高額なモニター料を支払うとして、クレジットで高額な寝具を買わせた被害につき、裁判所が寝具の適正対価を認定して、これを前提に一部クレジットの請求を棄却した事例 神戸地方裁判所姫路支部 島田清次郎・正木きよみ・柴田誠 2002年(平成14年)3月29日 (本訴)平成12年(ワ)57号、462号、671号、平成13年(ワ)第541号、(反訴)平成14年(ワ)第48号、49号、50号 (本訴)取立禁止請求事件(反訴)立替金請求事件 土井裕明弁護士 (株)オリエントコーポレーション 株式会社ダンシング(ダンシング)は、平成9年8月ころより、モニター募集と抱き合わせに健康寝具を販売する商売(モニター商法) […]
日栄の取引は個別の手形取引ではなく、一連の取引であり、保証料等は公序良俗に反するなどとして、利息制限法による金利計算をした事例 福岡地方裁判所小倉支部 中嶋功 2002年(平成14年)2月27日 平成13年(ワ)第1299号、平成13年(ワ)第1300号、平成13年(ワ)第1301号、平成13年(ワ)第1375号 保証債務金請求事件 牧野聡弁護士 (株)日栄 本件も、平成13年10月10日判決と同じ中嶋裁判官の判決です。事案は、日本信用保証が連帯保証人に対して保証債務の履行を請求したものです。 判決では、従来の同裁判官による判決をさらに進め、一連充当計算を行った上で、日栄からの債権者にも期限の […]
変額保険の未解約の事例で、生命保険会社に対して、説明義務違反に基づく損害賠償(損益相殺して約1億円)と慰藉料(600万円)を認め、3割の過失相殺をした上、弁護士費用400万円を加えた約8000万円の損害賠償を認容した事案 横浜地方裁判所 岡光民雄・窪木稔・村上誠子 2002年(平成14年)2月13日 平成6年(ワ)第1949号の1 損害賠償等請求事件 石戸谷豊弁護士 045(212)3517 明治生命保険 最高裁平成12年3月17日判決は、変額保険が未解約の場合に保険契約者としての地位を保有していることを理由に損害が発生したとは言えないと判示した原審大阪高裁平成8年4月25日判決を是認した。 […]
兵庫県下の零細事業者7社が(株)日栄に対して過払金等の返還を求めた集団訴訟の判決 神戸地方裁判所 前坂光雄・永田眞理・窪田俊秀 2002年(平成14年)4月15日 平成12年(ワ)第449号 不当利得等返還請求事件 辰巳裕規弁護士 (株)日栄・日本信用保証(株) 日栄と日本信用保証の一体性を認め、日本信用保証名義の保証料等は利息制限法3条のみなし利息にあたること、各貸付は別口であるが、利息制限法超過分は別口であっても法定充当されることを認めた。もっとも利息制限法2条の形式的な解釈により、業者の期限の利益を結果的に肯定しているに等しい計算方法を採用した結果、請求金額総額5543万2588円及び返 […]
①泰道の会員獲得行為(集金システム)が違法で、元会員らからの損害賠償請求が認められた事例②法人格濫用の法理により、傘下の全被告法人に対し、その設立時期や傘下に入った時期を問わず、全原告との関係で、全責任を認めた事例 佐賀地方裁判所 亀川清長・早川真一・橋本修 2002年(平成14年)2月15日 平成8年(ワ)第246号、平成9年(ワ)第232号 損害賠償請求事件 辻 泰弘弁護士 0952(22)7424 泰道 泰道(泰道自体は法人登記されていない)は、1986年頃から活動を始めた団体で、「手かざしで人の体の診断や治療をする能力(「生命の作用」という)は、泰道に入会して学習することにより万人が習 […]
利息制限法の計算によって過払い状態となっている債権を貸金業者間に債権譲渡を行った場合、債務者が異議を留めない承諾をしても、信義則に反する等特段の事情のない限り、債務者は債権譲受人に対して債権消滅を主張できる 加古川簡易裁判所 近藤壽夫 2002年(平成14年)4月9日 平成13年(ハ)第187号 不当利得返還請求事件 林明仁司法書士 0794(24)5665 ハッピークレジット(株) 【判決の概要】 本件は、貸金業者が債権譲渡を行い、債務者が異議を留めない承諾をした場合、当該債権の返還義務を負担したといえるかについて争われた事案。 原告の主張は、①異議を留めない承諾について、何ら説明せず、署名 […]
サラ金の取引経過非開示に対して慰謝料10万円弁護士費用2万円を認めた事例 東京簡易裁判所 下平善昭 2001年(平成13年)12月18日 平成13年(ハ)第539号 不当利得返還等請求事件 大川雅弘弁護士 03(5690)1092 アエル(株)(旧日立信販(株)) 被告金融業者に対して、原告債務者が、不当利得に基づき過払金の返還を請求するとともに、原告の委任を受けた原告代理人が、原告と被告との間の全取引についての開示を請求したところ、被告は、過去3年間分の取引を開示したのみで、全取引経過の開示請求を拒否し、原告は本件訴訟を提起した。被告は、原・被告間の取引開始日は平成3年8月1日であり、過払金 […]
