信用保証会社の保証料が貸金業者(日掛金融)の利息とみなされた事例。著しい過剰融資で残元金全額の請求が権利の濫用に該当するとして、残元金の8割を限度としての請求のみを認めた事例大分簡易裁判所 宮本参生2003年(平成15年)2月17日平成14年(ハ)第337号保証債務金請求事件河野聡弁護士 097(533)6543(株)ニップス 株式会社ニップスは、出資法の特例金利である54.75%で貸付をしているが、顧客が借り入れをする際には、実質的経営者の娘の経営する信用保証会社(個人経営)に保証委託をさせ、貸付金の1割、切替時には契約額の8%の保証料を代行取得していた。保証会社は独自の審査はせず、破産及び […]
信用保証会社の保証料が貸金業者の利息とみなされた事例。任意整理の受任通知到達の4日後に取引履歴を開示しないまま貸金訴訟を提起したのに対し、取引履歴不開示による慰謝料5万円の請求権による相殺を認めた事例 大分簡易裁判所 宮本参生 2003年(平成15年)2月17日 平成14年(ハ)第1215号 貸金請求事件 河野聡弁護士 097(533)6543 信用信販(株) 信用信販有限会社は、出資法の上限金利である29.2%で貸付をしているが、顧客が借り入れをする際には、代表者の娘の経営する信用保証会社(個人経営)に保証委託をさせ、貸付金の1割の保証料を代行取得していた。保証会社は独自の審査はせず、破産及 […]
日栄元社員が日栄側の申請で行った証言が偽証であったと自ら告白して改めて行った訂正の証言に信用性があると認め、日本信用保証の保証料を日栄の利息とみなし、手形の切り返しは継続した取引として利息計算すべきであるとした判決 大分地方裁判所 須田啓之・細野高広・宮本博文 2003年(平成15年)2月25日 平成12年(ワ)第640号 不当利得返還等請求事件 河野聡弁護士 097(533)6543 (株)ロプロ(日栄) 本件は、大分地方裁判所に提起された対日栄不当利得返還等請求集団訴訟の第2次訴訟で、和解が成立しなかった自営業者4社とその保証人の不当利得返還請求、債務不存在確認請求、日本信用保証からの支払 […]
商品先物取引の勧誘、受託につき、説明義務違反をはじめとする多数の違法行為、問題行為により、全体としての違法性を認めた裁判例(確定)大阪地方裁判所 田中俊次・朝倉佳秀・井上紀代子2002年(平成14年)11月28日平成13年(ワ)第7663号損害賠償請求事件田端聡弁護士 06(6314)0039(株)コーワフューチャーズ 原告は、大卒後、実父が経営する会社に勤務する男性であったが、電話勧誘を契機に先物取引を開始することとなり、その後約7カ月間で身内からの借入約1000万円を含む約1340万円を投下せしめられ、6種類の商品を股にかけた取引によって、約1180万円の損失を被った。また、取引の最終段階 […]
投資信託の勧誘につき、顧客の財産状態が豊かで相当の取引経験があることや、元本割れのリスクの認識があったこと、多数回の説明書交付があったこと等を前提としつつも、適合性原則違反、説明義務違反を認めた裁判例(確定) 大阪地方裁判所堺支部 中路義彦・宮本初美・三井大有 2002年(平成14年)12月6日 平成13年(ワ)第956号 損害賠償請求事件 田端聡弁護士 06(6314)0039 岡三証券(株) 原告は医師とその妻及び医療法人であり、3つの口座で株価指数先物にて運用する投資信託の売買が繰り返され、約4600万円の実損が生じていた。 判決は、原告らの財産状態はかなり豊かであり、取引を任せられてい […]
0年以上前の取引経過を記録した文書・電磁記録を破棄したと主張する貸金業者に対して、その主張を排斥して、10年をこえる貸付当初からの取引経過の開示を命じた事例 名古屋高等裁判所 青山邦夫・藤田敏・田邊 浩典 2003年(平成15年)6月6日 平成15年(ラ)171号 文書提出命令に対する即時抗告事件 瀧康暢弁護士 0586(26)6266 丸和商事(株)(ニコニコ) No.637の抗告事件。 No.637の決定に対して丸和は即時抗告したが、2003年6月9日棄却決定(名古屋高裁民事3部2003年(ラ)171号)がなされて、確定した。 (判決文は本誌85ページに全文掲載) 判決PDF
10年以上前の取引経過を記録した文書・電磁記録を破棄したと主張する貸金業者に対して、その主張を排斥して、10年をこえる貸付当初からの取引経過の開示を命じた事例 名古屋地方裁判所一宮支部 山崎秀尚 2003年(平成15年)4月11日 平成14年(モ)第274号 文書提出命令申立事件 瀧康暢弁護士 0586(26)6266 丸和商事(株)(ニコニコ) 業者側が過去10年間の取引経過を開示している場合、裁判所もそれ以上に遡って取引経過の開示を命じることに消極的であり、提出命令申立を取り下げるよう勧告されることが多かった。その法的理由は明らかでないが、業者側に半永久的な文書の保存義務を負わせることは酷 […]
