要旨 時効完成後に、債務者が債権者に対して債務の承認をしたとしても、債権者において債務の承認が時効を援用しない趣旨であるとの保護すべき信頼が生じたといえない場合には、債務者は時効を援用することができる場合もある。その場合に、債務者が支払った一部弁済は、債権者が利得する法律上の原因を欠くものとなり、不当利得として債務者はその返還を請求することができる 裁判所 北見簡易裁判所 竹田喜明 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)6月18日 事件番号 平成27年(ハ)第12号 事件名 不当利得金返還請求事件 業者名等 アペンタクル(株) 問合先 横田大樹弁護士 0157(33)1785 本件は、債 […]
要旨 原告は生活保護費から弁済に充てざるを得ないと知りながら分割弁済を求めたものであり、保護費を借金返済に充てることはできない生活保護制度、被告の誠実な対応等を考慮すると、上記分割弁済の追求は社会的相当性を欠く許容し難い権利濫用に当たり、原告が被告の弁済を消滅時効完成後の債務承認として主張することは権利濫用として許されず、被告の時効援用は信義則に反するものではない 裁判所 宮崎簡易裁判所 福島三生 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)7月21日 事件番号 平成27年(ハ)第127号 事件名 貸金請求事件 業者名等 (株)しんわ 問合先 北川貴史弁護士 044(819)4109 本件は、 […]
要旨 過払状態の取引について約定残高を無利息で分割払いする和解をした事案について、争いの目的は、その後の利息及び前提とされた債務残高の弁済方法であり、過払金の有無についての錯誤は、和解の前提ないし基礎とされた事項についての錯誤であるから、民法696条の適用はないとして錯誤無効を認め、更に重過失を否定した例 裁判所 東京地方裁判所民事第45部 鈴木清志 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)2月26日 事件番号 平成26年(ワ)第16806号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 シンキ(株) 問合先 八下田学弁護士 03(6383)2611 本件では和解契約締結の経緯に争いがあり、原告 […]
要旨 異議をとどめない承諾をしても貸金業者が悪意・有過失であれば利息制限法引き直し計算による過払・貸金不存在の抗弁ができるとした最判平成27年6月1日を踏まえた東京高裁判決。貸付停止措置による過払金返還請求権の消滅時効をいうCFJの主張も退けている 裁判所 東京高等裁判所第23民事部 水野邦夫、新谷晋司、伊藤正晴 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)7月9日 事件番号 平成27年(ネ)第609号 事件名 不当利得返還等請求控訴事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 及川智志弁護士 047(362)5578 (1)推定計算により、ユニマットからCFJ(当時ディック)への債権譲渡時には「具 […]
要旨 同一の基本契約に基づく取引(残高スライド元利定額返済方式)について、①中断部分で取引が分断するか(消極)、②約定利率を年18%へ変更した後の貸付に係る部分は別取引になるか(消極) 裁判所 東京地方裁判所民事第15部 澤井真一 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)7月9日 事件番号 平成26年(わ)第21071号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 (株)オリエントコーポレーション 問合先 八下田学弁護士 03(6383)2611 ①について、本判決は、実際になされた貸付と弁済の経過から過払金充当合意があるかを判断すべきとのオリコの主張を否定し、取引中断時に新たな借入金債務の発 […]
要旨 カード使用者が、名義人から委託を受けて、名義人の名で個別の借入れ及び弁済に係る行為をしたものと認められる。したがって、借入れ及び弁済の法律上の効果は名義人に帰属し、制限超過利息を元本充当した結果、元本債権が消滅した後にされた弁済の効果も同様に名義人に帰属するから、貸金業者に対する不当利得債権も名義人に帰属すると解される 裁判所 東京地方裁判所民事第41部 森英明、髙橋祐喜、周藤崇久 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)6月17日 事件番号 平成26年(レ)第965号 事件名 不当利得返還等請求控訴事件 業者名等 アコム(株) 問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312 カード […]
要旨 ぼったくりバーで朝帰る際、会計と言われてカードを渡したが、カウンターで100万を提示されたので、サインをしないでカードを回収し、その後5万円を支払って帰った事案で、カード会社からの78万円の訴求に対し、盗難、詐取、横領の場合で、警察への届出がある場合、会員の損害をカード会社がてん填する旨の規定は、例示規定だとして支払義務を否定した事案 裁判所 東京地方裁判所民事第28部 阿保賢祐 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)8月10日 事件番号 平成25年(ワ)第20107号 事件名 立替金請求事件 業者名等 (株)クレディセゾン問合先 横塚章 弁護士 03(3573)3781 (当事者 […]
