黒船(オンライン賭博)が押し寄せてくる

社会活動家 司法書士 新川眞一

プロローグ

 幕末の頃までは、我が国では庶民は薪や木炭で生活し、海路輸送は櫓や帆に頼っていた。そんな時代に、海の向こうから巨大な蒸気船(黒船)が日本に強襲し、国家と国民が一挙にその勢いに飲み込まれた時代があった。

 ただでさえ我が国はいま、公営ギャンブルのほかパチンコなどがギャンブル市場を支配するギャンブル大国であり、そのうえさらにIR型のカジノまでやろうと企まれている。それでもこれから触れる「オンラインギャンブル」の世界から見れば、それらの市場規模は薪や木炭、櫓帆船の程度にすぎない。

 そこへ押し寄せようとしている黒船(オンラインギャンブル)は、ひとたまりもないほどの甚大な被害を我が国にもたらす結果となるのではないかとの危惧を私は抱いている。

1 法規制が皆無に近い状態のオンラインギャンブル

 コロナ禍を経て、公営ギャンブル投票はそれまで主だった来場型からスマホ型へと一変した。令和4年頃には全体の8割がスマホ投票となり、そして売上げもコロナ前の約2倍に増加している。こうしたギャンブルのオンライン化は世界的な趨勢であり、イギリスなど諸外国もその規制に乗り出し始めてはいるよう・・・

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