ゼネコンの政治献金が取締役の善管注意義務に違反して一部違法としてその返還が命ぜられた例。注意義務の具体的内容は、「少なくとも会社に欠損が生じて以降の政治資金の寄付に関しては3事業年度の継続という法の禁止要件に該当しないときであっても、会社においてその可否、範囲、数額、時期などにつき厳格な審査を行い、欠損の解消にどの程度の影響があるか、株主への配当に優先して寄付を行う必要性があるかを慎重に判断する事が求められていると言わねばならない」と判断した事例 福井地方裁判所 小原卓雄・酒井康夫・高松晃司 2003年(平成15年)2月12日 平成13年(ワ)第144号、同年(ワ)第262号 熊谷組株主代表訴 […]
東京のヤミ金業者に対する不当利得等返還請求事件で、原告が支払った元利金全額の返還請求を認めた判決 東京簡易裁判所 石崎寛 2002年(平成14年)11月6日 平成14年(少コ)第2053号 不当利得金返還等請求事件 山口愛子司法書士03(5819)4114 メイセイ この案件は、別のヤミ金被害者からの紹介であるが、当該紹介者の案件自体は詐欺的であると思われたため断わった。当該紹介者自身は弁護士に依頼したと聞いている。その姉の案件であるが、あまりに遠方なので、近くの司法書士か弁護士を紹介しましょうと申し出たのだが、近くの人には知られたくないというので、守秘義務があるから心配いらない旨説明したが、 […]
東京のヤミ金業者に対する不当利得等返還請求事件で、原告が支払った元利金全額の返還請求を認めた判決 東京簡易裁判所 廣瀬信義 2002年(平成14年)10月1日 平成14年(少コ)第1597号 不当利得金返還等請求事件 山口愛子司法書士 03(5819)4114 リビング No.633と同じ理由をもって、債務者の支払った元利金全額1万9000円につき返還を認めた。本件は欠席判決である。 判決PDF
東京のヤミ金業者に対する不当利得等返還請求事件で、原告が支払った元利金全額の返還請求を認めた判決 東京簡易裁判所 廣瀬信義 2002年(平成14年)10月1日 平成14年(少コ)第1596号 不当利得金返還等請求事件 山口愛子司法書士 03(5819)4114 エイトスター 川の手市民の会の紹介により、依頼を受けた案件で、まず始めはFAXにて、過払い請求をし、過払いに応じればその業者はそこまでとし、過払いに応じない業者については、債務者が支払った全額につき、民法708条の不法原因給付もしくは民法703条の不当利得に基づく返還請求をするようにしている。2本立てにしているのは、不法原因給付はなかな […]
購入したペットが死亡したことについてペットショップに損害賠償を命じた事例 東大阪簡易裁判所 2003年(平成15年)4月22日 平成15年(ハ)第234号 損害賠償請求事件 植田勝博弁護士 06(6362)8177 請求の趣旨 1 被告は原告に対し、金213,680円を支払え。 2 被告は原告に対し、上記金額に対し平成15年2月3日から支払い済に至るまで6%の割合の金額を支払え。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 との判決及び仮執行宣言を求める。 請求の原因 平成15年2月2日、原告は被告店舗にてヨークシャテリア(生後80日雌)を金189,000円で購入した。なお、同購入の際、ワクチン代金60 […]
取引履歴の虚偽開示などを理由に、依頼人甲だけでなく代理人弁護士乙も精神的苦痛を受けたとして、慰謝料請求をした。これに対し、商工ローン丙が、甲に対し保証債務履行を請求した。商工ローン丙と主債務者との取引を利息制限法で引き直しても残元本が残るという事案であった。しかし、丙が、甲と乙に対し、解決金として金10万円(甲と乙の連帯債権)の支払義務のあることを認める和解が成立した 宮崎地方裁判所 中村 心 2002年(平成14年)12月26日 平成14年(ワ)第34号、同162号 損害賠償請求事件、保証債務履行請求反訴事件 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 新洋信販(株) 弁護士が2社を相手に負債 […]