要旨 利息制限法所定の制限利率を適用して計算すると過払い金が生じていたにもかかわらず、残債務があることを前提としてその分割払を内容とする和解をしたとの事案につき、当該和解について錯誤により無効であるとし、また、いわゆるノーローン特約における無利息期間の適用利率については、同特約に基づいて利息が発生しないことを前提に計算すべきとした判決 裁判所 新潟地方裁判所第二民事部 齋藤巌、福間匠、依田吉人 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)4月9日 事件番号 平成27年(レ)第4号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 シンキ(株) 問合先 橋本奈奈弁護士 0258(89)7820 本件は […]
要旨 アペンタクルが、借主は支払期限を徒過し、期限の利益を喪失したため、各月の支払期日に遅れた日数分について、遅延損害金を算出して充当計算されるべきであると主張したのに対し、期限の利益の喪失を主張することは信義則に反し、遅れた日数分だけの遅延損害金についても認められないと判断した裁判例 裁判所 宇都宮地方裁判所第二民事部 吉田尚弘 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)4月14日 事件番号 平成26年(ワ)第598号 事件名 不当利得返還等請求事件 業者名等 アペンタクル(株) 問合先 水野ゆみ弁護士 0586(26)6266 借主は、複数回支払期限を徒過していたが、アペンタクルは、後に […]
要旨 平成24年5月17日当時352万6104円の過払い状態にあったが、164万8821円の借入債務を承認する債務承認弁済契約をシンキと締結した自営業者の重過失を否定して、その錯誤無効の主張を認めた(なお、シンキが現在控訴している) 裁判所 松山地方裁判所西条支部 赤谷圭介 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)3月24日 事件番号 平成26年(ワ)第131号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 シンキ(株) 問合先 菅陽一弁護士 0897(37)3045 本件の争点は、①債務承認弁済契約(以下「本件契約」という)の効力、②期限の利益喪失の有無、③引き直し利率、④悪意の受益者該当性で […]
要旨 過払金を認める判決で、業者の裁判所への不適切な応訴手続を摘示した意見が付された 裁判所 さいたま地方裁判所川越支部第2部 松田浩養 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)3月17日 事件番号 平成24年(ワ)第1010号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 消費者法ニュース事務局 事件は、CFJ合同会社に対する過払金請求事件であり、過払元本87万3159円と利息金を認めた。 本判決では、裁判官がCFJ合同会社の応訴手続について、「CFJ合同会社では、同社に対する過払金請求訴訟事件の中から、無作為に事件ないし原告を選び出し、「サンプル(事件)」と称して、答 […]
被告の現役の副教会長であった原告が、韓国の刑事裁判(被告人は統一教会教祖の四男・文国進氏から名誉棄損で告訴されていた)で証言した内容が虚偽であるとの理由で被告から懲戒解雇された事件。原審及び控訴審判決で原告の労働契約上の地位確認、未払賃金(一部)、慰謝料(一部)の各請求認容。なお、韓国の刑事裁判では原告証言が決め手となり無罪判決が下され控訴審で確定している 裁判所 福岡高等裁判所第5民事部 一志泰滋、金光健二、小田島靖人 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)3月31日 事件番号 平成26年(ネ)第745号、平成26年(ネ)第873号 事件名 地位確認等請求控訴事件、同附帯控訴事件 業者 […]
要旨 被告の現役の副教会長であった原告が、韓国の刑事裁判(被告人は統一教会教祖の四男・文国進氏から名誉棄損で告訴されていた)で証言した内容が虚偽であるとの理由で被告から懲戒解雇された事件。原審及び控訴審判決で原告の労働契約上の地位確認、未払賃金(一部)、慰謝料(一部)の各請求認容。なお、韓国の刑事裁判では原告証言が決め手となり無罪判決が下され控訴審で確定している 裁判所 福岡地方裁判所第5民事部 府内覚 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)9月8日 事件番号 平成24年(ワ)第4054号 事件名 地位確認等請求事件 業者名等 世界基督教統一神霊協会 問合先 浜田宏弁護士 092(432 […]
