 約1年間と約1年7ヶ月の2カ所の中断がある取引について、1個の基本契約に基づく貸付取引であり、基本契約に過払金充当合意が含まれているとして、過払金充当合意を否定した原審を取り消し、一連計算を肯定した例裁判所 東京高等裁判所第16民事部 青野洋士、貝原信之、小田正二判決・和解・決定日 2016年(平成28年)5月24日事件番号 平成28年(ネ)第531号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 アコム(株)問合先 八下田学弁護士 03(6383)2611 事案は、第1取引は約4年8ヶ月間、約1年間の中断後に第2取引を開始(開始時に契約締結はないが第2取引開始時にカード失効措置あり)、第2取 […]
要旨 被告が取引履歴を途中から開示したため冒頭ゼロ計算で過払金を請求したところ、推計取引の内容については、取引履歴の約定利率による債務残高並びに被告が保有する参考データ及びに取引データ等における当初貸付日、各月毎の入金額、同貸付額及び同月末の貸付残高と概ね一致しており、取引履歴当初日に過払金が発生していたものと推認することができるとして、冒頭ゼロ計算が認められた 裁判所 東京地方裁判所民事第5部 宮島文邦 判決・和解・決定日 2016年(平成28年)8月23日 事件番号 平成27年(ワ)第21549号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 新生フィナンシャル(株) 問合先 梅川久仁弁護士 0 […]
要旨 クレディセゾンが、平成3年5月10日以前の取引履歴を開示しなかった事案につき、カード契約時に極度額まで借入を行い、毎月利息のみの支払をしたとする推計計算を行ったところ、かかる推計計算は原告にとって最も不利な推計計算であることを認定し、この不利な推計計算によっても、既に過払となっていることから、同日における冒頭残高を0円として計算することを認めた判決 裁判所 仙台地方裁判所第3民事部 大澤知子 判決・和解・決定日 2016年(平成28年)7月4日 事件番号平成27年(ワ)第344号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 (株)クレディセゾン 問合先 佐藤靖祥弁護士 022(722)643 […]
要旨 本件一審(東京地H28.1.13判決、本誌107号、329頁掲載)の控訴審判決である。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は、既婚女性信者が自由にできる夫の財産内容を掌握し、夫の意思に反してでも夫の財産を統一教会に献金するのが、信者の使命だと教えこんで実践させていたのであり、組織的不法行為が認められるとして、夫の口座からおろされた不自然な支出の相当部分をその不法行為による損害だと認定した 裁判所 東京高等裁判所第7民事部 菊池洋一、佐久間政和、古田孝夫 判決・和解・決定日 2016年(平成28年)6月28日 事件番号 平成28年(ネ)第1042号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 世 […]
要旨 同一基本契約に基づく取引について、約7年4か月の空白期間があること、第1取引と第2取引の約定利率が異なることなどは、充当合意の成立を否定すべき特段の事情又は一旦成立した充当合意の終了を認めるべき事情には該当しないとして一連計算を認めた上告審判決 裁判所 福岡高等裁判所第1民事部 佐藤明、杉本宏之、貝阿彌亮 判決・和解・決定日 2016年(平成28年)4月26日 事件番号 平成28年(ツ)第20号 事件名 不当利得金返還等請求上告事件 業者名等 (株)オリエントコーポレーション 問合先 竹内大樹弁護士 0986(36)6890 第1取引と第2取引との間に約7年4か月の空白期間が存在する同一 […]
要旨 統一協会の分派に対する、不当な精神支配に基づく献金・罰金・買い物代金などの金銭拠出や暴力行為の忍従に対する損害賠償請求が認められ、他方同団体内部で行われていた借入に基づく請求(反訴)も認められた事件裁判所 福岡高等裁判所第4民事部 大江強、小田幸生、府内覚判決・和解・決定日 2015年(平成27年)11月27日事件番号 平成26年(ネ)第223号事件名 損害賠償等(本訴)、貸金返還、貸金返還(反訴)請求控訴事件業者名等 統一協会、「21世紀友の会」問合先 青木歳男弁護士 0943(24)9769 統一協会の分派である「21世紀友の会」(法人格なし)に、それが統一協会の分派であるという事実 […]
