①フランチャイズ契約締結にあたっては、フランチャイザー(本部)は、フランチャイジー(加盟店)に対し将来収入が大きく減少する危険性について説明する義務があり、その説明がなされなかった結果経営が破綻した場合には、フランチャイザーは損害賠償義務を負う。 ②一方、前記のような場合にフランチャイジーに違約金を課すことは著しく正義に反し、公序良俗に反すると言うべきであって違約金の請求は認められない。 千葉地方裁判所 川島貴志郎・平井健一郎、菅原崇 平成7年(ワ)第425号、平成8年(ワ)第1875号 2001年(平成13年)7月5日 損害賠償請求事件、清算金請求事件 大槻 厚弁護士 043(224)962 […]
サークルケイのコンビニフランチャイズ契約について「利益が出る」との勧誘によってされたもので、不法行為を認めた事例 名古屋地方裁判所 氣賀澤耕一・藤田敏 平成10年(ワ)第2968号、平成10年(ワ)第5005号 2001年(平成13年)5月18日 損害賠償等請求事件、精算金請求事件 近藤忠孝弁護士 075(361)8061 サークルケイ・ジャパン(株) 「石川県内の日商平均は50万円」と告知したのに、売上実績は1日20万円に達しなかった事件について、判決は、「売上予測について、楽観的ないし強気の見通しをたてていた…しかも、その予測数値(日商32万円)の資料を原告に十分に提供しなかった点は、社会 […]
受領証に利息と表示すべきところを損害金と表示することは、債務者に対し、誤った情報を与えるもので、貸金業法18条の受領証の要件を欠くので、貸金業法43条のみなし弁済の適用はできず、利息制限法によるべきものとして、債務者に過払いの不当利得金44万円を命じた事例 福岡簡易裁判所 池田豊 平成12年(ハ)第4596号、平成12年(ハ)第12800号 2001年(平成13年)7月19日 貸金請求事件、不当利得返還請求反訴事件 山崎吉男弁護士 (株)シティズ 業者の利息制限法をこえる金利、遅延損害の請求に対して、貸金業法18条(受領証)43条の要件を満たさないとして、裁判所は次の判断をした。 「貸金業法1 […]
商工ファンドに対して過払い金の不当利得返還請求を求めた事案で、商工ファンドが過払い金の3分の2を支払い、担保提供者の不動産に登記された根抵当権設定登記の抹消登記手続をする旨の和解が成立した例 横浜地方裁判所 西村則夫 平成12年(ワ)第2944号 2001年(平成13年)7月11日 不当利得返還請求事件 武井共夫弁護士 045(663)6933 (株)商工ファンド 商工ファンドからの借入について、利息制限法による引き直し計算をし、過払いになったので、過払い金について、不当利得返還請求訴訟を提起した。 法律的争点は、みなし弁済の成否であるが、裁判所は、当初からみなし弁済の成立に否定的であり、過払 […]
住宅金融公庫等の長期ローンを利用して住宅を建築する顧客に対して、当該長期ローンによる返済を引き当てにしてノンバンク等からなされるいわゆる「つなぎ融資」につき、顧客がつなぎ融資と住宅ローンの2重債務を負担しなければならない事態が発生することを知っていたとすれば建築業者の勧誘に応じてつなぎ融資を受けることはなかったことは容易に推認されるとして、これは動機の錯誤であるが契約締結時に表示されたものであると認め、かつ要素の錯誤に該当するとして錯誤無効を認めた事例 福岡地方裁判所小倉支部 池谷 泉 平成10年(ワ)第201、202、203、205、496号 2001年(平成13年)6月29日 貸金等請求事 […]
日栄の手形貸付の個数を手形書替の系列ごとに分けた16個の取引と認定し、日本信用保証の保証料の主張を主張自体失当とした判決 札幌地方裁判所 川口泰司 平成12年(ワ)第139号 2001年(平成13年)5月23日 不当利得金等返還請求 荻野一郎弁護士 (株)日栄 本判決は、①貸付の個数について、日栄主張のように支払いのために振り出す約束手形ごとに貸付が成立するのか②日本信用保証が受領すべき保証料等もみなし利息とすることができるかという点について、①の点について、「日栄は、顧客から授受する利息制限法を超える利息等をその主要な財源とする。そして、顧客が継続して手形を決済し、その都度同利息を回収するこ […]
商工ファンドの取引については、貸金業規制法43条の適用は認められず、利息制限法を適用すれば、根保証人が支払った時点で既に主債務者は過払いとなっていたと認められるとして、根保証人が支払った500万円を不当利得として返還するよう命じた 大分地方裁判所 脇博人 平成12年(ワ)第663号 2001年(平成13年)6月27日 不当利得金返還等請求事件 河野聡弁護士 097(533)6543 (株)商工ファンド 2000年10月以降、商工ファンドは利息制限法引き直し残額による示談を行わず、貸金業規制法43条の適用を主張して訴訟で争う方針を取っているが、このような商工ファンドの主張が無理なものであることが […]
