要旨 (1)無担保リボ取引と不動産担保リボ取引の切替えは、事実上1個の連続した貸付取引と評価できる(2)示談は、和解契約ではあるが、原告に残債務の存在について動機の錯誤があり、争いの対象ではなく確定効は及ばないから、錯誤無効の主張は制限されない(3)示談によって以後の貸付が行われる可能性が皆無になったとは認められない裁判所 大阪地方裁判所第16民事部 森木田邦裕判決・和解・決定日 2016年(平成28年)3月2日事件番号 平成27年(ワ)第2767号事件名 不当利得返還請求事件業者名等アコム(株)問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312 (1)最判平24.9.11は、切替え(借増し)であ […]
要旨 2つの基本契約に基づく2つの取引(取引①と取引②)がある場合、取引①で発生した過払金を取引②の貸金に充当するとの合意が存在するといえる(取引①と取引②を一連計算できる)裁判所 宮崎地方裁判所日南支部 諸井明仁判決・和解・決定日 2016年(平成28年)4月15日事件番号 平成27年(ワ)第19号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 アイフル(株)((株)ライフ)問合先 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 1 争点基本契約①に基づく取引①と基本契約②に基づく取引②を一連計算できるとして、取引①の過払金を取引②の貸金に充当できるか。2 充当合意の存在を認め、一連計算できるとした理由取引 […]
要旨 破産免責後に破産当時存在した過払金請求を行った事案につき、貸金業者は、過払金請求が認められても、本来負担すべき過払金債務以外にどの程度の経済的不利益を受けることとなるか判然としないこと、過払金の申告がないことにより過払金請求権が行使されないとの期待を抱いたとしても、高度の保護に値するものとはいい難いことなどを理由に権利の濫用に当たらないとした判決 裁判所 福岡地方裁判所小倉支部第3民事部 炭村啓 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)11月27日 事件番号 平成27年(ワ)第389号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 桑原善郎弁護士 093(633)0 […]
要旨 約7年4か月の空白期間がある同一基本契約に基づく取引について、第1取引の期間、第2取引開始の際に信用状況を調査していないこと、使用カード・取引口座の同一性などから一連計算を認めた控訴審判決 裁判所 宮崎地方裁判所民事第1部 藤田光代、安部利幸、伊藤達也 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)12月18日 事件番号 平成27年(レ)第35号 事件名 不当利得金返還等請求控訴事件 業者名等 (株)オリエントコーポレーション 問合先 竹内大樹弁護士 0986(36)6890 同一基本契約に基づく取引において、第1取引と第2取引との間に約7年4か月の空白期間が存在する事案である。本件契約は […]
要旨 カードローンとボーナスローンの2口の取引を並行していた事案で、ボーナスローンで生じた過払金は、過払金発生当時存在したカードローンの借入金債務に充当されると主張したところ、控訴審において新生フィナンシャル(レイク)が借主の請求を認諾した事例 裁判所 大阪高等裁判所第5民事部 金子隆雄 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)12月11日 事件番号 平成27年(ネ)第2586号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 新生フィナンシャル(株) 問合先 井上耕史弁護士 072(221)0016 カードローンとボーナスローンという2口の取引を並行していた事案で、ボーナスローン取引で生じた過払 […]
要旨 消費者契約法3条に基づく適格消費者団体である1審原告が、冠婚葬祭互助会を運営する1審被告に対し、冠婚葬祭互助会契約における解約金条項が、同法9条1号および10条に違反するとして、同法12条3項に基づき、解約時の払戻金から解約金を差し引く旨の意思表示の差止め等を求めた事案につき、1審原告の請求を一部認容した原判決を変更し、1審原告の請求を全部棄却した事例 裁判所 福岡高等裁判所第3民事部 金村敏彦、山之内紀行、坂本寛 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)11月5日 事件番号 平成26年(ネ)第987号 事件名 解約金条項使用差止請求控訴事件 業者名等 (株)日本セレモニー 問合先 […]