ヤミ金業者に貸付契約が公序良俗違反で無効・請求権不存在を認めさせ、損害10万円を払わせた事例 東京簡易裁判所 原健三郎 2002年(平成14年)12月19日 平成14年(サ)第027094号 貸金少額訴訟 菊地一二弁護士 0266(23)2270 一富士こと太田生麿 1 ヤミ金業者の貸付けと多重債務者の支払拒否 東京の一富士というヤミ金業者、平成14年9月9日夕方、長野県駒ヶ根市に住む多重債務者(以下債務者と言う)の携帯電話に融資勧誘の電話をした。債務者は弁済資金らに困窮しており、借り入れを承諾した。 ヤミ金業者は、金2万円を元本として天引き利息金3000円、弁済日は10日後金40,000円と […]
公正証書に基づく給料等差押に対し、貸金の交付を受けていないこと、仮に一部につき、貸金の交付を受けているとしても、出資法所定の上限金利を大きく超える利息の支払を定めた本件金銭消費賃貸契約は公序良俗に反し、無効であることなどを異議事由とした請求異議の訴えにおいて、強制執行の一時停止及び異議が認められた例 千葉地方裁判所一宮支部 内田義厚 2003年(平成15年)6月6日(控訴) 平成14年(ワ)第148号 請求異議事件 金子悦司郎弁護士 スマイル 原告は、平山某という高利貸しから金銭を借り受け、その返済に窮していたところ、前記平山から、借入先として、被告を紹介され、現実には1円も受領していないにも […]
販売店が行ったアポイントメントセールスによる宝石等の長時間にわたる執拗な勧誘による過量販売について、信販会社より立替金の請求があり、公序良俗違反等を理由に支払停止の抗弁を主張して争った結果、訴訟外の和解をして、信販会社が販売店の間で立替払契約をキャンセルした上、立替金請求訴訟の取り下げをし、消費者に既払金を返還した事例 大阪地方裁判所 2002年(平成14年)3月14日、15日(訴訟外の和解) 平成13年(レ)第184号 立替金請求控訴事件 西村陽子弁護士 0722(21)1807 (株)クオーク・(株)太陽通商 本件事案は、電話で呼び出された若者が、高価な宝石を購入するよう午前12時頃まで数 […]
統一協会の勧誘・教化行為は、信教の自由や婚姻の自由を侵害する違法な行為である 新潟地方裁判所 片野悟好・飯塚圭一・和田健 2002年(平成14年)10月28日 平成元年(ワ)第374号外 損害賠償請求事件 中村周而弁護士 世界基督教統一神霊協会 元信者が統一協会を訴えたいわゆる「青春を返せ訴訟」の新潟地裁判決であり、統一協会の入教勧誘・教化の違法性を認めた。 判決は、「原告らに対する被告による勧誘・教化行為は、極めて不当な目的に基づく著しく社会的相当性を逸脱した方法であり、結果として原告らの自由意思を阻害したものといわざるを得ず、原告らの信教の自由や婚姻の自由を侵害する違法な行為」であると判示 […]
請負建物に重大な欠陥があって技術的、経済的に建てかえるほかない場合に、注文者は請負人に対し取り壊し建てかえ費用相当額の損害賠償を請求できる 最高裁判所 濱田邦夫・金谷利廣・奥田昌道・上田豊三 平成14年(受)第605号 2002年(平成14年)9月24日 損害賠償請求事件 澤田和也弁護士 最高裁は、重大な欠陥住宅について「請負人が建築した建物に重大な瑕疵があって、建てかえるほかない場合に、当該建物を収去することは社会経済的な大きな損失をもたらすものではなく、また、そのような建物を建てかえてこれに要する費用を請負人に負担させることは、契約の履行責任に応じた損害賠償責任を負担させるものであって、請 […]
取引経過非開示の業者に過払金と取引経過非開示が不法行為に該当するとして慰藉料と弁護士費用を求め提訴(原告数16名)したところ、取引経過非開示は、社会的要請に違背し、違法性が高いとして慰藉料(原告1名につき20万円)と弁護士費用(同5万円)を認容した 山形地方裁判所 石橋俊一 2003年(平成15年)3月15日 平成13年(ワ)第82号 損害賠償等請求事件 外塚功弁護士 023(634)1515 (株)東急 本件は、被告の他に系列会社2社も含め延べ原告49名で、過払金と取引経過非開示による慰藉料と弁護士費用合計3100万円を求め、平成13年3月集団提訴した事件にうち被告東急についての判決である。 […]
車に不具合があり、事故の損害が発生し、製造物の欠陥を前提事実として認めた 札幌高等裁判所 石井浩 2003年(平成15年)3月17日 平成14年(ネ)第518号 損害賠償請求控訴事件 村松弘康弁護士 011(281)0757 三菱自動車工業、北海道三菱自動車販売 本件は、原告ら夫妻が、三菱自動車工業と北海道三菱自動車販売に対し、デリカスペースギアのエンジンの欠陥を理由に、製造物責任法に基づき損害賠償請求した事案で、本件車両に乗車していた原告らは、本件欠陥により事故を起こした。本件車両のアクセルレバーが全開状態となる等の異常が発生し、折から対向してきた大型車両と衝突するに至ったとの事故態様であっ […]