クレジット被害救済・地方消費者行政充実対策全国会議 弁護士(埼玉) 池本誠司
はじめに
消費者庁創設以来、国(消費者庁)から地方自治体に向けて地方消費者行政活性化・充実・強化交付金が継続的に交付されてきたことにより、都道府県・市町村の消費生活相談体制や消費者啓発・教育などが整備されてきた。しかし、今、その分岐点にある。
本稿は、クレサラ・生活再建問題被害者交流集会第7分科会「地方消費者行政の課題と展望」において報告した概要を紹介するものである。そして、各地から国に対し、地方消費者行政の相談体制の維持強化のため交付金の継続を求める意見書を提出していただくことを呼び掛ける。
消費者庁創設時の地方消費者行政の位置付けと交付金
消費者庁創設前の10年間(1998年⇒2008年)の地方消費者行政の推移は、自治体全体の予算額が約39%減少し、担当職員数が約45%減少するなど、崩壊寸前であった。そこで、消費者庁創設に向けた2008年6月27日閣議決定「消費者行政推進基本計画」は、次のような提言をした。
消費者被害は地域の消費者の生活の場で発生しているものであり、「霞が関に立派な新組織(消費者庁)ができるだけでは・・・
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