要旨 EB債の販売勧誘につき、原審の事実認定を覆し、証券会社が契約締結前交付書面をEB債の注文前に交付せず、かつ、元本欠損のおそれや元本欠損が生じる仕組みの重要部分を説明していなかったと認定し、金融商品販売法5条による説明義務違反による責任を認め、過失相殺なしで全額賠償を命じた事例 裁判所 大阪高等裁判所第6民事部 水上敏、橋詰均、藤野美子 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)12月10日 事件番号 平成27年(ネ)第1860号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 みずほ証券(株) 問合先 松田繁三弁護士 06(6311)1141 購入時56歳で無職で癌に罹患した女性原告は、夫も無 […]
要旨 特定の女性と交際できる(恋愛関係を築くことができる)と謳って顧客を勧誘し、次々と追加調査を契約させ、契約代金合計金1239万6000円を支払わせたという事件につき、請求原因を認めた上で全額の支払いを認める和解(なお、完済時に弁護士費用免除)が成立した裁判所 福岡地方裁判所久留米支部民事部判決・和解・決定日 2016年(平成28年)2月19日事件番号 平成27年(ワ)第378号事件名 損害賠償請求事件業者名等 公表しない問合先 青木歳男弁護士 0943(24)9769 探偵被害とは、一部の探偵等調査業者や、探偵・調査業者を名乗る非正規業者によるトラブルであり、例えば、①調査解約の際に高額の […]
要旨 高齢のアパート経営者が訪問販売によって消火器のリース契約及び点検報告書の有料作成契約を締結させられた事案について、消火器リース会社の組織的な契約勧誘行為、契約締結及びその後の一連の行為は、社会的相当性を逸脱する違法なものとして不法行為を構成し、各契約は公序良俗に反して無効であるとして、消火器リース会社に慰謝料及び弁護士費用の支払い義務があるとした事例 裁判所 東京地方裁判所民事第49部 佐久間健吉 判決・和解・決定日 2016年(平成28年)1月29日 事件番号 本訴平成26年(ワ)第33156号反訴平成27年(ワ)第4488号 事件名 本訴リース料請求事件反訴損害賠償請求反訴事件 業者 […]
要旨 1審判決を取り消して、自動売買ソフトに藉口した詐欺商法に用いられたバーチャルオフィス・電話利用権の契約に関する本人確認書類提供者の責任を認めた事例裁判所 東京高等裁判所第12民事部 杉原則彦、山口均、朝倉佳秀判決・和解・決定日 2016年(平成28年)1月27日事件番号 平成27年(ネ)第3052号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 (株)光システム、個人問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 1審(東京地判平成27年4月22日)は、①本件詐欺商法に用いられたバーチャルオフィス契約に際し、運転免許証、住民票、電気料金の領収証の各写しが提出されている者について、概要、「これらは […]
要旨 特約による利息免除の効果は、初めての借入れという要件を満たす限りは、その借入れをした日の翌日から7日間の利息が発生する都度、確定的に生じるものであり、被告が約定利率による取引を前提に特約を適用する意図であったが、被告が法定書面を交付しなかったものと評価された結果、いわゆるみなし弁済が成立しなかったとしても、一方的に遡って覆されるいわれはない裁判所 大阪地方裁判所第23民事部 安木進判決・和解・決定日 2015年(平成27年)12月21日事件番号 平成27年(ワ)第4791号事件名 不当利得金返還等請求事件業者名等 シンキ(株)問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312 シンキは、7日 […]
要旨 遅延損害金問題につき、期限の利益喪失の宥恕の問題と、経過日数分の損害金の発生という2つの論点を意識し、いずれについても、借主に有利な判断をなして、利息制限法の遅延損害金率の上限で計算すべきだとするSMBCの主張を認めなかった簡裁裁判例 裁判所 宮崎簡易裁判所 横山秀憲 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)12月25日 事件番号 平成27年(ハ)第602号 事件名 過払金返還等請求事件 業者名等 SMBCコンシューマーファイナンス(株) 問合先 小林孝志弁護士 0985(62)2317 この判決は、遅延損害金と言っても、①期限の利益喪失後の宥恕の有無という論点と、②期限後から弁済時 […]
要旨 ①無担保リボ取引と不動産担保リボ取引の一連計算の可否、及び②和解無効が争点となった事案につき、①取引の一連計算を認め、②和解の錯誤無効を認めた地裁判決(確定)裁判所 京都地方裁判所第1民事部 三木昌之判決・和解・決定日 2016年(平成28年)2月3日事件番号 平成27年(ワ)第1467号事件名 不当利得返還請求事件業者名等 アイフル(株)問合先 武川真弓弁護士 0586(26)6266 本件は、①無担保取引と不動産担保取引の一連性(同日切替)、及び、②約定残債務額を確認し、分割払いをすることを約する内容の「和解書」による合意の効力が争点となった事案である。本判決は、①について、無担保取 […]
