本件は、原審の慰謝料額をそのまま維持し、他に弁護士費用を認めた事例 宮崎地方裁判所 中山顕裕・中村心・橋本耕太郎 2001年(平成14年)5月20日 平成13年(レ)第11号 損害賠償請求控訴事件 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 クレジットのアイリスこと(有)ハタノ興産 本件は、①日掛け業者が弁護士による受任通知を受信しながら、正当な理由がないのに弁護士に負債整理交渉を依頼した債務者に対して取立を行ったこと②日掛け業者が、弁護士による受任通知を受信しながら、正当な理由がないのに弁護士に負債整理交渉を依頼した債務者自身に対して書面を送付した行為、のいずれも違法であるとして、慰謝料金5万 […]
統一協会に勧誘で入会した者が、教団の活動に従事させられ、合同結婚式への参加を強要などされたとして、3名の被害者に240万円から370万円の慰謝料と弁護士費用を認めた事例 東京地方裁判所 小泉博嗣・前田志織 2002年(平成14年)8月21日 平成11年(ワ)第18400号 損害賠償請求事件 山口広弁護士 03(3341)3133 世界基督教統一神霊協会 原告らに対する信者の活動は、被告の活動として明示的(少なくとも黙示的)に許容され、被告の実質的指揮監督下に置かれていたものと認められ、かつ、同各行為は、被告の教義の伝道及びそれに基づく実践活動の場で行われたものであるから、被告の事業の執行につい […]
商品代金の立替払契約がいわゆる空クレジット契約である場合に、同契約上の債務の保証人の意思表示に要素の錯誤があるとして保証は無効とした事例 最高裁判所 藤井正雄・井嶋一友・町田顯・深澤武久・横尾和子 2002年(平成14年)7月11日 平成11年(受)第602号 保証債務請求事件 岡本敬一郎弁護士 03(3590)8385 (株)オリエントコーポレーション 〈序〉はじめに 最高裁第一小法廷は、平成14年7月11日、オリコのクレジットで印刷機械を購入する契約を締結した印刷会社の為に連帯保証人となった上告人の責任を否定し、オリコの請求を棄却する判決を出した。 第1 この中で最高裁は、立替払契約の法的 […]
民訴法17条・20条の趣旨からは、専属的管轄の合意があったとしても専属的合意管轄裁判所に移送すると訴訟の著しい遅滞を生じ、または当事者間の衡平を害するおそれがあるときは、受訴裁判所は移送することなく、自ら審理裁判することができるとした事例 名古屋地方裁判所 筏津順子・武藤真紀子・鈴木進介 2002年(平成14年)1月19日(特別抗告されず確定) 平成14年(ソ)第5号 移送決定に対する即時抗告事件 青木栄一弁護士 052(951)4889 (株)クレディア 事案の概要 クレディアは、過払い金返還請求訴訟が提起されたときは、専属的管轄の合意が契約書中に存するとして、本社所在地である静岡への移送申 […]
小口闇金(登録業者)が弁護士による受任通知を受信しながら、毎日何回も昼夜問わず電話で取立を行い続けた。これに対し業者の銀行預金に仮差押をした事例 宮崎簡易裁判所 寺尾冨士男 2000年(平成14年)7月30日 平成14年(ト)第31号 債権仮差押事件 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 アリーナこと関哲平 本件は、小口闇金(登録業者)が弁護士による受任通知を受信しながら、正当な理由がないのに弁護士に交渉を依頼した被害者に対して毎日何回も昼夜問わず(午後9時以降の取立てあり)電話で取立を行い続けていたため、その取立を止めさせるために、銀行預金に仮差押をし、その旨の決定をえたという事案である […]
暴力団構成員と金融業者が、金員の借り受けに関する一切の打ち合わせをしたうえ、暴力団構成員らから、「2、3回弁済すれば、後は弁済しなくてもいい。話がついている」旨の説明を受け、全く面識のない者同士が、主債務者及び連帯保証人とされたことを理由に、「連帯保証人には、連帯保証債務を負担する意思がなかったことを金融業者は知ることができた」として、民法93条但書(心裡留保)により保証を無効とした事例 大阪高等裁判所 下方元子・森本翅充・村川浩史 2002年(平成14年)7月9日 平成13年(ネ)第1147号 貸金請求控訴事件 服部廣志弁護士 06(6361)7711 (株)S社 事例の特徴 1、本件は、暴 […]
丸竹のままの竹材に防虫剤を散布しただけであっても、竹材に「加工」を行っているものといえるから製造物責任法にいう「製造物」に当たる 長崎地方裁判所 伊東譲二 2002年(平成14年)5月29日 平成11年(ワ)第92号 損害賠償請求事件 山下俊夫弁護士 095(825)1314 公開を差し控えます 〈事案の概要〉 原告(一般消費者)は、平成9年2月に、自宅の新築工事に着工した。ハウスメーカーに一括発注するという方式を採らず、建築材料は自ら購入し、大工工事、左官工事、内装工事、電気工事等をそれぞれ個別に専門業者に発注する方式(いわゆる手間請け)により建築した。建物の壁は、土壁とした。ちなみに、土壁 […]
