要旨 利息制限法所定の制限利率を適用して計算すると過払い金が生じていたにもかかわらず、残債務があることを前提としてその分割払を内容とする和解をしたとの事案につき、当該和解について錯誤により無効であるとし、また、いわゆるノーローン特約における無利息期間の適用利率については、同特約に基づいて利息が発生しないことを前提に計算すべきとした判決 裁判所 新潟地方裁判所第二民事部 齋藤巌、福間匠、依田吉人 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)4月9日 事件番号 平成27年(レ)第4号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 シンキ(株) 問合先 橋本奈奈弁護士 0258(89)7820 本件は […]
要旨 アペンタクルが、借主は支払期限を徒過し、期限の利益を喪失したため、各月の支払期日に遅れた日数分について、遅延損害金を算出して充当計算されるべきであると主張したのに対し、期限の利益の喪失を主張することは信義則に反し、遅れた日数分だけの遅延損害金についても認められないと判断した裁判例 裁判所 宇都宮地方裁判所第二民事部 吉田尚弘 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)4月14日 事件番号 平成26年(ワ)第598号 事件名 不当利得返還等請求事件 業者名等 アペンタクル(株) 問合先 水野ゆみ弁護士 0586(26)6266 借主は、複数回支払期限を徒過していたが、アペンタクルは、後に […]
要旨 平成24年5月17日当時352万6104円の過払い状態にあったが、164万8821円の借入債務を承認する債務承認弁済契約をシンキと締結した自営業者の重過失を否定して、その錯誤無効の主張を認めた(なお、シンキが現在控訴している) 裁判所 松山地方裁判所西条支部 赤谷圭介 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)3月24日 事件番号 平成26年(ワ)第131号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 シンキ(株) 問合先 菅陽一弁護士 0897(37)3045 本件の争点は、①債務承認弁済契約(以下「本件契約」という)の効力、②期限の利益喪失の有無、③引き直し利率、④悪意の受益者該当性で […]
要旨 過払金を認める判決で、業者の裁判所への不適切な応訴手続を摘示した意見が付された 裁判所 さいたま地方裁判所川越支部第2部 松田浩養 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)3月17日 事件番号 平成24年(ワ)第1010号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 消費者法ニュース事務局 事件は、CFJ合同会社に対する過払金請求事件であり、過払元本87万3159円と利息金を認めた。 本判決では、裁判官がCFJ合同会社の応訴手続について、「CFJ合同会社では、同社に対する過払金請求訴訟事件の中から、無作為に事件ないし原告を選び出し、「サンプル(事件)」と称して、答 […]
被告の現役の副教会長であった原告が、韓国の刑事裁判(被告人は統一教会教祖の四男・文国進氏から名誉棄損で告訴されていた)で証言した内容が虚偽であるとの理由で被告から懲戒解雇された事件。原審及び控訴審判決で原告の労働契約上の地位確認、未払賃金(一部)、慰謝料(一部)の各請求認容。なお、韓国の刑事裁判では原告証言が決め手となり無罪判決が下され控訴審で確定している 裁判所 福岡高等裁判所第5民事部 一志泰滋、金光健二、小田島靖人 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)3月31日 事件番号 平成26年(ネ)第745号、平成26年(ネ)第873号 事件名 地位確認等請求控訴事件、同附帯控訴事件 業者 […]
要旨 被告の現役の副教会長であった原告が、韓国の刑事裁判(被告人は統一教会教祖の四男・文国進氏から名誉棄損で告訴されていた)で証言した内容が虚偽であるとの理由で被告から懲戒解雇された事件。原審及び控訴審判決で原告の労働契約上の地位確認、未払賃金(一部)、慰謝料(一部)の各請求認容。なお、韓国の刑事裁判では原告証言が決め手となり無罪判決が下され控訴審で確定している 裁判所 福岡地方裁判所第5民事部 府内覚 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)9月8日 事件番号 平成24年(ワ)第4054号 事件名 地位確認等請求事件 業者名等 世界基督教統一神霊協会 問合先 浜田宏弁護士 092(432 […]
要旨 管轄の合意がはなはだしく不合理で公序法に違反するとして約款による国際専属的裁判管轄合意が無効であると判断した事例裁判所 東京高等裁判所第4民事部 田村幸一、髙橋光雄、西森政一判決・和解・決定日 2014年(平成26年)11月17日事件番号 平成26年(ネ)第623号事件名 出資金返還請求控訴事件業者名等 エムアールアイインターナショナルインコーポレイテッド問合先 石丸信弁護士 03(3436)2211 本判決は、被害総額約1365億円ともいわれる大規模な国際的投資被害事件において、アメリカ合衆国の裁判所を専属的管轄裁判所と指定する、約款による国際専属的裁判管轄合意が無効であると判断したも […]