原告ら及び被告は、原告借主の被告に対する平成10年6月5日付金銭消費貸借契約にもとづく、350万円の貸付債務並びに原告保証人の被告に対する同日付、上記貸付債務にもとづく、連帯保証債務がいずれも存在しないことを確認して、原告らと被告とのあいだに一切の債権債務の無いことを確認した 盛岡地方裁判所一関支部 梅本圭一郎 平成12年(ワ)第105号 2001年(平成13年)7月18日 債務不存在確認請求事件 千田功平弁護士 0191(21)2417 (株)商工ファンド 本件訴訟は、原告が被告商工ファンドから金350万円を借りていたことから、任意整理で交渉中、利息制限法で引き直した残金を支払い、弁済完了の […]
貸金業者から主債務者への請求を過剰融資を理由に制限した事案。保証人とされる者に対する融資及び請求について過剰融資等を理由に不法行為責任を認め、業者に10万円の支払いを命じた事案 東京簡易裁判所 大山涼一郎 平成12年(ハ)第8502号、平成12年(ハ)16532号 2001年(平成13年)8月14日 貸金請求事件、(反訴)損害賠償請求事件 長田淳弁護士 048(645)2026 (株)イコー (事案) 本件の主債務者は、免責決定後、複数のといち業者等から借り入れをし、その返済資金のために紹介屋が紹介した出資法の範囲内の利率で融資する貸金業者から10万円を借り入れし、一度も返済することなく破綻し […]
コンビニフランチャイズ契約につき、サークルケイが契約を解除して、契約営業者の店舗から、物品搬出、看板撤去等をした行為について、不法行為として慰謝料100万円、弁護士費用150万円の損害を認めた事例 名古屋地方裁判所 佐藤修市・柴田憲史 平成10年(ワ)第744号、平成10年(ワ)第817号 2001年(平成13年)6月28日 保証金等返還請求事件、清算金請求事件 近藤忠孝弁護士 075(361)8061 サークルケイ・ジャパン(株) 1998年1月30日午前0時8分、契約解除と称して被告の60余名が原告の店舗に侵入し、物品搬出・看板撤去等を行い、原告の営業を不能にした事件であるが、判決は、この […]
軽貨物代理店商法において、求人募集会社と配送センター会社の双方に共同不法行為責任を認めた事例 東京地方裁判所 岩田好二 平成11年(ワ)第20091号 2001年(平成13年)7月31日 損害賠償請求事件 中村昌典弁護士 (有)クールシステム・クールライナー(株) 求人募集会社(クールシステム)は説明会にて原告(和食料理人・当時失業中)に「月額65万円以上の売上」を保証し、かつ実際の売上明細を見せるなどして原告を信用させ、契約に際しては車などのローンを含めて総額250万円を原告に支払わさせた。契約に際しての説明では「配送センター」とされていた部門は実際は別会社(クールライナー)であり、売上から […]
変額保険の勧誘に際しては、リスクを契約者の経済知識等に応じて具体的に理解させ、誤解なく判断できる程度の説明、相続税対策との関係では運用実績いかんでは効果がない結果となることを具体的数値を用いて説明する義務があると認めた事例 東京地方裁判所 平成8年(ネ)第1578号、同第1579号、同第1877号 2000年(平成12年)9月11日 損害賠償等請求控訴事件 高木宏行弁護士 日本生命保険相互会社、(株)東京三菱銀行、ダイヤモンド信用保証(株)、税理士松山隆司 本件訴訟は、相続税対策として、税理士、銀行員、保険会社外務員から勧誘を受け、所有不動産上に保証会社の根抵当権を設定し、銀行借入で一時払終身 […]
幸福の科学と幹部2人に対する損害賠償請求訴訟の原告代理人に対して、7億円の名誉毀損請求訴訟を提起したのは、「主に批判的言論を威嚇する目的をもって」した「違法なものといわざるを得ない」として原告側弁護士の反訴請求を100万円認容 東京地方裁判所 土屋文昭・神坂尚・今井理 平成9年(ワ)第84号と第15567号 2001年(平成13年)6月29日 損害賠償請求事件 山口 広弁護士 03(3341)3133 宗教法人幸福の科学 消費者問題で被害者の代理人になる弁護士が業者側から不当な攻撃を受けることは少なくない。このような攻撃には弁護士が連携して対処していくべきである。 判決は、幸福の科学の幹部のい […]
