食の安全・市民ホットライン事務局長 西原崇文
序論
2010年10月開設以来、食の安全・市民ホットライン(以下ホットラインとする)には、様々な情報が寄せられ続けている。しかし、「真偽不明」と判別された情報は、世情の混乱を招くため、原則として一般公開をしていない。その理由は、万が一、誤った情報の場合、不具合などの名指しされた相手方(事業者など)に、回復不能の損害を与えるからである。一方で、大多数の情報を非公開との対応にすると、ホットラインの本来の目的が果たせない。そこで、本稿では、長年のホットライン運用で役立った「真偽不明情報」に対する判別方法について論じる。
ホットラインで使用している主な「情報」における真偽判別方法
ホットラインへ情報提供があった場合、第一に、ホットライン事務局による、インターネットの検索サイトを用いた「関連情報」の収集調査を行ったうえ、ホットライン内にて、当該情報の真偽の判別を行っている。例えば、ホットラインにて、農産物における「朝どり」表示問題を扱った際、「朝どり」の社会通念上の定義についてネット調査を実施した。また、上記の調査活動を踏まえても、確信を得ない「真偽不明の情・・・
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