弁護士法人大本総合法律事務所への申入れ

消費者被害防止ネットワーク東海検討委員 弁護士(愛知) 中根祐介

 当法人が行った、弁護士法人大本総合法律事務所の委任契約書(以下「本契約書」といいます)への申入れについて、報告します。

1 申入れの経緯

 申入れ先との委任契約において、着手前に委任を取りやめたが、着手金の返還がなされない事案があった旨の情報提供を受け、本契約書を確認したところ、委任契約が中途で終了した場合の①着手金不返還条項、②未払着手金についての支払義務条項、③成功報酬支払義務条項、などが含まれていたことから、申入れを行うことになりました。

2 申入れの内容

(1)着手金不返還及び未払着手金支払義務条項

 本契約書には、委任契約が中途で終了した場合に、その理由の如何を問わず、①着手金の不返還、②未払着手金の支払義務が定められていました。

 これらの条項は、着手金相当額を必ず受任者が取得できることとすることで、本来返還すべき着手金がある場合でも、その部分を返還しないことにより不返還部分が違約金として機能することから、不返還部分が受任者の平均的な損害を超えるときは、消費者契約法(以下「法」といいます)9条1項1号により無効となります。

 また、・・・

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