弁護士(東京) 河合敏男
1 前回説明したことを復習すると、型式適合認定住宅の認定を受けた建物は、その型式どおり建築すれば、工法等の一連の規定に適合した建物とみなされ、構造計算書等の提出は省略される。もちろん、具体的な建物の建築にあたっては、設計図書が同型式認定に適合していることの照合と、施工がその設計図書どおりに施工されていることの照合は必要である。しかし、これとセットで制度化された型式部材等製造者認定制度によれば、この認定を受けた業者作成の設計や部材については型式に適合しているとみなされ(確認審査における照合の省略)、更に建築士である工事監理者が設計図書どおりに施工されたことを確認した場合には、施工上の検査も省略できる(検査における照合の省略)。
2 この二つの制度によって、同一規格の建物を大量に供給するハウスメーカーは、個々の建築ごとに設計図書の確認審査手続や検査手続きの多くを省略できるため、業務の効率化を図ることができる。施工者側にとっては大きなメリットである。規格化された工法や材料による建築となり、工期を短縮できる、職人の技術の巧拙によるバラツキが生じにくいというメリットもあろう。
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