紅麹サプリによる健康被害について

弁護士(大阪) 西村諭規庸

1 はじめに

 令和6年3月22日、小林製薬株式会社(以下「小林製薬」という)は、同社が製造販売した機能性表示食品である紅麹成分を含むサプリ「紅麹コレステヘルプ」等(以下「本件サプリ」という)を摂取した消費者について、腎疾患等の健康被害が生じている疑いがある旨公表した。

 上記公表時点では、腎疾患等の健康被害の原因物質の特定には至っておらず、本件サプリと健康被害との間の因果関係は不明な状況だったが、大阪弁護士会消費者保護委員会では、早期に被害実態を把握、解明し、あるべき被害者救済を検討する必要があると考えたため、令和6年4月26日、27日の2日にわたって、紅麹サプリ健康被害110番(以下「110番」という)を実施することに決めた。

 なお、令和6年9月18日になって、厚生労働省が、本件サプリによる腎疾患等の健康被害の原因物質が青カビ由来のプべルル酸である旨の調査結果を公表した。

2 110番の実施

 110番には大阪弁護士会消費者保護委員会に所属し、製品事故や食品事故の被害救済に詳しい約20名の弁護士が参加した。

 2日間で、合計80件の電話があり、本件サプリに関連する電話は50件・・・

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