弁護士から破産申立て準備の受任通知を受けたにもかかわらず、貸金業者が一方的に貸金の返還を請求し、仮差押え等の法的手段を執ることは、社会的相当性を欠き、信義則に反する不法行為にあたるとして、貸金債権と慰謝料との相殺を認めた判決 大阪簡易裁判所 松本澄清 2002年(平成14年)6月21日 平成13年(ハ)第14336号 貸金請求事件 亀井尚也弁護士 078(361)9494 タイヘイこと伊丹浩 債務者の代理人弁護士から自己破産の受任通知を送付したところ、サラ金業者である原告が数日後に債務者の給与債権の仮差押えを行い、次いで本訴(25万円余の貸金請求)を提起した。 そこで、被告は、債務者の勤務先へ […]
販売店の販売方法が不相当であることを理由に公序良俗に反して無効とした事例 青森地方裁判所十和田支部 千葉俊之 2001年(平成13年)12月27日 平成12年(ワ)第31号 立替金請求事件 十枝内康仁弁護士 (株)オリエントコーポレーション 1 事案の概要 本件は、被告がグランプリアート株式会社からシルクスクリーン1点を829、000円で購入し、その代金の支払のために、原告であるオリエントコーポレーション株式会社との間で立替払契約を締結したという事案である。シルクスクリーンの作品名はミレイニアム、作者はヒロ・ヤマガタ(山形博導)という著名な作家であるが、シルクスクリーンなので、流通価格は145 […]
証券会社の適合性原則違反、過当取引を理由に損害賠償を認めた事例 大阪地方裁判所 揖斐潔 2001年(平成13年)12月20日 平成11年(ワ)第1526号 預託金返還請求事件 荒井俊且弁護士 06(6365)6072 コスモ証券(株) 本件は、大学3年生、無職、寡婦の女性(パーキンソン病等の持病あり)が、コスモ証券の担当者により、勝手に現物株等を取引された事案である。ところで、原告は高齢で難しい事柄の会話が容易でない状況で、本人の記憶では、7000万円を平成3年頃預けたが、ほとんど返金がない、取引の詳細・返金額は分からない、との特殊な事案であった。そこで、まず裁判外で、次いで調停申立をして、顧 […]
非弁提携弁護士に対し、債務整理の依頼者から受け取った弁護士費用の返還請求を認容した判決 東京地方裁判所 北澤晶 2002年(平成14年)7月17日 平成12年(ワ)16062号、平成12年(ワ)23208号 損害賠償請求事件、反訴請求事件 秋山努弁護士 042(524)6640 今井滋雄弁護士 平成14年7月17日、東京地方裁判所は、非弁提携弁護士が債務整理の依頼者から受け取った弁護士費用から債権者への返済金に宛てた額を控除した全額(104万余り)の返還請求を認容した。 同弁護士への懲戒処分はまだ出ていないが、判決は「…認定の事実に弁論の全趣旨を合わせると、被告は、いわゆる非弁提携弁護士である […]
沼田市から建物所有目的借地を買収代替地として買い受けたが、土地に瑕疵があるとして損害賠償を命じた事例 前橋地方裁判所沼田支部 丹羽敏彦 2002年(平成14年)3月14日 平成12年(ワ)第39号 損害賠償請求事件 樋口和彦弁護士 沼田市 原告の建物所有目的借地が市道新設用地として買収されたため、原告は代替地として被告から本件土地を2445万円で買い受けた。その際、被告は本件土地が地耐力8tであるとの説明をした。原告はここに木造建物を新築したが、その後、床の揺れ、建具の不具合等が発生し、その原因として地盤沈下が発見され、その後も沈下が続き平成11年10月時点で最大で21cmの不同沈下が確認され […]
趣旨の不明確な期限の利益喪失条項について、貸主からの請求があって初めて期限の利益が喪失する旨定めたものと判断したうえで、サラ金の貸金請求を棄却し、債務者の過払金(約3万円)返還請求を認容した事例。任意整理交渉において過払金返還請求を受けたサラ金が提起した貸金請求訴訟が不当訴訟であるとして、慰謝料30万円及び弁護士費用5万円の賠償を命じた事例 大阪簡易裁判所 松本澄清 2002年(平成14年)7月24日 平成14年(ハ)第3539号、平成14年(ハ)第6330号 貸金請求事件、過払金返還等請求事件 小久保哲郎弁護士 (株)ベストライフ Xから任意整理交渉を受任した代理人弁護士は、株式会社ベストラ […]
