弁護士(福岡) 曽里田和典
1 「シー・ティ・エヌ事件」について
株式会社シー・ティ・エヌ(本社:東京都渋谷区代々木。以下、「CTN」という)は、「銀行や生保、証券会社等の機関投資家は、大量の株主優待券を保有しているが、それを表立って換金することができないため、機関投資家が株主優待券を内密に売却するための入札制度が存在する」「当社は、『大黒屋』などとともにその入札制度の参加資格を有している」「安価で落札した株主優待券などを金券ショップや旅行代理店に売却することによって大きな利益が得られる」などとして、「株主優待券ビジネス」により月利5~20%もの高利の配当が得られると謳い、「株主優待券は担保にならず、銀行から融資を受けられないため、入札代金を預託して欲しい」として、元本保証のうえ、「預り金」の名目で200億円以上もの資金を集めた。しかし、実際には、高配当を裏付けるような業績は上げておらず、預り金の多くをそのまま配当に回す自転車操業の状態であったため、2019年(令和元年)6月頃にはCTNからの配当が停止して経営破綻に至り、多数の被害を生み出した、大規模な投資被害事件である。
2 破綻後のCT
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