要旨 株価指数証拠金取引(くりっく株365)について、説明義務違反、手数料稼ぎを目的とした過当な頻繁売買の違法性を認め、損害賠償請求を認容した判決(過失相殺なし、被告控訴)。裁判所 東京地方裁判所民事第18部 千葉和則、西臨太郎、矢野紀夫判決・和解・決定日 2016年(平成28年)5月23日事件番号 平成26年(ワ)第25172号事件名 損害賠償請求事件業者名等 KOYO証券(株)問合先 太田賢志弁護士 03(3501)3600 平成22年11月22日に取引が開始した、東京金融取引所が取扱う株価指数証拠金取引(くりっく株365)について、業者の勧誘の違法性を認定した(おそらく初めての)裁判例。 […]
要旨 No.2219の判決の控訴審である。一審判決では認められなかった一部業者について業者とその役員らの責任を認めた裁判所 東京高等裁判所第1民事部 䂖井忠雄、石橋俊一、田中秀幸判決・和解・決定日 2016年(平成28年)4月13日事件番号 平成27年(ネ)第5404号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 (株)あおぞら、(株)海翔物産問合先 津田顕一郎弁護士 03(3501)3600 判決PDF 重要判例抄録 平成27年(ネ)第5404号損害賠償請求控訴事件(原審・東京地方裁判所 平成25年(ワ)第32203号) 判 決 控訴人兼被控訴人 X(1審原告)訴訟代理人弁護士 荒井哲朗、外7名控 […]
要旨 いわゆるCO2排出権取引商法について、実態は相対の差金決済取引であるのに、欧州の取引所でCO2排出権を売買するものと誤信させたとして詐欺不法行為の成立を認めた事例裁判所 東京地方裁判所民事第39部 澤野芳夫、脇田奈央、中村雅人判決・和解・決定日 2015年(平成27年)9月18日事件番号 平成25年(ワ)第32203号事件名 損害賠償請求事件業者名等 (株)あおぞら、(株)海翔物産問合先 津田顕一郎弁護士 03(3501)3600 CO2排出権取引商法は、注文を海外取引所へ取り次ぎすると称するものと、海外取引所での取扱商品と強調して相対取引として行うものの2パターンがあるが、本件は前者で […]
要旨 判決は、家賃債務保証会社である被告が、原告の家賃滞納を理由に、玄関扉に補助錠を設置し部屋から追い出したこと、その後部屋の中にあった原告の家財道具一式を撤去したことを違法行為と断じて、財産的損害30万円、慰謝料20万円、弁護士費用5万円(合計55万円)の支払を命じた裁判所 東京地方裁判所民事第49部 戸室壮太郎判決・和解・決定日 2016年(平成28年)4月13日事件番号 平成27年(ワ)第26166号事件名 損害賠償請求事件業者名等 ラインファクトリー(株)問合先 林治弁護士 03(3379)5211 今回の判決は、玄関扉に補助錠を設置し賃借人の占有を排除したこと、部屋の中の荷物を撤去し […]
要旨 結婚紹介サイトで知り合った相手方に対して、交際の意思はないのにこれがあるが如く装い、実態に乏しい法人への投資案件を勧誘するという商法を違法なデート商法による投資勧誘行為であると評価し、そのような商法を行っていた業者でクレーム対応等を行っていた者につき民法719条により共同不法行為責任を認めた事例裁判所 東京高等裁判所第5民事部 永野厚郎、山本剛史、見米正判決・和解・決定日 2016年(平成28年)4月20日事件番号 平成27年(ネ)第4544号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 (株)尚未、ロングテイル(株)問合先 津田顕一郎弁護士 03(3501)3600 デート商法とは、言葉巧みな […]
要旨 本件各原発については、福島第一原子力発電所事故を踏まえた過酷事故対策についての設計思想や、外部電源に依拠する緊急時の対応方法に関する問題点、耐震性能決定における基準地震動策定に関する問題点について危惧すべき点があり、津波対策や避難計画についても疑問が残るなど、債権者らの人格権が侵害されるおそれが高い裁判所 大津地方裁判所民事部 山本善彦、小川紀代子、平瀬弘子判決・和解・決定日 2016年(平成28年)3月9日事件番号 平成27年(ヨ)第6号事件名 原発再稼働禁止仮処分申立事件業者名等 (債務者)関西電力(株)問合先 石川賢治弁護士 077(510)5262 (1)判断枠組み本決定は、伊方 […]
要旨 被告への最終支払後に約定残高が234円残ったまま、約定利率の変更や基本契約の自動更新がなされ、受任通知送付前までカードの使用が可能であった事案において、原被告間の取引が、上記最終支払をしたことをもって終了したとまでは認められないとし、上記最終支払から10年以上経過したことから消滅時効が完成したとの被告の主張を排斥し、原告の過払金請求を全部認容した判決裁判所 福井地方裁判所民事部 山口敦士判決・和解・決定日 2015年(平成27年)12月24日事件番号 平成27年(ワ)第170号事件名 不当利得返還請求事件業者名 等アコム(株)問合先 八木宏弁護士 0776(22)0168 過払金充当合意 […]
