要旨 クラヴィスからプロミスに債権譲渡がなされ、その後に借主が約定の残債務額を前提にしてプロミスに弁済を開始した際に、当該債務額について借主が異議を留めずに承諾したとみなされるべきであるとの被告の主張について、本件債権譲渡を受けた時点で過払い状態であることを被告は知っていたと推認すべきであり、異議なき承諾による抗弁切断の利益を享受できないとして、排斥した事例裁判所 鳥取地方裁判所民事部 大島雅弘判決・和解・決定日 2013年(平成25年)6月21日事件番号 平成24年(ワ)第238号事件名不当利得返還請求事件業者名等 SMBCコンシューマーファイナンス(株)問合先 房安強弁護士 0857(50 […]
要旨 約70万円の過払金が発生していたにもかかわらず、約定利率で計算した残高約11万円を分割返済するとの内容の訴外示談は、①「ローン債務に関し」と記載されていることなどに照らすと過払金返還請求権が消滅したと認めることはできない、②仮に示談が過払金返還請求権を含めた和解契約であったとしても錯誤により無効である、として過払金返還請求を認容した 裁判所 大阪高等裁判所第8民事部 小松一雄、横路朋生、長井浩一 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)3月28日 事件番号 平成25年(ネ)第3246号事件名不当利得返還請求控訴事件 業者名等 アコム(株) 問合先 井上元弁護士 06(6226)553 […]
要旨 利用者本人と業者が平成19年3月に、約定残を前提にした支払い方法を見直す「和解契約書」を作成したことについて「本件契約は、支払い内容及び支払い方法変更に係る合意であり、控訴人と被控訴人がお互いに譲歩して~争いをやめることを約したものとみることは相当でない」と判示し、実質的に見て「『和解契約』は、債務弁済契約ないし準消費貸借契約である」と認めた判決である 裁判所 横浜地方裁判所第8民事部 遠藤真澄、嶋末和秀、吉岡正豊 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)3月14日 事件番号 平成25年(レ)第352号事件名不当利得返還請求控訴事件 業者名等 シンキ(株) 問合先 杉山程彦弁護士 0 […]
要旨 第1取引(無担保取引)の最終弁済と第2取引(不動産担保取引)の初回借入れが同一日であること等から、第1取引の残債務の弁済が第2取引の借入れにより行われたことが明らかであり、第1取引と第2取引の返済方式がいずれもリボルビング方式で相違がないことから、第1取引と第2取引とは事実上1個の連続した継続的消費貸借取引であり、充当合意が存在するとして一連計算を認めた判決 裁判所 福岡地方裁判所第5民事部 府内覚 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)4月21日 事件番号 平成24年(ワ)第1053号事件名不当利得返還請求事件 業者名等 アコム(株) 問合先 曽里田和典弁護士 092(716)8 […]
要旨 アイフルの不動産担保ローンの事例において、切替え時残債務の残るケースで、切替え後も引き続きリボルビング方式であった事例について、最判平成24年9月11日が存在するにも拘わらず、最判平成20年1月18日のいわゆる6基準を用いて、事実上1個の連続した貸付取引であると認めた例 裁判所 宮崎地方裁判所都城支部 冨田環志 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)4月25日 事件番号 平成25年(ワ)第58号事件名過払金返還請求事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 小林孝志弁護士 0985(62)2317 最判平成24年9月11日は、無担保ローンから不動産担保ローンへと同日に切り替えた事案につ […]
要旨 顧客が一つのクレジットカード契約に基づき、貸金業者との間で金員の借入・返済を長年にわたり継続的に行っていた場合において、途中に約8か月間の空白期間が存在し、しかも回数指定払い(指定回数は多岐にわたる)とリボルビング払いが含まれる場合であっても、全体を通じて取引の一連一体性を認めた判決 裁判所 東京高等裁判所第22民事部 加藤新太郎、青野洋士、河田泰常 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)4月16日 事件番号 平成25年(ネ)第5978号事件名不当利得返還請求控訴事件 業者名等 (株)オリエントコーポレーション 問合先 松井明弁護士 055(933)1023 最高裁平成19年6月7 […]
要旨 日本学生支援機構が元奨学生に対して奨学金の返済を求めた訴訟の控訴審で(第1審は貸付が否定され請求棄却)、機構の提出した書証の記載の正確性を疑問視し、元奨学生が破産手続時に奨学金債務について債権者名簿に記載しなかったことにつき無過失を認定し、元奨学生に破産免責の効果を認め、機構の控訴を棄却した判決(詳細は本誌98号72頁参照) 裁判所 札幌地方裁判所民事第1部 千葉和則、渡邉哲、北島睦大 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)4月15日 事件番号 平成24年(レ)第345号事件名貸金請求控訴事件 業者名等 独立行政法人日本学生支援機構 問合先 橋本祐樹弁護士 011(231)1888 […]
