ヤミ金業者に貸付契約が公序良俗違反で無効・請求権不存在を認めさせ、損害10万円を払わせた事例 東京簡易裁判所 原健三郎 2002年(平成14年)12月19日 平成14年(サ)第027094号 貸金少額訴訟 菊地一二弁護士 0266(23)2270 一富士こと太田生麿 1 ヤミ金業者の貸付けと多重債務者の支払拒否 東京の一富士というヤミ金業者、平成14年9月9日夕方、長野県駒ヶ根市に住む多重債務者(以下債務者と言う)の携帯電話に融資勧誘の電話をした。債務者は弁済資金らに困窮しており、借り入れを承諾した。 ヤミ金業者は、金2万円を元本として天引き利息金3000円、弁済日は10日後金40,000円と […]
公正証書に基づく給料等差押に対し、貸金の交付を受けていないこと、仮に一部につき、貸金の交付を受けているとしても、出資法所定の上限金利を大きく超える利息の支払を定めた本件金銭消費賃貸契約は公序良俗に反し、無効であることなどを異議事由とした請求異議の訴えにおいて、強制執行の一時停止及び異議が認められた例 千葉地方裁判所一宮支部 内田義厚 2003年(平成15年)6月6日(控訴) 平成14年(ワ)第148号 請求異議事件 金子悦司郎弁護士 スマイル 原告は、平山某という高利貸しから金銭を借り受け、その返済に窮していたところ、前記平山から、借入先として、被告を紹介され、現実には1円も受領していないにも […]
販売店が行ったアポイントメントセールスによる宝石等の長時間にわたる執拗な勧誘による過量販売について、信販会社より立替金の請求があり、公序良俗違反等を理由に支払停止の抗弁を主張して争った結果、訴訟外の和解をして、信販会社が販売店の間で立替払契約をキャンセルした上、立替金請求訴訟の取り下げをし、消費者に既払金を返還した事例 大阪地方裁判所 2002年(平成14年)3月14日、15日(訴訟外の和解) 平成13年(レ)第184号 立替金請求控訴事件 西村陽子弁護士 0722(21)1807 (株)クオーク・(株)太陽通商 本件事案は、電話で呼び出された若者が、高価な宝石を購入するよう午前12時頃まで数 […]
統一協会の勧誘・教化行為は、信教の自由や婚姻の自由を侵害する違法な行為である 新潟地方裁判所 片野悟好・飯塚圭一・和田健 2002年(平成14年)10月28日 平成元年(ワ)第374号外 損害賠償請求事件 中村周而弁護士 世界基督教統一神霊協会 元信者が統一協会を訴えたいわゆる「青春を返せ訴訟」の新潟地裁判決であり、統一協会の入教勧誘・教化の違法性を認めた。 判決は、「原告らに対する被告による勧誘・教化行為は、極めて不当な目的に基づく著しく社会的相当性を逸脱した方法であり、結果として原告らの自由意思を阻害したものといわざるを得ず、原告らの信教の自由や婚姻の自由を侵害する違法な行為」であると判示 […]
請負建物に重大な欠陥があって技術的、経済的に建てかえるほかない場合に、注文者は請負人に対し取り壊し建てかえ費用相当額の損害賠償を請求できる 最高裁判所 濱田邦夫・金谷利廣・奥田昌道・上田豊三 平成14年(受)第605号 2002年(平成14年)9月24日 損害賠償請求事件 澤田和也弁護士 最高裁は、重大な欠陥住宅について「請負人が建築した建物に重大な瑕疵があって、建てかえるほかない場合に、当該建物を収去することは社会経済的な大きな損失をもたらすものではなく、また、そのような建物を建てかえてこれに要する費用を請負人に負担させることは、契約の履行責任に応じた損害賠償責任を負担させるものであって、請 […]
取引経過非開示の業者に過払金と取引経過非開示が不法行為に該当するとして慰藉料と弁護士費用を求め提訴(原告数16名)したところ、取引経過非開示は、社会的要請に違背し、違法性が高いとして慰藉料(原告1名につき20万円)と弁護士費用(同5万円)を認容した 山形地方裁判所 石橋俊一 2003年(平成15年)3月15日 平成13年(ワ)第82号 損害賠償等請求事件 外塚功弁護士 023(634)1515 (株)東急 本件は、被告の他に系列会社2社も含め延べ原告49名で、過払金と取引経過非開示による慰藉料と弁護士費用合計3100万円を求め、平成13年3月集団提訴した事件にうち被告東急についての判決である。 […]
車に不具合があり、事故の損害が発生し、製造物の欠陥を前提事実として認めた 札幌高等裁判所 石井浩 2003年(平成15年)3月17日 平成14年(ネ)第518号 損害賠償請求控訴事件 村松弘康弁護士 011(281)0757 三菱自動車工業、北海道三菱自動車販売 本件は、原告ら夫妻が、三菱自動車工業と北海道三菱自動車販売に対し、デリカスペースギアのエンジンの欠陥を理由に、製造物責任法に基づき損害賠償請求した事案で、本件車両に乗車していた原告らは、本件欠陥により事故を起こした。本件車両のアクセルレバーが全開状態となる等の異常が発生し、折から対向してきた大型車両と衝突するに至ったとの事故態様であっ […]