要旨 業種別株価指数2倍連動債を会社と会社社長に販売勧誘した証券会社の行為につき、ノックイン条件及びノックイン条件が満たされた場合のリスクの内容、程度について十分に理解させるに足りる程度の説明をしておらず、会社社長がいわゆる元本保証の商品であると誤信して購入したと認定して、説明義務違反及び錯誤無効を認め、過失相殺をせずに賠償を認めた事例 裁判所 大阪地方裁判所第3民事部 西川知一郎、安西儀晃、内田健太 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)10月31日 事件番号 平成24年(ワ)第4781号 事件名 不当利得返還等請求事件 業者名等 野村證券(株) 問合先 松田法律事務所 06(6311 […]
要旨 犯罪収益移転防止法の改正により法律上の本人確認義務が課される以前の時期に、詐欺業者らにより使用されていた固定電話の番号を提供していた末端の電話回線レンタル業者に対して、本人確認義務を怠っていたとして過失の幇助による不法行為責任が認められた判決 裁判所 さいたま地方裁判所第6民事部 野村高弘 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)5月12日 事件番号 平成26年(ワ)第1372号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 渡邊浩 問合先 井上光昭弁護士 048(825)8312 近時、詐欺業者の用いる連絡手段として電話が必須のツールとなっており、そのために詐欺の実行を容易にし、身元の特定を […]
要旨 新生フィナンシャルが、遅滞後の借主宛に約定利息による残元金とほぼ同額の残債務を承認する和解契約書を送付し、平成24年6月、借主が署名・返送して分割払いを続けていたが、実際にはこの時点で200万円超の過払金が発生していた。東京高裁(裁判長加藤新太郎)は、民法696条の適用を認めず、動機の錯誤であり要素に錯誤があったとして和解の無効を認めた裁判所 東京高等裁判所第22民事部 加藤新太郎、峯俊之、河田泰常判決・和解・決定日 2015年(平成27年)2月25日事件番号 平成26年(ネ)第5121号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 新生フィナンシャル(株)問合先 山元勇気弁護士 049(2 […]
要旨 無担保リボ取引と不動産担保リボ取引の同日切替事案(アイフル)につき、一連計算を認めた高裁判決 裁判所 大阪高等裁判所第14民事部 森義之、井上一成、金地香枝 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)2月26日 事件番号 平成26年(ネ)第2518号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 武川真弓弁護士 0586(26)6266 本件の主たる争点は、無担保取引と不動産担保取引の一連計算が認められるか否かであった。本判決は、担保の有無や約定利率に違いはあるものの、両取引とも極度額の範囲内で貸付と返済を繰り返す取引であること、不動産担保取引は、無担保取引の終了 […]
要旨 元金が10万円以上のため利息制限法上の制限利率が18%であった取引が完済され過払となった後に、再貸付によって10万円未満の元金債権が発生しても、いったん無効となった利息の約定が有効になることはない以上、制限利率は20%ではなく18%であるとした高裁上告審裁判例 裁判所 福岡高等裁判所第5民事部 一志泰滋、岸本寛成、小田島靖人 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)3月17日 事件番号 平成26年(ツ)第27号 事件名 過払金返還請求上告事件 業者名等 ライフカード(株) 問合先 小林孝志弁護士 0985(62)2317 本件は、旧ライフとの間で、昭和63年9月に10万円の貸付によっ […]
要旨 本判決は、No.2147(福岡高裁H26.7.8判決)の上告審判決。上告審判決は、要旨、質物の価値に何ら関心を示さない流質回避目的年金振替融資を質屋営業法上の質屋営業ということはできず、上告人の貸付けは出資法に違反するものであって、上告人の貸付けは社会の倫理に反する悪質な貸付けであるという点においてヤミ金融業者による貸付けと何ら異ならないから民法708条の損益調整的な控除をしないとして、上記控訴審判決を維持し、これにより、同代表者の不法行為責任を肯定する判断が確定した 裁判所 福岡高等裁判所第3民事部 金村敏彦、片山昭人、清野英之 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)3月26日 […]
要旨 №2148の原審判決 裁判所 福岡地方裁判所第2民事部 永井裕之、林潤、太田慎吾 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)7月8日 事件番号 平成25年(レ)第56号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 (株)恵比寿 問合先 藤村元気弁護士 092(406)1020 本判決は、株式会社恵比寿(以下「Y会社」といいます)及びその代表者の行った貸付けについて、Y会社が不法行為責任を、Y会社代表者が会社法429条に基づく損害賠償責任を負うことをそれぞれ認め、両者に対し、連帯してXの返済額全額である58万3690円、慰謝料として5万円、司法書士費用として6万円の合計69万3690円及びこ […]
