要旨 無担保のリボルビング方式の継続的金銭消費貸借取引から、不動産担保付きのリボルビング方式の継続的金銭消費貸借取引へ切り替えられた事案について、両取引の取引形態は大きく異なるものということはできない等として、事実上1個の連続した貸付取引であると評価できるとした例 裁判所 さいたま地方裁判所熊谷支部 塩原学 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)10月8日 事件番号 平成26年(ワ)第160号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 八下田学弁護士 03(6383)2611 本件の無担保取引は、極度額50万円、利率年28.835%、元金定率リボルビング方式の基本契 […]
要旨 無担保取引と担保付取引では貸付額や利率の違いは小さなものではないが、いずれの取引も新たな貸付けと返済が予定された連続した一体の取引というべきであって、複数の権利関係を残すことを望まないのが契約当事者の通常の意思というべきであり、先行する取引で発生した過払金は、その後の取引に係る債務に充当する合意が存在するものと解するのが相当である裁判所 大阪高等裁判所第4民事部 田川直之、浅井隆彦、西岡繁靖判決・和解・決定日 2014年(平成26年)8月29日事件番号 平成26年(ネ)第892号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名 等アイフル(株)問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312 ①無担 […]
要旨 ギルドが、旧ハッピークレジット時代の貸金債権について、最終取引から10年以上経過した後に債務者の自宅を訪問して一部弁済をさせ、貸金請求訴訟を提起した事案につき、一部弁済の後の消滅時効の援用が信義則に反するとはいえないとして消滅時効の主張を認め、ギルドの請求を棄却した判決 裁判所 神戸地方裁判所第6民事部 工藤涼二、末永雅之、尾島祐太郎 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)8月25日 事件番号 平成25年(レ)第430号 事件名 貸金請求控訴事件 業者名等 (株)ギルド 問合先 土居由佳弁護士 079(222)0684 平成14年2月25日の15万円の貸付に対して、同年4月6日以降 […]
要旨 アイフル作成の取引履歴においてもアイフル主張の日に期限の利益を喪失したことを前提とする計算とはなっておらず、取引履歴の記載内容どおりに弁済金の一部が損害金に充当されたと認められるほどの信用性を取引履歴は備えていないとして、期限の利益喪失・遅延損害金利率での計算を認めなかった事例 裁判所 秋田地方裁判所民事第一部 棚橋哲夫、太田多恵、古屋勇児 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)8月22日 事件番号 平成26年(レ)第19号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 アイフル(株) 問合先 山口謙治弁護士 0186(59)6484 (1)本件は、アイフルと継続的取引をしていた借主 […]
要旨 期限の利益喪失後も、約定返済をしていた場合に、遡って期限の利益を喪失したとして遅延損害金を請求することが、信義則に違反して許されないとした判決裁判所 大阪地方裁判所第12民事部 古谷恭一郎、富張邦夫、望月一輝判決・和解・決定日 2014年(平成26年)10月10日事件番号 平成26年(レ)第266号事件名 和解金請求控訴事件業者名等 (株)ギルド問合先 今瞭美弁護士 0154(42)7722 Aさんと株式会社ギルドは、平成16年10月26日、金銭消費貸借契約を締結し金員を借入れ約定返済をしていたが、多重債務のため約定返済ができないとして、平成20年10月23日、和解契約を締結した。和解の […]
要旨 借主とアコムとの間で貸金債務の支払方法について民法695条にいう「争い」が存在し、本件示談契約において、双方が譲歩しているので、民法上の和解契約に該当する。しかしながら、借主は、過払金の存在及び額を全く認識しておらず、貸金債権が存在していることを前提として示談契約の意思表示を行っているので、その意思表示には動機の錯誤があり、その動機はアコムに表示されて意思表示の内容となっているといえ、要素の錯誤に当たる。従って、示談契約の錯誤無効を認めた 裁判所 福岡高等裁判所第5民事部 一志泰滋、金光健二、小田島靖人 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)9月30日 事件番号 平成25年(ツ)第 […]
要旨 貸付け又は返済が行われなかった期間は長いものの、その間においても年会費を支払い、立替払に係る取引は継続され、基本契約が解約されなかったことからすると(あるいは、その間に基本契約が解約されることはなく、同一のカードに基づいて取引が再開されていることからすると)、原告に取引を終了させる意思があったと推認することはできない 裁判所 大阪地方裁判所第13民事部 阪本勝 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)10月14日 事件番号 平成25年(ワ)第13004号 事件名 不当利得返還請求事件 業者名等 (株)オリエントコーポレーション 問合先 西尾剛弁護士 06(6366)0312 オリコカ […]