根保証の範囲を信義則上契約時の新規貸付額に限定した事例 長崎地方裁判所 川久保政徳 2002年(平成14年)3月28日 平成12年(ワ)第530号 保証債務履行請求事件 原 章夫弁護士 095(820)2500 (株)商工ファンド 保証人である被告は、主債務者から300万円の借入れの保証との説明を受け、それを了解して、原告店舗に出向き、20分ほどの間に多数の書面に署名・押印した。その際、限度額600万円、既存債務300万円等の記載を求められたので、被告がその意味を尋ねたが、商工ファンド担当者はその意味を明確に説明せず、保証人はそのとき借り入れた300万円の保証と思い、言われるままに署名・押印し […]
日栄の貸付につき、取引が一連のものであり、また、日本信用保証の保証料等がみなし利息であるとして、借主の日栄に対する不当利得返還請求を認め、保証債務を認めた事例 宇都宮地方裁判所足利支部 大島哲雄 2001年(平成13年)5月30日 平成12年(ワ)第218号、平成13年(ワ)第51号 過払金返還本訴請求事件、貸金反訴請求反訴事件 榊原利幸弁護士 (株)日栄 判決は、「原告らの本件利息制限法違反の取引に関しては、強行法規としての利息制限法の適用によって、法的に有効に存在する債務に対する利息制限法による経過利息の計算と、現金交付額、弁済額を元にした計算が正しい計算方法というべきである。そうすると、 […]
利息制限法上の利息に引き直せば、過払いとなっているのに、約定利息で残元金が残っていると商工ファンドが主張し、根抵当権設定仮登記の抹消を拒否した事案である。また、公正証書作成が、平成12年7月であり、平成11年12月の商工ファンド社長の国会での尋問、平成12年4月の商工ファンド従業員逮捕(有印私文書偽造・貸金業規制法違反)、同年5月の起訴、同年8月の判決といった商工ファンドの営業実態が社会問題となっていた時期でのものである。他の商工ファンド被害者との関係で早期解決が必要なため、他の事件と同日に和解した 宮崎地方裁判所 金光健二・新谷祐子 2002年(平成14年)3月26日 平成13年(ワ)第31 […]
信用取引について①一任取引②適合性の原則違反③過当取引。これらが全体として不法行為にあたるとした 東京高等裁判所 奥山興悦・杉山正己・山崎まさよ 2001年(平成13年)11月29日 平成13年(ネ)第362号 損害賠償請求控訴事件 河本和子弁護士 043(224)7366 みずほインベスターズ証券(株)(旧勧角証券(株)) 東京高裁で、信用取引について、1審判決を覆し、一任取引、適合性の原則違反、過当取引により全体を不法行為に当たるとして勝訴判決(東京高裁平成13年(ネ)362号) 東京高裁で、信用取引について、1審の敗訴判決(千葉地裁佐倉支部平成10年(ワ)第229号)を覆し、一任取引、適 […]
要旨 差押債権が、債務者に対する厚生年金給付が社会保険庁より振り込まれたものと認められる場合に、厚生年金給付が厚生年金保険法上の差押禁止債権であることを理由として、債権差押命令を取り消した事例 裁判所 横浜地方裁判所 田中治 判決日 2001年(平成13年)5月9日 事件番号 平成13年(ヲ)第111号 事件名 差押禁止債権の範囲変更申立事件 問合せ先 大川雅弘弁護士 業者名 (株)オーエスファクター 解説 (事案) 申立人は無職であり、厚生年金給付として2カ月に1回、偶数月の15日に、金378,982円を受給しており、同じく厚生年金給付として2カ月に1回、偶数月の15日に、金143,383円 […]
要旨 日栄の継続的取引について借主の保証料等もみなし利息であるとして貸金業法43条の適用を否定し、不当利得金の返還を認めた事例 裁判所 大阪地方裁判所 山下郁夫・青木亮・小泉満理子 判決日 2002年(平成14年)2月21日 事件番号 平成12年(ワ)第6667号(甲事件)、同年(ワ)第10356号(乙事件) 事件名 不当利得金返還等請求事件(甲事件)、求償債権請求事件(乙事件) 問合せ先 井上元弁護士 業者名 (株)日栄 解説 判例和解速報No.530と同旨の判断によって、借主に不当利得返還を認めた。 (判決文は本誌27頁に全文掲載)