要旨 1.「借入金債務へは一切充当しない」「何らの債権債務がないことを相互に確認する」旨の記載のあるアイフルと借主との訴外での合意書は過払金を争いの対象とした和解ということはできないとした事例。2.みなし弁済規定が適用されない可能性や過払金返還請求権が存在する可能性に要素の錯誤があり、また、動機の錯誤と考えても動機は表示されており合意は錯誤無効であるとした事例裁判所 神戸地方裁判所第1民事部 本多久美子、河本寿一、髙槗有判決・和解・決定日 2016年(平成28年)3月1日事件番号 平成27年(レ)第152号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 アイフル(株)問合先 辰巳裕規弁護士 078( […]
要旨 No.2212の判決に対する業者からの控訴審である。原判決(No.2212、中津川簡易裁判所判決)を容認し、業者の控訴を棄却した裁判所 岐阜地方裁判所民事第2部 武藤真紀子、入江克明、西脇典子判決・和解・決定日 2015年(平成27年)12月9日事件番号 平成27年(レ)第32号事件名 貸金本訴請求、損害賠償反訴請求控訴事件業者名等 (株)ギルド問合先 伊藤知恵子弁護士 0572(59)4201 重要判例抄録 平成27年(レ)第32号貸金本訴請求、損害賠償反訴請求控訴事件(原審・中津川簡易裁判所 平成27年(ハ)第11号、同第26号) 判 決 控訴人(1審原告・反訴被告) (株)ギル […]
要旨 最終取引から8年近く経って時効消滅している貸金債権の支払いを求められ、弁護士に相談したら時効だと言われたと言ったが、関係ないと言われ、強く支払いを求められたため1万円を振り込んだ。その後、残金を訴訟提起されたが、消滅時効援用の意思表示があったと認められ、時効を認めず精神的に追い詰めたことが違法だとして、支払った1万円と慰謝料10万円の支払いが認められた裁判所 中津川簡易裁判所 藤田敏判決・和解・決定日 2015年(平成27年)6月25日事件番号 平成27年(ハ)第11号平成27年(ハ)第26号事件名 貸金請求事件損害賠償反訴請求事件業者名等 (株)ギルド問合先 伊藤知恵子弁護士 0572 […]
要旨 最高裁平成21年1月22日判決が、取引の終了の時点とは異なる時点から消滅時効が進行を始める場合を「上記内容と異なる特段の合意が存在するなど特段の事情がないかぎり」と判示している以上、特段の事情は「合意の存在」に準ずるものでなければならない。「合意の存在」に準ずる事情である以上、借主の認識を重視すべきである裁判所 神戸地方裁判所第6民事部 倉地康弘、達野ゆき、尾島祐太郎判決・和解・決定日 2016年(平成28年)3月10日事件番号 平成27年(レ)第215号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 アコム(株)問合先 蔭山文夫弁護士 0799(25)3564 取引の途中の、訴訟提起の時から […]
要旨 原告は、ユニマットライフ及びCFJと第1取引、CFJと第2取引をしたが、第2取引は約7年5箇月の第1取引終了日に開始され、第2取引開始にあたり収入資料の提出やこれに基づく与信審査がされず、両取引は、約定利率、約定遅延利率、及び融資限度額が共通する点を総合し、事実上1個の連続した貸付取引として、第1取引の過払金に関する消滅時効の主張を退けた事例 裁判所 福島地方裁判所いわき支部実本滋 判決・和解・決定日 2016年(平成28年)2月26日 事件番号 平成27年(ワ)第56号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 (株)ユニマットライフ、CFJ合同会社 問合先 毛利弘道弁護士 0246(6 […]
要旨 異なる基本契約に基づく2つのカード取引(JOINT(ブルー)カードとRakutenKCマネーカード)につき、片方の取引に過払金が発生した場合、弁済当時残債務の存在するもう片方の取引の借入金債務に充当すべきであるという計算手法(いわゆる横飛ばし計算)を採用した地裁裁判例 裁判所 東京地方裁判所民事第6部 舘野俊彦 判決・和解・決定日 2016年(平成28年)3月24日 事件番号 平成27年(ワ)第20563号 事件名 過払金返還請求事件 業者名等 楽天カード(株) 問合先 小林孝志弁護士 0985(62)2317 異なる2つの基本契約間における充当につき、弁済によって過払金が生じた場合には […]