要旨 継続的金銭消費貸借取引における債権者間の事業譲渡について債務者が異議をとどめない承諾をした場合でも、当該債務者は、異議をとどめない承諾をしたことを理由に当該取引について貸金業法第43条1項の適用がない旨の抗弁権を喪失することはない裁判所 東京高等裁判所第19民事部 貝阿彌誠、定塚誠、土田昭彦判決・和解・決定日 2013年(平成25年)7月23日事件番号平成25年(ネ)第2940号事件名 不当利得返還請求控訴事件業者名等 CFJ合同会社問合先 松井創弁護士 03(3221)3335 指名債権の譲渡につき債務者が異議をとどめない承諾をした場合、債務者は当該債権に付着した抗弁権を喪失するが(民 […]
要旨 適用制限利率18%過払いが発生した後新たな借入によって元本の額が10万円未満となった場合の貸付利率を年18%の利率で計算すべきとした事案 裁判所 宮崎地方裁判所民事第2部 末吉幹和、古賀秀武、芹澤美知太郎 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)6月11日 事件番号 平成26年(レ)第16号 事件名 不当利得返還請求控訴事件 業者名等 KCカード(株) 問合先 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 (1)最一小判決平成25年7月18日裁判所時報1584号249頁を誤解した(過払いが発生した後新たな借入によって元本の額が10万円未満となった場合の貸金利息を年20%の利率で計算した) […]
要旨 ①当審における期限の利益喪失に関する主張は、控訴人の故意または重大な過失により訴訟の完結を遅延させることとなると認められるから、時機に後れた攻撃防御方法として却下する。②ある借入の時点で、従前の借入金残元本と新たな借入金の合計額が利息制限法所定の各区分における下限額を下回るに至ったとしても、いったん無効となった利息の約定が有効になることはなく、貸付取引に適用される制限利率が変更されることはない(本件では年18%が、より高い利率に変更されるわけではない) 裁判所 千葉地方裁判所民事第3部 廣谷章雄、中直也、原美湖 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)7月18日 事件番号 平成26年 […]
要旨 基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引において、貸金業者が、借入限度額合意に基づき、借主に対する与信額を0円に設定して貸付を停止する措置を採ったとしても、その後に貸金業者の都合によって貸付を再開することもできるから、新たな借入金債務の発生が見込まれなくなったとはいえず、過払金返還請求権の消滅時効は進行しないとして、貸金業者の消滅時効の抗弁を排斥した事例 裁判所 福岡高等裁判所第5民事部 一志泰滋、足立正佳、島田正人 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)3月25日 事件番号 平成24年(ツ)第21号事件名不当利得返還請求上告事件 業者名等 (株)しんわ 問合先 北古賀康博弁護士 […]
要旨 本件は、代理店と称される勧誘者が幾重にも連なり、その代理店群が預り金から数%の金銭を得ていくというマルチ型のファンド商法において、控訴人の直接の勧誘者の責任が問題となった。勧誘者からは、「自分たちも(控訴人らと同様に)真っ当な商法と信用して出資し、自分も損害を出しており、被害者である」との主張がなされた。これに対し本判決は、勧誘者が負うべき注意義務の根拠やその具体的な内容を明らかにした上で、勧誘者に不法行為責任を認めた 裁判所 東京高等裁判所第8民事部 髙世三郎、瀬戸口莊夫、廣田泰士 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)7月11日 事件番号 平成25年(ネ)第2485号 事件名 […]
要旨 スピリチュアルカウンセラーを自称する被告が、除霊を行えると自称する男性Aと共謀して対面相談を行い、原告及びその夫に生命・身体・財産に対する危険が生じるなどとして不安や恐怖心をあおり、除霊費用名目で650万円を支払わせた事案である。東京地方裁判所は、被告に対し、1割の弁護士費用を含めた715万円全額の支払を命じた 裁判所 東京地方裁判所民事第45部 大竹貴 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)3月26日 事件番号 平成24年(ワ)第30052号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 工藤陽子 問合先 石丸信弁護士 03(3431)4488 本判決は、いわゆるスピリチュアルブームに乗じ […]
