弁護士(大阪) 西村陽子
前回白書以降、140号から143号までの特定商取引法関係の判決は、以下のとおり、3件の判決がある。
〔1〕は、屋根工事のいわゆる「点検商法」に関するものであり、被告から故意に屋根を破壊された建物所有者及び修理工事代金を保険金として支払った保険会社が損害賠償請求をした事案である。本判決は、被告代表者が訪問先住宅の屋根を壊して保険金を騙し取ろうとして再逮捕された際に容疑を認めたと報道されていること、被告が関与した風災に係る保険金請求のうち8割は故意による損害が疑われ保険金支払いの対象外とされていること、点検前日に屋根修理が完了したばかりの原告がいるなど原告らの自宅屋根に実際に修理を要するような棟板金の剥がれなどの損傷や貫板の腐食があったとは考えにくいことなどの事情を総合し、被告は、保険金名目で修理費用を取得しようとして原告らの自宅屋根を故意に損壊したものであると認定し、自宅所有者である原告に対しては屋根の修理費用額について、保険金を支払った保険会社に対してはその支払額についての損害賠償請求を認めた。
〔2〕は、いわゆる「レスキュー商法」による被害についての集団訴訟である・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。