貸付停止措置等がとられた時点から過払金返還請求権の消滅時効が進行すると解するためには、貸付停止措置等によって本件取引が終了したといえなければならず、そのためには、①貸付停止措置等によって、貸付けがされる可能性が皆無になったとか、新たな借入金債務の発生が見込まれなくなったといえることに加えて、②貸付停止措置等がとられたことを借主が現に認識していたか、客観的にも認識可能であったといえることが必要である 裁判所 東京高等裁判所第24民事部 三輪和雄、内藤正之、佐久間健吉 判決・和解・決定日 2013年(平成25年)12月12日 事件番号 平成25年(ネ)第5408号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 […]
アイフルが、過払金返還請求訴訟の控訴審第1回口頭弁論期日において、判決の時期を引き延ばす目的で、かつて支払期日を徒過した弁済がなされていたことを指摘し、次回までに当該支払期日において期限の利益喪失したとの主張を行う旨を予告したところ、時機に後れた攻撃防御方法であるものして、その主張をさせず、判決を下した事案 裁判所 仙台地方裁判所第3民事部 市川多美子、工藤哲郎、志田智之 判決・和解・決定日 2013年(平成25年)11月7日 事件番号 平成25年(レ)第46号 事件名 不当利得金返還請求控訴事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 佐藤靖祥弁護士 022(722)6435 貸金業者が、過払金返 […]
控訴人(注アイフル)は、本件取引において平成6年11月21日に期限の利益が失われた以上、同日以降の全ての過払金の計算については、利息制限法4条1項により、年26.28%を超える部分のみが無効とされるべきである旨の主張をしている。当該主張については、民事訴訟法297条、157条1項に基づき、職権により、時機に後れた攻撃防御方法として却下することとする 裁判所 水戸地方裁判所民事第2部 新谷晋司、吉田豊、橋詰英輔 判決・和解・決定日 2013年(平成25年)10月24日 事件番号 平成25年(レ)第67号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 及川智志弁護士 047( […]
平成8年9月22日に請負契約を締結し、平成9年3月30日に引き渡された木造3階建ての住宅金融公庫融資建物につき、①構造用面材の不足、②ホールダウン金物の折れ曲がり、③所定位置へのアンカーボルトの未施工等を理由に、施工業者及び工事監理者に対して、民法709条等を根拠に、瑕疵修補費用等561万2500円を損害賠償請求し、330万円で和解した事案 裁判所 大阪高等裁判所第7民事部 泉薫 判決・和解・決定日 2012年(平成24年)12月25日 事件番号 平成24年(ネ)第1346号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 びわこテックコーポレーション(株)、外 問合先 浅井勇希弁護士 077(561 […]
築40年近い店舗兼居住用ビル(RC造4階建)所有の高齢者が、ビルのインフラ整備を目的として、①電気配線・ガス配管の撤去・新設、②セントラルヒーティング設備・配管の撤去、③防水対策等の工事を主たる内容とするリフォーム工事を約2000万円で発注したところ、①については未施工、②③については不十分な施工しかなされず係争となり、和解金450万円、反訴放棄分100万円にて和解した事案 裁判所 大阪高等裁判所第12民事部 林圭介、一谷好文、外 判決・和解・決定日 2013年(平成25年)10月28日 事件番号 平成25年(ネ)第782号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 住友不動産リフォーム(株) […]
複数の管轄裁判所が存在している場合にどの裁判所に訴えを提起するか選択権を有しているのは原告であることからすれば、受訴裁判所は、移送の前にできるだけ原告の意思を尊重し、原告の意思に沿った移送をすべきであり、原告が特定の管轄裁判所への移送を求める意思を明らかにしているにもかかわらずこれと異なる管轄裁判所に移送することは、民訴法17条の趣旨等から原告の求める裁判所で裁判を行うことが相当ではないといった特段の事情が認められない限り、上記裁量権の範囲を超えるものとして違法となるというべきである裁判所 静岡地方裁判所民事第2部村野裕二、中野達也、河野文彦判決・和解・決定日 2014年(平成26年)2月26 […]