要旨 電話占いの相談者に対し、多額の対価を必要とする祈祷の勧誘を行うという営業方針のもと、虚偽の事実により相談者を畏怖させて祈祷代金を支払わせた行為や、畏怖した状態が続いている相談者に対し虚偽の事実を装って護摩代金を支払わせた行為は、商行為として著しく不当なものであり、社会的に許容することはできず、全体として不法行為を構成する 裁判所 さいたま地方裁判所第1民事部 山口信恭 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)2月24日 事件番号 平成24年(ワ)第2878号 事件名 損害賠償等請求事件 業者名等 フォーチュンサロン天使の扉 問合先 川井康雄弁護士 03(3431)4488 本件は、イ […]
要旨 金・白金の地金を分割払で購入するという契約の外形を取って金銭を騙取する近時多発している商法について、詳細な判断を加えて同取引を公序良俗に違反するとして損害賠償請求を全部認容した事例 裁判所 東京地方裁判所民事第1部 後藤健、杜下弘記、中村玲子 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)7月18日 事件番号 平成25年(ワ)第17659号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 アドニス(株)、役員、従業員 問合先 荒井哲朗弁護士 03(3501)3600 20年間もの長期にわたって分割金を支払い、金等地金の引渡しを受けること自体に大きな意味はないこと、本件各契約は、顧客による中途解約が […]
要旨 病院で乳がんと言われた人に対して、霊能者が「神さんは、がんではない。できものだと言っている」「お祓いによって治る」などと言い、これを信じた被害者は、お祓いの治療を続けたが、乳がんが増悪して死亡した被害について、判決は、霊能者によって被害者を死に至らしめたとして、損害賠償を認めた 裁判所 大阪地方裁判所第11民事部 岩井一真 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)7月9日 事件番号 平成23年(ワ)第8490号平成25年(ワ)第60号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 松田昇、外 問合先 植田勝博弁護士 06(6362)8177 本件は、加害者霊能者の神様(雷神など)の意志を受け死 […]
要旨 一般に流布されている他社の為替チャートを用いることや手動で行っていたと考えられる取引は被告の約款にいうシステムを利用するなどのツール等を使用した不適正な取引ではないとして、これがあったとしてキャッシュバック金の支払いを拒む業者の行為は信義則に反するものとして許されないとして原告の請求を全部認めた事例 裁判所 東京地方裁判所民事第5部 髙瀬保守 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)6月19日 事件番号 平成25年(ワ)第23093号 事件名 キャッシュバック金請求事件 業者名等 ワイジェイFX(株)(旧商号(株)サイバーエージェントFX) 問合先 浅井淳子弁護士 03(3501)3 […]
要旨 第一商品(株)との間で、平成16年9月から平成21年11月まで取引を行った原告(属性としては農業を営み年収300万円程度・国債のみ経験)の不法行為損害賠償請求につき、被告会社と担当者2名の責任を認めた上で、3割の過失相殺を行ったものである。被告らの違法な行為としては、適合性原則違反・説明義務違反・断定的利益判断の提供・新規委託者保護義務違反を認めた 裁判所 秋田地方裁判所民事第1部 佐野文規 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)7月18日 事件番号 平成24年(ワ)第367号 事件名 損害賠償請求事件 業者名等 第一商品(株) 問合先 弁護士法人近江法律事務所 0182(33)3 […]
要旨 商品先物取引についての知識・経験が乏しい者が契約締結する場合には、単に同取引がハイリスクであることを理解させるのみならず、同取引の仕組みや内容、用語などはもとより、リスクの具体的内容(手数料、追証拠金など)を説明することが必要。顧客の知識・経験・財産の状況・契約目的に照らして顧客が理解できないような内容にとどまっていたならば説明義務を果たしたことにはならない 裁判所 東京高等裁判所第19民事部 貝阿彌誠、定塚誠、田代雅彦 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)8月21日 事件番号 平成26年(ネ)第2231号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 第一商品(株) 問合先 平澤慎一 […]
要旨 商品先物取引被害につき、被害者の請求を棄却した原判決を取消し、新規委託者保護義務違反を認めて、被害者の請求を一部認容した事例(過失相殺6割、上告受理申立) 裁判所 東京高等裁判所第14部民事部 須藤典明、小池晴彦、島村典男 判決・和解・決定日 2014年(平成26年)7月17日 事件番号 平成26年(ネ)第949号 事件名 損害賠償請求控訴事件 業者名等 第一商品(株) 問合先 太田賢志弁護士 03(3501)3600 40代の専業主婦が、商品先物取引業者の外務員の勧誘により商品先物取引を開始し、約3か月半の間に、約2255万円の損失を被った事案。 本判決は、本人の資産や具体的な生活状況 […]