(公社)全国消費生活相談員協会消費者教育研究所 矢吹香月
1 はじめに
若年者の消費者被害の実態は、当誌第141号で当消費者教育研究所雪研究員が、20歳代になるとクレジット・サラ金強要商法(以下、「クレ・サラ強要商法」という)による消費者被害が急増している実態を提示し、消費者教育の重要性を記した(109頁)。
国民生活センターが令和6年8月7日公表した、「2023年度全国消費生活相談の状況─PIO-NETより─」の販売方法・手口別にみた相談の特徴においても、第20位のクレ・サラ強要商法は、20歳代が63.1%を占め、内職・副業などの契約に伴う被害が、20歳代を中心に広まっている現状が示されている。
若年者へのクレ・サラ強要商法が後を絶たない要因の一つとして、貸金総量規制対象外となる銀行の個人向けカードローンや後払い決済等で、規制が骨抜き状態であることが考えられる。若年者にとっては、金銭管理が難しく、消費者教育だけでの対応は困難であるが故、早急な規制強化が求められる。
本稿においては、紙幅の関係で指摘のみにとどめ、20歳前後の若年者の消費者被害を食い止める手段としての消費者教育を、消費者市民社会の・・・
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