要旨 みなし弁済に関する最高裁平成18年判決により、貸金業者は顧客に対し、一定期間後に、約定利息による残高と利息制限法で再計算した残高との間に相違がある可能性がある旨を告知する義務があり、法人たる貸金業者の代表者には、上記告知を行う体制を整備する義務があるとし、貸金業者の倒産により返還を受けることができなかった過払金債権者の一部に対して損害賠償の支払いを命じた事例 裁判所 大阪地方裁判所民事第12部 古谷恭一郎、富張邦夫、望月一輝 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)5月8日 事件番号 平成23年(ワ)第15422号、平成24年(ワ)第2276号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 武 […]
要旨 1.消滅時効完成後の債務承認と時効援用に関する最判昭和41年4月20日は、個別具体的事情によっては、消滅時効の援用が信義則に反せず許される場合もあり得ることを容認するものであると解した事例。2.ギルドによる取立は、当初より、債務者の法的無知や困惑動揺に乗じて、消滅時効援用の方途を封じようとの意図の下に行われた疑いが濃いとし、ギルドの意図を解明するために原判決を破棄し差し戻しをした事例 裁判所 大阪高等裁判所第7民事部 矢延正平、菊池徹、村田龍平 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)3月6日 事件番号 平成26年(ツ)第106号 事件名 貸金請求上告事件 業者名等 (株)ギルド 問 […]
要旨 シンキの1週間無利息特約を前提に引直計算した過払金返還請求の全額を認容した判決 裁判所 一宮簡易裁判所 片山俊雄 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)12月11日 事件番号 平成26年(ハ)第229号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 シンキ(株) 問合先 中島万里弁護士 0586(26)6266 原告とシンキの取引には、「借入の翌日から7日間の利息が免除される」とする「1週間無利息特約」が付いていた。原告は、引直計算においても、特約を前提として、借入れの翌日から7日間は利率を0%として計算し、過払金返還請求をしたのが本件の事案である。 これに対して、シンキは、本件特約は( […]
要旨 被告の「リボ払い契約と証書貸付契約間の取引の分断」「履行遅滞で期限の利益喪失」の主張に対し、判決は「一連取引」を認め、また「13年以上も一括弁済を求めず、追加貸付けに応じ、弁済金を受領し続けた」等の具体的事情をひいて、「期限の利益喪失」の主張は信義則に反し許されないとして、原告の請求を全部認容した裁判例 裁判所 横浜地方裁判所第7民事部 堀内有子 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)9月26日 事件番号 平成25年(ワ)第5267号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 CFJ合同会社 問合先 山村好男弁護士 0467(84)1771 本件の主たる争点は、①(リボ払い取引と証書 […]
要旨 多額の過払状態であったにもかかわらず、借主が、利息及び遅延損害金を約定利率で計算すること及びその結果として本件和解契約時点において残元利金が存在することを当然の前提とする和解契約を締結したのは、借主が錯誤により過払い状態にあることを認識していなかったために残元利金が存在するとの前提を受け入れたからにほかならず、このように意思表示の前提について錯誤がある場合にも、要素の錯誤と認められる限り当該意思表示は無効とすべきである 裁判所 東京高等裁判所第2民事部 柴田寛之、林正宏、小田靖子 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)10月30日 事件番号 平成26年(ネ)第3896号 事件名 不 […]
要旨 海外未公開株、ラップ口座を用いた投資等に勧誘した被告である投資顧問業者について、「紹介」しただけであるという反論を退け、本件各投資に係る金融商品の有利な点を説明し、これらの金融商品に投資することを勧めていたことは明らかであり、原告から金融商品の紹介を求められたという事情があっても、被告の行為が「勧誘(すすめ誘うこと)」と評価すべきであるとした事例 裁判所 東京地方裁判所民事第8部 和田将紀 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)12月5日 事件番号 平成25年(ワ)第17003号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 アソシエイション・オブ・ライフパートナーズ・リミテッド 問合先 見 […]