平成9年に新築分譲された区分所有マンション(鉄筋コンクリート造7階建)における建物内外のひび割れ、北側擁壁の構造欠陥、共用廊下の防水欠陥等に関し、販売業者兼施工業者と設計監理建築士に損害賠償請求した訴訟の控訴審判決で、4000万円弱を認容した一審判決に対し、ひび割れの過失の立証不十分として認容額を減額したが、他方で遅延損害金の起算点を10年遡らせた判決 裁判所 大阪高等裁判所第14民事部 田中澄夫、龍見昇、横山光雄 判決・和解・決定日 2013年(平成25年)10月10日 事件番号 平成23年(ネ)第3654号、平成24年(ネ)第71号 事件名 損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件 業者名等 上告 […]
3階建て鉄骨造の柱梁接合部の溶接につき、超音波探傷検査をしたところ、多数の溶接きずが見つかり、これらが瑕疵に当たり補修することも不可能だとして、売主に対し、取壊し建替えを前提とした損害賠償を命じた事例 裁判所 大阪地方裁判所第10民事部 齋藤毅 判決・和解・決定日 2013年(平成25年)4月16日 事件番号 平成21年(ワ)第5727号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 (有)大竹不動産 問合先 鳥川慎吾弁護士 06(4706)6205 当初、依頼者の相談は、新築で買った自宅建物が揺れるという内容であった。3階建て鉄骨造である。柱梁接合部の溶接につき、超音波探傷検査(UT)をしたところ、検 […]
新築請負物件の瑕疵について、代理人が相談を受けた時点で、請負業者が事実上の倒産、設計・監理会社が清算結了後であり、物件引渡しから5年以上経過していたため、設計・監理会社の当時の代表者(一級建築士)を被告として、不法行為に基づく損害賠償請求をなし、一部認容された事例 裁判所 札幌地方裁判所民事第3部 長谷川恭弘 判決・和解・決定日 2013年(平成25年)6月28日 事件番号 平成23年(ワ)第3639号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 公表しない 問合先 石川和弘弁護士 011(209)7150 1 最高裁平成19年7月6日及び同平成23年7月21日判決を前提に、監理業務を行った一級建築士 […]
日経平均連動デジタル・クーポン債及びEB債を販売勧誘した証券会社の行為につき、商品特性や原告の投資意向、勧誘経過に関する事実関係等につき深く分析し、適合性原則違反及び説明義務違反による不法行為責任を認め、過失相殺を3割とした事例裁判所 大阪地方裁判所第7民事部田中健治、尾河吉久、木村朱子判決・和解・決定日 2013年(平成25年)11月21日事件番号 平成23年(ワ)第71号事件名 不当利得返還等請求事件業者名等 岡三証券(株)問合先 松田繁三弁護士 06(6311)1141 本件は、73歳の一人暮らしの女性原告が、約2年間にわたり、日経平均連動デジタル・クーポン債を13回、EBを1回購入し、 […]
貴金属地金分割払い取引(代金を300回(25年))の分割払とする「金・白金地金売買契約」と称する近時急増している詐欺的商法について、このような取引の仕組み自体が違法であるとして損害賠償請求を全部認容したもの 裁判所 東京地方裁判所民事第33部 小林久起 判決・和解・決定日 2013年(平成25年)12月12日 事件番号 平成25年(ワ)第17580号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 (株)ロイヤルトラストインターナショナル、外 問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 貴金属地金分割払い取引(代金を300回(25年))の分割払とする「金・白金地金売買契約」と称する、近時急増している […]
社債の発行を違法と認定し、社債発行当時、役員や名目取締役に対して、任務懈怠責任を認めた。被告小川Y3控訴、控訴審係属中 裁判所 東京地方裁判所民事第26部 足立哲、川﨑聡子、齊藤隆広 判決・和解・決定日 2013年(平成25年)11月26日 事件番号 平成24年(ワ)第10787号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 ELストリーム(株) 問合先 浅井淳子弁護士 03(3501)3600 判決は、社債の発行を違法と認定した上で、①社債発行当時役員であったY1らについて、任務懈怠につき「株式会社の取締役は、代表取締役の業務執行全般を監視し、必要があれば、取締役会を自ら招集し、あるいは招集すること […]
従前の住居の退去を余儀なくされるなどして生活に困窮していた原告らが、生活保護を申請し、申請に同行した被告が経営するアパートに居住した事例で、月額賃料4万2000円と合意したにもかかわらず、被告が合意賃料以上の金員を請求していた件で、原告らの被告に対する不当利得返還請求が認められた事例(確定) 裁判所 大阪簡易裁判所 花田泰広 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)2月4日 事件番号 平成24年(ハ)第16181号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 ダイヤ住宅こと田中勝 問合先 喜田崇之弁護士 06(6365)8891 生活困窮者が置かれた困窮状況に乗じて不当な金員を請求する、いわゆ […]