要旨 ①貸金業者から3年分の取引履歴のみ開示されながら、9年間の取引の推認を認めた事例②貸金業者の貸金債権を放棄する旨の債権放棄確認書に精算条項があったとしても、過払金返還請求権の存否等の説明がなされていない事情のもとでは、同確認書による合意は、過払金返還請求権を対象とした和解合意ではないとした事例(被告控訴)
裁判所 大津地方裁判所民事部 岡田慎吾
判決・和解・決定日 2019年(令和元年)8月30日
事件番号 平成29年(ワ)第32号
事件名 不当利得返還等請求事件
業者名等 大栄ローン
問合先 黒田啓介弁護士 077(510)5758
要旨 当事者間に借入金債務の存否や金額に争いがあったわけではなく、単に経済的に困窮した被控訴人が、控訴人が主張する債務の存在を前提に毎月の返済額の軽減を求めていたにすぎないと認められ、本件変更合意も、控訴人が主張する債務の存在を前提に、その弁済方法を取り決めたに過ぎないものと認められるから、「当事者が互いに譲歩をし」たとも、「争いをやめることを約」したともいえない
裁判所 大阪高等裁判所第13民事部 木納敏和、森崎英二、安田大二郎
判決・和解・決定日 2019年(令和元年)8月28日
事件番号 平成31年(ネ)第810号
事件名 不当利得返還請求控訴事件
業者名等 CFJ合同会社
問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312
同一基本契約内における3年弱の分断について、具体的な事実関係を踏まえて、過払金充当合意が認められるとして、一連計算を肯定し、かつ、消滅時効も否定した例
裁判所 東京地方裁判所民事第41部 髙橋玄
判決・和解・決定日 2019年(令和元年)10月3日
事件番号 平成31年(ワ)第582号
事件名 不当利得返還請求事件
業者名等 SMBCコンシューマーファイナンス(株)
問合先 小林孝志弁護士 0985(62)2317
要旨 被告(金融商品取引業者)が、原告(取引当時42歳の会社役員、女性)に対し、インターネット取引による取引所為替証拠金取引(くりっく365)及び取引所株価証拠金取引(くりっく株365)を勧誘して取引を行わせて5325万円余の損失を与えた事例において、説明義務違反、過大取引の勧誘による違法があるとし、被告に対して、4098万円余の損害賠償を命じた事例(過失相殺3割)裁判所 京都地方裁判所第3民事部 増森珠美、佐藤彩香、牛島賢判決・和解・決定日 2019年(令和元年)8月27日事件番号 平成28年(ワ)第3688号事件名 損害賠償請求事件業者名等 豊商事(株)問合先 住田浩史弁護士 075(22 […]
要旨 いわゆる原野商法事件において、原野商法を行っている不動産業者に対して、専任の宅建士として名義貸しを行った宅建士に共同不法行為責任を認めた裁判例 裁判所 東京地方裁判所民事第25部 鈴木昭洋 判決・和解・決定日 2019年(令和元年)7月16日 事件番号 平成30年(ワ)第28806号 事件名 損害賠償等請求事件 業者名等 須藤章夫(宅建士) 問合先 山口翔一弁護士 048(825)8312 原野商法を行う宅地建物取引業者が、宅建業免許を取得するためには、宅建業法上、専任の宅建士を置かなければならない。しかしながら、原野商法を行う宅建業者においては、宅建業の免許付与を受けるために、専任の宅 […]
要旨 原野商法業者の専任の宅地建物取引士について、被害者に適法な取引であると見せかけて安心させるために利用されることを認識し、あるいは認識し得たにもかかわらず、原野商法業者の専任の宅地建物取引士に就任し、原野商法業者の違法行為を容易にしたと認めるのが相当であるとして、共同不法行為責任を負うとした判決裁判所 東京高等裁判所第16民事部 萩原秀紀、西森政一、矢向孝子判決・和解・決定日 2019年(令和元年)7月2日事件番号 平成30年(ネ)第5230号事件名 損害賠償請求控訴事件業者名等 (株)三井開発、同社専任宅地建物取引士問合先 竹村直樹弁護士 03(3501)3600 原野商法業者が、被害者 […]
要旨 開運等の効果を謳って「天珠」(てんじゅ)というアクセサリーを高額で売り付けた事案について、実質的に暴利行為であること、目的隠匿勧誘、長時間勧誘、組織的反復継続性を認定し、不法行為(使用者責任)を認めたもの(過失相殺なし)裁判所 大阪地方裁判所堺支部第2民事部 井田宏判決・和解・決定日 2019年(令和元年)5月27日事件番号 平成29年(ワ)第589号事件名 損害賠償等請求事件業者名等 (株)タマインターナショナル(ザ・グリーンターライオンモール堺鉄砲町店)問合先 岡崎宣利弁護士 06(6940)0292 天珠(てんじゅ)とはメノウ等の天然石に薬草等を混ぜ合わせ文様を染みこませて焼き上げ […]