エイアイジー・スター生命(旧千代田生命)の変額保険勧誘に際しての説明義務違反を認定して、原告(2名)の請求の一部を認容した判決。認容額は約3500万(元本約2700万)と約2300万(元本額約2300万)であった 横浜地方裁判所 西村則夫・長尾美夏子・坂本康博 2002年(平成14年)12月11日 平成7年(ワ)第1281号の1 損害賠償等請求事件 宮田隆男弁護士 045(651)4414 エイアイジー・スター生命(旧千代田生命) (訴訟保険 勝訴) 変額保険訴訟で、横浜地方裁判所は、平成14年12月11日、エイアイジー・スター生命保険株式会社(旧千代田生命)に対して集団訴訟(第3次)をしてい […]
その都度公正証書を作成しての数度に亘る貸し付けのある取引において、10年以上前に発生した過払い金についてその後の貸し付けを弁済と同様にみなし、貸金業者の消滅時効の抗弁を排斥した 神戸地方裁判所 太田敬司 2002年(平成14年)5月15日(確定) 平成12年(ワ)第1543号、平成13年(ワ)第804号、同年(ワ)第2219号 請求異議等請求、不当利得返還請求、根抵当権設定登記等抹消登記等手続請求事件 後藤玲子弁護士 078(341)0422 熊谷企画こと熊谷實 本件原告は、十数年前から数十万単位で被告から度々借り入れをなし、途中自宅を担保に500万円をさらに借り増しするなどしており、被告はそ […]
匿名組合方式による詐欺商法のシステムを考案した被告人が詐欺罪の共同正犯とされた事例 大阪地方裁判所 上垣猛 住山真一郎 有田浩規 2002年(平成14年)12月16日 平成13年(わ)第7245号 詐欺被告事件 小林あや弁護士 大和都市管財 本件は、大和都市管財の詐欺商法にブレーン的存在として関与した菊田昌人被告人が、GFPシュアーファンドの販売について詐欺罪に問われ、懲役3年、執行猶予5年の判決を受けたものである。 判決は、大和都市管財の行った抵当証券販売は、基礎となる融資が仮装のもので、当初から詐欺的商品であったと認定した。また、大和都市管財グループがゴルフ会員権、約束手形、抵当権付債権一 […]
都(1)業者2社に対し、不法原因給付を原因とする不当利得返還請求権(全額説)、不法行為に基づく慰謝料、弁護士費用を認めた仮差押決定 加古川簡易裁判所 岡林 正 2003年(平成15年)2月5日 平成15年(ト)1号、平成15年(ト)2号 債権仮差押命令申立事件 谷林一憲弁護士 公表せず 本件の依頼者は、平成14年10月以降ヤミ金から借り入れを始め、当職が同年12月の法律相談で相談を受けたときには合計24社から借り入れをしていた。受任して数日間で22社とは過払い金の返還交渉を済ませた。本件の業者は、過払い金の返還を約束し和解書まで送付させながらも全く和解金を送金してこなかった業者(①)と、全く過 […]
CFJ(旧ユニマットライフ)に対する利息制限法超過支払分の過払金返還請求を認め、過払金の発生する弁済のあった日から悪意を認定したうえで、民法所定の年5分の割合による遅延損害金を認容した事例 加古川簡易裁判所 大塚利定 2003年(平成15年)1月14日 平成14年(ハ)第374号 不当利得返還請求事件 淡路友起子弁護士 (株)ユニマットライフ 利息制限法引直計算に基づく過払金につき、悪意の不当利得であるとして、弁済日から、民法所定の年5分ではなく商法所定の年6分の遅延損害利率で返還請求をしたところ、悪意は認められたものの、遅延損害金利率は民法所定の年5分とされた。 この点、法人の悪意(主観面) […]
利息天引による貸付に対する弁済は、規制法43条1項の適用の対象とならないので、本条項のその余の要件を具備しているか否 かについて判断するまでもなく、被告の主張には理由がないと判断された事例 神戸地方裁判所姫路支部 池上 尚子 2003年(平成15年)3月11日 平成14年(ワ)第330号 不当利得返還請求事件 林明仁司法書士 0794(24)5665 バックアップ21こと濱田洋一 【判決の概要】 被告代理人は最初から、「規制法43条は利息の天引を認めているものであり、利息を天引しているからといって43条の適用がないというのは独自の見解に過ぎない」との自論を展開し、さらには、貸付の際に17条書面 […]
日栄(ロプロ)の貸付につき、系列ごとに1つの貸付であるとして、系列内において過払金の元本充当計算を行い、また日本信用保証の保証料等はみなし利息にあたるとした事例 福岡高等裁判所 宮良允通・石井宏治・藤本久俊 2002年(平成14年)11月28日 平成13年(ネ)第768号 不当利得金返還(甲事件)、貸金(乙事件)各請求控訴事件 一柳俊文弁護士 093(562)3131 (株)日栄(ロプロ) 本判決は、対日栄裁判において、福岡高裁における初めての債務者側勝訴の判決である。 原審判決(福岡地裁小倉支部)は、すべての取引を包括して過払金の充当計算を行い、日本信用保証の保証料等もみなし利息と認めた債務 […]
