京都大学法科大学院非常勤講師(消費者法) 弁護士(京都) 住田浩史
1 はじめに:レスキュー商法とは
レスキュー商法は、Googleに広告を出し、トイレつまり、水漏れ、害虫・害獣駆除、鍵紛失、車の故障、漏電など消費者が陥る「困った事態」につけ込んで、多額のお金を取る悪質商法である。どの業者もサイトでは「1000円〜」という安価な料金を表示しているが、実際には、その数十倍〜数百倍の費用を請求されることになる。
消費者は、これをその場で断ることは容易ではない。
なぜなら、レスキュー商法の違法性を端的に認定した京都地裁令和6年1月19日判決1が判示するとおり、「家庭の水回りの工事にはどのような作業が必要であるか、どの程度の費用がかかるのかは一般人では判断するのが困難」「家庭の水回りのトラブルは早急に修理しなければ家人に著しい不便が生じるものであり、原告らが上記被告らの説明に納得できなくても、別の修理業者に依頼することは著しく困難な状況」「契約締結を断れば、修理は中途半端に終ってしまうのに費用は一定額支払うことになるという不利益の下、原告らをして実質的に契約締結を断る事ができない状態に置き、完全に修理・・・
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