公益社団法人・適格消費者団体 全国消費生活相談員協会関西支部 黒田美佳
1 美容医療の相談と背景、問題点
2023年度の国民生活センターの全国の消費生活相談状況によると医療に関する相談は商品・役務別では前年度比131%で増加が目立った。大阪府内の消費生活相談状況でも、2023年度の美容医療の相談件数は、前年度比195%と高い増加となった。20代から30代に多い相談である。増加の背景には、①脱毛クリニックの倒産、②SNSでの安価な広告や専門クーポンサイトなどで美容医療の敷居が低くなったこと、③コロナ禍を機にオンライン診療の規制緩和によりオンライン診療で処方薬を販売するAGAや美肌、ダイエットなど美容医療のサイトが増加したこと、などがあげられる。美容医療については危害トラブルもあるが、契約トラブルに絞っても、①広告よりはるかに高額な契約をさせられる、②コンプレックスを持っている消費者の不安をあおる勧誘が多い、③今日契約すれば安くなるといわれ即日施術をすすめられ契約に至る、④自由診療のため高額で信販会社のローン契約が多く手数料を含め多額の返済になる、⑤定期的に処方薬が届く定期購入になっていて途中・・・
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