要旨 アイフルとの間の切替と不動産担保切替事案で、取引の個数につき、1と2、2と3は書き替えであり、同一の契約番号、取引口座、カードを用い、不動産担保も貸付額は従前をわずかに上回るのみだから一連の取引と認められ、個々に消滅時効にはかからず、期限の利益喪失につき、喪失を宥恕し、存続させており、訴訟段階での喪失の主張は、信義則に反し許されないと判断した判決 裁判所 横浜地方裁判所横須賀支部 沼田寛 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)9月29日 事件番号 平成27年(ワ)第128号 事件名 不当利得返還、根抵当権設定登記抹消請求事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 呉東正彦弁護士 046 […]
要旨 ①約4年9か月の空白期間がある取引で、カードの返還・失効手続がとられず、自動更新を行わない旨の申出もないこと等から、同一の基本契約に基づく一連一体の取引であるとして過払金充当合意を認定して一連計算を認め、②遅れた日数分の遅延損害金の請求は、一括弁済を求めることなく、15年5か月にわたり弁済金を受領し続けていることから信義則に違反するとした事例 裁判所 仙台地方裁判所第2民事部 髙取真理子、内田哲也、尾田いずみ 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)8月10日 事件番号 平成27年(レ)第25号 事件名 不当利得金返還請求控訴事件 業者名等 アコム(株) 問合先 宮腰英洋弁護士 02 […]
要旨 統一教会の信者である妻が専業主婦で多額の献金を夫の収入財産からした事例について、統一教会は家族の財産を含めて献金するように働きかけこれに応じた妻の献金額のうち、妻が釈明した他の消費分をのぞいた金額について、統一教会の夫に対する不法行為責任の損害賠償を認めた事例裁判所 東京地方裁判所民事第24部 阪本勝、武部知子、大曽根史洋判決・和解・決定日 2016年(平成28年)1月13日事件番号 平成24年(ワ)第32969号事件名 損害賠償請求事件業者名等 世界平和統一家庭連合(旧名称世界基督教統一神霊協会)問合先 山口広弁護士 03(3341)3133 妻が夫に内緒で夫のお金を統一教会に献金し続 […]
要旨 通常の海外旅行保険の保険金請求なら添乗員の証明書で十分だが、本件では、それを超えて、「間接事実の積み上げという難易度の高い手法により立証することが不可欠」で、弁護士に委任しなければ請求権を訴訟上行使するに十分な訴訟活動をすることが困難であったとして、債務不履行と相当因果関係に立つ損害と認めて弁護士費用請求の一部を認容した裁判例 裁判所 横浜地方裁判所第5民事部 森大輔 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)9月10日 事件番号 平成26年(ワ)第1806号、同第2692号 事件名 保険金等請求事件、保険金返還請求反訴事件 業者名等 東京海上日動火災保険(株) 問合先 宮田学弁護士 […]
要旨 クレジットカードの同一のカードによるキャッシングとショッピングのリボルビング取引において、キャッシング取引について残債務が無い状態での弁済は、ショッピングの残債務に充当され、双方の債務が存在しない状態での弁済である場合に初めて過払いとなるとする横飛ばし計算が認められた判決 裁判所 横浜地方裁判所第6民事部 市村弘 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)9月29日 事件番号 平成26年(レ)第257号、平成27年(レ)第115号 事件名 不当利得返還請求控訴事件、同附帯控訴事件 業者名等 (株)エポスカード 問合先 杉山程彦弁護士 046(825)9590 クレジットカードの場合、1 […]
要旨 賃貸住宅での自死によって物件に心理的瑕疵が生じたとして、マンション全戸について賃料減額分やリフォーム費用等を大家が請求した事案において、損害賠償責任の発生する範囲を自死のあった当該部屋に限定し、その期間を6か月に限定した判決 裁判所 仙台地方裁判所第1民事部 髙宮健二 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)9月24日 事件番号 平成26年(ワ)第762号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 (有)美穂商事 問合先 太田伸二弁護士 022(263)3191 賃貸住宅において自死があった場合、物件に心理的瑕疵が生じたとして、借主や遺族に多額の損害賠償請求がなされる事案が相次いでいる。 […]
要旨 商品先物取引被害について、不招請勧誘、説明義務違反、新規委託者保護義務違反、適合性原則違反、一任売買、無意味な特定売買などの違法性を認め損害賠償請求を認容した第一審判決を維持し、控訴を棄却した判決(過失相殺なし) 裁判所 東京高等裁判所第22民事部 河野清孝、峯俊之、岡口基一 判決・和解・決定日 2015年(平成27年)10月21日 事件番号 平成27年(ネ)第3695号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 KOYO証券(株) 問合先 太田賢志弁護士 03(3501)3600 本高裁判決の特徴は、不招請勧誘を違法性の一つとして挙げていることと、過失相殺を否定していることである。 被害 […]