要旨 管轄の合意がはなはだしく不合理で公序法に違反するとして約款による国際専属的裁判管轄合意が無効であると判断した事例裁判所 東京高等裁判所第4民事部 田村幸一、髙橋光雄、西森政一判決・和解・決定日 2014年(平成26年)11月17日事件番号 平成26年(ネ)第623号事件名 出資金返還請求控訴事件業者名等 エムアールアイインターナショナルインコーポレイテッド問合先 石丸信弁護士 03(3436)2211 本判決は、被害総額約1365億円ともいわれる大規模な国際的投資被害事件において、アメリカ合衆国の裁判所を専属的管轄裁判所と指定する、約款による国際専属的裁判管轄合意が無効であると判断したも […]
要旨 業種別株価指数2倍連動債を会社と会社社長に販売勧誘した証券会社の行為につき、ノックイン条件及びノックイン条件が満たされた場合のリスクの内容、程度について十分に理解させるに足りる程度の説明をしておらず、会社社長がいわゆる元本保証の商品であると誤信して購入したと認定して、説明義務違反及び錯誤無効を認め、過失相殺をせずに賠償を認めた事例 裁判所 大阪地方裁判所第3民事部 西川知一郎、安西儀晃、内田健太 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)10月31日 事件番号 平成24年(ワ)第4781号 事件名 不当利得返還等請求事件 業者名等 野村證券(株) 問合先 松田法律事務所 06(6311 […]
要旨 犯罪収益移転防止法の改正により法律上の本人確認義務が課される以前の時期に、詐欺業者らにより使用されていた固定電話の番号を提供していた末端の電話回線レンタル業者に対して、本人確認義務を怠っていたとして過失の幇助による不法行為責任が認められた判決 裁判所 さいたま地方裁判所第6民事部 野村高弘 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)5月12日 事件番号 平成26年(ワ)第1372号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 渡邊浩 問合先 井上光昭弁護士 048(825)8312 近時、詐欺業者の用いる連絡手段として電話が必須のツールとなっており、そのために詐欺の実行を容易にし、身元の特定を […]
要旨 新生フィナンシャルが、遅滞後の借主宛に約定利息による残元金とほぼ同額の残債務を承認する和解契約書を送付し、平成24年6月、借主が署名・返送して分割払いを続けていたが、実際にはこの時点で200万円超の過払金が発生していた。東京高裁(裁判長加藤新太郎)は、民法696条の適用を認めず、動機の錯誤であり要素に錯誤があったとして和解の無効を認めた裁判所 東京高等裁判所第22民事部 加藤新太郎、峯俊之、河田泰常判決・和解・決定日 2015年(平成27年)2月25日事件番号 平成26年(ネ)第5121号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 新生フィナンシャル(株)問合先 山元勇気弁護士 049(2 […]
要旨 無担保リボ取引と不動産担保リボ取引の同日切替事案(アイフル)につき、一連計算を認めた高裁判決 裁判所 大阪高等裁判所第14民事部 森義之、井上一成、金地香枝 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)2月26日 事件番号 平成26年(ネ)第2518号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 武川真弓弁護士 0586(26)6266 本件の主たる争点は、無担保取引と不動産担保取引の一連計算が認められるか否かであった。本判決は、担保の有無や約定利率に違いはあるものの、両取引とも極度額の範囲内で貸付と返済を繰り返す取引であること、不動産担保取引は、無担保取引の終了 […]
要旨 元金が10万円以上のため利息制限法上の制限利率が18%であった取引が完済され過払となった後に、再貸付によって10万円未満の元金債権が発生しても、いったん無効となった利息の約定が有効になることはない以上、制限利率は20%ではなく18%であるとした高裁上告審裁判例 裁判所 福岡高等裁判所第5民事部 一志泰滋、岸本寛成、小田島靖人 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)3月17日 事件番号 平成26年(ツ)第27号 事件名 過払金返還請求上告事件 業者名等 ライフカード(株) 問合先 小林孝志弁護士 0985(62)2317 本件は、旧ライフとの間で、昭和63年9月に10万円の貸付によっ […]
要旨 本判決は、No.2147(福岡高裁H26.7.8判決)の上告審判決。上告審判決は、要旨、質物の価値に何ら関心を示さない流質回避目的年金振替融資を質屋営業法上の質屋営業ということはできず、上告人の貸付けは出資法に違反するものであって、上告人の貸付けは社会の倫理に反する悪質な貸付けであるという点においてヤミ金融業者による貸付けと何ら異ならないから民法708条の損益調整的な控除をしないとして、上記控訴審判決を維持し、これにより、同代表者の不法行為責任を肯定する判断が確定した 裁判所 福岡高等裁判所第3民事部 金村敏彦、片山昭人、清野英之 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)3月26日 […]