要旨 日栄の継続的取引について借主の保証料等もみなし利息であるとして貸金業法43条の適用を否定し、不当利得金の返還を認めた事例 裁判所 大阪地方裁判所 山下郁夫・青木亮・小泉満理子 判決日 2002年(平成14年)3月14日 事件番号 平成12年(ワ)第8265号 事件名 不当利得返還請求事件(本訴)、同年(ワ)第11063号貸金請求事件(反訴) 問合せ先 原野早知子弁護士 業者名 (株)日栄 解説 判決は次のとおり判断する。 (1)日本信用保証の保証料及び事務手数料は、日栄とは別の法人ではあるが、長年にわたって、被告の決定した貸付先については自動的に保証をし、保証料率も独自に決めることができ […]
要旨 債務者の日栄に対する利息制限法所定の金利を超える過払いがあるとして、不当利得返還請求を求めた件について、日本信用保証に対する保証料をみなし利息であるとし、多数回の取引は全部一体のものとして考え、超過利息は順次元本に組入れして計算し、不当利得返還請求を認めた事例 裁判所 山形地方裁判所酒田支部 馬場純夫 判決日 2002年(平成14年)2月7日 事件番号 平成12年(ワ)第17号 事件名 不当利得金返還請求事件 問合せ先 海野寛康弁護士 0234(26)0858 業者名 (株)日栄 解説 本判決は、日栄と原告間の取引が、手形取引約定書や原告の返済能力から長期間の融資関係を継続していくことを […]
要旨 日本信用保証(日栄)の保証債務について、保証は当初の単発の保証の意思であったとして保証債務を認めなかった事例 裁判所 横浜地方裁判所 山本博 判決日 2002年(平成14年)1月28日 事件番号 平成13年(ワ)第665号 事件名 求償金請求事件 問合せ先 十枝内康仁弁護士 03(3517)5225 業者名 日本信用保証(株) 解説 本件保証委託契約書の保証委託の内容が、期間を平成11年4月9日から平成16年4月8日まで、元本極度額を1500万円とする根保証であり、保証人は、本件保証委託契約から生じる借主の債務一切を連帯保証するというものであることの認識を有しないまま、単なる400万円の […]
要旨 日栄の継続的取引について貸金業法43条の適用を否定し、不当利得金の返還を認めた事例 裁判所 京都地方裁判所 井戸謙一 判決日 2002年(平成14年)1月25日 事件番号 平成12年(ワ)第1902号 事件名 不当利得金返還請求事件 問合せ先 野村泰彦弁護士 業者名 (株)日栄 解説 手形の切り直しの貸付について、それぞれが別個の貸付と判断する。過払金は、他の貸付金に充当されることなく、個別に不当利得返還請求権が発生するにすぎないとする。弁済金の充当に関する民法488条ないし491条の規定は、弁済者が複数の債権に対して弁済する意思を有している場合には適用があるが、その意思が認められない本 […]
要旨 商工ローンイッコーの継続的取引について貸金業法43条の適用を否定し、不当利得金の返還を認めた事例 裁判所 大阪高等裁判所 武田多喜子・松本久・小林秀和 判決日 2002年(平成14年)2月27日 事件番号 平成13(ネ)第2076号 事件名 不当利得金返還請求控訴、同年(ネ)第2251号同附帯控訴事件 問合せ先 辰巳裕規弁護士 業者名 (株)イッコー 解説 本判決は、貸金業法43条の適用について利息天引貸付は同法が否定されること、また、利息後払いの場合も書面交付が直ちに借主に交付されたとは考えがたく、後払いの貸付期間中に後払い用紙の書面が借主に交付されたとは認められないので、同法は適用さ […]
要旨 主な判断は次の3点。①借換の際の17条書面には現実の交付額の記載も必要(原審の判断も支持)②借換があっても一連の取引として引き直し計算して過払額を算出③取引経過の開示拒否は不法行為で弁護士費用の損害賠償肯定 裁判所 東京高等裁判所 淺生重機・西島幸夫・原敏雄 判決日 2002年(平成14年)3月26日 事件番号 平成13(ネ)第4498号、平成13年(ネ)第6134号 事件名 過払金返還請求等請求控訴事件 問合せ先 付岡透弁護士 03(5774)4535 業者名 (株)エイワ 解説 本件は、エイワが任意交渉の段階において取引経過の一部(直近1年分程度)しか開示しなかったことから、過払金返 […]
要旨 (株)日栄の手形担保貸付につき、系列ごとに1つの貸付であり、日本信用保証に支払った保証料もみなし利息であるとして、利息制限法適用による過払金の元金充当を認め、過払金733万9152円の不当利得返還請求権を認めた事例 裁判所 京都地方裁判所福知山支部 松井英隆 判決日 2002年(平成14年)3月15日 事件番号 平成12年(ワ)第9号 事件名 不当利得返還請求事件 問合せ先 宮本平一弁護士 0773(23)2911 業者名 (株)日栄 解説 本件は、商工ローンの(株)日栄との間の手形担保貸付について、利息制限法による元金充当計算後の過払金の不当利得返還請求を求めた(株)日栄事件の1つであ […]