要旨 本件は、平成29年5月30日の時点で同年3月1日付の保護廃止決定がなされ、更に平成28年12月から平成29年2月までの期間中に過支給を行ったとして処分庁がなした法63条に基づく費用返還決定に対し、その処分の取消しを求めた審査請求事件である裁判所 大阪府知事松井一郎判決・和解・決定日 2018年(平成30年)11月6日事件番号 社援第2239号事件名 審査請求事件業者名等 泉大津市社会福祉事務所長問合先 新川眞一司法書士 072(444)9931 審査請求人は、平成26年から生活保護を利用していたが、平成28年12月26日に処分庁に赴き、同世帯員の孫が実母(審査請求人の子)の居住する隣県に […]
要旨 旧レイクの新レイクに対する平成10年の資産等の一括譲渡の際に、新レイクは当該資産譲渡契約書(ただし、一部のみ開示)の文言を根拠に過払金を承継していないと争った事案において、新レイクが旧レイクに消費者金融債権を担保に約5300億円を融資したなどの新レイク側の社長の発言記事等を根拠に当該融資に関する金銭消費貸借契約書及び担保設定契約書の提出を命じた決定 裁判所 八女簡易裁判所 古庄範行 判決・和解・決定日 2019年(令和元年)6月18日 事件番号 令和元年(サ)第5号(本案平成30年(ハ)第84号) 事件名 文書提出命令申立事件(本案不当利得返還請求事件) 業者名等 新生フィナンシャル(株 […]
要旨 貸金業者が主張する取引開始日に係る契約書控えについての文書提出命令を受けて、貸金業者が貸金請求を放棄した事例 裁判所 大阪簡易裁判所 寺田俊弘 判決・和解・決定日 ①2017年(平成29年)7月24日 ②2017年(平成29年)9月27日 事件番号 ①平成29年(サ)第334号 ②平成28年(ハ)第32688号 事件名 ①文章提出命令申立事件 ②貸金請求事件 業者名等 (株)三光 問合先 井上耕史弁護士 072(221)0016 貸金業者(原告)が、平成22年7月10日が取引開始日(証書貸付)であると主張して、残元本6万円弱の貸金請求訴訟を提起した。借主(被告)には全く資料がなかったが、 […]
要旨 第1取引(利息制限法の上限利率を超える約定利率)により生じていた約定過入金276円について、200円が第2取引(利息制限法の上限利率内の約定利率)の開始時に締結された基本契約書の印紙代に充当されたと認定され、第2取引の取引履歴上に現実になされていない冒頭貸付の翌日の76円の返済の記載があったことから、第1取引と第2取引の一連計算が認められた事例 裁判所 大野簡易裁判所 村上智子 判決・和解・決定日 2019年(令和元年)6月4日 事件番号 平成30年(ハ)第25号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 八木宏弁護士 0776(22)0168 アイフルに対してAT […]
要旨 実質的な借換えであり、契約条件や切替えの経緯等から、当事者は、複数の権利義務の関係が発生する事態を望まないことが通常である上、未収利息について特殊な会計処理をし、両取引を事実上1個の連続した貸付取引として処理しているから、過払金充当合意が認められる。特殊な会計処理は重利を避けるためにしたという控訴人の主張は、かえってかかる結論を裏付ける
裁判所 大阪高等裁判所第4民事部 中村也寸志、髙橋善久、山口浩司
判決・和解・決定日 2019年(令和元年)6月13日
事件番号 平成31年(ネ)第257号
事件名 不当利得返還請求控訴事件
要旨 第1取引と第2取引は、金銭消費貸借という契約類型を同一にするのみならず、いずれも過払金充当合意が認められる上、取引開始原因、同一カードの利用、取引期間、取引方法、両者間の付随事務処理等など主要な部分が共通しているということができるから、第1取引で生じた過払金を第2取引における新たな借入金債務に充当する旨の合意があったと認めるのが相当である裁判所高松高等裁判所第2部 神山隆一、千賀卓郎、横地大輔判決・和解・決定日 2019年(平成31年)2月1日事件番号 平成30年(ネ)第285号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 (株)愛媛ジェーシービー問合先 山口直樹弁護士 089(933)27 […]
要旨 消滅時効完成後に貸金業者の取立てを受け、1000円を弁済した後、貸金請求訴訟を提起され、第1審で欠席判決を受けた後の控訴期間中に弁護士に相談し、控訴を提起して、控訴理由書で消滅時効を援用した事案について、控訴審の第1回期日前に民事調停手続に付されたうえで、貸金請求の全部放棄と債権債務なしを確認する17条決定がなされて確定した事例 裁判所 宇都宮地方裁判所第2民事部 伊良原恵吾、南部潤一郎、平古場郁弥 判決・和解・決定日 2019年(平成31年)4月17日 事件番号 平成31年(ノ)第4号 事件名 貸金請求控訴事件 業者名等 アぺンタクル(株) 問合先 八木宏弁護士 0776(22)016 […]
