弁護士(大阪) 木村達也
1 はじめに
米国次期大統領選挙の候補者選びは、民主党はバイデン現大統領からハリス副大統領に突然変更となり、共和党のトランプ陣営も選挙戦術の変更を余儀なくされて、大騒動となった。とはいえ、今回の大統領選挙候補者変更のドラマは米国民主主義の健全性を示すものと解釈できる。米国だからこそ国民の前で公然と候補者の是非について議論が行われ、選挙によって権力が移譲される。ロシアや中国、北朝鮮、その他発展途上国などではこうしたドラマは起こり得ず、社会の裏面での権力闘争やテロ、暗殺事件、暴動と化してしまうのである。血を見ない権力闘争のドラマは民主政治の基本でなければならない。それと同時に、私は今回の大統領候補者選びの背景で行われた米国での政治献金者や献金グループの動きに注目している。
バイデンからハリスへの候補者変更につれて、これに賛同して政治献金先が変更され、その金額も短期間で100億円を超えると公然と報じられている。また、ハリス氏の人気上昇に吊られてトランプ氏より献金額が3倍にも増加したという。日本の政治献金は常に贈収賄の臭いが付きまとい、マスコミはこれを報道せず、報道されとき・・・
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