(公社)全国消費生活相談員協会九州支部 伊豆友紀
私が勤務する福岡県宗像市消費生活センターでは毎年同市にある福岡教育大学の新入生対象に消費生活講座を行っている。内容としては主に契約の基礎から若者が遭いやすいトラブル事例だ。そんななか、平成28年に同大学家政科で当時講師をされていた奥谷めぐみ先生から例年の講座とは別枠で新たな消費者啓発講座をお願いしたいと連絡があった。それは「小学校の教員を目指す学生対象の講座」である。奥谷先生は消費者教育を専門として大学で研究され、国民生活センターや消費生活センターを身近に感じておられたが、大学の教員だけでは消費者教育についての知識や理解に限界があり、体験的に学ぶためにも消費生活センターとの連携は必要不可欠であるとの考えから、これから教員となる若者に向けて、日々相談業務に取り組んでいる相談員に実際の現場の話を聞きたいと連絡いただいたのだ。そこで初めて、私たちが啓発しているのは「学生」ではなく、「将来子どもたちを導く立場にある若者」であることに気が付いた。そこから学生を通して子どもたちに相談員として何をどう伝えるべきか考え始めた。
講座の内容として学生に伝えた
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