要旨 年金担保被害者が、年金担保業者ルピナスから、年金担保で借金をした取引について、裁判所は、出資法違反、年金担保貸付、その他の犯罪の違法営業により貸付をしたことを理由に、被告会社と代表者被告髙野に対して、不法原因給付に基づいて、支払いをした年金全額523万8000円と、不法行為の慰謝料20万円と弁護士費用20万円の合計563万8000円を連帯して支払うべき旨の民事調停法17条の決定をした事例 裁判所 大阪地方裁判所第9民事部竹村昭彦 判決・和解・決定日 2019年(平成31年)6月4日 事件番号 令和元年(ノ)第721号 事件名 不当利得返還等請求時件 業者名等 (株)ルピナス 問合先 植田 […]
要旨 株式会社日本ユニコムの従業員らの勧誘・受託行為には、適合性原則違反、説明義務違反、実質一任売買、指導・助言義務違反、委託者に不利益な取引を勧誘してはならない義務(誠実義務)違反が認められるとして、同社従業員2名に対し共同不法行為責任を認めた上、同社に対し使用者責任(民法715条1項)を認めた事例 裁判所 名古屋地方裁判所民事第7部 前田郁勝 判決・和解・決定日 2019年(平成31年)4月12日 事件番号 平成28年(ワ)第5625号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 日本ユニコム(株)、外 問合先 正木健司弁護士 052(961)3071 1 原告の属性について 原告は、本件取引開始 […]
要旨 ①ペンキ塗装工事は建物の外構部分の塗装に関するものであるが、その内容や範囲は、建物全体の外観等に影響を及ぼす等より、同工事内容の特定が外壁塗装工事の契約内容の特定に必要である②法定書面それ自体によって契約内容等が明らかとなることが必要であり、書面交付時の口頭説明によって補うことはできない裁判所 大阪高等裁判所第12民事部 石井寛明、小倉真樹、林潤判決・和解・決定日 2019年(平成31年)3月14日事件番号 平成30年(ネ)第2206号事件名 損害賠償本訴、同反訴請求控訴事件業者名等 (株)コーホーペイント問合先 島村美樹弁護士 06(6363)0611 本判決は、リフォーム工事契約のク […]
要旨 薬用洗顔石鹸(茶のしずく石鹸)による小麦アレルギー被害について、同石鹸とアレルギー原因物質であった石鹸の原材料(加水分解コムギ末)の欠陥を認定し、同石鹸を製造・販売した2業者と、原材料製造業者の計3社に対し製造物責任法上の責任を認めた 裁判所 大阪地方裁判所第3民事部 大須賀寛之、中武由紀、中村公大 判決・和解・決定日 2019年(平成31年)3月29日 事件番号平成24年(ワ)第4255号、同12758号、同14114号、平成25年(ワ)第4334号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 (株)悠香、(株)フェニックス、(株)片山化学工業研究所 問合先 日髙清司弁護士 06(6311)9 […]
要旨 国内公設の商品先物取引業者による商品先物取引の勧誘の違法性が問題となった事件である。判決は、地裁判決に続き、外務員は、両建について、取引開始前に一般的な説明をするのみでは足りず、個別の取引の場面でも両建のリスク等を説明すべきであり、実際に両建を選択した後においても、必要に応じて損切りを指導したりする等の指導助言義務を負うとした(過失相殺3割) 裁判所 東京高等裁判所第14民事部 後藤博、藤岡淳、山川雅敏 判決・和解・決定日 2019年(平成31年)3月28日 事件番号 平成30年(ネ)第5032号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 第一商品(株)、外 問合先 五反章裕弁護士 03( […]
要旨 相続した11筆の土地と建物の持ち分の市の差押えについて、国税徴収法48条1項に違反するとして、差押処分の取消を認めた判決 裁判所 奈良地方裁判所民事部島 岡大雄、藤本ちあき、武内良佳 判決・和解・決定日 2019年(平成31年)2月21日 事件番号 平成30年(行ウ)第4号 事件名 差押処分取消等請求事件 業者名等 大和郡山市 問合先 深水麻里弁護士 0742(23)8710 市が、被相続人及び相続人の市県民税、固定資産税の徴収のため、遺産分割登記未了の11筆の土地と土地上の建物について、相続人2名のそれぞれの共有持分を差押さえたのに対し、相続人のうち1名が、過剰部分の差押処分の取消及び […]