統一協会の伝道は、思想信条の自由を侵すおそれがある 札幌地方裁判所 佐藤陽一・本田晃・中里敦 昭和62年(ワ)第603号外 2001年(平成13年)6月29日 損害賠償請求事件 郷路征記弁護士 宗教法人世界基督教統一神霊協会 いわゆる「青春を返せ訴訟」 札幌地裁判決 統一協会の伝道が憲法の保証した思想信条の自由を侵害した違法行為であることを追求していた札幌の訴訟(いわゆる、青春を返せ訴訟)で札幌地方裁判所は、6月29日、画期的な判決を言渡した。判決の特徴は以下の点にある。 憲法の思想信条の自由について 宗教団体等の勧誘者側の権利について、被勧誘者である国民の思想信条の自由などによる内在的制約を […]
日掛け金融業者から借り入れた顧客の保証人となっていた者が、弁護士にその負債整理を依頼し、受任した弁護士が、ファクシミリによって、受任通知を日掛け業者にしたところ、その数十分後には、依頼人への直接取立をしたという事案に関し、この取立が債権回収行為として社会通念上許容される範囲を逸脱するとして、不法行為の成立を認め、慰謝料請求権を認めた事例 宮崎簡易裁判所 寺尾冨士男 平成13年(ハ)第1179号 2001年(平成13年)7月30日 損害賠償請求事件 宮田尚典弁護士 0985(22)0825 クレジットのアイリスこと(有)ハタノ興産 本件訴訟は、日掛け業者からの借入人のために保証人となっていた者が […]
対商工ファンド過払金請求事件で原告請求額の5割を支払わせることで和解した 宮崎地方裁判所都城支部 名越聡子 平成13年(ワ)第10号 2001年(平成13年)8月3日 過払金請求事件 佐々木健弁護士 0986(26)3331 (株)商工ファンド 平成13年8月3日、宮崎地方裁判所都城支部(名越聡子裁判官)において商工ファンドに対する過払金請求事件につき和解が成立しました。 本件は平成6年3月以来6回にわたり合計1600万円を借入れた原告(鉄筋会社)が平成12年12月まで元利金合計約3000万円を支払ってきたもので最終支払時点で利限法引き直しの計算で1126万円の過払金が生じていたものです。 当 […]
事実上離婚状態にあった夫(別居1年半)が、妻のカードを勝手に持ち出して、多額の買物をした事案で、夫はカード規約上の「会員の家族・関係者によって使用された場合」に該当しないとした例 長崎地方裁判所島原支部 野村 晴弘 平成11年(ワ)第76号 2001年(平成13年)7月31日 立替金請求事件 熊谷悟郎弁護士 095(822)5795 (株)十八カード 本件は、夫婦関係が破綻し、1年半程別居していた夫(暴力団関係者で、カードの偽造、変造団に関与していた)が、妻の留守中に自宅に侵入して、妻が銀行の勧めで使用する意思なく作らされた未使用のカードを盗み出して、7日間に集中的に不正利用を重ね135万円余 […]
(株)イッコーに対し過払金請求及び保証人に対する違法取立について慰謝料請求を認容した事例 神戸地方裁判所 前坂光雄 平成12年(ワ)452号 2001年(平成13年)7月18日 不当利得等返還請求事件 辰巳裕規弁護士 (株)イッコー 貸金業法43条の適用を否定し、利息制限法超過支払金についてはその都度別口残元本に法定充当をする計算方法により、平成6年1月24日から平成11年4月21日までの取引について、358万0139円の過払金を認容(請求額445万0262円)。また、保証人の勤務先に再三架電し、退職に追い込み、退職金より返済を受けせしめた取立行為が違法であるとして、慰謝料100万円が認容され […]
大阪地方裁判所 佐藤嘉彦・種村好子・頼晋一 違法要素 過当取引 過失相殺 5割 審級関係 業者名 東和証券(判決時の商号・つばさ証券) 2001年(平成13年)2月23日 認容金額 5366万1466円(但し証券会社からの立替金請求も2873万9754円認容) 掲載誌 未掲載 片岡利雄弁護士 06(6360)1811 本訴訟は、著名な料亭経営者の妻であって、平成5年以降は信用取引経験も有していた投資家が、平成7年から平成8年にかけてのオプション取引(日経225株価指数オプション)に関し、無断売買、取引無効、詐欺取消、さらには適合性原則違反・断定的判断の提供・損失補償約束・説明義務違反・過当売買 […]
大阪高等裁判所 岡部崇明・白井博文・古川行男 違法要素 手仕舞義務違反 過失相殺 8割 審級関係 一部逆転勝訴 業者名 日興證券 2001年(平成13年)2月16日 認容金額 169万6354円 掲載誌 未掲載 片岡利雄弁護士 06(6360)1811 事案は、医師である投資家が妻(中国人)を窓口に取引を行っていたところ、証券会社の勧誘により購入した海外発行の転換社債(オリンピックスポーツ)が発行企業の倒産によりデフォルトとなったため、信用リスクに関する説明義務違反、断定的判断の提供などを主張して証券会社に損害賠償を求めたというものである。1審では、投資家の主張はすべて排斥され、請求棄却となっ […]