破産手続前に貸金請求訴訟をし、破産申立後も維持して債務名義を取得しようとする行為は、訴訟上の信義則に反し訴権の乱用に当たるとして請求却下された事例 神戸簡易裁判所 福富昌昭 2002年(平成14年)11月15日 平成14年(ハ)第292号 貸金請求事件 八隅美佐子弁護士 078(341)2393 三和ファイナンス(株) 本判決は、受任通知後、破産申立方向であると返答した途端に貸金請求訴訟を提起してきた貸金業者に対し、「原告が執行することを目的として提訴した本件訴訟を(破産申立後も)そのまま維持して、あくまで早急に債務名義を取得しようとする行為は、もはや正常な債権回収行為とはいえず、新たに提訴す […]
日掛金融アドバンスの貸付につき、保証会社「日本保証サービス(株)」の保証料をみなし利息とすれば過払い、みなし利息としなければ債務が残るという事情の下、ゼロ和解が成立した事例 浜松簡易裁判所 大村陽1 2003年(平成15年)2月4日 平成14年(ハ)第936号 不等利得返還請求事件 榛葉隆雄司法書士 (株)アドバンス 平成13年3月23日から取引が始まり、わずか1年3カ月後の過払金返還訴訟提起である。原告はこの間に、8回借換えをしており、その度に新たな借入額の5%に相当する保証料を被告の担当者に支払い、日本保証サービス名義の領収書を受領していた。そのため、かように短期間であるにもかかわらず、保 […]
基本契約に基づき借入・返済の取引が断続して行われている場合において利息制限法を適用し再計算をするとき、完済が数回ありその都度発生した各過払金は、再借入をした新たな債務に当然充当できることを認めた事例 松江簡易裁判所 西田政博 2003年(平成15年)1月10日 平成14年(ハ)第138号 不当利得返還請求事件 縄 彰司法書士 0859(31)3645 三洋信販(株) 借主Aは、平成3年5月27日三洋信販から貸付限度30万円の範囲内で断続的に金銭の借入れを繰返してきた。Aは、完済した後に新しく借入れを起こすことを繰返しても、それらの借入れは基本契約に基づく一連の貸付(継続的契約関係)であり、過払 […]
前訴で、偽造した書証を真正なものとして提出して勝訴判決を取り、控訴審で和解金5万円を支払わせた件の損害賠償請求訴訟で、共同不法行為の成立と、前訴での実損額の他に、慰謝料150万円、弁護士費用20万円の請求が認められた事例 東京地方裁判所 新谷晋司 2003年(平成15年)1月14日 平成14年(ワ)第17139号 損害賠償請求事件 山本政明弁護士 03(3496)1961 日本百貨通信販売(株)、杉山治夫 消費者法ニュース54号101頁「事件情報」の判決である。 日本百貨(代表取締役杉山治夫)が、貸金請求訴訟を提起、その訴訟では、借用書類を偽造し、書証として提出した。第1審の東京地方裁判所(1 […]
不当利得元本に対する各交付日から支払済みまでの民法704条の利息(年5%)だけでなく、請求の日の翌日から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金を認めた判決 宮崎簡易裁判所 木脇文32003年(平成15年)2月4日平成14年(ハ)第1971号 不当利得返還請求事件 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 大和三男 本件は、不当利得元本に対する各交付日から支払済みまでの民法704条の利息(年5%)だけでなく、請求の日の翌日から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金を認めたものである。請求の日の翌日からは、合計年10%の割合による金員を請求できることとなる。 事案は、年金暮らしの老人が支払義務 […]
個別的事案ではあるが、貸金業者に対する取引履歴の開示義務を認め、また、過払い金について、年5分の割合による運用利益及び、貸金業者は悪意の受益者として年5分による利息金を認めた事例 名古屋地方裁判所岡崎支部 角田ゆみ 2003年(平成15年)2月20日 平成14年(ワ)第207号 損害賠償等請求事件 山田克己弁護士 052(221)0092 アエル(株) 本件は、平成13年8月28日に債務整理を受任し、破産又は任意整理で介入通知を出した後、同年9月20日、任意整理で再度取引経過の開示を依頼したところ、同年11月13日に、平成10年8月3日からの取引経過が開示されたのみで、その後何回かFAXで開示 […]