日栄の貸付は貸付の同一性や元本の継続性を否定し、元本は減らさずに高利を長期に渡り受領できるように考案されたシステムであり、利息制限法の潜脱が許されず、実態に則して一連の取引として充当計算を行い、日本信用保証の保証料等は公序良俗違反として無効ないしみなし利息であるとして日栄の請求を棄却した事例 福岡地方裁判所小倉支部 中嶋功 2001年(平成13年)10月10日 平成13年(ワ)第498号(甲事件)、平成13年(ワ)第777号(乙事件) 貸金請求事件(甲事件)、保証債務金請求事件(乙事件) 牧野聡弁護士 (株)日栄 本判決は、貸付についてこれを個別の貸付であるとする日栄の主張に対して、同社が採用 […]
商工ファンドの貸付につき、法律の定める書面の不交付、支払いの「任意性」を欠くなどを理由として、貸金業規制法43条のみなし弁済を否定した事例 新潟地方裁判所高田支部 加藤就一 2001年(平成13年)9月27日 平成12年(ワ)第97号 不当利得返還請求事件 牧野聡弁護士 (株)商工ファンド 本判決は、商工ファンドの貸金業規制法43条1項の適用があるとの主張に対して、 ① 本件貸付においては当初の弁済期に元金が完済されたものは1つも無いし、基本約定書でも「最長5年を期間とする根保証の制限内の月々反復継続が出来るものとします」となっていることから、本件貸付は当初の弁済期に精算することは予定されてお […]
日本信用保証(株)(日栄の保証会社)の保証債務履行請求が信義則を理由に全額排斥された事例 仙台地方裁判所(原告控訴中)鈴木陽一 2001年(平成13年)12月20日 平成12年(ワ)第1621号、同13年(ワ)第32号 求償金請求事件 十河弘弁護士 022(212)1603 日本信用保証(株) 本件は日栄の保証会社である日本信用保証(原告)が日栄の保証人2名(被告ら)に対して根保証契約の成立を主張して求償金1000万円を請求してきた。被告らはいずれも根保証契約を否認し、500万円の単純保証である旨主張し、手形が決済されていることを理由に完済を主張した。また、仮に根保証契約の成立が認められる場合 […]
保証人に対する請求がヤミ金などを理由に権利濫用として請求を棄却した事例 松山地方裁判所 中山雅之 2001年(平成13年)12月20日 平成10年(ワ)981号、平成11年(ワ)102号 保証債務金請求事件、貸金等請求事件 高田義之弁護士 089(947)1788 公開を差し控えます 保証人と主債務者はNo.558事件と同じで貸主は別人である。Oは平成8年8月から11月にかけて、KがG有限会社に対して事業資金として複数回、貸し付けるに当たってその都度、保証し、合計1億300万円となった。うち、8300万円についてその後、準消費貸借証書を作成した。Kは貸金業の登録はしていないが、貸付資金を登録貸 […]
保証人に対する請求がヤミ金などを理由に権利濫用として請求を棄却した事例 松山地方裁判所 上原裕之 2002年(平成13年)10月29日 平成11年(ワ)第248号 保証債務金反訴請求事件 高田義之弁護士 089(947)1788 公開を差し控えます 昭和10年生まれの男性Oは平成9年3月から9月ころにかけて、知人に頼まれるまま、TがG有限会社に対して事業資金として複数回、貸し付けるに当たってその都度、保証し、同社が倒産後、Oを債務者とする1口の準消費貸借(債務額4700万円)を作成した。Oが内金、3000万円を弁済した後、Tは残債務額1700万円を請求して提訴した。貸主Tは不動産会社を経営する […]
ヤミ金の金利を公序良俗に反して無効だとした事例 札幌簡易裁判所 岡田洋佑 2002年(平成14年)9月10日 平成14年(ハ)第2509号 不当利得金返還請求事件 山崎俊彦弁護士 011(271)5951 キャッシングのアトラス こと肥田安世 いわゆるヤミ金融についての判決であるが、「同判決は、本件金銭の授受が、定型的な利率計算によるものでないにせよ、金銭貸借といえるし、そこで支払った差額金が利息といえるが、それが年608から1460%にもなるものであるから、各利息契約は公序良俗に反し無効である」と判示した。 本件は、総受領額と総支払額との差額金についての返還を求めた事例である。 さらに、同旨 […]
支払いが遅れたときの期限の利益喪失の約定は、従来どおりの取引があることを理由として、遅延利息を認めず、過払金はその発生から金利を認めた事例 大阪地方裁判所岸和田支部 明石万起子 2001年(平成13年)6月28日 平成13年(ワ)第122号 不当利得金返還請求事件 井上元弁護士 06(6366)0636 星和開発(株)(アイ信販) ①約定の支払日に遅れたことを理由に遅延損害金が発生したとの業者の主張に対し、判決は、業者はその後も借主に対し期限の利益の喪失を告知したことも、それを理由に一括返済したこともなく、それ以前と全く変わらず分割の弁済金の受領を続けていた上、返済を受けた際、利息金及び元金と […]