第10章 独占禁止法・景品表示法

弁護士(大阪) 山田祥也

第1 はじめに

 本稿は、概ね令和6年度及び執筆時点までに公表された独禁法・景表法に関連する判決、審決、排除措置命令、措置命令等のうち、広い意味で消費者問題と関連性があると考えられるものを中心に概観する。そのため、独禁法・景表法という観点からは重要なものであっても、消費者問題の観点では直接的ではない、又は必ずしも射程が広いわけではないものについては、簡潔な紹介に留めるか、又は紹介を割愛している。ご注意いただきたい。

第2 独占禁止法

1 私的独占

 以下の事案が存在するが、説明は割愛する。

 公取委確約認定令和6年4月22日公取委ウェブサイト(Google事件1

2 企業結合

 以下の事案が混在するが、説明は割愛する。

 公取委公表令和6年1月31日公取委ウェブサイト(大韓航空・アシアナ航空2

3 不当な取引制限

 以下の事案等を含めて多くの事案が存在する(紙幅の関係もあり公表されている事案をすべて掲載しているわけではない)。説明は一部事案を除いて割愛する。

(1)公取委排除措置命令・課徴金納付命令令和6年3月4日公取委ウェブサイト(中部電力事件〔1〕)

 本件は、特定大口都市ガスの見積り合わせ・・・

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