日本は戦争をする国になろうとしているのか?

大阪弁護士会憲法特別委員会委員長 弁護士(大阪) 太田健義

1 重要土地等規制法

 最近は、あまりマスメディアでも取り上げられなくなったが、2020年9月20日から全面施行された「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」(重要土地等規制法)は、政府が安全保障上重要な施設(重要施設)の周辺や国境離島などを「注視区域」や「特別注視区域」として指定し、区域内の土地や建物の利用状況などを調査し、重要施設や国境離島などの機能を阻害する行為(機能阻害行為)が認められた場合に、土地などの利用者に対し、機能阻害行為の中止などの勧告・命令を行うこととされている。この「重要施設」の中には、自衛隊や米軍基地等以外に生活関連施設が含まれているため、原発などの施設も広く対象となる可能性がある。そして、内閣総理大臣が、指定区域内の土地等の利用者が自らの土地等を、重要施設等の「機能を阻害する行為」に供し又は供する明らかなおそれがあると認めるときには、刑罰の威嚇の下、勧告及び命令により当該土地等の利用を制限することができるとされている。しかし、「機能を阻害する行為」などというよ・・・

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