食の安全・監視市民委員会共同代表 山浦康明
1)米価が昨年から2倍以上高騰するなど食品の値上がりに私たち消費者は今苦しんでいる。2025年3月のコメの消費者価格は、‘24年の同時期と比較して2倍の4206円であり、政府の備蓄米放出も価格高騰に対して引下げ効果は限定されており、高止まりしている銘柄米との二極分化の様相も呈している1。さらにペットボトル、チョコレート菓子、牛めしをはじめ、25年4月には4千品目が値上げされ、今年は最大2万品目が値上げされる見通しである2。
メディアでは健康食品が大々的に宣伝され、消費者をまどわしてもいる3。国の物価対策も効果はみられず、景気回復を多くの人々は実感できていないと思われ、消費者の将来に対する不安は増すばかりである。
2)この背景には、3年にも及ぶロシアのウクライナ侵攻をはじめとする世界各地の紛争の拡大により資源の流通が混乱していること、米国トランプ政権がもたらす、関税政策をはじめとする一方的なルールの変更の強制など、貿易ルールや法的仕組みがないがしろにされて、これまでの常識が通用しなくなっている状況がある4。
この問題は自由貿易主義に対するかつての重商主・・・
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